■ 木工旋盤について(2)

2004/4/17

2004/4/20 訂補

 

 木工旋盤のその後について、伝える。

ミニチュアのグラスもどき(しそ油 商品名「健康オイル」を塗布)

●刃物について

 附属の刃物は、刃が付いていないので、研ぐ必要がある。

 木工バイトの研磨については、いくつか方法がある。

 グラインダを使う、ベルトサンダー、革製の円盤に研磨剤を付ける方法などである。

 グラインダの砥石は、ホワイトアランダムが最適とのことである。

 温度上昇は、刃物を傷めるため、できれば水研ぎ又は、低速のものを選ぶ。

 今回は、軸付きの小型砥石を旋盤のドリルチャックに装着して、研いだ。

 仕上げには、ダイヤラッパ(歯ブラシ状の柄にダイヤモンド砥石を取り付けたもの)を使用。

 多少は切れるようになった。

 木工旋盤の刃物は、切れ味が必要なので、今後は、グラインダの入手を考えている。

 市販の木工バイトには、各種あるが、入手しやすいものとして、藤吉郎がある。

 日本古来ののみと同じように作られており、刃が輝いている。柄は長い。

 刃先は、4種類ある。切れ味はよい。

 中ぐり用がある。?のような形状をしている。使用中、引っ掛かると危ないので注意。

 輸入ものとしては、英国ロバート・ソービー社のものがある。

 種類は豊富で、HSS鋼(高速度綱。炭素鋼よりも硬い)で作られている。品質も高い。

 大きさも小型から通常のものまでそろっている。

 オフ・コーポレイションが扱っている。

 丸型のスクレーパーを入手したが、満足している。

 他にバーモントアメリカン社製もホームセンターで入手可能である。

●チャックについて

 棒状の材の加工では、標準装備のドライブセンターと回転センターで充分である。

 鉢物を製作するには、面板やチャックが必要である。

 面板は、木ねじで材を固定する。木ねじの穴は最終的に掘ってしまう部分になる場合は支障ない。

 爪の付いたチャックは、丸棒や角材を保持するのに便利である。

 爪は、独立して動くものと連動するものがある。

 当方は、4つ爪の連動チャックを入手した。

 かなり重い。直径は16cmである。爪は階段状になっており、外して向きを変えられる。

 爪は、2本の棒状のキーで動かす。

 ナカトミ製であるが、軸のねじの規格が3/4インチ16TPIであるため、レクソンにも使える。

 チャックを回転すると、爪が外れるので注意。爪には番号が2つずつ打ってある。

 チャックには、番号順に装着する。爪の向きの正逆で番号は異なる。

 チャックが重いので、モータを止めても慣性で回り続けるので注意。

 またチャックの爪にツールレストや木工バイトを当てないよう充分注意する。

 コレット・チャック

 回転することにより、直径が変化するような構造になっている。

 鉢物の底面等に8ミリ程度の深さの穴を開け、これに差し込んで内側から広げて保持する。

 直径35ミリのものを入手した。

 その他システム構成の高級チャックもある。爪の部分が多種用意されており、目的により付け替えて

使う。高価である。

 小型の木工旋盤の場合には、モータの能力の限界もあるため、あまり重いチャックは注意すべきであろう。

 また、直径も注意のこと。(爪が外側に張り出すので、チャック本体の直径のみでは使用可能かどうか判断できない。)

左下の2本の棒状のキーでチャックを回転して材を固定する。

●謝辞

 木工を始めるにあっては、ちんくるさんから指導をいただいている。

 また、インターネット上の先輩の方々の有用な記事も参考にさせていただいた。

 この場を借りて感謝したい。

●参考書

 「手作り木工事典」(絶版) ムック。古本で入手可能。

 "Turning Wood" Richard Raffan 英語版。木工旋盤の基本を分かりやすく解説。バイトの研ぎ方、扱い方。

 図版も多い。

●ビデオ(いずれもオフ・コーポレイション扱い)

 日本語の書物が少ない中、ビデオで実際のテクニックを見るのはかなり参考になる。

 「ビデオ・ハウツーターニング Vol.2」 井上氏の実演と解説。

 「ソービー・ビデオ」 同社のターニングツールを使った木工旋盤加工の実際。英語版。

 遊動する輪を削り出すテクニックは必見。

●カタログ

 「MTBニュース No.10」 材料・工具・本の通販マガジン オフ・コーポレイションのカタログ。有料。

 木工に関する工具等がカラーで紹介されている。ホームセンターで入手しにくい製品を主体に輸入製品も多い。

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週末木工職人のちんくるさんのページ。道具類も豊富です。 


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