★ オーディオ遍歴について ★

2000/09/17改訂

2000/09/11改訂

●Technicsのシステムステレオ

 当方が小さかった頃は、まだステレオ再生装置は、贅沢品のひとつで、豪華なキャビネットと

大掛かりなスピーカなどで構成されていたものだ。

 AD(アナログ・ディスク・レコード)プレーヤとレシーバ部と2つのスピーカ部で構成される

3点セットのセパレートステレオである。

 この時代、CD(コンパクト・ディスク)などは、まだ登場していない。

 

 一方、コンポーネントと言われる、単品機器も販売されていた。

 両者の中間的なもので、今のミニコンポのような、半ばお仕着せのシステムも見られた。

 当時はADレコードによる4チャンネル再生が全盛の時代でCD-4(ディスクリート・4ch)を初め、

他に様々なマトリクス4チャンネル方式が氾濫していた。(SQ,QS,RM...)

 それまでは、松下のMAC ff(RQ-448)というラジオカセットで我慢していた。今でも動く。

 松下に傾倒していた当方は、親にねだって弟の意見も考慮し、2チャンネルのシステムステレオ

を入手した。楡(にれ)というオーク調のパーティクルボードのキャビネットが、子供心にまぶしかった。

 確かSS-7600(型番訂正)とかいう機種だった。当時は国内では音響関連はテクニクスというブランド

であった。

 レシーバ部はチューナーの同調機構が糸掛け式で、工作精度の悪い同調つまみが印象的であった。

 3素子のFMアンテナを建て、FMの音楽放送を録音して楽しんだ。このころはエアチェックと言って、

FM番組ガイド雑誌が多く発行されていた。

 スピーカは20センチウーファと5センチツィータで結構よい音であった。

 松下の前面操作型のカセットデッキも同時に買った。カセットは上面に装着する。今でこそ、カセット

デッキはフロントローディングであるが、当時はコンポでは、上面が当たり前であった。

 テープセレクタはノーマルとクロムポジションしかなかった。デュアドやメタルが登場するには、もう少し

時間を要した。

 弟はその後スピーカにグラスウール等のダンプ材を仕込んだりしていた。

 貧弱なプレーヤは、弟により、パイオニアの単体コンポに置き換えられた。

 これは、トーンアームが交換式であった。S字型とJ字型が付属していた。

 針圧調整など精力的にやったが、やはりインサイドフォースによる音の偏りや、イコライザカーブ

の偏差などが気になった。ターンテーブルのゴムシートも交換したりした。

 カートリッジ交換で音が変わるので面白い。audio-technicaのVM型は性能が素晴らしかった。

 弟は、クリスキットに傾倒し、スピーカキャビネットやアンプの自作などをしていた。

 ラックスキットに憧れたのは、このころだ。当然高価なので買うことはできなかった。

 カセットデッキは、このころはすっかりSONY派であったのでTC-K333ESで、音質は優れていたが、

録音・再生ヘッドがどんどん減っていく。

 ヘッドを2回交換。今でも動くが、ヘッド磨耗のためドルビー使用時はf特のバランスが崩れる。

●CD時代

 やがて、CDプレーヤも購入。CDP-302ESを購入。今では動かない。

 初めて聞いたCDは、ひどく痩せた音であったのが、今でも昨日のように印象的である。輸入盤は、

1枚4200円もした。

 

 その後、弟は別のところに住むこととなり、クリスキットのプリアンプ、パワーアンプ、プレーヤ

を、連れていってしまった。

 その後、元のシステムに戻して聞いていたのだろうか。記憶が定かでない。

 しばらくオーディオから離れて、別の趣味に夢中になっていたのだろう。

 当方も神奈川にひとりで住むこととなり、これを機に、システムをそろえた。

 CDプレーヤはCDP-337ESDでディジタル出力付き。これは、後日重宝した。現用機である。

 スピーカは3ウェイで、懐かしいダイヤトーンのDS-77HRXを奢った。当時はこのクラスのスピーカ

が多くのメーカから華やかに出ていた。重量もあった。

 アンプはSONY TA-F333ESRで現用機。24kgと異常に重量がある。ただトーンコントロールボリウムに

ややガリがあるように思えた。修理再生品かもしれない。このころオーディオは全盛期で各社が次々

と新製品を出していた。評論家は重量と音質が比例するというような評価をしていたころだ。

 これで鳴らしたら、ひどくがっかりな音であった。部屋が、がらんどうであったからか、スピーカが

好みに合わなかったのか。

●管球時代

 管球アンプキットも製作した。三栄無線の6L6GCシングルである。三栄は、最近廃業を決めたとのこと。

残念である。

 このころは、球にひじょうに興味が湧き、その豊かな暖かな音質に魅了された。ノイズが気になり、球を

交換したりした。

 CDの勢いにADプレーヤもなくなりそうなので、KENWOOD KP-9010を買う。

 カートリッジはDENONのDL-103SLというMC型の白い限定発売のやつである。

 さらに、三栄の管球プリアンプS-8706(高音質型)を組む。

 良い音であった。また、地元に戻ってきて、このあとは、パソコン(Macintosh)に、はまる。

 当時、横浜の店頭で聴いたタンノイのGRFメモリー(大型スピーカ)の音が今でも忘れられない。

 

 HiVi誌に掲載されたCDプレーヤ用の秋月電子のDAコンバータキットに管球バッファを付けたものを、

製作記事を頼りに製作。気に入っていた。

 その後、組んだエレキットの2A3シングルパワーアンプは、けっこう好きだ。

 デザインもコンパクトで好ましい。熱を出すので夏はちょっとつらい。

●近ごろ

 最近またオーディオに戻ってきた。

 というか、ビジュアル系でSONYのAVレシーバSTR-V828Xである。純粋なオーディオとしても

水準を保っていると思う。スピーカにヤマハの小型とサブウーファを繋いだが、映画再生には適している。

 最近、ミニコンポをバラでそろえたが、音質は今一つである。

 SONYのCDプレーヤもちょっと故障ぎみではある。

●ソースについて

 ADは、録音がよいものに出会えない。長岡鉄男氏推薦盤は優れている。30cmの45回転盤は好ましい。

 好みの分野がジャパニーズポップス系とバロック系であり、よい録音が少ない。

 CDはどうしても音が硬質である。また、符号化/復号の過程での各種誤差が聴感に影響を及ぼしているのでは

ないか。

 自分で録音したカセットテープを再生してみると、その音が意外に聴きやすい。


(c) 2000 Hiroshi TAKEUCHI