「十二国記」用語集 第二版 あ行


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 「十二国記」にでてきた、用語を解説してみました。人名は、キャラクター紹介の方を参照して下さい。
 本編に載っている解説しか書いてありません。あしからず。
 間違えているところ、こんなんじゃないーという文句、追加などがあったら、お気軽にこちらまでお知らせ下さい。

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「十二国記」用語集 第二版 あ行

       



阿岸<あがん>
巧国寧州にある、青海に面した港。
前ではいくつもの街道が交錯している。なだらかな丘陵地帯を下ったところにある。
五日に一度、雁国烏号への船が出ている(三泊四日)。
鹿北から歩きで一月。
陽子と楽俊の最初の目的地。(慶国景王赤子即位前)

字<あざな>
公式の場、書式以外で用いる呼び名。古くはを呼び合うことを忌んで、字を呼び名としていた。
戸籍上はが書いてあり、成人すると字を名乗る。
 →別字
 →小字

妖<あやかし>
妖魔妖獣の総称と思われる。

安闔日<あんこうじつ>
四令門が開く日のこと。
至日中日の正午から翌日の正午まで門が開く。

安賦<あんぷ>
妖魔から守ってもらったり、いざというときに里家で養ってもらうための
実際には、国庫(国の予算)がまかなうはずであるため、課することは禁じられている。

安陽県<あんようけん>
巧国淳州にあるの一。
鹿北がある。
西に寧州北梁県がある。



衣桁<いこう>
着物を掛けるためのもの。

緯州<いしゅう>
恭国首都州
乾県連檣がある。

弩<いしゆみ>
弓の一。
弩の先の鐙(あぶみ)に足をかけ、全身を使って弦を牙(突起)にかけ、箭(矢)を箭溝(溝)に落としこんで、射ることができる状態になる。
 →床子弩
 →転射

一明二暗<いちめいにあん>
建物の構造の基本。開放型の部屋(起居)が一つに、閉塞型の個室(臥室・書斎)が二つ付属する形式。この三部屋を一セットで房間と呼ぶ。
・四畳半ほどの起居(居間)に三畳ほどの臥室(寝室)が二つ付属。
起居と、一方の臥室が牀榻がある寝室、もう一つはと書卓(机)や棚のある書斎
など。

一声<いっせい>
白雉が最初に上げる声のこと。即位を告げて、高らかな声で「白雉鳴号」と鳴く。

為替<いてい>
現金の代わりになるもの。界身が発行する。

位袍<いほう>
男性の官吏の着る服のことか?

維竜<いりゅう>
慶国征州州都
景麒がとらわれていた。(慶国景王赤子即位前)

隠形<いんぎょう>
おんぎょう、の別の読み方。

隠伏<いんぷく>
麒麟の影に姿を隠してひそみ、麒麟についていくこと。使令ができる技。



烏号<うごう>
雁国景州白郡首陽郷郷都
港町で、巧国阿岸からの船が五日に一度くる。
整備された港とその背後の巨大な。港を一辺にすえてコの字型にあるは、正面の山に向かってゆるやかにかけあがるようである。建物に施された極彩色の装飾のため、遠目に見ると落ちついた薔薇色に見える。
を広げたあとである郭壁があちこちにある。通りは広く、の内側では厚みが十メートルはあるかつての城壁をえぐって商店が営まれている。
建物は木造の三階建て。天井は高く、どの窓にも玻璃(ガラス)が入っている。煉瓦や石を使った高く大きな建物もある。道は石で舗装してあり、下水溝、時計台、公園、広場などもある。郷城は煉瓦でできた洋風な建物。
陽子と楽俊が初めて訪れた雁国の地。(慶国景王赤子即位前)

氏<うじ>
成人すると、本姓と呼ぶようになり、自分で氏を選んで氏を名乗る。

禹帝<うてい>
の一。水害を逃れることを願う。

禹歩<うほ>
妖魔を避ける独特の歩法。

雲海<うんかい>
空にある、天上と天下を隔てる海。上に出ると凌雲山が島のように浮かんでいるように見える。出入りできるのは、凌雲山禁門からのみ?
水があるが、天下からは、水があることはわからず、凌雲山の頂に打ち寄せた波頭が白く雲のように見えるだけ。よほど高く昇れば、角度の加減で破璃(ガラス)の板を張ったような底を見る事ができる。
上からは水を透かして地上が見える。うっすらと青みを帯びた透明な海。深さは身の丈ほどに見えるのに、潜ってみてもとうてい底にたどりつけない。潮の匂いがする。上は下界の季節とは関係ない。
 →瑞雲

雲橋<うんきょう>
てん壕車の巨大なもの。
 →叢雲橋

雲悌宮<うんていきゅう>
蓬廬宮の北にある宮の一。
奥には朱塗りの扉があり、その向こうにはふだんは緑の断崖のような岩壁しかないが、天勅を受ける際には上への透明な階段が現れる。



衛士<えじ>
にいて、を守っているが、旅人を監視することもある。

栄可館<えいかかん>
北韋辰門近くにある舎館
景麒が陽子を呼びだした。(慶国拓峰の乱前)

瑛州<えいしゅう>
慶国首都州国都堯天を中心に弓なりになっている。
北韋郷がある。

永湊<えいそう>
才国の南にある虚海沿岸の
奏国までの客船、虚海周りで慶国を経由し、雁国へ行く商船が出ている。
揖寧から騎獣で十日。
鈴が慶国への旅を始めた。(慶国拓峰の乱前)

永和<えいわ>
芳国峯王仲韃の時代の国歴。治世三十年あまり、永和六年に仲韃の治世は終わる。

益州<えきしゅう>
奏国の一。

拱手<えしゃく>
身分の高い人々の間の。軽く握った左手を包むように右手を添え、重ねた手を上げるようにして一礼する。
長い袖がないとできない。

雁国<えんこく>
十二国の一。雁州国ともいう。北東の国。国都関弓国氏は延。国歴大化白雉大元など。
靖州景州元州光州貞州擁州がある。
北西に柳国、北東に戴国、南東に慶国がある。内海側は黒海青海に面している。
寒冷。夏は黒海から吹き込む冷たい風にさらされ、涼しくて雨がなく、植物の繁茂には適さない。秋が長く、ふわふわといつまでも暖かくて、秋の終わりに一月ほどの雨期が来る。雨が止むと北東からの乾ききった震撼するような条風が吹き始め、いきなり柳国と同じくらい寒くなる。
北方の国々の中で最も富んだ国。が大きく商業も盛んだが、特産の小麦と牛が富の大半を占める。の建物の大きなものは石造りで、四階建てや五階建てもある。どの窓にも玻璃(ガラス)が入っている。
馳車しかなく馬車はない。よほどの河幅でなければ橋がかかっていて渡しも整備されている。問題は、荒民浮民。貧しい者がその落差に苦しむ国。
仏教の影響から、死体を荼毘に付す風習がある。

雁史邦書<えんしほうしょ>
雁国延王尚隆の時代の歴史書と思われる。

雁州国<えんしゅうこく>
雁国の別称。四州国の一。

燕寝<えんしん>
王宮燕朝の表。
禁門へ通じる階段がある。

燕朝<えんちょう>
王宮の山頂にあるの居宮(内宮)と朝廷(外宮)のこと。
表を燕寝という。



王<おう>
の一。国を統治し、国の陰陽を調え、八卦を律する。王が玉座にいないと、自然の理が傾き、天災が続く。王の存在そのものが国家を鎮護し百姓を安寧する、国の御柱。
国の最高権力者で、王が何かしようと決意すれば、止める方法はなきに等しい。州侯を任じ、天下に地綱(法律)を発布して、統治の目標を設定し、民に国土を分配する。王師を掌握し、諸を指導し監督する。祭祀を行うのも務めの一つ。
王は、その国に生まれた者から選ばれる。王は出自や功績によっては選ばれず、天命により麒麟に選ばれてその座に就く。名君となる資質はどの王も持っている。
麒麟が死ぬと、王も死ぬ。また、神籍に入ってるので、神籍から外してもらえば死ぬことができる。殺すには、首をはねるか胴を両断するしかない。多少の怪我なら治癒する。
王がしてはならぬ罪は三つ。一つ、天命に逆らって仁道にもとること。一つ、天命を受け入れずに自ら死を選ぶこと。一つ、他国に侵入すること(覿面の罪)。
午前は外殿朝議に出、午後には内殿に戻り政務を行う。本来王は外殿から外へはでない。
次の王は必ず違うの者(禅譲)。王には戸籍がないので、一旦玉座に着いてしまうと王は婚姻できない。すでに婚姻していれば、伴侶に王后大公、子に太子公主などの位を授けることができる。
一国を巻き込めるほどの運の強さが王の器量。醜い王はいない。王が虚海を渡るとがおこる。王はその国に伝わる宝重の呪力を使う。他国の王や麒麟とはあまり深く関わらないのが普通。
古来の儀礼では、王は臣下に話しかけず、臣下も王には話しかけない。臣下は書状にしたためて侍従に渡し、王がこれを読んで返答を侍従に耳打ちし、それを侍従が臣下に語る、ということをしていた。現在ではそこまでしている国はないが、あまり直接臣下に口をきくことはしないしきたりになっている。

凰<おう>
と一対の牝。他国の凰と意志を通じることができる。
王宮梧桐宮に住んでいる。

王気<おうき>
麒麟が感じることのできる、の気配。「他の者とは違う」という感覚。本人が目の前にいなくてもばくぜんと方向が感じられる。

王旗<おうき>
黒地に力強く飛翔する昇竜と昇る日々星辰が描かれている。
が正式に登極すると里祠に揚げられる。

王宮<おうきゅう>
各国の国都にある国都の名を冠した凌雲山の頂上にある。
山頂に燕朝、その下に内朝外朝があり、山の麓には国府がある。入り口は皋門雲海の上から出入りができるのは禁門だけで、麓の国都から昇る道にある縦の五つの門を正門という。
通常は宸殿を核として編成される。構造はどの国も、州城とも似ている。
初代の天帝から賜ったと言われていて、歴代のは王宮に手は入れても取り壊したりはしない習わしになっている。
慶国金波宮雁国玄英宮戴国鴻基白圭宮巧国傲霜翠篁宮恭国連檣霜楓宮才国揖寧長閑宮奏国隆洽清漢宮芳国蒲蘇鷹隼宮など。

王后<おうごう>
の妻。

王師<おうし>
の有する軍。別称六師禁軍首都州州師ずつ、全て黒備。通常六七万五千。
将軍は大学を出ていて当たり前。

王夫人<おうふじん>
蓬山の守り神。
王夫人をまつる廟を大真廟と呼ぶため、大真王夫人だと思われる。

王母廟<おうぼびょう>
西王母をまつる廟。

隠形<おんぎょう>
いんぎょう、ともいう。姿を隠していること。
使令や一部の麒麟ができる。
気に聡い武将ならば忍び寄る気配に気づくことができる。
 →遁甲術

釿婆子<おんじゃく>
寒い地方で、冬に旅人が首から下げて歩くゆたんぽのようなもののこと。中には炭が入れてあり、表面には小さなくぼみがあり、くぼみの底に小さな穴が開けてある。中には石綿がしいてある。

――出典
「東の海神 西の滄海」
「図南の翼」
「風の海 迷宮の岸(上)(下)」
「月の影 影の海(上)(下)」
「風の万里 黎明の空(上)(下)」
以上、小野不由美作 講談社X文庫ホワイトハート
「漂舶」
小野不由美原作 講談社X文庫CDブック「東の海神 西の滄海」付録
「帰山」
小野不由美作 「麒麟都市 麒麟都市・3開催記念刊行本」発行・麒麟都市
――参考文献
「大辞林」松村明編 三省堂


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