「十二国記」用語集 第二版 は行


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 「十二国記」にでてきた、用語を解説してみました。人名は、キャラクター紹介の方を参照して下さい。
 本編に載っている解説しか書いてありません。あしからず。
 間違えているところ、こんなんじゃないーという文句、追加などがあったら、お気軽にこちらまでお知らせ下さい。

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「十二国記」用語集 第二版 は行

       



背享<はいきょう>
柳国中部の黒海沿岸の港町。芝草の南。

配浪<はいろう>
巧国淳州符楊郡廬江郷しん県の東岸にある県城まで馬車で半日。街道沿いに西に歩いて五日で五曽。ようちという湖がある。
四メートルほどの隔壁は、白いしっくいで、黒い瓦。広さは高校の半分くらいで、狭い印象を受ける。
から来た陽子が流れ着いた。(慶国景王赤子即位八ヶ月前)

駮<はく>
妖獣の一。馬に似ている。鋭利な角が一つあり、蹄の代わりに太い爪がある。光が当たると銀色に輝く肌。
船よりはるかに速く飛ぶ。馬より数段高い声。雑食。

伯<はく>
の一。の下、の上。伯と卿伯がある。
国府では卿伯どまりで、伯は自力昇仙の飛仙仙伯)以外にはいない。伯位以上の虚海を越えることができる。

白郡<はくぐん>
雁国景州の一。
首陽郷がある。

麦州<ばくしゅう>
慶国の一。西にあり、青海に面する。
産県がある。
浩瀚が州侯だった。(慶国景王赤子即位前)

白端<はくたん>
慶国で有名なお茶。高価。

白雉<はくち>
二声とも言う。白雉は一生に二度しか鳴かない。その鳴き声も二通りしかない。最初に、即位を告げるために即位を告げて、高らかな声で「白雉鳴号」と鳴く(一声)。二度目に上げる声は崩御を告げる(二声)。二声をあげると、白雉は死ぬ。そのため、二声のことを末声とも言う。
白雉の足は、玉璽の代わりになる。
王宮の中の二声宮、または梧桐宮に住んでいる。
麒麟と同時に生まれるものと思われる。

白雉<はくち>
雁国延王尚隆の時代の国歴の一。八十七年まで。前の国歴大化、次の国歴大元

白備<はくび>
の人数。一万。

ばくろう<ばくろう>
巧国の地名。鹿北の近くにある。

琶山<はざん>
才国保州塵県にある凌雲山。山頂近い中腹に翠微洞がある。揖寧の南西。

馬車<ばしゃ>
街道を走る、旅客を運ぶ馬車のこと。農閑期の農民が小銭稼ぎにやっている。馳車よりは格段に安い。
雁国には馬車はない。

馬州<ばしゅう>
戴国の一。南擁郷がある。

白海<はっかい>
西の内海

白亀宮<はっききゅう>
蓬廬宮の宮の一。白い石を敷いた八角形の床。
汕子が碧霞玄君玉葉から泰麒のゆくえを教えてもらった。(戴国泰王驍宗即位前)

白圭宮<はっけいきゅう>
戴国王宮瑞州鴻基山の頂上ににある。
馬蹄形をなす島の大きな入江に面して無数の建物がある。壁、柱、手すり全てが白。屋根は紺。

馬腹<ばふく>
妖魔の一。突風のような速度で駆ける、人の顔の巨大な虎。ぼやけた縞の足。

馬面<ばめん>
隔壁にある突出部のこと。

玻璃宮<はりきゅう>
金波宮の宮の一。南にある。
玻璃(ガラス)でできた温室。白い石の柱が並び、壁も欄間も急傾斜の屋根も玻璃でできている。回廊に囲まれた園林(庭園)の中には澄んだぬるい水の池と沢をまねた小川が流れている。美しい羽の鳥や魚がいる。四阿ふうの小亭がいくつかある。

旛旗<ばんき>
王宮に吉事があることを示す旗。即位の時にも揚げられる。
黒地に一本の枝が黄色で描かれ、枝には三つの実がなっていて、帯のように一匹の蛇がまきついている。

坂県<はんけん>
芳国恵州の一。東岸にある。
新道がある。

半袴<はんこ>
貧しいものがはく、丈の短いのこと。

万賈<ばんこ>
如昇が手を染めていない商いはない、という意味。
 →相園館

範国<はんこく>
十二国の一。範西国ともいう。西の国。

半獣<はんじゅう>
獣の姿と人間の姿と両方に変化できるひとのこと。人間の言葉はどちらの姿の時でも話せる。変身するときは、一瞬姿が溶けたように見え、それが膨れ上がって新たな形を作るように見える。
多い地域がある。
昔は戸籍を与えなかったが、今は巧国以外では戸籍は与えられる。
雁国……大学まで進学でき、高位の国官にもなれる。田圃ももらえ、戸籍にも正丁と載る。
戴国……戸籍を与えるようになった。(戴国泰王驍宗即位後半年ほど)
慶国……上の学校には行きにくく、官吏にもなれない。
    勅令により、半獣差別が法律上は撤廃された。(慶国拓峰の乱後)
巧国……数が少なく、扱いも厳しい。戸籍が与えられないので田圃は配分されず、少学に入れない、官吏にもなれない。雇うのにが余分にかかる。
芳国……少学に入れなく、官吏にもなれない。獣形のままでは上宿の庭にすら入れない。
舜国……上の学校には行きにくく、官吏にもなれない。
柳国……上宿では嫌な顔をされる。

範西国<はんせいこく>
範国の別称。四大国の一。



飛鼠<ひそ>
妖魔の一。耳の短い兎か、身の細く大きな鼠に見える。柔らかい毛並み。片言が精一杯で、ちぃと鳴く。

飛仙<ひせん>
自分で誓願を立ててになったもの(自力昇仙)と、に任ぜられても特にに仕えていないの二種類がある。
自力昇仙……仙籍五山にある。最上位は位(仙伯)。老とつく飛仙は、自力昇仙の仙。
      蓬山女仙、松伯(老松)など。
が任命した……仙籍は国にあるが、国には関与せず隠せいするだけの者がほとんどなので、国も飛仙には関与しないのが慣例。多くの飛仙は生きることに飽いて仙籍を返上する。仙籍を返上しないは失踪することが多い。
         卿伯以下、それに使える下仙たちは上士以上以下。
         わずかな支給金があり、洞府を構える。

畢方<ひっぽう>
妖魔の一だと思われる。妖鳥か?

棺<ひつぎ>
かめににた丸い形をしている素焼きの棺。殻から生まれて殻の中に戻るという意味がある。死者の再生を願い、石で軽く叩いてひびを入れる。

百稼<ひゃっか>
黄朱の主食。様々な穀物を煎ったものを、細かく挽いたもの。
嵩を取らず、これだけで生きていけると言われている。味はあまり良くない。

白虎門<びゃっこもん>
酉門の別称。西にある。

賓満<ひんまん>
妖魔の一。
岩でできたような顔色の悪い男の顔に、半透明のゼリー状のものがクラゲのようにまとわりついている。くぼんだ目は血のように赤い。冷たくぶよぶよしている感触。
人にとりついて身体を操り、獣に乗ったり剣を扱ったりする。持ち主に目を閉じられると何も見えない。戦場や軍隊に出る。
憑依される時は、首のうしろにごとんと重いものが乗り、冷たいぶよぶよしたものが胸へ入る。冷たい糊のようなものが背中から腕を這い、同時に首のうしろになにかが押しつけられる。あとには何の感触も残らない。



賦<ふ>
や官費をまかなうための。決められた範囲内で領主が勝手に徴収できる。原則は収穫の五割から一割いかないくらい。ひどくて二割。
口賦など。

夫<ふ>
面積の単位。一夫は約一万八千平方m、百、百×百。九夫が一
給田の際に一人に与えられる土地。

歩<ふ>
距離の単位。一歩は左右両足を開いた長さのことで、135cm、二。六百歩は、騎馬を連ねて隊列が往き来できる広さ。
面積の単位としては、一歩四方が一歩で、約1.8平方m、一のこと。

封領<ふうりょう>
国官には給料がなく、首都州のどこかに封じられ、封領から上がる租から国の取り分を除いたものが給金の代わりになる。
最小単位は、最大は。国へは租税の半分が治められ、国官には租税の半分とを得られる。最低で成人の1.5倍の収入がある。封領の官府の長官は、領主を任免できる。州都も同様の制度を取っている。
全体の経済状態が悪化すれば、自動的に官吏の給料も少なくなる。その代わり、国官が専制を布くこともできる。

武器<ぶき>
刀剣、槍戟(やり)、標槍(投げ槍)、鉄槍、太刀、大刀、斧など。
 →冬器

浮濠<ふごう>
巧国の北端の島。阿岸から船で一昼夜かかる。烏号までは二泊三日。
陽子は阿岸から浮濠行きの貨物船に乗った。(慶国景王赤子即位前)

府城<ふじょう>
府第の別称。

仏教<ぶっきょう>
芳国十二、三代くらいの、必王の時代に、山客が伝えた。山腹をえぐって寺を建て、仏教を教えた。
芳国雁国奏国漣国で死体を荼毘に付すのは、仏教の影響。

府第<ふてい>
役所のこと。その行政単位ごとに里府県城郷城郡城国府などと呼ぶ。
旌券を発行する。県府以上には蔽獄(裁判所)がある。

普白<ふはく>
恭国供王珠晶の前の時代の国歴
十一年に前王登霞、三十八年まで続いた。

浮民<ふみん>
国から与えられた土地を離れ、どのにも属さなくなった者たちのこと。別名、割旌
戸籍も土地もない。結婚もできないし、子どもももてない。里家にも入れない。学校に行けない、官吏になれない国が多い。山客海客も普通は浮民扱い。
猟木師侠客、犯罪者、隠遁者などがいる。
巧国では少学に入れない。

夫役<ぶやく>
昔は数え年で決められていたが、今は満年齢で決められる。肉体労働によって払う税のこと。堤を築いたり、溝を掘ったり、を造作したり、戦ったりする。兵役は十八以下に課せられるのはまれ。

符楊郡<ふようぐん>
巧国淳州の一廬江郷がある。



碧霞玄君玉葉<へきかげんくんぎょくよう>
蓬山をおさめる女神。蓬廬宮に住む女仙の長。
女のには、玉葉という名が多い。

碧霄<へきしょう>
雁国元州にある天領禁苑である霄山がある。

別字<べつじ>
の他のあだ名。

房間<へや>
部屋。たいてい、一明二暗の形式になっている。一つの房間を一房と呼ぶ。
起居(居間)は季候の良い季節ならば細く折り畳む折り戸の扉を間口いっぱい開け放して、目隠しのために衝立をおくのが普通。眠るときなど、他人に入って欲しくないときでなければ、どんなに寒くても少しだけでも開けておくのが礼儀。

扁額<へんがく>
建物やの名前の書いてある看板のこと。の門にはたいていの名前が書いてある。



鵬<ほう>
鳥の名、または近くになるであろう人物のこと。
背は泰山のごとく、翼は垂天の雲のごとしと例えられる。羽ばたいて旋風を起こし、弧を描いて飛翔する。雲気を絶ち、青天を背負い、南を図る鳥。
 →図南の翼を張る

鳳<ほう>
牡。他国の大事(即位、崩御など)を鳴いて知らせる。と一対。
王宮梧桐宮に住んでいる。

袍<ほう>
男性の上着。膝丈の袂のない着物。
の高い人の間では、袍とは身丈も袖丈も長い上着のことで、のない人の両方とも短い袍を袍子と呼ぶ。
のない人の間では、袍は短いもので、長いものは長袍と呼ぶ。
官吏の着るものは位袍
 →袍衫

畝<ぽう>
距離の単位。一畝は約1.8平方m、一四方。百畝で一

房<ぼう>
一つの房間を一房と呼ぶ。

豊鶴<ほうかく>
慶国和州瑯耶郷郷城
明郭まで馬で一日。拓峰から東へ馬車で一日。拓峰と同じくらいの
労が北韋から移転してきた。(拓峰の乱前)

芳極国<ほうきょくこく>
芳国の別称。四極国の一。

芳国<ほうこく>
十二国の一。芳極国ともいう。北西の島国。国都蒲蘇国氏は峯。国歴永和など。
恵州がある。
冬は雪に閉ざされ、夏には牧草が緑の海を作る。いい馬が育つ。
雪の時期は、朱旌や行商、旅人は火桶と客の体温で暖まるための馬橇を使う。
必王の時代に寺が最初に建ち、死体を荼毘に付す風習があり、里祠廟堂風ではなく寺堂風に建てるなど、仏教の影響がある。
窃盗は私刑。(芳国峯王仲韃)

袍衫<ほうさん>
男の衣服。衫はの下に着る薄い着物で、外出するときはを重ねる。下は
他に、大袖(きもの)、襖(上着、綿が入ったものがある)、褞袍(がいとう)などがある。装身具として、氈帽(帽子)、長巾(かたかけ)がある。

蓬山<ほうざん>
五山の東岳。東岳東山とも呼ぶ。王夫人の山とも、女神碧霞玄君玉葉がおさめるとも言われている。
古くは泰山と言ったが、泰王をはばかり、ここ千年ばかりは蓬山と呼ばれている。(慶国景王赤子即位)
麒麟が生まれ育つ蓬廬宮がある聖域。天勅は蓬山の上の西王母の廟で行われる。
奇岩の山。緑の奇岩が複雑な模様を描いて麓まで続いている。奇岩は迷路をつくっていて、昇山するものが訪れる甫渡宮までの道は一つしかない。
季節はなく、花は年中咲いて散る。天神女神の力によって幾重にも守護されているため、天変地異は起こらないし、気候も良い。
妖獣妖魔は入ってくることができない。五山のうちで、人が住んでいるのは蓬山の蓬廬宮だけ。

袍子<ほうし>
の高い人の間で、のない人の身丈も袖丈も短いのことをこう呼ぶ。

蓬山公<ほうざんこう>
蓬山の主である麒麟のこと。

鵬雛<ほうすう>
近くになるであろう人物のこと。

宝重<ほうちょう>
各国に伝えられる、呪力を持った道具のこと。のみが使うことができる。
十二国全てに共通な物は、御璽のみ。
慶国水禺刀などがある。

卯門<ぼうもん>
十二門の一。東にある門のこと。

鵬翼に乗る<ほうよくにのる>
鵬雛)を交えての黄海昇山の旅は、格段に困難が軽減される、という剛氏のことわざ。
しかし、を失うと、その反動が一気に来るといわれている。

蓬莱<ほうらい>
日本のこと。倭国ともいう。
虚海の海上遥か彼方には幻の国がある、そこは選ばれた者だけが訪ねることができる至福の国であり、豊穣の約束された土地であると信じられている。富は泉のように湧き、老いも死もなく、どんな苦しみも存在しない、という伝説の国。
家は金銀玉でできていて、国は豊かで農民でも王侯のような暮らしをし、人は皆宙を駆けて一日に千里でも走る。赤ん坊でも妖魔を倒す不思議な力を持っていて、妖魔神仙が神通力を持つのは異界で深泉の水を飲むからだと言う伝説がある。人は死ぬと蓬莱に生まれて仙人になるともいわれている。
人には行くことものぞき見ることもできないが、神仙ならば可能。ただし、麒麟が世界を渡ると、が起こる。呉剛の門によってふたつの世界をつなぐことができる。

芳陵<ほうりょう>
雁国郷都
容昌の近く。

法令<ほうれい>
全ての法令は大綱に逆らっては作ることができない。が発布するものを地綱という。
玉璽と王の署名(御名御璽)がなくては、高官に下す制令は意味を持たない。

蓬廬宮<ほうろぐう>
蓬山にある、五山の中で暮らす者の唯一のすみか。麒麟のために存在する。
苔むした奇岩の迷路の中にある。奇岩は奇妙にえぐれ、不安定にそびえ、身の丈三倍以上に大きさがある。奇岩の間の小道はかろうじて女がふたり肩を並べて歩けるほど。奇岩の上を人馬は進むことができないが、妖獣ならば可能。しかし、妖獣は蓬廬宮への立ち入りを許可されていない。無数の隧道(トンネル)と枝道があるこの迷宮を解けるのは、ここに住む者のみ。この迷宮は、麒麟を守るために存在する。
上から見ると、扇状をしている。扇の突端の奥の東の高台に捨身木があり、その先は断崖。迷宮の北は絶壁と尖塔のある厳しい峰。門の外、南と西には下りながら広大な迷路が続いている。外の迷路は解きやすく、道幅も広く広場もある。
小さな宮が点在するが、それはどれも四阿(あずまや)か、庵のようなたたずまいをしている。
迷路の中では常に花の匂いが、奇岩の上では潮の匂いがする。
雲悌宮白亀宮甫渡宮海桐宮露茜宮紫蓮宮丹桂宮麝香苴の苑などがある。

北韋<ほくい>
慶国瑛州北韋郷黒亥県にある北韋郷郷都。本来は固継という。
固継は北東にある。合水を越えれば和州止水郷
瑛州の北西にある。堯天から東西に延び、虚海青海へ向かう街道の分岐点にあるため、都市として栄えている。

北囲<ほくい>
雁国元州新易の上流にある
斡由の部下が漉水の堤を切った。(頑朴の乱)

北韋郷<ほくいごう>
慶国瑛州北東部のの一。堯天の西。
黄領郷都は本来は固継だが、北韋という名で独立したまちになっている。
黒亥県合水がある。

北岳<ほくがく>
恒山の別称。

北山<ほくざん>
恒山の別称。

牧伯<ぼくはく>
の勅命によって各の監督をする官。首都州には常駐している。卿伯
の各府第刺史を派遣する。

北梁県<ほくりょうけん>
巧国寧州の一。
東に淳州安陽県、西に青海、その向こうに雁国がある。

北路<ほくろ>
雁国柳国の境にある雁国側と柳国側、別々だがの名は同じ。

保州<ほしゅう>
才国の一。塵県がある。

歩墻<ほしょう>
隔壁の上で、歩けるようになっている。
要所に敵楼が設けられている。

保翠院<ほすいいん>
奏国全土にある、荒民のための救済施設。首長は大翠

蒲蘇<ほそ>
芳国の首都。蒲蘇山の頂上には鷹隼宮がある。

墓地<ぼち>
の北の閑地にある。囲墻(囲い)がないことがほとんど。冢墓(墓)の側に冢堂がある。
死人は普通、家族が自分の土地の片隅に葬って祀る。塚を作り、梓を植え、裕福な者は祠(ほこら)をおき、物品を供えて供養し、季節季節には紙で作った衣類を供える。
墓地に葬られるのは客死した者や浮民、家族がない者など。

北郭<ほっかく>
慶国和州明郭の北、亥門の外にある、荷を蓄えて旅人を泊める大きなのこと。
もともとは亥門の外についたちょっとした倉の集まりだったところに、季節ごとに隔壁を広げていき、今ではばらばらの大きさや形の隔壁が複雑な迷路のようになっている。

北乾<ほっけん>
臨乾との間に一日一便の船便がある(半日)。までは歩いて三日。
珠晶が白とをとられた。(恭国供王珠晶即位前)

没庫<ぼっこ>
奏国虚海沿岸の小島の港。巧国に近い。
清秀はここから慶国行きの船に乗った。(拓峰の乱前)

甫渡宮<ほときゅう>
蓬廬宮の門の外にある離宮。
翠の釉薬の屋根。四方に壁がある。中には天井の高い大きな広間が一つあり、正面に祭壇がある。右手には八畳くらいの壇がある。
安闔日が過ぎると盛大な進香女仙によって行われる。
昇山した者たちは、蓬廬宮から甫渡宮までの石畳の道に天幕を張り、順に進香を行い、麒麟の裁可を待つ。今回の昇山がいなかった場合は、甫渡宮の大扉が閉じられる。その後は甫渡宮の周りに天幕を張って、次の安闔日まで時間をつぶす。

本姓<ほんせい>
生まれたときに決まっていたのことを、成人後には本姓と呼ぶ。

――出典
「東の海神 西の滄海」
「図南の翼」
「風の海 迷宮の岸(上)(下)」
「月の影 影の海(上)(下)」
「風の万里 黎明の空(上)(下)」
以上、小野不由美作 講談社X文庫ホワイトハート
「漂舶」
小野不由美原作 講談社X文庫CDブック「東の海神 西の滄海」付録
「帰山」
小野不由美作 「麒麟都市 麒麟都市・3開催記念刊行本」発行・麒麟都市
――参考文献
「大辞林」松村明編 三省堂


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