高田祐子・作品紹介 その4(1983〜1985年)

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作品紹介 その4

 1983〜1985年に描かれた作品です。初期の、別冊フレンドやジュリエットに掲載された短編です。
くもり硝子のむこうに
 講談社別冊少女フレンド1983年10月号
 「転校生たちの伝説」(講談社コミックスフレンド)収録
南泉と福住美園は、赤ちゃんの頃に取り違えられ、実の親でない人に育てられていた。そのことがわかってから、二人は月に一度、お互いの家を訪れることになっている。泉は美園が苦手で、話しかけられるとうっとうしく感じていた。
 初期の作品ですが、無表情なヒロインとか、ネームが高田祐子さんらしいです。
笑顔が上等な女の子は愛されじょうず ……笑うのがにがてな女の子はどうしたらよいのでしょう  南泉(「転校生たちの伝説」p66より)

ぐりーんえいじ
 講談社別冊少女フレンド1984年4月号
 「転校生たちの伝説」(講談社コミックスフレンド)収録
岡文恵はもてるが、誰にも興味がもてない。そんな彼女は渡辺清孝に少し興味を持ち、つきあってほしいと申し出ると、断られてしまった。文恵はショックを隠せない。
 またしても無表情なヒロイン(笑)。その台詞から、「ぼくたちの草原」を思い出します。
「ぼくにはぼくの森があり ぼくだけしかしらない道がある ぼくの森にはいりこんじゃいない きみはきっと迷って 泣くよ――」渡辺清孝(「転校生たちの伝説」p92より)

ハートじかけのコーヒーカップ
 講談社別冊フレDX ジュリエット1984年5月号
 「転校生たちの伝説」(講談社コミックスフレンド)収録
智から告白されたことで、美香は二人の関係に安心しきっていた。しかし、甘えるばかりの美香に智は――。
 うってかわってふつーの少女マンガのような主人公ですが、下の台詞のエピソードは高田祐子さんぽいですね。
「人間てさ どうして生まれるときに番号札をもってこないのかしらね」美香(「転校生たちの伝説」p189より)

人見知りな渚
 講談社別冊フレDX ジュリエット1984年9月号
 「転校生たちの伝説」(講談社コミックスフレンド)収録
ジルに夢中と噂のジャックは、サーフィンをやっている。ジルはジャックに対して冷たいそぶりだが――。
 登場人物は外国の人ですが、なぜかとことんシャイ(笑)。
どんな恋人どうしでも ふたりがおなじに愛しあえるわけがない いつだってより愛したほうがそのぶん傷つくんだ  ジャック(「転校生たちの伝説」p145より)

転校生たちの伝説
 講談社別冊フレDX ジュリエット1984年11月号
 「転校生たちの伝説」(講談社コミックスフレンド)収録
都会からやってきた転校生、佐藤祥。一ヶ月前に転校してきた上田陽子はなぜか祥にやたらと世話をやく。
 ラストのページが印象的ですね。
出会いはすき 別れはきらい…… 人生がハローだけならいいのにね  上田陽子(「転校生たちの伝説」p5より)

15せんちめんたる
 講談社別冊フレンド1985年1月号
 「ひっこみじあんのプリンセス」(講談社コミックスフレンド)収録
背の高い長谷順子と背の低い村上友哉は、よるとさわるとけんかばかりだが、お互いに意識しあっていた。
 「逆背」という少女マンガにありがちなテーマです。
はなれた場所で 姿をみかけるたびに 胸をいためながら すこしずつ すこしずつ 関係ない人になっていくんだね……  長谷順子(「ひっこみじあんのプリンセス」p63より)

春めき 色めき ときめき
 講談社別冊フレDX ジュリエット1985年3月号
 「ひっこみじあんのプリンセス」(講談社コミックスフレンド)収録
女子校の小林苑子は、三学期だけ共学の高校に通うことになった。その高校には、昔つきあっていた誉志幸とそっくりな山村仁がいた。
 無表情でついものごとをはっきり言ってしまうためにあまりつきあいがうまくない苑子がいいですね。ストーリーの切ない感じも好きです。
だからわすれられるわ つらくなんかない あたし強いもの つらくなんかないわ……  小林苑子(「ひっこみじあんのプリンセス」p106より)

ぜんぶきみだけの日
 講談社別冊フレDX ジュリエット1985年5月号
 「ひっこみじあんのプリンセス」(講談社コミックスフレンド)収録
紡良イチロウと片山琴子は、一年の時に同じクラスだったときはいい感じだったが、現在ではイチロウはたくさんの女の子とデートする毎日を過ごしている。
 ……これもヒロイン無表情(笑)。
「ぼくの夢は 相手に負担をあたえてしまうから きめんたんだ 100パーセントの夢はもうみない…ってね」紡良イチロウ(「ひっこみじあんのプリンセス」p131より)

ひっこみじあんのプリンセス
 講談社別冊フレンド1985年6月号
 「ひっこみじあんのプリンセス」(講談社コミックスフレンド)収録
酒田真理子は幼い頃から人見知りをする子で、中学生になった今でも隣の席の風間くんの声が怖い。
 あっかるい同級生のばかさ加減が好きです(笑)。
「酒田が気にしてないわけがないだろ きっとカーテンのかげで泣いてる……」風間(「ひっこみじあんのプリンセス」p25より)

来夢音へいらっしゃい
 講談社別冊フレンド1985年8月号
 「ひっこみじあんのプリンセス」(講談社コミックスフレンド)収録
ケンは、自分のために死んだ幼なじみのリカのことが忘れられない。後輩の幸子はつきあえない理由を教えてくれと迫るが。
 しっかりとした幸子ちゃんがいいですね。
「いまでなければイミないんです いままでムリだとあきらめていたことが ちょっとした機会で可能になることがあるでしょう? いまがその機会なんです 過去でも未来でもなく現在…… あたしが自分でこうしたいと感じたときが機会なんです」幸子(「ひっこみじあんのプリンセス」p194より)

星をあげようか!
 講談社別冊フレDX ジュリエット1985年11月号
 「星をあげようか!」(講談社コミックスフレンド)収録
桜庭詩苗は、バンドA・SOのボーカル蓬沢良とつきあっている。でも詩苗はときときなぜか哀しくなってしまう。
 「あたい」という詩苗ちゃんの自分を呼ぶ呼び方が……どうも違和感あって……。
「そォ イヤんなったの 良っ…てば わがままで気分やでうそつきなんだもん」桜庭詩苗(「星をあげようか!」p50より)


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