■ SONY VPL-HS10 の使用感 ■

2003/1/26作成 2003/10/15公開 2004/3/24訂補

ソニー製液晶プロジェクターを入手したので、その使用感をお伝えする。

 

●価格

 約30万円。スクリーンはワイドの60インチでキクチのグレイマットアドバンスを選んだ。

●梱包

 発泡スチロールを使用しない。外箱はカラー印刷。

●付属品

 接続ケーブル(マルチコネクタ→S,コンポジット、コンポーネント(RCAx3)10m)

 交換用ダストフィルタ、シネマフィルタ、説明書(各国版)

●設置

 比較的投影距離が長いので注意する。また光軸はデフォルトでやや上向きになっているので、低い位置

へ投影する場合には注意。

 画像は左右反転及び180度回転ができるので、リアプロジェクションや天吊りに対応可能。

 サイドショットが可能で、かつ垂直方向の台形補整は自動で行われる。

●画質

 ハイビジョンチューナの1080i信号をコンポーネント入力した場合については、きめ細かく申し分ない。

 色合いはさわやかな感じで特に緑色がさえる。

 DVD画像をSビデオ入力した場合は、画像が甘い。

 全般に黒浮きが目立つ。液晶パネルの全黒部分が既に黒ではなく光っている。

 付属のシネマフィルタを使用し、モードをシネマモードにすると黒浮きはかなり改善される。

 画質調整でコントラストや明るさを変えても黒浮きは改善されない。

 黒に近い階調が重要な場合にはあまり明るさを控えると表現されない。あえて黒浮きの状態の方が見やすい。

 ある程度の明るさであっても明るい画像が得られるので実用になる。

●使い勝手

 良い点は、リモコンでの焦点調整・ズーム調整ができることである。

 良くない点は、

 まず、空冷ファンの音が大きい。シネマモードでは回転数が下がるのでやや静かになる。

 電源投入から絵が出るまでの時間が長い。

 入力切り替えが煩雑。入力は8系統あるが、直接切り替えはできず、順番にしか切り替えられない。

 また、電源投入時には、メモリースティック入力に戻ってしまう。

 入力切り替えから画像が出るまでが遅い。なかなか絵が出ない。

 ワイドが自動切り替えでない。信号が乗っている場合には切り替えされる。S入力は自動切り替えなし。

●Macとの接続

 ビデオカードRadeon7000 Mac editionをPower Mac G4/933に装着し、DVI-Dケーブルで本機の同コネクタ

に接続した。

 Macは本機の機種名を認識し、正常動作した。

●まとめ

 60インチとはいえ、通常のテレビと比べると大きい。

 ある程度の音質のサラウンドシステムを導入すると、絵が音に負けている状態となり、大型画面が欲しくなる。

 プラズマディスプレイテレビは高画質であり、明室でも利用可能であるが、せいぜい50インチまでが限度である。

 プロジェクターの導入の最大の利点は、100インチ程度の大きさを実現可能なことである。

 またスクリーンに投影する方式は特に映画に適しており、ハイビジョン放送や高画質DVDの出現により、手軽に

映画を自宅で楽しめる。

 また、音質についても設備を整えれば自分の好みのものを構築できるのもホームシアターの利点である。

 液晶プロジェクターは、黒浮きがあり気にはなるが、単板DLP方式のように色ノイズの発生もなく、三管式のように

調整も必要ないため、手軽に使える。

 大型画面では、ソースのあらが見えてしまうことから、地上波放送や、画質の悪いDVDはあまり適していない。

 よってソースによっては、小型のテレビを用いるべきである。

 デフォルトの画質調整値(ダイナミック)はかなり派手なものである。店頭でプロジェクタを比較する場合には、なるべく

ハイビジョン及びDVDビデオの両方を見せてもらい、かつ画質調整をしてどの程度可変できるのかを確認すべきである。

 またスクリーンによっても画質は変わるので注意すべきである。

 機種選びには、自分の見たいソースが何かをよく考えるべきである。ハイビジョンの画質を楽しむには、最低限

720pをリアル表示できるものを選ぶべきである。

 

■ その後について

 スクリーンが60インチでは、本機の性能を発揮しきれていないのではないかということもあり、サイズを部屋の大きさ

とも相談して90インチワイドとした。

 掛け図式で、生地はキクチのグレイマットアドバンスである。

 幅2mあり、かなり大きい。天井から3本の針金でつるしている。巻き上げは手巻となるが、1人ではやっかいである。

長めの針金で輪を作っておき、上下の軸に引っかけることにより、最上部まで届かない場合でも一人で巻き上げておく

ことができる。

 ただし、はずみで落下することもあるので、取り扱いには充分注意のこと。

 天井からつる場合でも、取付け部分の強度には充分注意し、落下事故のないようにする。

 投影距離も3.6m程度となる。

 画面が大きくなると、なぜか、奥行き感が出てくる。本来平面のはずであるが、より描写がしっかりするからであろう。

 もし可能であれば、できるだけ大画面がおすすめである。ことにハイビジョンの生放送は素晴らしい。

 サラウンドヘッドフォンの使用も音漏れが気になる向きには効果的である。

 スクリーンの高さには注意。少しでも高いと首が痛くなる。

 


Copyright (c) 2003-2004 Hiroshi TAKEUCHI