「十二国記」用語集 第二版 ら行


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 「十二国記」にでてきた、用語を解説してみました。人名は、キャラクター紹介の方を参照して下さい。
 本編に載っている解説しか書いてありません。あしからず。
 間違えているところ、こんなんじゃないーという文句、追加などがあったら、お気軽にこちらまでお知らせ下さい。

あ行  か行  さ行  た行  な行  は行  ま行  や行  ら行  わ行


「十二国記」用語集 第二版 ら行

       



烙款<らっかん>
小板に焼かれた、界身が発行した保証の印。保証を発行した界身と、受け取ることのできる限度額を部外者には読めない界身独自の文字で示してある。
に参加している界身の烙款があれば、どこであろうと同じくに参加している界身から金銭や為替をうけとることができる。

卵果<らんか>
十二国の世界では、生物(動物と植物)はこれから生まれる。人間や家畜、穀物は里木、獣や植物は野木麒麟捨身木に実る。
人間の場合、子どもが欲しい夫婦が里木に子を願い、天がそれを聞き届ければ、枝に卵果がなり、子どもはその中に入っている。子どもが孵るまで十月かかり、親がもぐ。実は黄色で、ひとかかえほどもある。早く生まれてこいという意味を込め、もいだ実に軽く石でひびを入れる呪いがある。一晩おいておくと実が割れて子供が産まれる。



里<り>
さと。の人々が冬の間住む場所。冬は内乱や獣の危険があるので、里の方が安全。春から秋には、里府の役人と里家の者しかいない。
三つの里家の二十五戸。の下で、末端の単位。運営するのは閭胥里宰
周囲を高い隔壁に囲まれていて、その内側を環途が一周している。里の北に里府里祠里家が並び、その前を大緯が横切り、里祠から南の里閭までまっすぐに大経が通っている。
南に、街道に面したがあり、北には墓地がある。

里<り>
距離の単位。一里は405m、三百。一里×一里で一

里会<りかい>
里家にある、そのの人々が集う場所。人々が冬の昼間集まって細工物をこしらえたり布を織ったりする。夜には酒を飲んだりもする。

里家<りけ>
の北に一つある、そのの孤児や老人のための施設。閭胥が世話役を務める。
ふつう、四つの建物からなり、孤児と老人が住む里家と里会客庁がある。この四つの建物の世話や、集まる人々や客人の世話は里家の人間の仕事。

里宰<りさい>
を運営する者の一人。里府を司る。里祠の祭主を兼ねる。
ふつうその里の者が就く。

里祠<りし>
里木をまつっている場所のこと。正式にはの一つだが、を里祠とも言う。祭主は里宰が兼任する。
の北側にある。白い石造りの壁には金と極彩色のレリーフが施してある。屋根瓦は青い釉薬。門には「(の名前)祠」と扁額が掲げられている。門には衛士がいて、身分証明書の提示が求められる。
門を入ると狭い庭で、その奥に大きな建物がある。繊細な細工を施した扉を抜けて中に入ると、奥行きのある広間のような部屋。静謐な雰囲気。奥行きの深い広間の正面の壁には大きな窓のように四角い穴が開いている。その向こうには中庭が見える。窓の四方をおおうようにして祭壇があり、花や灯火や供えものがあげられている。窓からは中庭と中庭の中央にある木が見える。祭壇のある正面の壁の左右に、奥に向かう広い回廊がある。回廊にはいると白い砂利を敷き詰めた中庭が見える。そこに里木がある。(「月の影 影の海」容昌祠の様子)
多く天帝西王母も一緒にまつられるが、別に廟を設けることもある。麒麟旗龍旗王旗旛旗などが掲げられる。

里城<りじょう>
里府の別称。

立礼<りつれい>
立って行う

里府<りふ>
府第小学の総称。里城とも言う。

里木<りぼく>
里祠の中にある。山野にあるものを野木麒麟が実るものを捨身木という。
白州の中に立っている金属の光沢がある白銀の木。直径二十メートルほど。枝の最高部が二メートルで、低く枝を垂れている。卵果をつける。里木の下にいる生き物は獣も妖魔も襲わない。家畜の実、穀物の実もなる。枝だけで葉も花もなく、ところどころにリボンのような細帯が結びつけられていて、そこに卵果がなっている。
王宮の里木の枝を切って挿せばその国の土地に限り里木を増やすことができる。妖魔にも災害にも人にも枯らすことはできない。
子が欲しい婚姻した夫婦がそろって里祠にやってきて、供えものをあげて、子どもを授けてくれるように願って枝に帯を結ぶ。帯は夫婦が自分たちで模様を決め、おめでたい柄を工夫して、ししゅうをする。天帝が親の資格があるかどうかを見極め、よければ卵果がなり、十月で熟す。親がもぎに行くと落ち(親でないともげない)、もいだ卵果を一晩おいておくと実が割れて子供が生まれる。
里木に帯を結ぶと、催生玄君がその人たちの名簿を作り、西王母に渡し、西王母天帝に親にふさわしい立派な人を選んでもらう。西王母送子玄君に命じて卵果を作らせ、送生玄君卵果を里木にはこぶ、と言い伝えられている。夜に子どもの魂が五山に飛び、天帝に親の報告をし、死後人はそれによって裁かれる、といわれている。親になるということは、天に人柄を認めてもらえるということを表す。 
一日は鶏・鴨などの鳥類、二日は狗(いぬ)、三日は羊や山羊、四日は猪や豚、五日は牛、六日は馬、七日と九日以降は人が実るよう願う。七日にお願いした子はいい子であるという説もある。八日は新しい穀物の日だが、これは王宮にある木に願わなくてはならない。普通の穀物は勝手に増える。王宮に実がなると、次の年には国中の里木に種の入った卵果ができる。
家畜は一月でかえり、一度にいくつもできることもあるが、人間は必ず一度に一人。

龍旗<りゅうき>
飛龍が描かれている。新選定されると、里祠に揚げられる。
禁軍の旗は龍旗と紫の軍旗。

竜王<りゅうおう>
虚海黄海の底にある竜宮にすんでいるといわれている。

竜宮<りゅうぐう>
竜王の居宮。虚海黄海の底にあるという伝説がある。

隆洽<りゅうこう>
奏国首都。清漢宮がある。

柳国<りゅうこく>
十二国の一。柳北国ともいう。北の国。国都は芝草国氏は劉。
北東部に条風が吹き寄せ、山脈に突き当たって大量の雪が降る。北東部や虚海沿岸は雨が多い。麦の出来は悪く、鉱山と石材と玉泉、材木が豊富。いいまぐさがないので家畜はあまり飼わない。
冬には覆っておかないと鼻先に氷柱が下がり、髪が凍るほど。寒さは雁国と同じくらいで、芳国より雪が少ない。寒い時期は、女子どもや老人の旅人は火桶と客の体温で暖まるための馬車を使う。
北東部や虚海沿岸を除き、民家はほとんど地下にあり、冬は暖かく夏は涼しいようになっている。石造りの地下では地下室同士繋がって、小さな街路を作っている場所もある。換気はできていて、天井から光が射してくる。地下が広いとを取られ、商売をするとさらにたくさん税を取られるので、地下に店は少ない。
法治国家で名高く、民を戒める刑法よりも官吏を戒める法の方が多い。しかし、腐敗してきている。(慶国景王赤子即位)
国官である太子がいる。

柳北国<りゅうほっこく>
柳国の別称。四大国の一。

龍陽の寵<りゅうようのちょう>
雁国延王尚隆と朱衡の関係。

旅<りょ>
五百兵。長は旅帥

両<りょう>
二十五兵。長は両司馬

両<りょう>
金の単位。五両は銀貨一枚。

凌雲山<りょううんざん>
または諸侯の居宮、または禁苑国都州都には全てあり、山の頂上に領主の城がある。
雲をしのぐ山。内部を貫く隧道には呪がほどこされていて、実際に歩くぶんにはたいしたことはない。
垂直に細い山が幾重にも重なってできた岩肌は白い。
王宮州城以外では、琶山など。

猟尸師<りょうしし>
朱氏の蔑称。肝心の妖獣はとれずに、仲間の死体をかついでかえるとこから名付けられた。

両司馬<りょうしば>
長。

猟木師<りょうぼくし>
新しい草木の卵果野木から見つけて、育てて増やす浮民のこと。珍しい薬や薬草や作物の苗を売って暮らしている。
新しい卵果ができやすい木とできにくい木があり、できやすい木は極秘。猟木師のあとををつけると殺されるとも言われている。

旅帥<りょすい>
の長。

里閭<りりょ>
の入り口の門。普通は南に一つだけ。夕方に閉まると、その夜は夜明けまで、決して開けない。

臨乾<りんけん>
恭国の突端にある港
乾海門の向こうは乾県乾県北乾へ一日一便船が出ている(半日)。





礼<れい>
立礼跪礼叩頭礼拱手がある。

令尹<れいいん>
州侯を補佐し、州六官を束ねる。卿伯

令乾門<れいけんもん>
四令門の一。黄海の北西、恭国乾海門の向こうにあるの、地門の外にある。春分の日に開く。
あまりに巨大なため、内側に傾いているように見える。高楼は朱塗りの柱に碧の瓦で、中央に小さく門があるが、門扉はなく、黒塗りに金の字で令乾門とある。高楼には立ち寄る鳥の姿も風もない。
一枚岩をくりぬいたものと、人の数十倍はある朱塗りの門の二層の扉。門扉は高さ四十丈以上、幅は二百歩以上。朱塗りの扉には、天伯の絵が描いてある。
門の上は空行ならば通れると思われるが、ここを通ると天伯が雷で打ち、その魂魄を食べるといわれている。門が開くときは、高楼から天伯の声がし、高楼から人形の天伯が降りてきて拱手をし、きびすを返して扉を開ける。門からは暖かな風が吹き込んでくる。門が完全に開ききると、そこで足を止め、門の向こうに拱手をして忽然と消える。
門前の岩棚には岩壁を削って歩墻のようなものが何層かに巡らされている。
令乾門の外には堅牢な城塞がある。峡谷の道幅いっぱいに広がる宗闕(門)をの向こうには、石の隧道がある。隧道の石としっくいを固めた天井には、四方を鉄柵で囲んだ小さな煙出し程度の屋根があり、そこから光と空気を入れている。隧道を抜けると、小さな里ほどの体裁の城とも町ともつかない代物がある。町の道は騎馬が二頭かろうじて並べる程度の道幅で、その両脇に石造りの低い建物がぴったりと続いて並んでいる。天井は石で、明かりとりが隧道と同じようにある。黄海特有の熱気がこもり、湿気が多い。宿泊と食事はとれる。犬狼真君祠廟の横には、途城のような空間がある。
この城塞には、一年つめている兵士がいる。安闔日の一日、地門を越えさせないためにこの砦を死守する。

令坤門<れいこんもん>
四令門の一。黄海の南西、才国坤海門に接する。夏至に開く。

令艮門<れいごんもん>
四令門の一。黄海の北東、雁国艮海門に接している、艮県にある。冬至に開く。

令巽門<れいそんもん>
四令門の一。黄海の南東、巧国巽海門に接する。秋分に開く。

漣極国<れんきょくこく>
漣国の別称。四極国の一。

漣国<れんこく>
十二国の一。漣極国ともいう。南西の島国。国氏は廉。
仏教の影響から、死体を荼毘に付す風習がある。
国情が良くない。(戴国泰王驍宗即位前)

連檣<れんしょう>
恭国の首都。緯州にある。霜楓宮がある。
連檣山が連檣の周りを弧を描くように抱き込み、帆柱のように並び立っている。北へ向けての上り坂の
乾いた冷たい条風の駆け抜ける海鳴りのような音がする。吹き込む風と山肌を吹き下ろす風で、街路に小さな旋(つむじ)ができる。



廬<ろ>
むら。田圃のところどころに小さな家が身を寄せ合うようにして建っている家々と田圃のこと。冬はたいてい、皆で暮らす。内乱や獣に備えて壁が巡らせてある。
を八の家族で所有し、それぞれの土地が一ずつ、公共地が一。一家の畑が二百で、家が五十。公共地の八割が公田(共有の土地)で、残り二割が廬家と畑。
廬が三つでとなる。

瑯耶郷<ろうやごう>
慶国和州の一。
止水郷の隣り。郷都豊鶴

廬江郷<ろこうごう>
巧国淳州符楊郡の一郷都拓丘
しん県五曽河西がある。

六師<ろくし>
王師の別称。禁軍首都州の三軍をあわせたのこと。

鹿蜀<ろくしょく>
騎獣の一。

漉水<ろくすい>
雁国にある大河。靖州から元州へ向かって注ぐ。季節ごとに氾濫を繰り返す。

六朝<ろくちょう>
内宮仁重殿の奥にある。

廬家<ろけ>
にある、国から与えられた家のこと。田圃で働く者は冬以外はここで暮らす。

露茜宮<ろせんきゅう>
蓬廬宮の宮の一。乳白色の石の天井と壁。外壁、扉や戸がなく、出入口には衝立があるだけ。三段ばかりの石段が小道に向かって下りていて、庭も門もない。
泰麒が暮らした。

六官<ろっかん>
天官地官春官夏官秋官冬官のこと。とりまとめは冢宰

――出典
「東の海神 西の滄海」
「図南の翼」
「風の海 迷宮の岸(上)(下)」
「月の影 影の海(上)(下)」
「風の万里 黎明の空(上)(下)」
以上、小野不由美作 講談社X文庫ホワイトハート
「漂舶」
小野不由美原作 講談社X文庫CDブック「東の海神 西の滄海」付録
「帰山」
小野不由美作 「麒麟都市 麒麟都市・3開催記念刊行本」発行・麒麟都市
――参考文献
「大辞林」松村明編 三省堂


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