■ その後の超8B

2005/01/02

2005/04/17

●展開(初段・次段管の交換)

 どうも音がひずみっぽい。配線を再度確認。

 電圧をチェックすると初段の差動アンプのプレート電圧がアンバランスである。

(特性曲線の動作負荷線上にはあるので、管球や配線の問題ではないと思われる。)

 NFBの電圧が初段の片側入力にかかるからなのか。

 入力ショートで計るべきなのか。

 しばらくして、音を改めて聞いてみる。まあまあ、ひずみっぽくもない。(?)

 ある時、ヒータ電源の投入時にヒューズ(5A)が切れた。

 ヒューズの購入とあわせて、初段と次段の12AU7を附属のエレクトロ・ハー

モニックス(ロシア製)からエリート(ユーゴスラビア)へ交換。

 音質は、ほとんど変化なし。

 じっくり聞くと、2A3シングルと比べ、定位がしっかり安定し、音質もワイドレンジ

で、高域もくせがなくさわやか。ゆとりのある鳴り方である。

●システム構成

 調整後のシステムは、以下のとおり。

  • プレーヤ マランツ DV8400 ディジタル同軸出力
  • DAコンバータ 自作
  • プリアンプ 三栄 S-8706高級タイプ
  • ボリューム・ボックス 自作(普及型ボリューム使用)
  • パワーアンプ 本機
  • スピーカ QUAD 11L
  • 試聴盤
    • CD 小野真弓「winter special edition」

 なお、試聴は、深夜に行うことが望ましい。

 電源の状況に左右されるものと思われる。

 ピンコードは、なるべく中級程度のものを使う。あまり高価なものは、機器側の

コネクタに機械的な負担がかかる。

 安価な製品では、ざわつきが感じられる。

 管球アンプは、暖機運転が必要である。約30分で安定する。

 放熱に注意。

 試聴曲は、3曲それぞれに特徴がある。

 1曲目 やや意図的に歪ませた伴奏(ギターやコーラス)。

 2曲目 シンプルなしっとり系。声にはそれほど化粧はない。

 3曲目 繊細かつ透明感のある印象。

●蛇足

 音楽出版社の1991年12月の「LISTEN VIEW No.12」から早瀬文雄氏の興味深い

一文を引用しておく。

「オーディオ装置というのは音楽と聴き手の間にある距離と、そのあいだを埋める

空気の質を決めるものだと僕は思っている。音場で繰り広げられる錯覚と幻影の

遊びは機器のもつ即物的な局面と形而上的な命題が複雑にからみあっていて浮かび

上がってくるものだ。」

 

●各部電圧に異常があるため、サンバレーに問い合わせたところ、定電流ダイオード

が破損している可能性があるということで、代品(念のため初段管2本も)を送って

もらった。

 ダイオードを交換したところ、電圧は正常値となった。

 音質も伸びやかとなった。

 繊細でありながらスケール感があり、好ましい。

 

2005(c) takeuchi