定家本「源氏物語」本文の研究――漢字仮名字母翻字法が切り拓く新たなる文献学的研究――(2023年2月16日現在)

  はじめに

 源氏物語の本文研究は、かつての本文系統の研究から、次の段階の写本関係の研究へと進んで行かなければならない。

 例えば、源氏物語におけるいわゆる青表紙本系統内における写本どうしの関係の問題についてである。
 藤原定家が制作に関わった源氏物語には、枡形六半本型源氏物語と縦長四半本型源氏物語の少なくとも2種類の源氏物語があり、そしてまた、定家が校訂したいわゆる青表紙本は、2乃至3のグループに分類されることまでが明らかになっている。

 しかし、それらがどのような関係にあるのか。これから解明されていかなければならない問題である。

 例えば、枡形六半本型源氏物語と縦長四半本型源氏物語との成立に関する先後関係の問題をはじめ、青表紙原本・明融臨模本・大島本グループと池田本・御物本・横山本・榊原家本等の鎌倉期写のいわゆる青表紙本グループとの関係、さらには室町期写にはなるが、三条西家本グループを含めての関係等々。定家本「源氏物語」の写本間の問題は未解決である。

 そうした問題について、どうしたら、それに答えることができるのか。

 それには、諸本間の本文の異同のレベルを超えて、表記のレベルまで掘り下げて追究していかねば見えてこないのではないか。

 定家本原本(定家監督本含む)といわれる写本の中でも、藤原定家親筆のものには定家特有の書写方法や書き癖が認められる。そして、別人(祐筆)が書写したものには、定家のそれとは違った書写者それぞれ固有の書写方法や書き癖が現れている。

 そうした書写者の意識的な書写様式から、仮名遣い、漢字と仮名の表記、さらには使用する字母と字形の種類やその使用傾向等の無意識的な書き癖までを解明していくことによって、同グループ内の、あるいは近しい写本間のさらなる関係解明に近づいて行くことができるのではないか。

 以下、現時点における私の「定家本「源氏物語」生成」に関する見取り図を記そう。

1.藤原定家は、元仁2年(嘉禄1)年2月16日に、家中の小女等をして昨年来書写させていた「源氏物語」を完成させた(自筆本奥入に遺された巻尾本文は、すべて女手による筆者のようで、定家の筆跡は見られない)。

2.これを台本にして、本文の校訂を開始し、併せて、各巻末に「源氏釈」の注釈を転写した(枡形六半本型源氏物語の成立 本文の校訂跡と奥入に定家の筆跡が残る)。

3.定家はさらに本文校訂と注釈研究を続け、その過程で、縦長四半本型源氏物語を作成した。これには自らも筆を執り一部の巻を書写し、他は祐筆たちの協力によって完成させた。その際に、比較的に短い和歌や漢詩句等の注記は本文中に付箋で指摘し、長文となるような故事や歌謡等は巻末に奥入として記載する方針を採った。なお、この本では、本文中に振り漢字や事書標題などを注記した巻もあった(縦長四半本型源氏物語の成立 青表紙原本および明融臨模本)。

4.その後も定家は、本文校訂と注釈研究を続けたが、晩年(天福年間の出家後)に、物語本体(源氏物語)と注釈部分(奥入)とを切り離すことにした(「自筆本奥入」が現存、物語本体は散逸した)。

5.切り離された後の「源氏物語」と「奥入」が流布して現在に至っている。前者の代表的な写本として、池田本や御物本、横山本、榊原家本等の鎌倉期古写本があり、後者は自筆本奥入とその転写本、そして注釈研究の途上で生まれた異本系奥入や別本系奥入がある。

 最後に、大島本について付言しておこう。大島本「源氏物語」(53冊)のうち、青表紙原本および明融臨模本等と同様に、引き歌を付箋で貼付した巻が少なくとも10巻ある。それらの巻は「宮河」印のある巻でもあるが、明融臨模本が親本の青表紙原本の付箋をその形態のままに書承したのと同様に、大島本の付箋もそうであるとすれば、その親本はあるいは青表紙原本であったのではないか、という可能性がでてくる。大島本の「行幸」「早蕨」巻はそのことを窺わせる。一方、付箋の無い大島本の「若紫」「柏木」巻は、青表紙原本グループの本文とは言いながらも少し違っている。それは狼藉な室町期写本であるがゆえか、それともまた別の事情によるのか、未詳である。今後の研究に俟つところである。以上。

  目次

  序章 定家本「源氏物語」の本文研究史

    第1節 池田亀鑑『校異源氏物語』『源氏物語大成』の成果と問題点(平成27年5月6日)
    第2節 池田亀鑑後の「源氏物語」本文研究と問題点(平成27年5月6日)

  第1章 定家本原本「源氏物語」本文の再検討

    第1節 定家自筆本『奥入』所載「源氏物語」(枡形六半本)の末尾本文と抄出本文(平成28年6月10日掲載)
     はじめに
     1 定家自筆本「奥入」巻尾本文の再検討
     2 定家自筆本「奥入」抄出本文の再検討
     3 枡形六半本「源氏物語」本文の性格
     おわりに・注

    第2節 青表紙原本「源氏物語」(縦長四半本 5帖)の性格

     はじめに(2020年4月21日)
     1 青表紙原本「源氏物語」5帖の本文書誌(2020年3月19日)
     2 青表紙原本「源氏物語」5帖の一面書写行数(2020年4月21日)
     3 青表紙原本「源氏物語」5帖の行頭字母の書き分け(2020年5月19日)
     4 青表紙原本「源氏物語」5帖の和歌の書写様式(2020年6月15日)
     5 青表紙原本「源氏物語」5帖の付箋朱合点奥入傍記(2020年10月1日)
     6 青表紙原本「源氏物語」5帖の本文訂正跡(2020年12月23日)
     7 青表紙原本「源氏物語」5帖の字母の種類と使用傾向(2021年1月28日)
     8 青表紙原本「源氏物語」5帖の漢字表記(2021年2月25日)

  第2章 明融臨模本「源氏物語」(東海大学蔵8帖)本文の再検討

    第1節 親本が全文定家筆であろうと推定される巻――「桐壺」「花宴」「橋姫」(2021年4月23日)
    第2節 親本が定家と別人に依る寄合書であろうと推定される巻――「柏木」「浮舟」(2021年6月9日)
    第3節 親本が全文別人筆であろうと推定される巻――「帚木」「若菜上」「若菜下」(2021年7月28日)

  第3章 大島本「源氏物語」(53帖「浮舟」欠)本文の再検討

附.渋谷栄一論文目録(平成26年4月1日現在)

  目次

1『源氏物語』関係
 (1)藤原定家と『源氏物語』本文の生成過程(平成年3月〜平成26年3月 16編)
 (2)藤原定家と『源氏物語』注釈の生成過程(平成6年3月〜平成19年12月 6編)
 (3)その他・本文研究関係(平成7年3月〜平成26年2月 10編)
 (4)主題論関係(昭和51年12月〜平成元年3月 6編)
 (5)表現論関係(昭和53年3月〜平成3年9月 10編)
 (6)書評その他(昭和57年7月〜平成24年6月 14編)

 2『源氏釈』関係
 (1)『源氏釈』の研究〔資料編〕(平成元年12月〜平成10年2月 31編)
 (2)『源氏釈』の研究〔研究編〕(昭和57年12月〜平成20年9月 12編)

 3『都氏文集』関係
 (1)都氏文集(昭和53年6月〜昭和62年3月 6編)
 (2)都良香(昭和55年12月〜昭和63年3月 4編)

 1『源氏物語』関係
 (1)藤原定家と『源氏物語』本文の生成過程
  1.「藤原定家と『源氏物語』校訂――定家自筆本『奥入』所載「源氏物語」巻尾本文における本文校訂――」(『日本文学の伝統と創造―阿部正路博士還暦記念論文集―』所収、83〜96頁 教育出版センター 平成5年3月)
  2.「藤原定家と『源氏物語』校訂(二)――定家自筆本『奥入』所載「源氏物語」巻尾本文における仮名遣訂正――」(『日本文学論究』第52冊 13〜22頁 國學院大學国文学会 平成5年3月)
  3.「藤原定家と『源氏物語』校訂――定家本「花散里」「柏木」「早蕨」・付「行幸」における本文校訂――」(『論集源氏物語とその前後4』所収、219〜247頁 新典社 平成5年5月)
  4.「定家自筆本「奥入」所引「源氏物語」本文をめぐって」(『中古文学』第51号 29〜37頁 平成5年5月)
  5.「大島本「柏木」巻の本文について――大島本の本文校訂を中心として――」(『国学院雑誌』第95巻6号 12〜24頁 平成6年6月)
  6.「定家本「源氏物語」の生成過程について――「桐壺」を中心として――」(『源氏物語とその前後研究と資料』(古代文学論叢第14輯所収、167〜197頁 武蔵野書院 平成9年7月)
  7.「定家本『源氏物語』本文の生成過程について――明融臨模本「帚木」を中心にして――」(『論叢源氏物語1 本文の様相』所収、66〜103頁 新典社 平成11年6月)
  8.「定家本「源氏物語」の生成過程について――明融臨模本と大島本「若菜上」を中心に――」(『源氏物語本文の再検討と新提言1』(平成19年度科学研究費補助金基盤研究(A)研究成果報告書 141〜150頁 平成20年3月 國學院大學)
  9.「定家本「源氏物語」の生成過程について――明融臨模本と大島本「花宴」を中心に――」(『国学院雑誌』(第109巻10号 99〜110頁 平成20年10月 國學院大學)
  10.「縦長四半本・藤原定家筆「源氏物語」と大島本との関係について――大島本が定家筆本に最も近似する本文であることの再確認と問題点――」(『高千穂論叢』第45巻第1号 1〜29頁 平成22年5月 高千穂大学)
  11.「藤原定家筆「源氏物語」(四半本系原本4帖)の本文資料の再検討――「柏木」巻の定家筆と非定家筆との相違を中心に――」(豊島秀範編『源氏物語本文の研究』 所収28〜88頁 文部科学省研究費補助金 基盤研究(A)「源氏物語の研究支援体制の組織化と本文関係資料の再検討及び新提言のための共同研究」課題番号[19202009]研究代表者豊島秀範 國學院大學文学部日本文学科 2011年3月)
  12.「明融臨模本「花宴」帖の親本の性格について――一面行数と和歌の書写様式及び用字表記法を中心にして――」(豊島秀範編『源氏物語本文のデータ化と新提言T』 所収17〜31頁 文部科学省研究費補助金 基盤研究(C)「源氏物語本文関係資料の整理とデータ化及び新提言に向けての再検討」課題番号[23520241]研究代表者豊島秀範 國學院大學文学部日本文学科 2012年3月)
  13.「明融臨模本「橋姫」帖の親本の性格について――一面行数と和歌の書写様式及び用字表記法・訂正方法を中心にして――」(『高千穂論叢』第47巻第2号 1〜18頁 平成24年9月 高千穂大学)
  14.「明融臨模本「浮舟」帖の親本の性格について――一面行数と和歌の書写様式及び定家仮名遣いを中心にして――」(『高千穂論叢』第47巻第3号 1〜24頁 平成24年11月 高千穂大学)
  15.「明融臨模本「桐壺」「帚木」「若菜上」「若菜下」帖の親本の性格について――定家親筆と非定家筆との相違及び非定家筆本の差異性を中心にして――」(豊島秀範編『源氏物語本文のデータ化と新提言U』 所収60〜88頁 文部科学省研究費補助金 基盤研究(C)「源氏物語本文関係資料の整理とデータ化及び新提言に向けての再検討」課題番号[23520241]研究代表者豊島秀範 國學院大學文学部日本文学科 2013年3月)
  16.「明融臨模本「源氏物語」の親本の性格について――本文一筆の本文訂正跡を中心にして――」(豊島秀範編『源氏物語本文のデータ化と新提言V』 所収72〜93頁 文部科学省研究費補助金 基盤研究(C)「源氏物語本文関係資料の整理とデータ化及び新提言に向けての再検討」課題番号[23520241]研究代表者豊島秀範 國學院大學文学部日本文学科 2014年3月)

 (2)藤原定家と『源氏物語』注釈の生成過程
  1.「藤原定家と『源氏物語』注勘――「柏木」巻における尊経閣文庫本・明融臨模本・大島本の奥入・付箋・行間注記・朱合点等の関係を中心として――」(『日本文学論究』第53冊 44〜53頁 平成6年3月 國學院大學国文学会)
  2.「藤原定家の「源氏物語」注釈とその継承について――明融臨模本の付箋を中心として――」(『王朝文学史稿』第21号 250〜258頁 平成8年3月 國學院大學王朝文学史研究会)
  3.「藤原定家の『源氏物語』注釈とその継承について(上)――大島本の付箋を中心として――」(『国学院雑誌』第97巻5号 27〜40頁 平成8年5月 國學院大學)
  4.「藤原定家の『源氏物語』注釈とその継承について(下)――大島本の付箋を中心として――」(『国学院雑誌』第97巻6号 14〜24頁 平成8年6月 國學院大學)
  5.「定家本『源氏物語』の付箋と書入注記――その成立過程と伝流状況について――」(『講座源氏物語研究』第3巻「源氏物語の注釈史」所収、32〜54頁 おうふう 平成19年2月)
  6.「藤原定家の「源氏物語」行間注記の注釈史的意義について」(『高千穂論叢』第42巻3号 1〜22頁 平成19年12月 高千穂大学)

 (3)その他・本文研究関係
  1.「國學院大學図書館蔵伝藤原為家筆「源氏物語 花宴」(一軸)について」(『國學院大學図書館紀要』第7号 33〜55頁 平成7年3月 國學院大學図書館)
  2.「藤原伊行の古典籍書写と物語注釈――『和漢朗詠集』と『源氏釈』の「古今集」歌を中心に――」(『高千穂論叢』第42巻4号 1〜31頁 平成20年2月 高千穂大学)
  3.「岩国・吉川家本「源氏物語」の巻頭目録と事書標記について 付・翻刻」(『高千穂論叢』第43巻1号 1〜33頁 平成20年5月 高千穂大学)
  4.「岩国・吉川家本「源氏物語」の巻末系図と人物呼称について 付・翻刻」(『高千穂論叢』第43巻2号 1〜17頁 平成20年8月 高千穂大学)
  5.「平安末期における「源氏物語」の抄出書写――国宝『源氏物語絵巻』絵詞と藤原伊行『源氏釈』抄出本文を中心として――」(『日本文学論究』第66冊 79〜87頁 平成19年3月 國學院大學国文学会)
  6.「国宝『源氏物語絵巻』「竹河」絵詞の表現世界について」(『源氏物語の新研究――本文と表現を考える』所収、351〜368頁 新典社 平成20年11月)
  7.「国宝『源氏物語絵巻』「御法」の絵と詞について」(『源氏物語本文の再検討と新提言2』平成19年度科学研究費補助金基盤研究(A)研究成果報告書 136〜148頁 平成21年3月 國學院大學)
  8.「岩国・吉川家本「源氏物語」(毛利家伝来)と「七毫源氏」の巻頭目録と事書標題について 附表・河内本源氏物語の巻頭目録と事書標題――河内方の初期の注釈研究と人物呼称を中心に――」(『源氏物語本文の再検討と新提言4』平成19年度科学研究費補助金基盤研究(A)研究成果報告書 73〜133頁 平成23年3月 國學院大學)
  9.座談会「源氏物語本文研究の現状と課題」(司会・豊島秀範:伊藤鉄也・渋谷栄一・田坂憲二・中村一夫 『國學院雑誌』第113巻2号 平成24年2月)
  10.「河内本「源氏物語」の巻頭目録と書入注記をめぐって――河内方注釈書の生成と読みのありよう――」(日向一雅編 『源氏物語注釈史の世界』所収、117〜141頁 青簡舎 平成26年2月)

 (4)主題論関係
  1.「源氏物語の構造に関する一考察――澪標の巻論――」(『源氏物語研究』第4号 38〜49頁 昭和51年12月 國學院大學源氏物語研究会)
  2.「夕霧と柏木――光源氏的世界とのかかわりを中心に――」(『文学研究科論集』第7号 25〜36頁 昭和54年12月 國學院大學文学研究科)
  3.「源氏物語に於ける「心の執」について」(『文学・語学』第86号 90〜101頁 昭和54年12月)
  4.「光源氏の物語前史における一問題――帝の「御心移ろひ」を中心として――」(『高千穂論叢』昭和59年度(2) 191〜234頁 昭和60年 高千穂商科大学)
  5.「源氏物語における「心移ろひ」について――光源氏周辺の人々を中心として――」(『日本文学論究』第45冊 52〜60頁 昭和61年3月 國學院大學国語国文学会)
  6.「源氏物語の本文と解釈に関する一考察――「朝顔」巻の「いささか分くる御心もとりかさねつべし――」(『日本文学論究』第48冊 48〜57頁 平成元年3月 國學院大學国語国文学会)

 (5)表現論関係   1.「藤裏葉巻 藤花の宴をめぐって――虚構の時間的方法――」(『國學院大學大学院紀要』第9輯 115〜132頁 昭和53年3月 國學院大學)
  2.「花散里考――夏と抒情性の背景――」(『源氏物語研究』第7号 27〜40頁 昭和54年12月 國學院大學源氏物語研究会)
  3.「花散里試論――六条院における紫の上の脇役としての意味――」(『高千穂論叢』昭和56年度(1) 115〜126頁 昭和56年 高千穂商科大学)
  4.「『源氏物語』の表現と方法――「二月」の月次明記を中心として――」(『日本文学史の新研究』所収、59〜72頁 三弥井書店 昭和59年1月)
  5.「源氏物語の季節と物語――春」(『高千穂論叢』昭和63年度(1) 149〜179頁 昭和63年 高千穂商科大学)
  6.「源氏物語の季節と物語――夏」(『高千穂論叢』昭和63年度(2) 67〜102頁 昭和63年 高千穂商科大学)
  7.「源氏物語の季節と物語――秋」(『高千穂論叢』昭和63年度(3) 151〜17>頁 平成元年 高千穂商科大学)
  8.「源氏物語の季節と物語――冬」(『高千穂論叢』第24巻1号 189〜218頁 平成元年6月 高千穂商科大学)
  9.「源氏物語の季節と物語――歳時表」(『高千穂論叢』第24巻2号 135〜169頁 平成元年9月 高千穂商科大学)
  10.「源氏物語の自然――浮舟物語と「雨」――」(源氏物語講座第5巻『時代と習俗』所収、128〜138頁 勉誠社 平成3年9月)

 (6)書評その他
  1.「拾遺集の美意識についての一考察――藤の花の歌の部立を中心として――」(『和歌文学研究』第45号 1〜12頁 昭和57年7月)
  2.「怪異文学を支える表現構造について――「菊花の約」から「白鷺」へ――」(『高千穂論叢』昭和59年度(1) 91〜120頁 昭和59年 高千穂商科大学)
  3.「源氏物語の古注釈」(『国文学 解釈と教材の研究』第40巻3号「源氏物語を読むための研究事典」 34〜36頁 平成7年2月 学灯社)
  4.「「伊勢斎宮」関係章段」(『歌語り・歌物語事典』61〜65頁 勉誠社 平成9年2月)
  5.「藤原定家と『伊勢物語』の古今集歌――定家本『伊勢物語』の書写態度について――」(『伊勢物語の表現史』所収、234〜250頁 笠間書院 平成16年10月)
  6.「『伊勢物語』の諸本――「定家本」の問題点を中心として――」(『伊勢物語の表現史』所収、356〜365頁 笠間書院 平成16年10月)
  7.「書評 針本正行著『平安女流文学の研究』」(『国学院雑誌』第94巻4号 67〜73頁 平成5年4月 國學院大學)
  8.「紹介 三角洋一著『物語の変貌』」(『国学院雑誌』第97巻12号 79〜83頁 平成8年12月 國學院大學)
  9.「源氏物語の「風」」(『芸術文化雑誌 紫明』第17号 2〜6頁 平成16年10月 紫明の会)
  10.「『源氏物語』継承の歩みとその今日的状況」(『観光文化』第31巻6号 第186号「特集・源氏物語千年紀を祝う」6〜9頁 日本交通公社)
  11.「大沢家本源氏物語の再発見と今後の源氏研究」(『電気協会報』第1006号 24〜26頁 平成20年9月 日本電気協会)
  12.「東京の「むらさきの会」20周年」(『読売新聞』平成12年9月22日付夕刊 読売新聞大阪本社)
  13.「源氏物語―人間の真実と歴史の在り方―」(『教育学術新聞』第2343号 平成21年1月日付 日本私立大学協会)
  14.「架蔵本「三躰和歌・自讃歌」断簡について 附.写真資料とその復元」(『高千穂論叢』第47巻第1号 39〜68頁 平成24年5月)

2『源氏釈』関係
 (1)『源氏釈』の研究〔資料編〕
  1.「源氏釈の研究〔資料編〕(1)――世尊寺伊行の「源氏物語」の書承と注釈――」(『高千穂論叢』第24巻3号 109〜203頁 平成元年12月 高千穂商科大学)
  2.「源氏釈の研究〔資料編〕(2)――「夕顔」――」(『高千穂論叢』第24巻4号 135〜183頁 平成2年3月 高千穂商科大学)
  3.「源氏釈の研究〔資料編〕(3)――「若紫」――」(『高千穂論叢』第25巻1号 49〜94頁 平成2年6月 高千穂商科大学)
  4.「源氏釈の研究〔資料編〕(4)――「末摘花」――」(『高千穂論叢』第25巻2号 91〜147頁 平成2年9月 高千穂商科大学)
  5.「源氏釈の研究〔資料編〕(5)――「紅葉賀」「花宴」――」(『高千穂論叢』第25巻3号 151〜219頁 平成2年12月 高千穂商科大学)
  6.「源氏釈の研究〔資料編〕(6)――「葵」――」(『高千穂論叢』第25巻4号 101〜146頁 平成3年3月 高千穂商科大学)
  7.「源氏釈の研究〔資料編〕(7)――「賢木」「花散里」――」(『高千穂論叢』第26巻1号 111〜175頁 平成3年6月 高千穂商科大学)
  8.「源氏釈の研究〔資料編〕(8)――「須磨」――」(『高千穂論叢』第26巻2号 101〜177頁 平成3年9月 高千穂商科大学)
  9.「源氏釈の研究〔資料編〕(9)――「明石」「澪標」「蓬生」「関屋」「絵合」「松風」――」(『高千穂論叢』第26巻3号 129〜247頁 平成3年12月 高千穂商科大学)
  10.「源氏釈の研究〔資料編〕(10)――「薄雲」「朝顔」「少女」「玉鬘」「初音」「胡蝶」「蛍」――」(『高千穂論叢』第26巻4号 131〜263頁 平成4年3月 高千穂商科大学)
  11.「源氏釈の研究〔資料編〕(11)――「常夏」「篝火」「野分」「行幸」「藤袴」――」(『高千穂論叢』第27巻1号 103〜170頁 平成4年6月 高千穂商科大学)
  12.「源氏釈の研究〔資料編〕(12)――「真木柱」「桜人」「梅枝」「藤裏葉」――」(『高千穂論叢』第27巻2号 81〜150頁 平成4年9月 高千穂商科大学)
  13.「源氏釈の研究〔資料編〕(13)――「若菜上」「若菜下」――」(『高千穂論叢』第27巻3号 123〜196頁 平成4年12月 高千穂商科大学)
  14.「源氏釈の研究〔資料編〕(14)――「柏木」「横笛」「鈴虫」――」(『高千穂論叢』第27巻4号 109〜179頁 平成5年3月 高千穂商科大学)
  15.「源氏釈の研究〔資料編〕(15)――「夕霧」――」(『高千穂論叢』第28巻1号 121〜161頁 平成5年6月 高千穂商科大学)
  16.「源氏釈の研究〔資料編〕(16)――「御法」「幻」――」(『高千穂論叢』第28巻2号 85〜131頁 平成5年9月 高千穂商科大学)
  17.「源氏釈の研究〔資料編〕(17)――「匂宮」「紅梅」「竹河」――」(『高千穂論叢』第28巻3号 63〜116頁 平成5年12月 高千穂商科大学)
  18.「源氏釈の研究〔資料編〕(18)――「橋姫」――」(『高千穂論叢』第29巻1号 63〜85頁 平成6年7月 高千穂商科大学)
  19.「源氏釈の研究〔資料編〕(19)――「椎本」――」(『高千穂論叢』第29巻2号 41〜75頁 平成6年12月 高千穂商科大学)
  20.「源氏釈の研究〔資料編〕(20)――「総角(前半)」――」(『高千穂論叢』第29巻3・4合併号 55〜91頁 平成7年3月 高千穂商科大学)
  21.「源氏釈の研究〔資料編〕(21)――「総角(後半1)」――」(『高千穂論叢』第30巻2号 60〜92頁 平成7年7月 高千穂商科大学)
  22.「源氏釈の研究〔資料編〕(22)――「総角(後半2)」「早蕨」――」(『高千穂論叢』第30巻3号 84〜113頁 平成7年10月 高千穂商科大学)
  23.「源氏釈の研究〔資料編〕(23)――「宿木(前半)」――」(『高千穂論叢』第30巻4号 49〜80頁 平成8年2月 高千穂商科大学)
  24.「源氏釈の研究〔資料編〕(24)――「宿木(後半)」――」(『高千穂論叢』第31巻1号 71〜103頁 平成8年5月 高千穂商科大学)
  25.「源氏釈の研究〔資料編〕(25)――「東屋」――」(『高千穂論叢』第31巻2号 99〜128頁 平成8年月 高千穂商科大学)
  26.「源氏釈の研究〔資料編〕(26)――「東屋(続)」「浮舟(前半)」――」(『高千穂論叢』第31巻3号 105〜134頁 平成8年11月 高千穂商科大学)
  27.「源氏釈の研究〔資料編〕(27)――「浮舟(後半)」「蜻蛉(前半)」――」(『高千穂論叢』第31巻4号 104〜122頁 平成9年2月 高千穂商科大学)
  28.「源氏釈の研究〔資料編〕(28)――「蜻蛉(後半)」「手習(前半)」――」(『高千穂論叢』第32巻1号 68〜93頁 平成9年5月 高千穂商科大学)
  29.「源氏釈の研究〔資料編〕(29)――「手習(後半)」「夢浮橋」――」(『高千穂論叢』第32巻号 57〜80頁 平成9年7月 高千穂商科大学)
  30.「源氏釈の研究〔資料編〕(30)――「表(上)」――」(『高千穂論叢』第32巻3号 57〜79頁 平成9年11月 高千穂商科大学)
  31.「源氏釈の研究〔資料編〕(31)――「表(下)」――」(『高千穂論叢』第32巻4号 47〜65頁 平成10年2月 高千穂商科大学)

 (1)『源氏釈』の研究〔研究編〕
  1.「宮内庁書陵部蔵桂宮本「源氏物語釈」の諸問題――源氏物語の書承と注釈――」(『高千穂論叢』昭和57年度(1) 79〜102頁 昭和57年 高千穂商科大学)
  2.「源氏釈所引源氏物語逸文考――源氏物語の書承と注釈・桐壺巻を中心として――」(『源氏物語研究』第8号 38〜5頁 昭和58年9月 國學院大學源氏物語研究会)
  3.「北野本源氏釈「末摘花・紅葉賀」断簡について」(『國學院大學国語国文学会通信』第23号 1〜5頁 昭和59年8月 國學院大學国語国文学会)
  4.「源氏釈所引『源氏物語』本文について――伊行の<本文>と読みのありよう――」(『中古文学』第34号 24〜34頁 昭和59年10月)
  5.「源氏物語の書承と注釈に関する一考察――『源氏釈』所引作中和歌本文を中心として――」(『源氏物語の探求』第11輯所収、189〜229頁 風間書房 昭和61年9月)
  6.「源氏釈所引「源氏物語」本文について――「桐壺」「帚木」「空蝉」――」(『源氏物語の探求』第16輯所収、233〜268頁 風間書房 平成3年11月)
  7.「源氏釈所引「源氏物語」本文について――「夕顔」「若紫」――」(『本文研究 考証・情報・資料』第1集 45〜78頁 和泉書院 平成8年7月)
  8.「「源氏釈」における漢詩文の出典研究について――経書類・史書類を中心として――」(『国際比較文化研究』69〜94頁 平成11年5月 高千穂商科大学総合研究所)
  9.「「源氏釈」における漢詩文の出典研究について(承前)――子書類・詩文類を中心として――」(『総合研究』bR 79〜139頁 平成12年5月 高千穂商科大学総合研究所)
  10.「「源氏釈」における漢詩文の出典研究について(3)――日本漢文を中心として――」(『総合研究』bT 77〜93頁 平成14年 高千穂商科大学総合研究所)
  11.「「源氏釈」における人物呼称について」(『源氏物語小研究』創刊号 1〜12頁 平成2年5月 源氏物語別本集成刊行会)
  12.「藤原伊行の『源氏物語』の注釈的発想」(『平安文学の古注釈と受容』第1集 7〜12頁 武蔵野書院 平成20年9月)

 3『都氏文集』関係
(1)都氏文集
  1.「都氏文集本文攷――諸本の書誌と本文系統――」(『国学院雑誌』第79巻6号 23〜41頁 昭和53年6月 國學院大學)
  2.「群書類従本都氏文集の本文について」(『日本文学論究』第38冊 20〜26頁 昭和53年11月 國學院大學国語国文学会)
  3.「都氏文集本文攷〔巻第三〕」(『高千穂論叢』昭和60年度(1) 43〜106頁 昭和60年 高千穂商科大学)
  4.「都氏文集本文攷〔巻第四〕」(『高千穂論叢』昭和60年度(2) 125〜192頁 昭和61年 高千穂商科大学)
  5.「都氏文集本文攷〔巻第五〕」(『高千穂論叢』昭和61年度(1) 97〜158頁 昭和61年 高千穂商科大学)
  6.「都氏文集本文攷〔補遺〕」(『高千穂論叢』昭和61年度(2) 267〜294頁 昭和62年 高千穂商科大学)

 (2)都良香
  1.「都良香伝(1)」(『高千穂論叢』昭和55年度(1) 205〜234頁 昭和55年 高千穂商科大学)
  2.「都良香伝(2)――伯父都腹赤と嵯峨朝文人官僚の世界――」(『高千穂論叢』昭和62年度(1) 183〜213頁 昭和62年 高千穂商科大学)
  3.「都良香伝(3)――伯父都腹赤と嵯峨朝文人官僚の世界(承前)――」(『高千穂論叢』昭和62年度(2) 77〜98頁 昭和62年 高千穂商科大学)
  4.「都良香伝(4)――父都貞継と淳和・仁明朝文人官僚の世界――」(『高千穂論叢』昭和62年度(3) 49〜72頁 昭和63年 高千穂商科大学)