分離派建築博物館--蔵田周忠 --

分離派との出会い 〜「分離派建築会の作品」からの計画案等〜 -2-


丘の上の展覧会場,池を背ふ奏楽堂

設計:蔵田 周忠.....................................................年代:1921(大正10)年................................................................現存しない


大正10年、平和記念東京博が上野で催された。そのパビリオンの設計のために技術員として
勤務していた蔵田は、そこで分離派の堀口捨己や瀧沢眞弓らと出合い、分離派の活動に参加
した。新しい建築の息吹に突き動かされるように、ここで蔵田も来るべき建築の模索を始め
た。

丘の上の展覧会場(「分離派建築会の作品 第二」より)
「丘の上の展覧会場」は案にとどまった。ドローイングにはドイツ表現派の建築家H・ペルツ
ィッヒの影響がみられる。


池を背ふ奏楽堂(「分離派建築会作品 第二」より)
 野外奏楽堂。音のハーモニーと水の波動のイメージなど抽象的な曲線のイメージから建築の
造形を行ったようである。

同上 完成した奏楽堂写真