2004/11/28
サンバレーのキット「super8B」を組み立てたので、その印象をお届けしたい。
●価格等
EL34の5極管プッシュプル方式ステレオ・パワーアンプキットである。
価格は、送料・消費税込みで12.5万円である。
●梱包
段ボールで宅配された。トランス3個がかなり重く、重量は23kg程度である。
運搬には注意が必要である。
部品は、小袋にきれいに収められ、整然と箱詰めされていた。
大判のカラー印刷の組立説明書が添付されており、実体図及び配線例の写真が
付いている。
●工具等の準備
必要な物として、はんだ、はんだごて、ニッパ、リードペンチ、ピンセット、
ナット回し、ドライバー(プラス、極小プラス:電源メタルコネクタ用、
マイナス、小マイナス:つまみ用)、がある。
さらにボリューム用ボックスレンチ、ワイヤストリッパがあると便利である。
ラグ板取付け穴1箇所の拡大用に3mm径のテーパリーマが必要である。
測定器としてテスタが必要である。
はんだは、通常のもので充分と思うが、ここでは、無鉛で銅入りのものを用
いた。(和光テクニカル)
はんだごても専用のもの(無鉛はんだは、通常のはんだよりも溶ける温度が
高めであるため。)を使用した。
はんだにより、音質に影響がある可能性がある。
●組立手順
まず部品の確認を行う。不足分があれば購入店へ連絡する。M4ナットが不足
していた。
ねじ類やカラーコードの抵抗は、仕切りの付いたプラケースに分類しておいた
方がよい。
次に、マニュアルを熟読する。
最後までよく読んでおく。重要な事項があちこちに書かれている。
機構部品やトランス等の取付けは、軽いものから付けていく。取付け方向や
ねじの種類に注意。
ブロックコンデンサのクランプが取付け不能であったため、代替品を取り寄
せた。
また、取り付け図のとおりだとM3ナットが1個不足する。
(以上の不備については、メーカに伝えてある。)
スピーカターミナルの取付け時には、スピーカコードの入る穴の方向に注意。
スタンバイスイッチは、図面と異なる形状の部品が入っていた。
トランスカバーのねじ止めを先にしないとリア部のパーツ取付け後では締めら
れなくなる。
リード線の配線では、指定された線を使用する。
余分な長さは入っていないので、長さに注意。
(メッキ線及び単線が不足しがちである。)
配線が終わったらテスタや目視でショートやはんだ付け不良がないことを確認。
特に初段管の配線は抵抗等が上に付くので、この段階でよく見ておく。
リード線の引き回しは写真を参照し、余分に長くしない。
ヒータは、初段はDC、終段はACである。ACの配線は、より合わせる。
抵抗やコンデンサ類の取付けでは、発熱するセメント抵抗に注意。
コンデンサやダイオードの極性に注意。
ラグ板に3-4本のリード線が集中する部分が多い。からげ配線が望ましい。
シャーシの側に近い部分は、はんだ付けしにくいので注意。
●配線チェック
電源を入れる前に、十二分に配線のチェックを行う。1箇所でも違っていたり、
配線の漏れがあれば、うまく動かない。
はやる気持ちは分かるが、冷静にすべての配線をチェックする。
あまり上手ではないが、何とか完成
●電源投入
マニュアルに従い、電源を入れ、ヒータの確認、各部電圧の測定を行う。
電圧が大きく異なる場合は、配線ミスの可能性が高い。
スピーカから雑音が出たり、シャーシに振動を与えると雑音が出る場合は、
はんだ付け不良がありうる。
当方の場合、1箇所の配線漏れと1箇所のはんだ付け不良があった。
(配線漏れで動作せず。はんだ付け不良で雑音が発生していた。)
自己バイアスのため調整箇所はない。
●試験運転
かなり発熱するので、放熱に注意する。
雑音や、異音に注意。
●その他
重量が20kgを超えるので、運搬や設置に注意。放熱にも注意。
●まとめ
組立説明書には、ラックスキットのように、線の長さやステップごとにどこから
どこへ配線するような記述はなく、実体図を見ながらの作業となる。
配線漏れや接続ミスに充分留意すること。
2-3台プリント基板でないキットを作った人でないと面食らうかもしれないが、
急がずに着実に作れば完成できると思う。
高圧部分が多いので、動作チェックや、電圧測定の際は充分留意。
入力ボリュームは、ないため、プリアンプの雑音はそのまま増幅される。
●試聴
音質については、しばらくしてからレポートしたい。音質について(追加)
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