マンガの部屋

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 少女マンガが主ですが、レディース系、マニアックなものも読んでます。
 リアルな「こころの動き」に注目した作品が好きみたいです。
 このページには、「人に読んでほしいもの」「比較的入手しやすいもの」をのせています。
 これから買うものリスト、買ったマンガについては、今日のひとりごとに書いてあります。


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高田祐子の部屋

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好きなマンガ家とその作品と好きな台詞


好きなマンガ家とその作品と好きな台詞

海野つなみ 「回転銀河」全4巻(講談社Kissコミックス)
久しぶりに会った弟はすっかり大きくなっていて、髪の色までかわっていた。そんな弟を見ていると、なぜかどきどきする自分がいた。この気持ちはなんなんだろう……。
 海野つなみさんは最近読み始めたのですが、私の好みの「考え系」だったことと、上のような「禁じられるから燃えるのよね!」という方向に持っていくのではなく、セックス方向に持っていくでもなく、何をして欲しいのかということを自問していくところが、面白いと思いました。
 これは短編シリーズもので、私がこの人の作品で一番好きな「Kissの事情」(海野つなみ・講談社コミックスAmie)の延長線上にあった話だそうで、短編連作という形態だけでなく、雰囲気が確かに似ています。最初の「イノセント・インセスト」はその名の通り、長い間会っていなかった弟に再会したらなんかどきどきしちゃうという話。他には、三話目の「飛ぶ」ところがすごいと思いました。このイメージは面白かった!たんのうしました。
 他に、最初に読むなら「デイジー・ラック」全2巻(講談社Kissコミックス)がおすすめです。こちらは30になっても、「女の子」である幼なじみ「ひなぎく会」の四人のそれぞれの生活の話です。パートをしている主婦、パン屋に転職を志す子、不況にあえぐ鞄作り職人、ばりばりのキャリアウーマンでいて弱いところも持つ女、様々な四人の弱いところもあり、でもすっくと生きていく姿を見ていると、つかれた心がすこし回復するような気がします。つかれたときに特におすすめ。
 短編集「ツナミックス」1〜2巻も発売中。「ツナミックス」1巻は、ほんとに出来が良くてすばらしかったです。おすすめです。
 Kiss(講談社)にて平安時代の「後宮」が連載中。
――その瞬間 体はポーンと空高く浮き上がる  恭子(「回転銀河」1巻 第三話「空を飛んだ日」より)
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海野つなみ*Information
 海野つなみさんご本人によるブログ。更新はまめです。
航海日誌 航海日誌
 東風さんによる海野つなみファンページ。

藍川さとる 晴天なり。シリーズ全3巻(新書館 ウィングス文庫)
 主に中高生を主人公にした、主人公入れ替わり制のシリーズもの。
 藍川さとるは、以前はあまり読んでなかった。「夕暮れの日」(「ねがいごとおばけ」収録)を読んで、評価が変わった。それまでは、あまり絵が好きではなかった(流行の髪型が好きではなかったのと、あまりにさっぱりしているのが)のだが、その作品の、「暗い」の一歩手前の淡々さが、私の好みだった。ネームが真に迫っていて、ぐっとくる。私の好きな、「心」に注目した作家だということを知った。
 最初は兄弟シリーズだったものが、どんどん幅が広がってったみたいです。同じキャラが違う話にもちゃんと出てきます。(こういうシリーズものって好き)
 私が読んだ全ての話で、主人公はなんらかのとまどいをもって、その気持ちに一応の解決を見ようとしていきます。その心の動きが、上手い。ありそうなんです。作者は、「少年少女を描く時にはいつも、母親の存在、幼児期のトラウマ、異性や恋愛への不信、みたいなものをテーマにしているものが多い」(「サンクス ア ミリオン」あとがきより)と書いています。
 「いつでも負を超えた正が書きたい」(「飛行×少年」1巻巻末 TALK EE-TALK EE 01より)、という藍川さんのポリシーは、ものかきとして、とっても、好きです。
 私が好きな話は「サンクス ア ミリオン」と「スピーカーセックス ウィーカーセックス」。好きなキャラは、和希くんと大澤芙美ちゃんかな。和希くんって、お家に一人欲しい感じ。
 古張乃莉、とペンネームを変えられたようです。
みんな自分をどうにかしたくて あがいてあがいて でもどうしても変えられないものをかかえて それを「性(さが)」って 呼ぶのかしら
 吉峰真由子(スピーカーセックス ウィーカーセックス 「週末のこいびと」より)

橋本みつる 「GET DOWN」(白泉社 ジェッツコミックス)
 この作者は、若者の熱い気持ちをひんやりしたところから描いているような気がします。熱血!ではないんだけれどもやもやとどうしても盛り上がってくるようなこの気持ち、どーすりゃいいんだ、みたいな気持ちを描くのがとても上手い方です。そういうのが好きな方ならおすすめです。
 コマ割り?はたぶん特殊で、フラッシュバックのようなことが多用されています。それがまた、気持ちの上でぱっと切り替わるきまぐれのような感じを出していて、いい効果を出していると思います。ラストのコマでぶつっと切って余韻を残すような効果を出しているのも特徴です。いろいろと独特なところのある方なので、読んでいただけると嬉しいです。
 今回の作品集は恋愛一色。でもべたべたしているのではなく(あるいみいちゃいちゃしすぎですが)どこか一歩はなれているような感じが作者から感じられるのが好きです。恋愛ものが好きな方にはぜひおすすめです。ちなみに、カバーをはがすとちょっとどきどきなイラストが見れます。
 現在、ウィングスにて活動中。
「オマエより先に見つけて どっかに隠すぞ」高波慶太郎(「GET DOWN」より)
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太陽の映る場所
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望月花梨 「純粋培養閲覧図」(白泉社 花とゆめコミックス)
 心の表現が下手で、従姉妹の君華にふりまわされている夜一。夜一がある少女に夜に出会いってから、そのバランスは崩れ始めた。うまくいかないもどかしさがよく伝わってくる。君華けっこーすき。一番は夜一かな……(はっ。またショタコンとか言われてしまう)。同時収録されている「カルスの花園」は、中学生の妙な色っぽさをだそうとしてるんだろうな。
 この人は、中学生の女の子の綺麗なとことか汚いとことか残酷なとことか優しい気持ちとかが上手い。あと、絵と台詞上手いんだよねー。絵自体は不安定だったりトーン張り下手だったりするんだけど(カラーは上手いと思う)、ときどきぐっとくるような構図でくることがある。あ、この気持ちある、みたいなことがかかれてたり。面白い人だ。
 でも、なんたって、この人の一番面白いのは、あとがきの自分のマンガをちゃかすマンガ。このギャグセンス好きやわー。「Wの庭園」(花とゆめコミックス)のやつなんかさいこー(うっとり)。
「…ぼく もっと昔に生まれたかったな」夜一
「どうして?」千絵
「だって、子供の時お母さんと遊べたでしょ?」夜一
「ふふ そうね…!」千絵(「純粋培養閲覧図」より)
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望月花梨の部屋
 私、おむらよしえによるファンページです。

緑川ゆき 「蛍火の社へ」(白泉社花とゆめコミックス)
 ざくざくという感じの絵柄ですが、ちょっと冷めたように見える登場人物と、その中に潜む熱い気持ちを描かせたらぴかいちだと思う作家の方です。ぐっと手を握りたくなるような場面をいくつもみせてくれました。
 「蛍火の社へ」は短編集で、春夏秋冬の(作者が苦手だという)恋愛ものを収録しています。表題作の、人間に触れると消えてしまう妖怪と、女の子の「ふれあい」の話がもう、震えがくるほどよいです。この1シーンのために!というところがあります。こういう、ためてためて、この瞬間というところを捕らえるのが上手い人だなあと思います。
「来い 螢」ギン(「蛍火の社へ」より)

いなだ詩穂 「ゴーストハント」1〜9巻(講談社コミックスなかよし)1〜4巻(講談社漫画文庫)
 原作「悪霊シリーズ」(
小野不由美・講談社X文庫ティーンズハート)
 谷山麻衣の学校の旧校舎には、幽霊がいるという噂があった。学校に調査に来た「ゴーストハンター」の渋谷一也に、麻衣はバイトとして雇われた。性格の悪い彼に、麻衣は「ナル」というあだなをつける。
 このシリーズの醍醐味は、「少しずつ明かされる謎」「怪奇現象を科学的に解明しようとする態度」「いつでもギャグを忘れない」「あたたかい気持ち」にあります。それぞれ、けっこう大切で、欠かせない要素になっています。
 「Amie」掲載分をまとめた1巻は、原作「悪霊がいっぱい!?」、2巻の原作は、「悪霊がホントにいっぱい!」、3巻の原作は、「悪霊がいっぱいで眠れない」です。4〜5巻の「禁じられた遊び」の原作は「悪霊はひとりぼっち」、6〜7巻の「血ぬられた迷宮」の原作は「悪霊になりたくない!」、8〜9巻の「呪いの家」の原作は「悪霊とよばないで」です。4巻には、書き下ろし原作の前後編「サイレント・クリスマス」も収録されています。
 6巻以降はコミックス書き下ろしで刊行されています。
 私は原作のファンなのですが、いいっすー。さいこうっすー。原作そのままでもいいですけど、もっと自分の味を出してもいいかなとも思います。
 読んでみて、興味が湧いてきたら、どうぞ、原作を読んでみてください!原作はティーンズハートからでていますが、大人の観賞に充分たえる読み物です。その際、注意すべきことは、「必ず「悪霊がいっぱい!」から、刊行順通りに読むこと」です。このいいつけを守らないと、後悔することになります。
 いなだ詩穂さんは、以前は「幻影奇譚」(花とゆめコミックス)というシリーズをかいていました。こちらも続いて欲しいものです。
 「悪霊シリーズ」は、CDドラマにもなっています。詳しくはこちらで。
 1巻p144の彼の微笑は……たまりません!
 文庫版も発売中。コミックス8巻分は未収録です。空きスペースにイラストの書き下ろし、1巻のラスト2Pにショート書き下ろしマンガあり、2巻では初期設定とSPR見取り図がありました。
「豚に説教をしても意味がない」ナル(「ゴーストハント」4巻より)
関連リンク
イナダヤ イナダヤ
 日向 葵さんによる、いなだ詩穂さんのファンページです。白泉社時代の未収録作品のリスト、掲示板あり。

夢路行 「モノクローム・ガーデン」1〜3巻(一賽舎ゼロサムコミックス)
夢路行さんお得意の「こわくない不思議な話短編シリーズ」です。同じ登場人物が出てくることもありますが、基本的に違う人ばかりで、話は続いていません。どの話にも、どこかにふしぎな出来事がはいってきているけれど、ぜんぜんこわくはない。(優しくもないけど)どんな方でも読めると思います。少女マンガしてない話だし。これが気に入ったら「春の回線」(潮出版社希望コミックス)をおすすめします。
 
「夢路行全集」全25巻(一賽舎ゼロサムコミックス)が発売中。ほんとに全部でちゃいましたよ!すごいよ!
「パパ好き?」女の子(第4話「春を走る」「モノクローム・ガーデン」1巻より)

船戸明里 「星の砂漠 タルシャス・ナイト」(原案友谷蒼・幻冬舎コミックス)
 波止場で海を見る少女に、「落ちたら死ぬよ」と話しかける青年という場面から物語は始まる。
 母親に冷たくされている暗い少女マナと溺愛されている明るい健司には、双子だからなのか、どこか通じ合う不思議な能力があった。沢渡仁が気分の悪いマナを家まで送ってくれた日、奇妙な「もの」が家にいた。家は燃え、健司を何者かが襲った。何かが始まったのだ……。
 白と黒で描かれる絵が美しく、黒髪で黒目がちなマナちゃんがとっても可愛いです。絵の美しさもさながら、原作ありとはいえ、話の展開のしかた、コマ割り、表情がとても上手く、心情的にぐっときます。特にラストはやられました。
 ゲームのキャラクターデザイン(「仙窟活龍大戦 カオスシード」等)などの仕事もしていらっしゃる、ご本人いわく、「イラストレーター」だそうです。私は……申し訳ないのですが、マンガのようにストーリーがあるものの一部の方が、上手いと思います。「ぐさっとくる」気持ちを上手にかくことのできる人だと思います。
 「LUNAR―ヴェーン飛空船物語」(角川書店あすかコミックスDX)も、暗めで綺麗な物語です。原作のゲームを知らないでも、充分楽しめました。
 「Under the Rose」1〜3巻(幻冬舎コミックス)発売中。webマガジンスピカで連載中。
「凡庸じゃないのは?」木崎マナ
「星を数えて凍死」沢渡仁(「星の砂漠 タルシャス・ナイト」より)
関連リンク
ひまわりらんぷ 「ひまわりらんぷ」
 船戸明里さんのご本人のページです。

わかつきめぐみ 「So What?」全6巻(白泉社 花とゆめコミックス)全4巻(白泉社 白泉社文庫)
 異世界の少女ライムとおとぼけ阿梨、タイムマシンを作っている幽霊の教授、弟子の海棠さん、高校生の桃太郎が、ときどき変な「もの」の出てくる家で同居する。ほのぼのしてるけれど、ほのぼのだけではおわらない。
 残念ながら、花とゆめコミックスの方は現在入手困難です。文庫版なら簡単に手に入るかと。でもコミックスの方が、欄外の書き込みがそそらせられるので見つけたら買ってみてください。
 この人は短編がうまい。私が好きな短編は、「2.5-D」と「彼女の瞳」。「トライアングル・プレイス」も好きだ。短編が読みたい方は、「黄昏時鼎談」(白泉社文庫)がよいです。
 「そらのひかり」(白泉社ジェッツコミックス)が発売中。登校拒否の少年と知り合った少女の話です。わかつきめぐみさんらしい、話がなかなか進まないけどそれでいいんだという感じがしました。
郷愁にも似た青を少し漂わせた 切ないほど透明な胸の水晶は 今でもライムの声を聞く
阿梨(蒼天百景「So What?」6巻より)

茜姫とさとり

茜姫とさとり
わかつきめぐみ「春は花笑み」
(白泉社ジェッツコミックス 「黄昏時鼎談」より)


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Last modified 2007.6.12.
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