望月花梨・作品紹介(1999〜2001)

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作品紹介(1999〜2001)

1999年(平成十一年)

笑えない理由
 花とゆめ4〜7号掲載
 「笑えない理由」3巻(白泉社花とゆめコミックス)収録
恋をすれば、強くなれるって、ほんとうなのかな
桂川麗子は、瑛士はかな子が好きとわかっていても、忘れられない。受験も控え、ナーバスになってきた麗子は、告白を決意する。
 1巻まるまる麗子。話としてよくできていると思います。微妙な心がよく現れています。……しかし、シスコンいっぱいだな(笑)この話。
――それはとても麗らかな春の日で 一年前の秋庭に出会った日にとてもよく似ていた…(「笑えない理由」3巻p124より)

ノドアメイカガ
 「笑えない理由」2巻(白泉社花とゆめコミックス)書き下ろし
 コンタクトレンズ、西洋風「笑えない理由」など。

笑えない理由
 花とゆめ12〜14号掲載
 「笑えない理由」4巻(白泉社花とゆめコミックス)収録
あなたたちがいてくれるから、笑えるんです。
やっとたまには笑えるようになれたかな子は、秋庭のつきあいを家族が反対されてしまう。しかし、すこしずつ心の余裕がでてきたかな子は、自分の心に閉じこもることなく外も見つめることができるようになってきていた。
 外に開くことのできたかな子が可愛らしいです。今まであったことも、けして無駄ではなく、こうなるためには必要なことだったんだと思わせてくれます。
 秋庭もすっかりおとなになって……(よよ)。おばさんは嬉しいよ。
「聞くから 断っても怒んないし!」秋庭瑛士(「笑えない理由」4巻p83より)

傷あと
 花とゆめステップ増刊7月1日号掲載
 「笑えない理由」3巻(白泉社花とゆめコミックス)収録
本当のことって、どんなこと?どうすればいいの?
佐保は、本当のことが言えなくて傷つくことがたくさんあった。傷を受けた四つのストーリー。
 あまりいい出来とは思えませんでした。四つのストーリーがただ流されるだけで、話になっていません。一つ一つのエピソードは悪くないんですけど。
 一番好きなのは最初のエピソード。
本当のことって どうやって言ったらいいんだ?(「笑えない理由」3巻p138より)

緑のこども
 花とゆめ18号掲載
 「笑えない理由」4巻(白泉社花とゆめコミックス)収録
すてきだといってくれて、ありがとう
家にやってきたいとこの双子、シロ(男)とキイロ(女)とのぞみはすぐに仲よくなった。二人はなんだかどきどきするような不思議な雰囲気をもっていて、のぞみはひかれるものを感じていた。親が離婚して二人は別れ別れになってしまうと聞いたのぞみは――。
 双子の妖しい感じをもっとどす黒くすると「泥沼ノ子供タチ」になるかなと。かなりきれいにかいてます。のぞみの率直な感情が切なくて気持ちよいですね。
 ラストのこの台詞は、雑誌掲載時と違っているような……望月花梨さんには珍しいネームのように思います。
空も星も 海も大地も みんな 君たちのものになる(「笑えない理由」4巻p137より)

ノドアメイカガ
 「笑えない理由」3巻(白泉社花とゆめコミックス)書き下ろし
 桂川兄弟、部活、3巻でのカナコの活動など。

嘘の色
 花とゆめ23号掲載
 「笑えない理由」4巻(白泉社花とゆめコミックス)収録
許すって、どんなことかわからなくなってしまうほど、君のことを考えている
千葉靖子は、小学生の時に吉田にきせた罪をつぐなうため、今でも吉田には腰が低いが、吉田はぜんぜん許してくれない。
 かなり「ふつうっぽい」ですが、小学生の頃の靖子の「罪」のあたりが望月花梨さんぽさをよく出しています。おしまいの方の、兄貴と靖子の友達の解説はちょっと親切すぎかなあ……雰囲気が崩れてしまったように思います。
 一番好きなのはにーちゃん。いい奴じゃ……。
夕方の赤い空は どんどん 色を変える 人の気持ちによく似てる(「笑えない理由」4巻p172より)


2000年(平成十二年)
スイッチ
 花とゆめ3〜5号掲載
 「スイッチ」(白泉社花とゆめコミックス)収録
好きになっても、いいですか?
名倉絅は、大人に対して愛想のない性格で先生には好かれることはないとあきらめていた。しかし、中三の担任になった広田は生徒みたいな変わった先生で――。
 絵はちょっとバランスが悪くなってきていますが、ストーリーは普通っぽく、読みやすくなっています。
 軽く中学生の日常生活のディティールをかくところも上手いけど、下のようなところがくぅ〜と思う。この次のページは、珍しく見開きです。
薄暗い 放課後みたいな学校 雪雲の鈍い明るさ(「スイッチ」p87より)

ノドアメイカガ
 「笑えない理由」4巻(白泉社花とゆめコミックス)書き下ろし
 「笑えない理由」の番外編。……ふつーっぽい。

スイッチ
 花とゆめ10〜12号掲載
 「スイッチ」(白泉社花とゆめコミックス)収録
わかってた。でも、もう、止められない。
名倉絅は、担任の広田のことが好きになったが、高校に上がって広田ともお別れかと思いきや、広田も高校にやってきた。
 絅ちゃん、かわいすぎ……うー、愛しいっす。
 下のシーンでも使われてますが、全部をかかないで、口だけとか半身のみかくことでうまれる効果がいいなあと思います。
何だろう あの嬉しい感じ きっと忘れない あの気持ちが向かってく感じは(「スイッチ」p172〜173より)

スイッチ
 花とゆめ17号掲載
 「スイッチ」(白泉社花とゆめコミックス)収録
がまんできる、と思っていたけど、やっばり辛い。
梢は絅と広田の関係を知っているが、二人は卒業までなんにもしないと約束したらしい。梢はケイがそのことについてどう思っているのかわからない。
 えっちですのう。(下)はおいといて。やきもきする梢ちゃんがいいヤツです。
「そこの スイッチ切って」広田(「スイッチ」p42より)

ノドアメイカガ
 「スイッチ」(白泉社花とゆめコミックス)収録
 「スイッチ」のちゃかしマンガ。やっぱり「恋する乙女ちゃん」の梢ちゃんの白目とか好きさ……。

スイッチ
 花とゆめ21〜24号掲載
 「スイッチ」(白泉社花とゆめコミックス)収録
大人になるから、待っててね。
名倉絅と、担任の広田はつきあっているが、ふだんは普通の先生と生徒。たまに会って「充電」することで切り抜けている。絅は生徒という立場に不安になってつい無理してしまうことが多いが、広田はそんな絅を見守っている。
 絅ちゃん、あいかわらずかわいっす。最終回の、広田視点の話はなかなかよかったですね。積極的に手助けはしない広田が何考えてるのかの一端が伺えて。
 このシリーズはおすすめです。
――言ったことがすぐに影響しちゃって ある意味コワイ
だけど それが却って大人になるのなんか想像する以上に早いんじゃないかって言っているようで 安心させられた  広田(「スイッチ」p158〜159より)


2001年(平成十三年)
緑の黒髪
 花とゆめ4〜6号掲載
 「緑の黒髪」(白泉社花とゆめコミックス)収録
ずっと、待ってるから。
小野いづみの長く綺麗な黒髪を、義理の兄となった悟郎は、昔切ってしまったことがある。その時から、二人は自然に兄妹をやってこれた。うまくいかなくなっても、いづみがまた髪を切ればうまくいく。その繰り返しだったのに、いづみは気づいてしまった。自分は悟郎がいたから、ずっと笑ってこれたのだということに――。
 美しい黒髪を切る、というモチーフがすごーく望月花梨さんらしいエロティックさを出していてすてきです。うまくいかなくなったら友達を間に入れるという発想も好き。ラストの絵も印象的ですね。
 なかなか好きな作品です。
とてもとても長い間待たせてしまったようだね  小野いづみ(「緑の黒髪」p97より)

ノドアメイカガ
 「スイッチ」2巻(白泉社花とゆめコミックス)収録
 「スイッチ」のちゃかしマンガ。「マンガによくある展開」。まさに……イカスぜ、木暮!

アルカロイド
 花とゆめ10号掲載
 「鍵―かぎ―」(白泉社花とゆめコミックス)収録
きたないものは、どこにある?
野宮七実は、最近いらついている。同じクラスの大森貴子はなにかと彼女に嫌みを言うし、何より幼なじみの順とこのまま一緒にいていいのかわからなくなってきていたのだ。
 端から見たら、病弱なくせに乱暴で、目つきも悪い「かわいげのない」子である七実のこころのうちを描いた作品です。ぐはー、こーゆーの好きさ〜。
 p84の順の「全てわかっている」顔がまたいい。
こんな私でも好きでいて欲しかった…  野宮七実(「鍵―かぎ―」p81より)

シャボン
 花とゆめ14〜16号掲載
 「緑の黒髪」(白泉社花とゆめコミックス)収録
「まだ」わからない。きっとそれでいいんだ。
マンモスというあだ名の明那は、学校の男子は大嫌いだが、彼らが東京にいるはずの姉を隣町で見たと聞いて探しに行ったが見つからなかった。姉の葵はずっと明那の憧れで、いじめられていた時の自分に大切なものをくれた人だった。明那は東京に行って姉を捜すが見つからない。
 わからない、と明那が思うシーンが好きです。そうだよなー、そうそうすぐわかんないですよねー。でも、それでいいんですよね。きっと。
 裏切られた、というショックが印象的な話です。
「…別に その友達次第なんじゃないの? 憧れとか関係なく 自分が正しいと思ったことを信じりゃいーんだと思うけどな」(「緑の黒髪」p177より)


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Last modified 2007.6.12.
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