2001/04/10

■ SONY CLIE PEG-N700Cを試用する ■

 ソニーの新型パームOS採用PDAを試用したので、その印象を伝える。

●外観

 シルバー仕上げで従来のパームマシンと差別化を図っている。

 重量があるし、厚みもそれなりである。

 標準で柔らかいふたが付いているが、取り付け部分がやわな造りで感心しない。

 また、カバーを開けた状態でペンが取り出せないのは問題である。

 カバーが裏側にまで折り返せるのはよい。

 カバーの固定には磁石を用いている。

 液晶は、カラーで極めて見やすい。

 ハードボタンは、固めで押しにくい。

 ジョグダイヤルは位置もよく使いやすい。

 電源スイッチの位置は、操作しにくい位置にある。

●付属品

 USBクレードル、ヘッドホン、リモコン、CD-ROM、保証書(3箇月)。

 ユーザー登録すると1年保証となる。

 メモリースティックは附属しないので、音楽用(白)を買うべきである。

 容量は32MBでは不足するので大きいのを用意すべきである。

 なお、携帯電話を接続するアダプタ及び各種ケーブルは別売りである。

●パソコンとの連携

 メーカとしては、Windowsしかサポートしない。

 Macで使うには、DOS/VエミュレータのVirtual PC4.0を使うか、

オンラインで販売されているMac用のUSBドライバを購入する。

 なお、Virtual PCでは、CDからの音楽の取り込みができなかった。

(ドライブのチェックで引っ掛かる。ドライブそのものが不調なせいかも

しれない。)

 Mac用のPalm Desktopは、Mac OSのCDに収録されている。

 連携の仕組みは極めて簡素で、HotSyncと呼ばれる同期を取る機能と、

ソフトインストール操作の2つである。

 Newtonと違って、ソフトのインストールは、まずPalm Desktopで

インストールするソフトの場所を指定し、その後HotSyncで同期を取るとCLIEに

インストールされる。

 HotSyncは、クレードルにあるボタンを押すだけでよい。

 Mac用のPalm Desktopには機能的にWin版の機能をすべて網羅していない。

 また、Win上のソフトで操作する音楽の取り込み等はMac上で行えない。

●使用感

 まず、表示が美しい。

 しかし、フォントが細いので、やや見にくい面もある。

 音楽の再生が可能である。

 まずPC上でCD等から音楽を取り込み、クレードルを経由してCLIEに装着した

メモリースティックに転送する。MP3やWAV形式のインポートも可能。

 CLIE上の再生ソフトで再生する。

 リモコンとヘッドホンが附属しており、便利である。

 なお、音質調整はできない。やや、低音が増強された音である。

 附属ヘッドホンは、MDR-Q033でCLIEという文字が入っている。

 音質は、それほどよくはない。やや、がさついた感じがする。

 音楽再生中も、他のソフトを使用可能である。

●その他

 初期状態でインストールされているソフトは、ごく基本的なもので

あまり見るべきものはない。

 Palmのソフトには、Newtonを彷彿させる趣がある。

 かな漢字変換はATOK Pocketであるが、日本語の手書き入力には未対応。

 市販のパッケージを購入し、アップデータを適用すれば使えるらしい。

 携帯型音楽再生機器として考えれば、5万円という価格も少しは納得でき

る。

●速度

 ホームに戻ったとき、画面表示が出るまでに時間がかかる。

●総評

 音楽や画像、携帯電話との連携等、小型パソコンに近づけているような方向が

ソニーらしいが、最近は携帯電話そのものにWeb閲覧やメール機能を内蔵しているし、

音楽再生は専用の小型機器を使ったほうが小型・簡便であることを考えると、このマシン

の中途半端さが露呈する。

 ソニーらしいソフトを次々と発表していくか、メモリースティックの形の

オプションを充実させるなど、期待している。

 なお、従来のパームウェアはほぼ動作すると思われるが、表示は、従来の

粗いフォントとなってしまう。


(c) 2001 Hiroshi TAKEUCHI