小説の部屋

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 ファンタジー系、えすえふ、児童文学が好きです。
 あらためて見ると、「自分を探す」ファンタジーだらけだな、このページ(笑)。

 こんぴうたあの本心理学の本英国の本は、別にあります。
 これから買うものリスト、買った本については、今日のひとりごとに書いてあります。


「十二国記」の部屋
 小野不由美さんのシリーズ、十二国記の部屋です。

ぴっくあっぷ (08/03/02)
 「とある飛空士への追憶」(犬村小六・小学館ガガガ文庫)

まちのほんや
 私の好みな本屋のある街のご紹介。

好きな作家と好きな作品またはシリーズ、好きな台詞
(日本)

(外国)

ぴっくあっぷ


「とある飛空士への追憶」(犬村小六・小学館ガガガ文庫)
 空を飛ぶ物語が好きだ。しかし、空が大好きという訳ではないし、自分が空を飛びたいという憧れも持ってもいない。「空を飛ぶこと」に対する登場人物たちの想いがいつも最終的には純度が高く、その純粋さが常に嫌みでなく、裏を持たないことが、原因だろう。だから、「空を飛ぶ」物語は、純粋でいて綺麗で、よい物語が多い。そういう法則が私に存在する。そして、この物語もその一つである。
 「次期皇妃を水上偵察機の後席に乗せ、中央海を単機敵中翔破せよ」との命を受けた一人の傭兵。彼はこの国では差別されるべき民族の血をひくため、その腕の良さにも関わらず、傭兵という身に甘んじていた。輝かんばかりの外見を持つ次期皇妃、ファナは最初は人形のようだったが、じきに本来の姿を彼に見せ始める。
 いやー、よい。よい物語でした。という言葉がふさわしい。「空を飛ぶ」物語が好きな人なら絶好です。切ない恋の物語でもあるけど、それがうまく舞台と物語と合っていて、嫌みがなく、始終楽しく読めました。表紙を見てこれは!と思っていたのですが、読んでみてやはり、と思った。よい買い物でした。おすすめ。ガガガ文庫だから読まないなんてもったいない。
「さがれ」ファナ「とある飛空士への追憶」(犬村小六・小学館ガガガ文庫)p322より


好きな作家と好きな作品またはシリーズと好きな台詞


・日本の作家
小野不由美 十二国記シリーズ(講談社X文庫ホワイトハート・講談社文庫)
 中国っぽい世界の十二の国の、王と麒麟の話。
 一国に唯一つの神獣、麒麟によって王は選ばれ、その時から王は不老不死になる。異界(現実の日本)から来た者を彼らは「海客」と呼び、ある国では海客は虐げられている。
 あらすじを言えばこうだが、登場人物たちの心の動きがリアルで切なくて上手い。
 とにかく、読みましょう。
 それだけの価値はあります。
 もし買うのがはずかしかったら、まず新潮文庫の「魔性の子」から読んでみて下さい。そしたら、ホワイトハートに入りたくなるはず……ふふふ。
 読む順は、「ホラー・スプラッタが嫌いでなかったら」「魔性の子」→刊行順をおすすめします。(嫌いだったら「魔性の子」は最後に読んだ方がいい)その際に、けっして、「月の影 影の海(上)」で止めないこと!
 十二国記を読んだことのある方は、ぜひ「十二国記の部屋」をご覧下さい。
 アニメ化しました。アニメから見始めた方は、「月の影 影の海」から読まれた方がよいかと。講談社X文庫ホワイトハート版の方が山田章博さんのイラストが綺麗でおすすめです。
「己という領土を治める唯一無二の君主に」陽子(「風の万里 黎明の空」(下)より)
関連リンク
十二国記の部屋
 私、おむらよしえが作っています。ここに、一冊ずつの解説もあります。小野不由美さん最新情報もあり。

須賀しのぶ <流血女神伝>シリーズ(集英社コバルト文庫)     「帝国の娘」(前後)「砂の覇王」全9巻「女神の花嫁」(前中後)
    「暗き神の鎖」(前中後)「喪の女王」全8巻「天気晴朗なれど波高し。」1〜2巻
 カリエは猟師の娘として育ったが、皇子の身代わりとなることをいきなり強制される。ジェットコースター、という比喩がふさわしい、続きが毎回楽しみな作品です。そしてなんといっても文章が上手い。そして登場人物たちが魅力的でありかつ「生きている」ように感じられる。キャラクターとしても、かっこいい男が目白押し、かっこいいお姉さまもあり、いきな女友達もあり、と魅力的です。そして何よりも主人公のカリエが名前や身分をどんどん変えざるを得ない状況に追い込まれながらも、常に希望を失わず、戦い続ける姿が快感です。展開もドラマティック。物語好きにはもう絶好でしょう。また、少女向けを読まない方にも、これはおすすめではます。文章が湿気ていないので、読めると思いますよ!
 「天気晴朗なれど波高し。」1〜2巻は外伝ですが、それ以外は順番通り読まないとほんとにいけないシリーズです。
 今まで、このページでこの作品を紹介していなかったのは、充分売れているからでしたが、「女神の花嫁」(「帝国の娘」後編で登場するラクリゼの今までの人生の話)を読んで断然評価が上がりました。何回も読んでもおいしいとはこのことです。後の巻を読むたびに前の巻を読みたくなります。
 また、私の好きな船戸明里さんがイラストをかいているのも魅力のひとつ。最近は忙しいために表紙のみとなっていますが、もう彼女のイラストに脳内変換されるから大丈夫です!(でも後でかいてほしいな……)
「だから――どうせ死ぬのなら、ここで一回死んだ気になって、わたしと一緒に来たらどうなの!」カリエ(「帝国の娘」(後編)より)
関連リンク
no.99
 作者、須賀しのぶさんの公式サイト。日記のようなものあり。

妹尾ゆふ子 「チェンジリング 赤の誓約(ゲァス)」
   「チェンジリング 碧の聖所(ネウェド)」(角川春樹事務所ハルキ文庫)
 
 生まれつき、妖精を見ることのできるOLの美前は、できるだけ目立たぬよう、ひっそりと毎日を過ごしていた。自信がなく他人を受け入れようとしない美前に、周りの人々は踏み込もうとはしなかった。ごめんなさい、と毎日言い続ける美前の前に、黒いコートに金髪の少年が現れ警告する。「狙われている」と。異界からの訪問者たちが、美前の争奪のため、現代世界で戦いを始めてしまう。美前の孤独ながらも変わりのない日常は去りつつあったのだ――。
 異世界の住人が現れ、お前はこの世界を去らねばならないと言われる。そして自分にはあまり別れを惜しむ人も物もない。そんなことがあったらどうする、「赤の誓約」はそういうお話でした。完結編である「碧の聖所」では、異世界<輝きの野(マーグ・ソルシュ)>を訪れた美前の苦難と迷い、そして美前だけではなく異世界の人間たちそれぞれの苦しみや悩みや選択が語られます。
 妹尾ゆふ子さんは、神を書かせたらぴかいちだなあと私が思う作家です。遠い世界の、幻想的なイメージを視覚的に描写できる人だなあと思っています。この作品にも、その腕は活かされていて、音と円のイメージが美しく描かれています。「赤の誓約」では、それだけではなく、現代日本のOLの世界もよく描けていると思いました。そしてそして、「碧の聖所」では、異世界の描写がすごいです。ケルト風の世界の冷気(あちらは冬です)、そして人間ではないものたちの異形さ、「あちらのひとたち」の価値観がいかに「こちらのひとたち」と違うか、がよく描かれています。
 読んでいる間に、この読んでいる時間を引き延ばしてしまいたいと思い、読んだ後にその余韻に浸れる物語には、なかなか出会えません。だから、この作品に出会えてよかったです。
 番外編が、作者のサイトで公開中です。

「おれは、力だ。おまえ自身がおまえの言葉で手に入れた、力だ。だから、おまえが行きたいところへ連れて行ってやる。おれの力が及ぶ限り、お前は自由だ。偽りの言葉など捨てるがいい。おまえの本心で語れ。自分をよく見据えてみろ。わかるはずだ――真実の望みが見えてくるはずだ」リン(「チェンジリング 赤の誓約」より)
関連リンク
うさぎ屋本舗
 妹尾ゆふ子さんのご本人ページです。掲示板あり。

久美沙織 ドラゴンファームシリーズ
    「竜飼いの紋章 ドラゴンファーム1」「竜騎士の誇り ドラゴンファーム2」
    「聖竜師の誓い ドラゴンファーム3」(上下)(早川文庫JA)
    「ドラゴンファームはいつもにぎやか」「ドラゴンファームのゆかいな仲間」(上)(下)
    「ドラゴンファームのこどもたち」(上下)(プランニングハウス ファンタジーの森

 プランニングハウスより五冊完結で出ていましたが、出版社倒産のために絶版となっていました。が、早川文庫JAからタイトルを変えての文庫化されました。わーい(ぱちぱち)。内容は同じようです。
 「ドラゴンファームはいつもにぎやか」(「竜飼いの紋章」)は、ドラゴン牧場(この世界では、ドラゴンは使役用と乗用、馬車を曳くためのもの、愛玩用などがある)の末息子フュンフが、隣人の牧場乗っ取りのたくらみを妨害する話ですが、この話は、ストーリーではない部分に魅力があります。
 まずキャラクター。なによりも、フュンフの心の親、ドラゴンのシッポです。フュンフを愛する心、プライドを持っているところ、こういう、「ひとでないもの」はやっぱり愛しいです。フュンフは、何か気になるなあとおもっていたら、私の好きなタイプ、「じじむさい」子だった(笑)。いや〜、金髪なんで気付きませんでしたよ〜(私は黒髪が好き)。ヨーロッパ系の空気と、「じじむさ」さがくっつくとは思っていなかった、あとまあ、私のビジュアル的好みは短い黒髪で目が細い細身の人なんで、ほんとに、「気付いて」ませんでした。美少女なのに行動派のディーディーも魅力的ですね。
 ま、それはおいといて、もう一つの魅力は、フュンフの視点から語られることによって、なんともいえない特有の「空気」がうまれていることです。内省的で、けれどいざというときには適切な行動ができる、何かを愛することのできる心を持ったフュンフの目から見るこの世界は、「その世界設定」だけではなく、それ以上の「空気」をもつことに成功しています。読んだときは、久しぶりに、一種の「衝撃」をおぼえました。
 「ドラゴンファームのゆかいな仲間」(「竜騎士の誇り」)は……詳しく言うとねたばれになってしまうので言いませんが、下巻の最後、ディーディーとフュンフの言い合いのところでおう、と撃たれました。こーゆーの、好きなんですよね〜。狙われてても、素直に撃たれてまう(笑)。
「……そういう素敵な表現をきみはいつもどこから見つけてくるんだろう」フュンフ(「ドラゴンファームのゆかいな仲間」(上)より)

賀東招二 
  「フルメタル・パニック! 戦うボーイ・ミーツ・ガール」
  「フルメタル・パニック! 疾るワン・ナイト・スタンド」
  「フルメタル・パニック! 揺れるイン・トゥ・ザ・ブルー」
  「フルメタル・パニック! 終わるデイ・バイ・デイ」(上下)
  「フルメタル・パニック! 踊るベリー・メリー・クリスマス 」
  「フルメタル・パニック! つづくオン・マイ・オウン」
  「フルメタル・パニック! 燃えるワン・マン・フォース」
  「フルメタル・パニック! つどうメイク・マイ・デイ」
  「フルメタル・パニック! せまるニック・オブ・タイム」
  「フルメタル・パニック! 放っておけない一匹狼?」
  「フルメタル・パニック! 本気になれない二死満塁?」
  「フルメタル・パニック! 自慢にならない三冠王?」
  「フルメタル・パニック! 同情できない四面楚歌?」
  「フルメタル・パニック! どうにもならない五里霧中?」
  「フルメタル・パニック! あてにならない六法全書」
  「フルメタル・パニック! 安心できない七つ道具?」
  「フルメタル・パニック! 悩んでられない八方塞がり?」
  「フルメタル・パニック!−サイドアームズ− 音程は哀しく、射程は遠く」
  「フルメタル・パニック!−サイドアームズ2− 極北からの声」(富士見ファンタジア文庫)

 相良宗介という転校生が来てから、千鳥かなめの生活は乱れっぱなしだ。宗介はかなめをストーカーのようにつけまわし、わけのわからないことをして自爆する。いらいらするかなめだが、彼のまなざしはいつも真剣で、なんら自分に欲望を感じているわけではないことはわかっていた。わかったからこそ、なぜ自分をつけまわすのかを教えて欲しかったが、彼は応えない。そして、ケンカしたまま二人は修学旅行に向かい、そこでかなめは誘拐される。自分に何か秘密が隠されていたこと、そして、宗介の正体をかなめは知ることとなる。
 はまらせていただきました。ええ。ただのアクション、コメディだったら、ここまではまることは絶対になかったでしょう。かなめと宗介の細かい心の描写がめちゃくちゃいいです。かなめもただ守られている女の子に絶対なろうとしない、キャラクターが一貫していてかっこいいし、宗介はその鈍さと真剣さが不器用で愛しくてたまりません。
 読み方としては、長編は順番通り、短編集(タイトルに?と数字がついている)は適宜に読むのがおすすめです。長編を全て読んでからでもかまいません。長編はシリアスめ、短編はコメディめですが、どちらも心の動きがすごく感じ取れていいところがあります。最近長編がものすごい急展開!おもしろなってきました!
 台詞は、最初の巻でありながら、すごくかなめらしいものの言い方だと思います。この後の、宗介の素直さと、帰りたいという情景がすごくよい!
「でも……あなた、『信じてくれ』って言ったでしょう? だから自分に言い聞かせたの。彼は一生懸命なんだ、あたしを助けようとしてくれてるんだ、って。だから恐れずに、彼を信じよう……って。立派だと思わない?」千鳥かなめ(「フルメタル・パニック! 戦うボーイ・ミーツ・ガール」より)


・外国の作家
メルセデス(マーセデウス)・ラッキー
  「タルマ&ケスリーシリーズ」(山口緑訳・創元推理文庫)
 「女神の誓い」「裁きの門」「誓いのとき―タルマ&ケスリー短編集―」(創元推理文庫)の三冊が刊行されています。
 人が馬と剣で戦う時代、各国はそれぞれの王侯が支配している。その馬と戦闘能力で有名で、自律することを知る伝統ある誇り高き部族、シン=エイ=イン。その中の一族<鷹の子ら>(タレ=セイドゥリン)で評判の歌声を持つ少女タルマは、悲劇に遭う。一族をならず者の一団が襲い、タルマを残して皆殺しにされたのだ。タルマ自身も犯され、瀕死の重傷を負った。シン=エイ=インの他の一族により命を得たタルマだったが、一族を皆殺しにされた事件はシン=エイ=インとしての彼女に深い傷を残し、タルマは<誓いを立てし者>(カル=エネイドゥラル)となることを決意する。<誓いを立てし者>とは、シン=エイ=インの神の顔の一つ、<猛きもの>と<剣の誓い>を結ぶことにより、今後の人生をシン=エイ=イン全体に仕える性のない武器として生きることを意味した。反対を押し切り<誓いを立てし者>となったタルマは、一族を皆殺しにしたものたちの後を追う。その旅路では、過去の<誓いを立てし者>たちが戦い生き残るための武術を教えてくれ、タルマは優れた戦士となってゆく。
 ならず者たちの本拠地にたどりついたタルマは、一人の女と知り合う。彼女、ケスリーは修行中の魔法使いだったが、変わったことに剣をもっていた。その剣、<もとめ>は女性にしか振るうことができず、己を振るう魔法使いを一流の剣士にしたり、己を振るう戦士を魔法から守ったり、傷を癒したりする、有用な力を持っていた。反面、<もとめ>は女性の危機を遠方から察知し、その持ち主はその女性を助けなければならない<誓約>を求めるものだった。ケスリーは、その「もとめ」に導かれてタルマと出会ったのだ。過去の<誓いを立てし者>たちの助言もあり、タルマはケスリーとともに復讐を遂げることになる。ならず者たちを倒した二人は、その間に強い絆を感じ、タルマはケスリーにシン=エイ=インにおいて血族と等しい関係である<血の姉妹>(シェイ=エネドゥラ)になることを提案する。
 タルマは鷹のようなごっつい顔で、ケスリーはばかな貴族のふりもできる美人、そしてタルマの相棒のキリー(テレパシー能力を持つ大猫)のワールの三人が傭兵として稼ぐ間に出会う事件をつづった、まあ、言ってしまえば「ダーティペア」なのですが、この二人の生活描写が細かい。たいてい汚れててお腹がすいてて、お金がないのに「もとめ」に引きずられて(たとえどうしようみない人でも)女を助けなくてはいけない、という様子をきちんとかいているところが私は楽しくてしかたがありません。そして何よりも魅力的なのはシン=エイ=インの設定で、生活のしかたやら用語やらがめちゃくちゃ私の心をそそります。読み終えた後、「ハイ シャラ」とか言ってみたくてもー(笑)。
 女性が活躍するストーリーですが、男性でも楽しめると思います。ぜひ読んでください。
 ラッキーの日本での著作は他に、ケスリーの孫、ケロウィンの物語、「運命の剣」(創元推理文庫)、タルマ&ケスリーシリーズにも出てくるヴァルデマール王国を舞台とした「女王の矢」(中央公論新社C☆Novels Fantasia)、「女王の矢」のこまったちゃん王女様エルスペスが主人公の「宿命の囁き」(上下)「失われし一族」(上下)「伝説の森」(上下)(創元推理文庫)、SFでアン・マキャフリーとの共著で「旅立つ船」(創元推理文庫)があります。
「カル セ リー デ=ガンデ、オーム セ リー デ=ガンデ」ジャドリー(誓いのとき「誓いのとき―タルマ&ケスリー短編集―」より)
関連リンク
〈ヴァルデマール年代記〉の世界
 東京創元社のヴァルデマール年代記の紹介ページ。

バーバラ・ハンブリー  「ダールワス・サーガ」全3巻(早川文庫FT) 
 剣と魔法の世界に来てしまったアメリカの女子大学院生ジルと不良青年ルーディ。彼らは生き残るために、王国の人々と共に暗黒の化け物と戦う。
 普通ならば女は魔法使いになって王子とらぶらぶ、青年は剣士になる、というところを逆転させ、かつ意外な展開が後ろにある。ただのファンタジーでは終わらない。面白い。
 現在入手困難なようですが、手に入れてみてください。
 私は、これの年寄りの魔法使いが非常に好き。一種の理想像かも(笑)。
「あなたを殺したら一緒に埋めようと思っていたの」ジル(「光の軍隊」より)

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
  「空中の城1 魔法使いハウルと火の悪魔」(徳間書店)

 「九年目の魔法」(創元推理文庫)等の著作がある作者の、児童書としての出版。
 王様と妖精と魔法使いが存在する、「おとぎ話」の世界。主人公の少女ソフィーは、「長女だから私には何の力もない」と思い込んでいる。まっとうに働いていたソフィーは、ある日悪い魔女によって、老婆に姿を変えられてしまう。やけになったソフィーは、邪悪な魔法使い、ハウルの「空飛ぶ城」で居候をすることに決めた。
 出だしとはまったく違う結末、決して素直で従順ではない女の子、主人公が自覚していない力を持っている(たいていは言霊)、という、ダイアナ・ウィン・ジョーンズらしい作品。
 私は「魔女集会通り26番地」(階成社)も好きだけれど、やっぱり性格のよくないずけずけしたものいいの、思い切りのいい女の子の主人公が、落ち込んだり開き直ったり、怒ったり喜んだり、生き生きしているのがこの人のいいところだと思う。
 「空中の城」はあまり続いてない二巻(「アブダラと空飛ぶ絨毯」)があるんだけれど、「火の悪魔」の方がずっと面白い。
 「大魔法使いクレストマンシーシリーズ」(徳間書店)は、「大魔法使いクレストマンシー 魔女とくらせば」「魔女集会通り26番地」の改題新訳) → 「大魔法使いクレストマンシー クリストファーの魔法の旅」 → 「大魔法使いクレストマンシー 魔法使いはだれだ」「大魔法使いクレストマンシー トニーノの歌う魔法」の順に読むのがおすすめです。面白かったのもこの順ですが。
 宮崎駿監督により、「ハウルの動く城」として映画化されました。
「そうしたらぼくの服という服を切りきざんで、思い知らせておくれ」ハウル(「空中の城1 魔法使いハウルと火の悪魔」より)
関連リンク
銀の椅子
 倫子さんによる日本語のファンサイトです。
The Official Diana Wynne Jones Website
 英語のオフィシャルサイトです。
The Diana Wynne Jones Homepage or Travels in the Land of Ingary
 英語のファンサイトです。

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