望月花梨・作品紹介(1996〜1998)

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作品紹介(1996〜1998)

1996年(平成八年)
純粋培養閲覧図2〜カルスの花園〜
 花とゆめ1〜4号掲載
 「純粋培養閲覧図」(白泉社花とゆめコミックス)収録
中学生の色気
弓削佳純は、いろいろな女子を理科室に呼んではうさばらしをしていた。彼もまた、本当に欲しい物に手を伸ばすことができず、苦しんでいた。
 「純粋培養閲覧図」と同じ登場人物が脇役で出てくる。
 いろいろやろうとして、まとまらなくなってしまったような印象が残る。
「地図のこと思い出してたんです」華絵(「純粋培養閲覧図」p184より)

マーブルピンク
 花とゆめ10号掲載
 「Wの庭園―ウォーターガーデン―」(白泉社花とゆめコミックス)収録
おまえは、そのままでいてよ
白河菊子の隣の席の北城は明るく見えるのに、いつも自分だけには冷たい。
 北城のせいで俯くことが多くなった菊子が、彼の手を観察する、というプロットが面白かったです。
 私は、少し前まで、たまに「すごく不安になる」ことがあって、月と自転車の場面は、そのことを思い出しました。
だけど 北城の笑顔があんまり気持ちよかったから だから だからあたし(「Wの庭園―ウォーターガーデン―」p172より)

ピュアホワイト
 花とゆめ13号掲載
 「裸足めぐり」(白泉社花とゆめコミックス)収録
一番怖いのは、どんなこと?
真貴と一緒にいるとき、朔くんは祥史とことばかり話す。朔と祥史の関係は、わがままをいったり意地を張ったり、素直でいられない複雑なものだった。
 祥史の顔にだけ力入ってる気が(笑)。
 「傍観者」の女の子は辛いっすねー。
「…不幸の自慢は嫌いだ」祥史(「裸足めぐり」p124より)

とげ
 花とゆめ19〜20号掲載
 「チョコレートダイアリィ」(白泉社花とゆめコミックス)収録
嘘をついても、そばにいたかった
鷲見苑子は、水越蓮と目の見えない美少女の関係が気になっていた。学園祭に訪れた少女ゆずりは、兄の蓮を、蓮の友達だと思っていた。
 嘘で固められたゆずりと蓮との絆は、二人の他には理解できなかったけれど、そこにあった。
 エンディングが綺麗。
「薔薇色の空は 薔薇の匂いがするのかしら…」ゆずり(「チョコレートダイアリィ」p59より)

ノドアメイカガ
 「Wの庭園―ウォーターガーデン―」(白泉社花とゆめコミックス)書き下ろし
 「Wの庭園」ちゃかしマンガ(特に2)さいこ〜。すてき〜。
 アシスタントのことと、恒例の収録作品をちゃかしたイラストと解説がついてます。


1997年(平成九年)
チョコレートダイアリィ
 花とゆめプラネット増刊1月5日号掲載
 「チョコレートダイアリィ」(白泉社花とゆめコミックス)収録
君は、宇宙人みたいに不可解だ
矢作弌は、記憶喪失になった。自分の日記を読み返してみると、そこには千手くんのことばかり……。千手くんに近づけば、自分のことも思い出すかと思って近づくと、千手くんは、弌が宇宙人だと言い始めた。
 弌の変貌ぶりが、ひどいわ(笑)。こういう、一般的には「性格悪い」女の子を、さらっとかけてしまうんですよねー。
 望月花梨には珍しい、見開きの絵が忘れられません。
「そんなとこでチョコ食べて寝転がってると 蟻んコに食べられちゃうぞ」弌(「チョコレートダイアリィ」p26より)

スミレグラス
 花とゆめ3号掲載
 「裸足めぐり」(白泉社花とゆめコミックス)収録
独占欲
万木日依は、写真家のモデルの八田スミレちゃんにずっと憧れていた。偶然会った憧れのスミレちゃんは、きっついことばっか言ってるけど、可愛いところもあって、日依はどんどん好きになっていく。
 思いどおりにはいかない女の子。でも、姿が綺麗で、可愛いところもあって、どんどん好きになっていく様子がかかれている。
「好きにしていいよ あなたになら何されてもいい」日依(「裸足めぐり」p196より)

裸足めぐり
 花とゆめ8〜10号掲載
 「裸足めぐり」(白泉社花とゆめコミックス)収録
みんな元気でやってるよ
小巻と小町の双子の姉妹とおじいちゃんが住む家には、不思議な気配があった。
 恋愛、友達、家族という三つのテーマを一編ずつかいたそうです。
 内容的には、もうちょっとふくらませようがあったんじやないかという気はしますが、充分面白いです。
 どろどろしたところがなくて、望月花梨初心者にはいいかなと思います。
 私は小巻ちゃんと座敷童子が好きです。
「………夢にまで出てこられちゃ たまんないよ」菊池(「裸足めぐり」p35より)

ノドアメイカガ
 「純粋培養閲覧図」(白泉社花とゆめコミックス)書き下ろし
 「カルスの花園」四コマシアター、収録作品をちゃかしたイラストと解説。

ノドアメイカガ
 「裸足めぐり」(白泉社花とゆめコミックス)書き下ろし
 本のこと、収録作品をちゃかしたイラストと解説。

クロキカルキ
 花とゆめプラネット増刊11月15日号掲載
 「チョコレートダイアリィ」(白泉社花とゆめコミックス)収録
プールの匂いに、今も酔ってる
リョウジは、兄貴の友達の川崎のことが気になる。
 雑誌掲載時より、書き直されています。ちょっと足りない感じだったもんね。
 久しぶりに、小学生が主人公で、いまどきのかっこしてます。
 セミのエピソードが印象的です。
――それは 2人からプールの匂いがするほど間近の出来事だった(「チョコレートダイアリィ」p137より)

台風ポピー
 花とゆめ23号掲載
 「チョコレートダイアリィ」(白泉社花とゆめコミックス)収録
独りじゃないよ
佐分は足が悪くて母親がいないけれど、同情されるのが大嫌い。ある日、クラスでしゃべったこともない芥子川が、いきなりつきまとうようになった。
 「ストーカー」というテーマで、どうしてこうかけるんだ(笑)。
 夜の散歩のシーンが痛々しいですね。
気遣われるのキライ 同情されるとムカツク そうやってつっぱねてたら いつの間にか周りに誰もいなくなってた(「チョコレートダイアリィ」p177より)


1998年(平成十年)
笑えない理由
 花とゆめ4号掲載
 「笑えない理由」1巻(白泉社花とゆめコミックス)収録
なんで、ついあんなことしちゃうんだろう
伏屋かな子は、二年前に秋庭瑛仁に「笑った顔がぶす」と言われたことが忘れられなくて、笑うことができない。暗くなったかな子に友達は誰もいなくなってしまったけれど、少しでも人に喜ばれるようにいろいろやってみたけど、それは裏目に出るばかり……。
 かな子、異常です(笑)。いや、私もやるような思考回路ではあるんだけど、「小人さん」……うくく。
 明るい話だと私は思います。暗い部分はほとんどかかれていません。
 でも、先生はちょっと考え無しだと思うぞ。かな子ちゃんはないーぶなんだから、もちょっと考えてものいいんちゃい。
「…さぶっ」秋庭瑛士(「笑えない理由」1巻p45より)

うらら
 花とゆめ7号掲載
 「笑えない理由」1巻(白泉社花とゆめコミックス)収録
素直になりたい、って思ってるのに
中三の桂川麗子は、最近弟にいらついていた。家に連れてくる友達はうるさいし、何かとフォローしてくるのが更にいらつく。
 ライバル登場、じゃなくて、私の愛する「(かな子の)ねーちゃん」登場の回です。いっちゃってるとこが好きよ、ねーちゃん。
 家族だから、普通に他人に接するようにすることができないっていう気持ちは、ありますね。
とりあえず 今は 春うらら(「笑えない理由」1巻p88より)

ノドアメイカガ
 「チョコレートダイアリィ」(白泉社花とゆめコミックス)書き下ろし
 収録作品をちゃかしたイラストと解説。
 「とげ」のイラストが好き(笑)。

Junk
 花とゆめステップ増刊6月15日号掲載
 「笑えない理由」2巻(白泉社花とゆめコミックス)収録
さみしい子どもたちは不器用で残酷で、綺麗
ジャンクは尚彦に幼い頃よく遊んだ町に呼び出され、その頃死んだ玉環と三人で遊んだ場所を巡る。ジャンクは三人で遊んだ日々を思い出す。
 久々に、かつての望月花梨さんの残酷な面が表に出た作品。
 玉環が飴をなめながらジャンクと名付けるシーンが好きです。
――死んだ人間は とても静かで もう俺たちを脅かすことは無いんだ(「笑えない理由」2巻p166より)

笑えない理由
 花とゆめ13〜15号掲載
 「笑えない理由」1巻(白泉社花とゆめコミックス)収録
自分から、近づこうとしなくちゃね
中学に入ってもいまだに「お前はかわいい」と言えない秋庭瑛士。かな子は防御用に眼鏡までかける始末で、友達もやっぱりできない。
 一層妄想にハイパワーかかってるかな子ちゃん。もちょっとかきこむと恐怖マンガになってしまいそうな感じです。
 自分も悪かった、と思えるかな子ちゃんがかわいくて、「ねーちゃん」と同調しちまいます。
「うん でもいいんだ…」(「笑えない理由」1巻p173より)

キセル
 花とゆめステップ増刊10月15日号掲載
 「笑えない理由」2巻(白泉社花とゆめコミックス)収録
あの時二人でいることが、それがほしかったもの
転校してきた中島は、転校していく高山に通学路で出会い、突如思い立ち住んでいた町に行くことにした。なぜか高山はついてくる。
 雑誌掲載時よりも書き足されてる……と思います。
 絵がなんか平面的になっているような気がします。目とかの処理がいままでと違う……。ストーリーも、かきたいテーマはわかるんですけど、なんか上滑りな感じがして、あまりできがよくないなと思っています。
――気付いてない振りしてるけど さっきからずっと膝がくっついてる(「笑えない理由」2巻p187より)

ノドアメイカガ
 「笑えない理由」1巻(白泉社花とゆめコミックス)書き下ろし
 今回は「笑えない理由」に関連した話というだけで、あまりちゃかしてないです。ちっ。
 欄外コーナーには、中国とモンゴルの旅行の話が書いてあります。モンゴルか……行きたいような行きたくないような……。

笑えない理由
 花とゆめ21〜24号掲載
 「笑えない理由」2巻(白泉社花とゆめコミックス)収録
他人の気持ちを考えるって、自分を大事にするってことかもしれない
瑛士にやっと笑っても大丈夫だと言われたかな子。こっそり笑う練習をしてみるがどうもうまくいかず、瑛士ともうまくしゃべれない。ぎくしゃくしたかな子からを傷つけるのが怖くて、瑛士はかな子から離れようとする。
 この回はなんといっても「口笛で会話する教室」(笑)。このクラス、楽しそうっすね〜。
 ラストのかな子の笑顔が綺麗です。
「君は… ひとの都合とか 関係なしに 気持ちを伝えたいことは無いの?」(「笑えない理由」2巻p112より)


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