「十二国記」用語集 第二版 さ行


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 「十二国記」にでてきた、用語を解説してみました。人名は、キャラクター紹介の方を参照して下さい。
 本編に載っている解説しか書いてありません。あしからず。
 間違えているところ、こんなんじゃないーという文句、追加などがあったら、お気軽にこちらまでお知らせ下さい。

あ行  か行  さ行  た行  な行  は行  ま行  や行  ら行  わ行


「十二国記」用語集 第二版 さ行

       



座<ざ>
他都市他国の同業との間に築かれた強固な組織のこと。
界身の座がある。

才国<さいこく>
十二国の一。才州国ともいう。南西の国。国都揖寧国氏は采。斎という国氏のときもあった。
保州がある。

祭祀<さいし>
とその家族が盛装をまとい、天をまつって国家の鎮護を願う神事のこと。の重要な役目の一つ。
冬至に行う交祀などがある。

才州国<さいしゅうこく>
才国の別称。四州国の一。

催生玄君<さいじょうげんくん>
里木に帯が結ばれると、催生玄君が子どもの欲しがっている人の名簿を作って、西王母に渡すと言われている。

宰輔<さいほ>
の補佐をする相談役。麒麟が就く。敬称は台輔。宰輔には実権を与えないのが定め。

塞門刀車<さいもんとうしゃ>
を塞ぐためのもの。

乍県<さくけん>
戴国瑞州の一。
即位前の泰王驍宗が封領を与えられていた。

作坊<さくぼう>
肉などを加工する場所だと思われる。

衫<さん>
男の衣服。の下に着る薄い着物で、外出するときはを重ねる。
 →袍衫

山客<さんきゃく>
にまきこまれて、崑崙から来た人間のこと。金剛山の麓にたどり着く。
 →海客

三騎六畜<さんきろっちく>
騎獣は馬、牛、妖獣の三種、家畜は決まった六種類のもの、と古くから決まっている。
これにあてはまらないのは雁国のみ。
 →乗騎家禽の令

産県<さんけん>
慶国麦州の一。
高名な官吏や侠客を輩出した土地。
支松がある。

三公<さんこう>
太師太傅太保の三つ。
宰輔の臣下で、宰輔を補佐し、に助言や諌言を行う。の教育もする。。実際には政治に参与できない。

三騅<さんすい>
妖獣の一。青毛の馬。飛空すると言うほどは飛ばないが、脚力はある。足は対して速くなく、馬の三倍。息切れするのも速い。

酸與<さんよ>
妖魔の一。人の身の丈ほどある蛇。虹色の鱗におおわれた腹。三つの足。四枚の翼があり、羽ばたいて身をくねらせて宙を泳ぐ。驟雨(しゅうう)のような威嚇音。



師<し>
二千五百兵。

士<し>
の一。大夫の下の最低の。上中下がある。

弑逆<しいぎゃく>
を殺すこと。大罪。
失道したときには、あえて犯した方がよいこともある。

史官<しかん>
官吏の一。歴史を記録する官か?女が多い。

死気<しき>
生気と死気がある。午前は生気、午後は死気。鼻から吸うのが生気、口から吐くのが死気。
息を吐くときはできるだけそっと吐く。

四騎七畜の令<しきななちくのれい>
乗騎家禽の令

司裘<しきゅう>
天官に属すると思われる。装飾品を司る。
下官が毎日装飾品のほこりを払い、磨きあげる。

四極国<しきょくこく>
戴極国舜極国芳極国漣極国の四つの国のこと。

支錦<しきん>
慶国麦州産県の古い地名。現在の支松
老松という飛仙が出た。(慶国達王)

司刑<しけい>
裁判を司る。秋官に属する。

司寇<しこう>
秋官に属する。で刑を司る官。大夫
他国の刑法にまで通じている者もいる。

謚号<しごう>
が死んだ後に付けられる号。は即位後は、公式にはで呼ばれることはない。

四金剛山<しこんごうざん>
金剛山の別称。

刺史<しし>
牧伯によって、の各府に派遣され、政を監督する。
その組織の長と同格に扱われるが、癒着することもある。

至日<しじつ>
夏至、冬至のことと思われる。
安闔日

四州国<ししゅうこく>
雁州国恭州国才州国巧州国の四つの国のこと。

支松<ししょう>
慶国麦州産県の地名。昔は支錦と言った。
松塾という義塾があった。(慶国景王赤子即位前)

止水郷<しすいごう>
慶国和州の一。郷都拓峰
和州の西のはし。西に瑛州がある。和州州都明郭から、国都堯天へ向かう大街道がある。瑯耶郷の隣。
合水がある。

市井<しせい>
庶民の住む市街。古いでは北、普通は南にある。

芝草<しそう>
柳国国都

四大国<したいこく>
慶東国奏南国 範西国柳北国の四つの国のこと。

自地<じち>
許可をもらって開墾した土地のこと。国にもらう土地は公地という。

耳墜<じつい>
耳に穴を開けてつけるみみかざりのこと。
倭国では耳に穴を開けるのは犯罪者の風習。

膝袴<しっこ>
の一と思われる。臑と膝を覆う?

失道<しつどう>
が道を誤り民意に背くと、麒麟がかかる病気のこと。が改心する以外に治す方法はなく、やがては死に陥る。が改心した例は少ない。
国は乱れ、妖魔が現れ、日照り、地震、洪水などの天変地異が起こる。
麒麟が斃れ、死亡するまでは数カ月から一年、麒麟が死んでからが斃れるまではさらに数カ月から一年かかる。

司馬<しば>
軍事を司る。夏官に属する。
大僕が属している。

祠廟<しびょう>
を祀った祭壇のこと。
普通、多くの神仙が祀られている。

四分一令<しぶんいちれい>
雁国延王尚隆の初勅公地を四開墾した者には、そのうちの一自地として与える、というもの。

耳目<じもく>
雁国梟王がの角ごとにおいた兵のこと。の不満を言う者を一族縁者に至るまで街頭で処刑させた。

子門<しもん>
十二の一。北中央にある門のこと。
国都州都では、これの代わりにの北に凌雲山があり、国府州府がある。

四門<しもん>
四令門

四門<しもん>
の南門(午門)を正門または朱雀門、東門(卯門)を青竜門、西門(酉門)を白虎門、北門(子門)を玄武門という。

社<しゃ>
に一つある、里木と諸、土地神をまつる社。
里木をまつる里祠の西に社稷、東には宗廟があり、これを総じて社というが、人々の信仰は里木に偏っている。社稷宗廟も、里祠に比べると小さい。

舎館<しゃかん>
宿屋のこと。門から遠ざかると宿代が安くなる。
設備が悪いものから、
・土間に寝る
・大部屋を衝立で仕切ったもの
・個室の板間に布団を敷く
・天蓋と幄(とばり)のついた牀(寝台)と鏡台と小卓(机)
牀榻を備えた臥室(寝室)二間に、くつろいだり食事をする起居(居間)が付属
小さい宿はたいてい食堂と兼ねており、入るとまずオーダーを聞かれる。食堂の雰囲気を見れば、宿の程度がわかる。無料のサービスは井戸を使えることぐらいで、風呂にも茶にも料金がかかる。顔を洗う鏡台があればましなほう。
大きい宿ならば食事を出すのは園林(庭園)に面した飯庁(食堂)か客房(客室)。旅人は大金を持つのを嫌がるので、支払いは為替か物品であることが多い。そのため、大きな宿には必ず装身具を換金する小店が入っている。一人で一房を借り切ることができない場合は、半房(寝室一つと居間は共同)ずつ相部屋にすることがある。
巧国では、大部屋を衝立で仕切ったもので五十。一人部屋、畳二畳、板張り、薄い布団、鍵付きで百。二人部屋、天井が高く、寝台・テーブル付きで五百ほど。雁国では巧国のと同じ値段でも設備が数段よい。(慶国景王赤子即位前)
 →房間

尺<しゃく>
長さの単位。一尺は二つの掌の長さのことで、十

折伏<しゃくぶく>
麒麟妖魔使令にすること。妖魔を天の摂理に組み込み、二度と外れぬように縛ること。
にらみあい、こちらが気を緩めると妖魔は視線を断ち切って逃げるか襲いかかってくる。先に気を散じた方が負け。にらみ合って相手が根負けすると、相手の覇気が緩む。その時に相手の名前を読みとることができる。ふっと頭の中に湧いてきた音を呼んでやると、妖魔はすすんで足下にやってくる。文字は当て字だったり、判ったりする。
妖魔は相手の麒麟の力を測り、その麒麟が死んだ後自分が得られるものの大きさを考え、使役される価値があると考えれば使令となる。
易や風水や遁甲や、呪言の力を借りれば、比較的簡単にできる。大物だと半日ほどかかることもある。
景麒が泰麒に伝授した「簡単な折伏の仕方」――生気の午前がよいでしょう。常に姿勢を正し、息は鼻から吸い、吐くのは口からできるだけそっと吐くように心がけること。九字呪言の後、「神勅明勅、天清地清。神君清君、不汚不濁。鬼魅降伏、陰陽和合。急急如律令」(鬼魅は降伏すべし、陰陽は和合すべし、いそぎさだめのようにせよ)と唱え、右手を頭上に上げ掌を突いて、左手で足下を示して名前を呼んでやる。

射士<しゃし>
州侯の身辺警護の長官。

社稷<しゃしょく>
里祠の西にあって、土地神と五穀神をまつる。

射人<しゃじん>
夏官に属する。の身辺警護の長官。下に大僕がある。

捨身木<しゃしんぼく>
麒麟女怪がなる木のこと。蓬山の東の高台に一本のみ存在する。
地下は堅牢な岩盤でできた半球形の広い空洞で、中央の燐光を放つ白い根にはいくつか金色の果実がこぶのように実っている。これらの実からは女怪が生まれる。地下から大きく湾曲した階段を上ると、苔むした岩盤の上に、まばゆいばかりに白い低く大きな木がある。これには麒麟が実る。
麒麟が実ると、それと対になった位置に女怪が実り、一日で孵る。その後女怪は生まれるまで十月麒麟の実を見守り続ける。
風には決してそよがない。

襦<じゅ>
女の衣服。短い着物のようなブラウス。たいていは外出するときにベストのような短い上着や着物のような上着を重ねる。
 →襦裙

州<しゅう>
一国に九。州侯が治める。何かは場所によって違う。
首都州を中心に据え、余州八州が周りを囲んでいる。

秋官<しゅうかん>
六官の一。長は大司寇法令を司る官。契約の証人にもなる。
司刑朝士がある。

州侯<しゅうこう>
を治める人。地仙の土地、人民、を管理する。法令を整備し、戸籍を整えてを徴収し、災異に備えてを整える。
法令を作ることはできるが、地綱に逆らうものは作ることはできない。徽章は星辰
側近は地仙

州宰<しゅうさい>
の官の一。国府冢宰の役割を果たすものだと思われる。

州師<しゅうし>
州侯が指示する。
左右中軍と佐軍の、二軍から四軍まで。通常、国都州師は黒備余州黄備。最大三万。
急ぐ時は市民から五千だけ公募することができ、火急の際には懲役することができる。空行師の数は少ない。
将軍の位はで、小(かざり)は七つ。

州城<しゅうじょう>
州都の別称。または、府第府第州府ともいう。
州城は、凌雲山である。

州都<しゅうと>
州城ともいう。の役所があるのこと。
普通、は十一ある。隔壁は厚みがあり、上は歩墻になっている。女墻が巡らされていて、あちこちに馬面が作られる。おおむね方形(四角)で、高さは一定。
州都のある以下の土地は、封領として州官に与えられる。

十二国<じゅうにこく>
天帝が治める十二の国がある世界。海には竜王がいて海を治め、虚海の向こうには蓬莱金剛山のどこかには崑崙という夢の国があると言われている。異界(倭国)に自分の意思で渡ることができるのは神仙妖魔だけ。
各国の神獣麒麟天帝の意(天意)をさとり、選定する。神>となり、強大な力を有するが、天の意にそむくと麒麟が病にかかり、麒麟が死ぬとも死ぬ。がいないと妖魔が跋扈し、天変地異が国土を襲う。
世界の中央には五山があり、その周囲には人外の地である黄海がある。その周囲は東西南北の四金剛山がとり囲んでいる。金剛山の四方には四つの内海があり、さらにそれを取り囲む大陸の八方には八つの国がある。その外には虚海があり、陸の近くに四つの大きな島国がある。
柳北国(北)、雁州国(北西)、慶東国(東)、巧州国(南東)、奏南国(南)、才州国(南西)、範西国(西)、恭州国(北東)。戴極国(北西)、舜極国(南東)、芳極国(北西)、漣極国(南西)が島国。
一つの国は歩いて横断すると三ヶ月、馬で一ヶ月、すう虞では一日かかる。他の国に行くには四ヶ月ほどかかる。行政組織の名は、大きいものから。一国には九。成人は一国に三百万ほど。
冬は北が寒く、夏は南が暑い。冬は北東から条風(季節風)が吹き、潮も北から南へ流れる。
家系によって家業が受け継がれることはなく、成人すると給田が行われ、二人の人間が食べていけるだけの土地と家を与えられる。死後は、蓄財は国へ納室しなければならない。
八つの家と一の公共地を、と呼び、三つの里家を加えて、一つのとし、冬はで集まって過ごす。
獣と人間形の両方を取ることができる半獣、異界で生まれる胎果がある。倭国から来た人間をそれぞれ海客山客と呼ぶ。半獣海客山客浮民は差別されることもある。身体に障害があるものは手厚く養われる。
と同じように、は年をとることがなく、寿命がない。身分制度が存在し、を持つものはたいていであると思われる。
国により多少の違いはあるが、古い中国のような文化。石炭・石油が存在しない。硬貨は四角いもの、丸いもの、金貨、銀貨などがある。紙幣はない。共通の歴はなく、国歴を使う。言語は異界とは違う。慶事には黒を用い、凶事には白を用いる。
人々は日本人のようなのっぺりとした顔だが、肌の色は黒から白、目の色は黒から水色、髪の色は緑に赤、青、紫、オレンジ、まだら、なんでもあり(ただし、金髪は麒麟以外にはいない)。男は髪を伸ばしてくくる。
服装は古い中国風で、男は下着と上着(袍衫)とズボン()、女はブラウスと長いスカート(襦裙)が基本。裕福なものは絹で、身丈も袖丈も長く、ゆったりとしていて、重ね着を多くする。貧しいものは毛織物で、丈を短く、ゆるみを少なくする。倭国の洋装は花子(ものごい)の着る褐衣(ぼろ)のようだと思われる。があるものの正式な衣装にはがついている。
 →天帝
 →里木

司右府<しゆうふ>
夏官の下で、軍兵を管理する。

州府<しゅうふ>
府第州城ともいう。州侯が長。
おおむね国府を小規模にした組織になっている。
令尹州宰州師将軍、射士司寇などの役職がある。補佐及び監督として国から牧伯などの六人の官吏が派遣される。州官の給料は封領の形で支払われる。犯罪事件は取り扱わない。

朱厭<しゅえん>
妖魔の一。巨大な赤毛の猿に似ていて、首だけが白い。よく尖った牙と猛禽類のような爪を持っている。
狡賢な智恵を持っている。笑うことができる。玉に酔う。

襦裙<じゅくん>
女の衣服。はブラウス、は巻きスカート。たいていは外出するときにベストのような短い上着や着物のような上着を重ねる。
位が高いと長い裙になり丈が長くて裾が広く、襦の袖が大きく長くなる。裳など、重ね着にもなる。
女の服は、裳、膝掛け、被衫(ねまき)、背子(上着、綿を入れたものがある)、小衫(じゅばん、下着)、比甲(上着、羊の皮でできたものがある)、大袖(きもの、羽織るもの)、裘(かわごろも、毛皮で作った衣)、褞袍(綿いれ)など。装身具は冠、花鈿(はなかざり)、歩揺・花釵(かんざし)、玉佩(おびだま)、霞披(ひれ)、首飾り、耳墜(みみかざり)、珠帯(帯)、帯頭(帯の金具)、珠金(かざり)、などがある。
履(くつ)は貧しいものは鞜(かわぐつ)、富裕なものは革偏に昔のくつ。

呪言<じゅごん>
易の知識が必要。折伏の時には「神勅明勅、天清地清。神君清君、不汚不濁。鬼魅降伏、陰陽和合。急急如律令」(鬼魅は降伏すべし、陰陽は和合すべし、いそぎさだめのようにせよ)と唱えると良い。

朱氏<しゅし>
黄朱の一。騎獣となる妖獣黄海で捕らえる仕事の人。蔑称を猟尸師という。
朱民の筆頭で、朱民の間では尊敬されている。
徒党を組んで他人の騎獣を盗んでさばく者もいる。

朱旌<しゅせい>
朱民の一。芸をしながら諸国を回る。出し物は小説、雑劇(芝居)、上索(軽業)、講史など。
芳国では、冬は普通は大きなに常小屋を借りてそこに落ちつくが、旅芸人がに来ると、ちょっとした祭りになるほど歓迎されるので、無理をして旅をすることもある。雪が降ると止むまでにとどまる。
古くは、旌券に朱線が入っている(仮のものである)ことを示した。

主殿<しゅでん>
の居室。王宮内宮にある。

首都州<しゅとしゅう>
国都のあるのこと。必ず国の中央にあり、その周りに余州八州がある。州侯台輔で、政庁は王宮仁重殿にある。
国官には給料がなく、首都州のどこかに封じられ、封領から上がる租税から国の取り分を除いたものが給金の代わりになる。

朱民<しゅみん>
黄朱の別称。定住せずに諸国を巡り、芸をしたりものを売り買いする浮民のこと。
旌券に朱線が入っている(仮のものである)ことを朱旌と呼んでいたことからいう。

首陽郷<しゅようごう>
雁国景州白郡にある。郷都烏号

春官<しゅんかん>
六官の一。長は大宗伯。礼典・祭祀・儀礼を司る。
内史府がある。

舜極国<しゅんきょくこく>
舜国の別称。四極国の一。

舜国<しゅんこく>
十二国の一。舜極国ともいう。南東の島国。
薬水を慶国呉渡に輸出している。

淳州<じゅんしゅう>
巧国の一。符楊郡安陽県がある。
慶国に面している。

順風車<じゅんぷうしゃ>
冬官府で作られる呪器の一。小さい船で、帆は一枚。帆柱の頂上に小さな車がついている。
主に荷物を運ぶ船だが、依頼があれば人も運ぶ。船室は油の匂いがする。

升<しょう>
分量の単位。一升は両手にものをすくっただけ。

庠<しょう>
庠学

丈<じょう>
長さの単位。一丈は人の背丈ほど。

瘍医<しょうい>
医者のこと。

庠学<しょうがく>
序学の次の学校。各に一つ。庠学に置いて優秀な者は、上庠への推薦が受けられる(上士)。
序学との順序が逆、という説もある。
「ようがく」とも読む。とも呼ぶ。

少学<しょうがく>
上庠の次の学校。に一つ。少学を出た者は、ほとんど官吏となる。学頭の推薦を受けてかつ選挙に合格すれば、大学に行ける。
その国に戸籍がないと入れない国が多い。巧国では半獣浮民荒民は入学できない。

小学<しょうがく>
に一つある学校。冬にだけ開く。閭胥が教師。主に読み書きと算数を教える。数えの七歳、満の五才から通うが、卒業はない。上の学校に行くには、閭胥の推薦が必要。
人が集まって世間話の代わりにもうちょっと少し実のある話をしようという場でもある。

乗騎家禽の令<じょうきかきんのれい>
騎獣家禽のそれぞれに、妖魔を加えるという勅令
四騎七畜の令ともいう。
雁国にのみ存在する。通常は三騎六畜。

掌客殿<しょうきゃくでん>
王宮にある、賓客をもてなすための場所。

掌客の間<しょうきゃくのま>
王宮内殿にある、他国の賓客をもてなすための間。

昇山<しょうざん>
自らがであると己に恃む者、またはたるべきと周囲の者に推薦された者が、黄海を渡り、蓬山に昇って麒麟に面会して天意を諮ること。昇山する者の中からが選ばれることは多い。
安闔日四令門を抜けた者たちは、隊商のように集団を作り、危険な道を互いに守り合いながら蓬山甫渡宮へ向かう。
蓬廬宮から甫渡宮までの石畳の道に天幕を張り、新香を行い、麒麟の裁可を待つ。その後は甫渡宮の周りに天幕を張って、次の安闔日まで時間をつぶす。
昇山は一度しか許されない。はなから玉座は諦め、これを機会に麒麟とよしみを結ぶことが目当ての者もいる。
安闔日ごとに四令門を巡り、麒麟旗が上がるのを待つこともある。
昇山する者はそれぞれが随従を伴い、数十の護衛を連れている者もいる。そのほとんどが武器を携行しており、馬車で大量の物資を運ぶ者もいる。昇山するものを守ることを生業としている者を剛氏と呼ぶ。

霄山<しょうざん>
雁国元州碧霄にある凌雲山禁苑
荒涼としていて、ひからびた苔がまとわりついた岩が折り重なっている。岩はもろく、足をかけると容易に崩れる。風が強く、突風が吹くたびにからからと小石が落ちる。雨季のたびに崩れている。雨が降れば、たとえすう虞でも登る事はできない。
とりたてて産物もなく、何かに使われているというわけでもない。うち捨てられて久しい。主峰の高いところに、かろうじて残っている小さな堂宇がある。堂宇の周りの園林には崩落した岩が飛び込んで、いたるところに転がっている。かろうじて林の体裁を保っている松の中に、小さな四阿がある。元伯の冢墓の上には石が一つのっている。

小字<しょうじ>
子どもの呼び名。

上士<じょうし>
庠学から上庠への推薦者のこと。

小司徒<しょうしと>
地官に属する。大司徒の下、遂人の上。

床子弩<しょうしど>
城塞にある、大きな床置きの弩弓
槍に匹敵する長さと重さの矢で、当たれば建物も破壊する。

掌舎<しょうしゃ>
天官の中で、宮中の建物を管理する部署。

承州<じょうしゅう>
戴国の一。
李斎州師将軍を勤めている。(戴国泰王驍宗即位前)

松塾<しょうじゅく>
慶国麦州産県支松にあった著名な義塾の名。
浮民のごろつきに焼き討ちにあい、塾舎ごと教師のほとんどが殺された。昇紘が止水郷夏官小司馬(もと浮民)に命令させたものと推定されている。(慶国景王赤子即位頃)

少塾<しょうじゅく>
学塾の一。少学へ行くための勉強をするところか?

庠序<しょうじょ>
序学の次の学校?各に一つ?庠学へ進むことができる?

上庠<じょうしょう>
庠学の次の学校。各に一つ。少学への推薦(選士)を受けられる 。
「じょうよう」とも読む。

杖身<じょうしん>
個人で雇用した護衛。

小説<しょうせつ>
朱旌の出し物の一つ。他国の話や他の町の話をして、土地を動くことのできない農民に他国の状況を伝える。

昇仙<しょうせん>
になること。

牀榻<しょうとう>
寝台のこと。は長椅子。

条風<じょうふう>
秋から冬に、虚海の北東から吹いてくる冷たい風。
虚海の北では流れ込んだ冷気が淀んで寒気の塊を作り、海が均一に冷える。表面に出た海水は凍り、暗い海に白い斑を描く。この細かな氷塊を揺らし、白く泡立て、海流を逆転するほどのうねりをもって、条風は大陸へと吹き寄せる。
戴国雁国が特にこれにさらされ、寒冷になる。柳国北東部では風が山脈に当たって大量の雪を降らせ、柳国全体を寒冷にした後、柳国恭国の国境の山脈で最後の雪を落とし、乾ききって恭国北部へ流れ込む。

城壁<じょうへき>
の内側の壁のこと。

上庠<じょうよう>
上庠

序学<じょがく>
上の学校庠学
庠学との順序が逆、という説もある。

蝕<しょく>
異界同士(十二国世界と蓬莱または崑崙)がまじりあうこと。何かが虚海を渡ると必ず起こる。特にが渡ると、大きな触が起き、災害が双方の異界に出る。
突然始まり、突然終わる。嵐は空気が乱れるが、蝕は気が乱れる。大風が吹ったり、地震があったり雷が鳴ったり、川が逆流したり、地面が陥没したり、いろんな天変地異がいっしょくたにくる。触のために卵果が異界へ流れ、胎果となることがある。
二つの世界をつなぐ方法は、触・呉剛の門、廉麟の持つ白銀の二つ尾の蛇の腕輪など。

女墻<じょしょう>
隔壁にある、矢を放つための凹凸。

初勅<しょちょく>
新王が初めて発布する勅令がこれからどういう国を作るかという事を端的に示す。初勅がなかったもいる。儀礼的なもので、初勅がなければ勅令を出してはいけないということはない。
雁国延王尚隆は四分一令。同時代の廉王は「万民は健康に暮らすこと」。慶国景王赤子(陽子)は「伏礼を廃す」。

使令<しれい>
麒麟折伏して、己の僕として支配下においた妖魔のこと。麒麟が死ぬと、使令は麒麟の身体を食べる。
寿命がなく、格にもよるが、人語をあやつり知能も高い。隠伏遁甲術を使う。
のためであれば麒麟の安全を犠牲にすることもあるが、基本的に麒麟の安全を第一に動く。
女怪以外は全て男性。

四令門<しれいもん>
北西(恭国)の令乾門、南西(才国)の令坤門、南東(巧国)の令巽門、北東(雁国)の令艮門の四つのこと。
十二国黄海をつなぐ。それぞれ、春分、夏至、秋分、冬至に、一年に一日だけ開く。四令門が開く日のことを安闔日という。
金剛山を越えるには、この門を抜けるしかない。
かつては、安闔日には四令門から黄海妖魔があふれでてきていたが、現在ではに堅牢な城塞ができているので、そのようなことはない。
四門ともいう。

紫蓮宮<しれんきゅう>
蓬廬宮の宮の一。紫蓮洞があり、ここで湧いた水が宮の前にある蓮池に流れ込んでいる。
景麒が暮らした。

新易<しんえき>
雁国元州にある地名。漉水をはさんで頑朴がある。
上流に北囲というがある。

箴魚<しんぎょ>
入手困難な魚。虚海にいる。

しん県<しんけん>
巧国淳州符楊郡廬江郷の一。
配浪がある。県城から配浪までは馬車で半日。

塵県<じんけん>
才国保州の一。琶山がある。

進香<しんこう>
祠廟などにお参りすること。

真珠<しんじゅ>
赤海の南でとれる。

神獣<しんじゅう>
麒麟玄武など。
妖力を持つ?妖魔との区別は不明。

仁重殿<じんじゅうでん>
王宮内宮にある、麒麟の住む場所。
首都州の政庁がある。主殿の手前。

神籍<しんせき>
はこの名簿に名前があることにより、不老不死でいられるらしい。籍から外れるには、蓬山に昇って許しを求めなければならなく、外されれば死ぬ。
婚姻はできない。

神仙<しんせん>

虚海を越えることができる。話し言葉には困ることがなく、妖魔や獣の意を悟れる。年をとることがないし病もない。殺すには、首をはねるか胴を両断するしかない。多少の怪我は治癒する。冬器でなければ傷つけることもできない。

宸殿<しんでん>
王宮内宮にある、の居所。
通常、ここを核として王宮は編成される。

新道<しんどう>
芳国恵州坂県にあるの一。
祥瓊が玉葉の字で住んでいた。(芳国峯王仲韃死後)

辰門<しんもん>
十二の一。辰の方位(東南東)にある。

申門<しんもん>
十二の一。申の方位(西西南)にある。

人門<じんもん>
の街に、本来なら丑門と寅門があるべき場所にある令艮門につうじる。
冬至にしか開くことはない。



瑞雲<ずいうん>
蓬山天勅を頂いた後に、自国の王宮へ戻る際に雲海に淡く虹色に輝く細長い雲が流れて見える。
玄武雲海に残す軌跡。

水鑑刀<すいかんとう>
慶国宝重である水禺刀の刀の部分。
水でできていて、形を主人によって変える。達王が作った頃は長い柄の偃月刀だった。
剣の幅は中指の長さほど。(慶国景王赤子即位頃)
刃に燐光を生じ、水鏡を覗くようにして幻を見せる。うまく操る術を覚えれば過去未来、遠方のことも映し出す。後に気を抜けばのべつまくなし幻を見せることがわかり、達王が鞘を作らせ、水禺刀となった。
主人(景王)でなければ何も切れないが、剣はいくら切ってもほころばない。

水禺刀<すいぐうとう>
慶国秘蔵の宝重。達王が、妖力甚大な妖魔を滅ぼすかわりに封じ、剣(水鑑刀)と鞘にして支配下に押さえ込み宝重とした。うまく支配すれば剣は過去未来、千里の彼方のことでも映し、鞘は人の胸中を読む。
宝剣といっていいほどの優美な鞘。柄は金、鞘にも金の装飾がある。宝剣らしい石を散らし、珠飾りがついていて、とうてい実用に耐えるようには見えない。見かけよりは重い。
鞘は禺(さる)でできている。水鑑刀が幻を見せるため、鞘で刀を封じた。鞘は禺のかたちになり、人の心の裏を読むが、気を抜けば主人の心を読んで惑わす。そのため、鞘を剣で封じた。
珠はガラスっぽい光沢の、とろりとした青で、青い翡翠のよう。珠を握れば暖かくなり、怪我や病気は治るし、疲労も回復する。
正当な所有者である慶国の王だけが鞘から抜くことができ、鞘から抜けば軽い。鞘が死ねば誰にでも抜ける。
鞘が死んでいる。(慶国景王赤子即位前)

翠篁宮<すいこうきゅう>
巧国の王宮。喜州傲霜にある。

垂州<すいしゅう>
戴国の州の一。

瑞州<ずいしゅう>
戴国首都州国都鴻基がある。乍県がある。

遂人<すいじん>
地官に属する。中大夫。治水工事など、地を整える官。
上官は小司徒

翠微洞<すいびどう>
才国保州塵県琶山の山頂近い中腹、翠微の峰にある。門前は千尋の断崖で、裏には峰の内部を抜ける碧い屋根の隧道(トンネル)がある。下界側の門前には、翠微君をまつる廟がある。
才国王扶王の愛妾であった梨耀が、勅免によって飛仙となり、翠微君と名乗りここに洞府を構えた。

すう虞<すうぐ>
妖獣の一。虎に似ている。猛々しく強そうな印象。
孟極よりも一回り大きい顔で、黒い真珠のような複雑な色の目。
白と黒の縞で、白の部分が多いものと黒の部分が多いものがある。白がまさった方が数が多い。不思議な五色に輝いて見える。身の丈ほどもある長い尾。見かけより毛並みは硬い。
勇猛にして果敢、騎獣の中では最速を誇る。手に入りにくい。とても利口。速く力強く、狡猾。瑪瑙が好物。一国を一日で駆ける。捕らえて馴らすことができればそれで一生生活できるほど高価。

崇高<すうこう>
崇山中岳中山ともいう。五山の中央にあり一番高い。
天帝が住んでいると伝えられている。女仙はここで修行をしてから、蓬廬宮へ行く。

崇山<すうさん>
崇高の別名。

朱雀門<すざくもん>
午門

寸<すん>
長さの単位。一寸は指一つの長さ。十寸で一



井<せい>
面積の単位。一井は約16万平方m、九、一四方。一井は一つのの広さ。

姓<せい>
戸籍上の名。姓は生まれたときに決まっていて、生涯変わることはない。成人するとを選んでを名乗り、姓は本姓と呼ぶようになる。

税<ぜい>
租税はおおむね収穫の一割、州侯・領主が徴収するは五分まで。
地綱で定められている。
不法な税として、均賦安賦がある。

西王母<せいおうぼ>
の一。五山の主。華山に住んでいると伝えられている。
催生玄君からもらった名簿から、天帝に親にふさわしい立派な人を選んでもらう。それから、送生玄君に命じて卵果を作らせる。

青海<せいかい>
内海の一。北に雁国、東に慶国、南に巧国、西に黄海に囲まれている。
青い透明な色をしている。

清漢宮<せいかんきゅう>
奏国国都隆洽にある王宮
水上の楼閣。白い石の諸殿は水上に張り出し、白い石の橋の回廊でつなぎ渡され、園林(庭園)も水の上にあり、ひとつの王宮を形成している。

生気<せいき>
生気と死気がある。午前は生気、午後は死気。鼻から吸うのが生気、口から吐くのが死気妖魔を捕らえるには午前がよいといわれている。

旌券<せいけん>
旅券、身分証明書。たった一つ、身分を保障してくれるもの。
小さな木の札の表に本人のが書かれ、裏にはたいてい発行された府第の名前が書いてある。府第にある戸籍の上に旌券を置き、その縁を三カ所戸籍ごと小刀で突いて、照合するときはその傷で確認する。ときには、裏に身分保証人の名前が書かれる。管轄する官府が違うところへ行く際は、必ず携帯し、何かあった際にはもよりの府第に保護を求めることができる。
旌券があれば再発行は可能で、その時の旌券には、仮のものであることを示す朱線が入っている。所属する府第でもらう。朱く塗られている者を、朱民という。土地と家を離れて七年すると取り上げられる。

靖州<せいしゅう>
雁国首都州
国都関弓艮県がある。

征州<せいしゅう>
慶国の一。州都維竜
舒栄が軍を構えていた。(慶国景王陽子即位前)

成人<せいじん>
数え年(正月ごとに一つ年をとる)で二十になること。満十八歳。
戸籍があれば、給田を受けることができ、婚姻もできるようになる。

青鳥<せいちょう>
官府ごとの伝令に使われる鳥のこと。

正丁<せいてい>
成人の男性であることを示す。成人すると戸籍にこう記載される。

正殿<せいでん>
国府にある。
即位の儀が行われる?

井田法<せいでんほう>
の土地を基本としている法のこと。
人は普通、数え年で二十になると成人し、一の土地とにある家を与えられる。八家分の土地と一の公共地の合わせて九を、一といい、一つのをなす。
大綱の地の巻に書いてある。
 →給田

正妃<せいひ>
の妻。

青備<せいび>
の人数。二千五百。州師佐軍が常備する。

姓名<せいめい>
戸籍上の名。昔は決しては呼ばないでで呼んだ。成人すると一人立ちし、を選んでを名乗る。は生まれたときに決まっていて、生涯変わることはない。

正門<せいもん>
王宮に通じる、麓から昇る道にある五つの門のこと。
皋門雉門はこれに入ると思われる。

正門<せいもん>
午門の別称。南にある。

青竜門<せいりゅうもん>
卯門の別称。東にある。

赤索条<せきさくじょう>
白い石を赤い糸で結んだ呪。石を妖力の源に当て、結び目に呪を唱えると、結び目から余った糸が落ち、妖力や呪力が封じられる。複数かけ、一つの糸が切られれば他の糸も締まって断ち切れるようにすることもできる。

赤楽<せきらく>
慶国景王赤子(陽子)の時代の国歴。前の国歴予青
赤子とその友人の名からつけられた。

赤海<せっかい>
南の内海。黒真珠がとれる。

赤虎<せっこ>
妖獣の一。宙をかける虎。

折山<せつざん>
凌雲山の巨大な峻峰でさえ折れそうなうなほどの荒廃のこと。
ひびわれた大地は砂漠のように荒れ果て、雑草すら生えてない。川はあふれ、というというが灰燼に帰した。妖魔さえも飢える。 雁国延王尚隆が即位する直前の状態。雁国開闢以来八度目の大凶事だった。

施与綱<せよこう>
太綱の別称。

仙<せん>
仙になることを、昇仙という。仙籍という名簿に名前が書いてあるらしい。地仙飛仙天仙がある。
格によって力に違いはあるが、虚海を越えることができる(から上)。妖魔や獣の意を悟れる。話し言葉には困らない。昇仙すると歳が止まり、年をとることがない。殺すには、首をはねるか胴を両断するしかない。多少の怪我は治癒する。冬器でなければ傷つけることもできない。仙になると額に第三の目が開き、目には見えなくとも何らかの器官が存在するようになる。
国官州侯州侯の側近は必ず昇仙する(これらは必ず地仙)。その際、親と配偶者、子は一緒に仙籍に入ることができる。また、縁者は優先的に官吏へ登用される。

銭<せん>
通貨の単位。全て硬貨で、金貨、銀貨、四角いもの、丸いものの順に価値が高い。
宿の料金は、巧国では、大部屋を衝立で仕切ったもので五十銭。一人部屋、畳二畳、板張り、薄い布団、鍵付きで百銭。二人部屋、天井が高く、寝台・テーブル付きで五百銭ほど。雁国では巧国のと同じ値段でも設備が数段よい。(慶国景王赤子即位前)

選挙<せんきょ>
テストのこと。
大学に入学するには、選挙に受かる必要がある。

選士<せんし>
上庠から少学への推薦者のこと。成績が同じで品性も同じ学生は、弓射で決める。

禅譲<ぜんじょう>
中国で、易姓革命の思想から、天子がその位を世襲によらず、徳のある者に譲ること。また、天子が位を譲ること。
易姓革命とは、儒教の政治思想の基本的概念の一つで、天子は天命によって天下を治めているのだから、天子の家(姓)に不徳の者が出れば、天命は別の有徳の者に移り(命が革まる)、王朝は交代する(天子の姓が易わる)というもの。

仙水<せんすい>
これを飲むと怪我の治りが早いらしい。

仙籍<せんせき>
これに入ると、となることができる。出入り可能。地仙飛仙は各国の仙籍(国が管理)に名前があるらしい。
仙籍を削除すれば、普通に歳をとる。の名において削除することができ、また、死んだ場合は自動的に名前が消えるらしい。

践祚<せんそ>
天勅をすませ、神籍に入ること。
里祠王旗が揚げられる。

選定<せんてい>
麒麟を選ぶこと。王位は出自や功績では選ばれない。

仙伯<せんぱく>
を持つのこと。自力昇仙の飛仙のうち、限られた者のみ。
虚海を越えることができる。

泉陵<せんりょう>
慶国予王の墓がある。



叢雲橋<そううんきょう>
てん壕車をいくつも馬で曳いて、鉤で連ねたもの。楔形の壁に見える。
騎馬に引かせることは普通しない。

相園<そうえん>
相園館の別称。

相園館<そうえんかん>
相園とも呼ぶ。恭国国都連檣の北にある、相家の館。これ以上の館第(屋敷)は連檣にはないと言われている。(恭国供王珠晶即位前)
二層の門、左右には三層の楼閣、主楼(母屋)がある。斜面に広がる園林(庭園)が有名。
瓦は鮮やかな碧の釉薬、色とりどりの棟飾りと軒の下げ飾り、天神加護を願う大きな照壁(壁)の左右には、繊細な透かし窓のある擁壁(塀)が巡らされていて、端正な樹木の枝先が見える。

奏国<そうこく>
十二国の一。奏南国ともいう。南の国。長い治世と富裕で高名。国都隆洽国氏は宗。
実際的には王一家(宗王・宗后妃・英清君・文公主・卓朗君・宗麟)が「」。国を挙げて大綱にない特別な事業を興すときは、一家の誰かが首長となる。
仏教の影響から、死体を荼毘に付す風習がある。公主は医院を初めて開いた。荒民のための施設、保翠院がある。
益州交州がある。

送子玄君<そうしげんくん>
送生玄君のつくった卵果里木にはこぶ。

送生玄君<そうじょうげんくん>
女神の一。西王母に命じられ、こどものもとをこねて卵果にして送子玄君に渡す。

霜楓宮<そうふうきゅう>
恭国王宮連檣山の頂上ににある。

宗廟<そうびょう>
里祠の東にあって、祖霊をまつる。

奏南国<そうなんこく>
奏国の別称。四大国の一。

族<ぞく>
の一段階下。の一段階上。

即位の儀<そくいのぎ>
他国の賓客および国民に新王を披露するための儀式。国府正殿で行われる。街は旛旗でいっぱいになる。

族里<ぞくり>
のあるのこと。普通のよりも大きい。

租税<そぜい>
の一。おおむね収穫の一割で、国によって決められる。

卒<そつ>
百兵。長は卒長

卒長<そつちょう>
の長。

巽海門<そんかいもん>
巧国にあり、青海赤海を分けている海のこと。令巽門へ通じる。

――出典
「東の海神 西の滄海」
「図南の翼」
「風の海 迷宮の岸(上)(下)」
「月の影 影の海(上)(下)」
「風の万里 黎明の空(上)(下)」
以上、小野不由美作 講談社X文庫ホワイトハート
「漂舶」
小野不由美原作 講談社X文庫CDブック「東の海神 西の滄海」付録
「帰山」
小野不由美作 「麒麟都市 麒麟都市・3開催記念刊行本」発行・麒麟都市
「京都私設情報局 5号」編集発行・小野不由美 協力・猫猫組
――参考文献
「大辞林」松村明編 三省堂


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