■ ニコンのE995 ■     2001/12/23 Nikon クールピクスE995で木星を撮る

● ニコンのデジタルカメラE995を入手したのでその使用感を伝える。

 天体写真用としてE995を入手した。

●本体の使い勝手

 まず、レンズ部が回転式で、ケース(別売)収納時にレンズは上向きとなるため、速写性に欠ける。

 電源ONから撮影可能まで約5秒、電源スイッチは、モード切り替え兼用でフルオート、通常モード、

再生モードに切り替えられる。レバーは軽い。

 シャッターレリーズはモード切り替えの中央にある。

 設定ダイヤルが手前にある。モードキーを押しながらオートモード・マニュアル切り替え、マニュアル時

のシャッター又は絞りの制御、マニュアルフォーカス、感度、サイズ切り替えが各ボタン併用で可能。

 これらはボタンを押しながらダイヤルを回す方式なので片手ではやりにくい。

 ピント合わせの駆動が小刻みに行われ、振動があり、非常に気になる。

 再生モードでは画像が液晶モニタに表示されるが、始め粗く次に細かく表示される。その速度は遅め。

 レンズは焦点距離8-32mmで28mmのフィルタねじが切ってある。レンズキャップは使いにくい。

 キャップ紛失防止用のひもが附属するが、長さが短いのでキャップをしたままレンズ部を動かせない。

 光学ファインダーは視野が狭く見にくい。視度補正ができる。

 電池は専用充電池又はカメラ用の2CR5リチウム電池が使用できる。

 充電時間は長い。ACアダプタは別売りで、充電機能付きである。

 本体には充電器が附属するので機能が重複する。最初からこのACアダプタを附属すべきである。

 時計用のバッテリが内蔵されているので、その充電用として本体に電池を入れておかないと時計がリセット

される。

 各種設定はメニューボタンを押して、液晶画面に表示させ、カーソルで選択する。

 モードにより設定可能なメニューが異なる。アイコン表示もあるが、アイコンの意味が不明なものが多く

なじみにくい。

 動画録画も可能だがマイクはない。

 媒体は、コンパクトフラッシュで入れる向きに注意(カメラ前面側を表にする。)

 取出ボタンは折り畳み式で使いにくい。

 ソニーのメモリースティックは媒体を押せば出るので使いやすい。

 使用説明書は175ページの小型で非常に分かりにくいもの。文字も細く小さいので読む気も失せる。

 紙面構成が悪くフォントの使い方がくどい。

 全体の構成もセンスも悪い。

 ニコンは一眼レフカメラの説明書はよくできているのに、これはいただけない。

 基本編と応用編を分冊にするなど工夫がほしい。

 ソニーの説明書は最高ではないが、これと較べれば格段によくできている。(補足事項は後の方に書くなど)

●天体撮影

 望遠鏡との接続にはコリメート法を使う。

 各社からアダプタが各種発売されているので、好みのものを使用すればよい。

 ここでは、ボーグ製のものを使用。

 M57->M28AD(7401)でフィルタねじに接続、7000のアダプタでアイピースを保持しつつ、望遠鏡の

ドローチューブねじに接続。ここにもアダプタが必要になる。(ボーグには様々なアダプタが豊富にある。)

 7000の筒は2重になっており多少の長さ調整が可能。アイピースの長さによっては延長チューブが必要。

 7000は3本のねじを緩めることににより2分割可能。この状態でアイピースでの眼視観測ができるので便利。

 アイピースはアメリカンサイズ及びアダプタを介して24.5ミリ径のものが使用できる。

 天体撮影時はまず眼視で確認し、デジカメを接続し、モニタで確認ピント合わせを行い、撮影する。

 セルフタイマー又は別売りのリモコンコードを使う。リモコンはバルブ時のレリーズロックはできないので

注意。インターバルタイマ機能あり。

 マニュアルフォーカスとし、ピントを合わせる。

 セルフタイマーセットは距離モード切り替え兼用であるので、セットすると距離が変わる。

 ビクセン20cm反射赤道儀(GP)にスカイセンサー2000PCコントローラを付けたものにセットしたが、

アダプタを含めてもカメラ重量は軽いので使い勝手はよい。

 レンズ径が小さいため、イメージのけられも少なく好ましい。

 解像度は、ソニーのF505と較べほとんど変わらない。ソニーはビデオ的にエッジを強調した絵作りであるが、

ニコンは強調が少ない無難な絵である。

 エクステンダー及びペンタックスXP8mm使用で木星を撮影したが、フィルムにはかなわないものの、ピント

合わせを含めやりやすかった。

●まとめ

 けられが少ないということで、有利であるが、モータ振動が気になること、フォルムに疑問があることが

欠点。

 通常撮影では、平板な絵が気になる。

 付属品が高価なことや、充電時間が長いこと、操作系がすっきり整理されていないことも問題である。

 info.txtという画像撮影データの詳細がテキストとしてCFカードに記録されるのは、非常に便利だ。

 またバッテリもカメラ用のものがコンビニでも入手可能(1400円程度と高価)で好ましい。

 


Copyright (c) 2001 Hiroshi TAKEUCHI

2001/12/23