■ 薄型液晶テレビはどうなのか ソニー26V型 ■

2004/07/03

2004/07/06加筆

2004/07/10加筆

2004/07/11加筆

2004/07/18加筆

●ソニーの中型液晶テレビを入手したので、その印象などをお送りする。

●機種名等

  • 形式 KDL-L26RX2
  • 価格 5%消費税込 31万円程度
  • 重さ 約20kg
  • 受信可能チャネル VHF/UHF CATV:C13-C35 地上デジタル、BSデジタル、110度CSデジタル
  • 画面寸法 56.6x34.0cm 対角66.0cm(アスペクト比15:9 26V型)

●梱包

 段ボールである。発泡スチロールは使用せず。2名での運搬が基本である。

●設置

 重さとしては、1名でも運搬可能。スタンドは楕円形である。硬い水平な台があるとよい。

 耐震用のひもを本体につなぐ部品が附属。

 電源コード取り外し式で、設置時は、楽であった。

●接続

 まず、アンテナ入力端子は、VHF/UHF用とBS/CS用の2個である。地上デジタルとアナログと

は端子は共用である。

 地上アナログと地上デジタルのアンテナ端子は共用

 電話回線接続コード、回線分岐器は、附属。

 コピー制御中につき、B-CASカードを装着しないと、デジタル放送を受信できない。

●説明書、リモコン

 まず、初期設定では、画質がかなりコントラストの強い設定になっている。店頭での見栄えをよく

するためと思われる。説明書に従って、見やすい設定にする。

 説明書は、大型で見やすい。305ページで、表紙裏と裏表紙の裏にリモコンの説明、接続端子がカ

ラーで説明されている。

 リモコンは、やや大型で長さも長い。上部のテンキー部分は、ふたになっており、ボタンを押すと

ゆっくりと持ち上がり、ワイド切り替え、他の機器の操作ボタン等の使用頻度の少なそうなボタン類

が現れる。

 上:チャネルサーバ用、下:本機用

 カーソルキーは、独特で、上下はダイヤル式、左右はダイヤルと一体の左右のボタンとなっていて、

ダイヤルの上下にもボタンを配している。

 ダイヤルはやや回しづらい。それらの周辺には、円弧状のボタンがあり、メニュー、戻る、ツール

等が割り当てられている。

 カーソルと間違えて、円弧状のボタンを押してしまうことがある。

 双方向通信に用いるカラーの4つのボタンは、中央部分にあるが、番組表、dボタン等と接近しており、

よくない。ボタン上に表示があるが文字が小さい。

 リモコンそのものがやや重い。

 形状は裏側中央部分が線状にくぼんでおり、持ちやすい。

●画質

 肝心の画質は、極めて緻密で、色もたっぷり乗る。ことにハイビジョン放送では、あたかもそこに

あるような生々しさがある。風景では奥行きすら感じられる。

 従来画質のものは、逆に解像度の低さがあらわになるが、画面がそれほど大きくないため、ぼやけ

るような違和感は少ない。画面の大きさとしては、4:3の状態でブラウン管の21型をやや大きくした

程度である。

 固定画素のため、画面のゆがみも極めて少ない。

●デザイン

 今回のシリーズ(32V,26V,23V型)は、チューナを一体化したため、すっきりとしている。ス

ピーカをやや大型にしたためか、画面周囲の額縁部分が大きめである。色も白っぽいので、筐体が

大きく見える。逆に画面は小さく見えてしまう。

 また一体型のためか、本体の厚みがかなりある。上方は放熱のため開放が必要であり、設置箇所

が限定される。

 純正の壁掛け金具も発表されている。

 背面の接続端子類には、要所要所にカバーがあり、好ましい。

●まとめ

 28型程度以上の大きさのブラウン管方式には、1125本の走査線(飛越し走査)を表示できると

いう利点がある。

 固定画素では、画素以上の精細度は望めない。本機も1280x768画素であり、1080iの映像信号

は、処理され768本以下に低減されて表示される。

 しかし、奥行きが小さい、重さが軽い、長寿命であること等を考えると、これからのテレビとし

ては、よいと思う。

 サイズも大き過ぎずかつ小さ過ぎずで、小さい部屋では適当かと思う。

 映画を大画面でという向きには、プロジェクタが最適であろう。

 今後1080iをリアルに表示可能な機種も出てくると思われる。

 液晶パネルそのものがより安価になれば、地上デジタル対応の中型テレビも、より求めやすい価格

となると思いたい。

2画面状態(左:アナログVHF放送、右:地上デジタル放送)

●パッケージメディアの視聴結果

  • 視聴システム
    • テレビ 本機
    • 映像音響アンプ マランツ PS5400
    • ディジタルディスクプレーヤ マランツ DV8400(コンポジットビデオ接続)
    • スピーカ インフィニティ ALPHA20
  • 結果
    • DVDビデオ
      • 松浦亜弥 THE LAST NIGHT Chp.2 Close up Version(zetima EPBE-5090)
        • 頬の微妙な色のグラデーションの表現、髪の質感等、水準を満足している。
      • グラディエーター Chp.11(ソニーピクチャーズSUD-32097)
        • 暗部もきちんと描写され、砂ぼこりや、役者の衣装なども丁寧に描写されている。
        • さすがに画面サイズでは、プロジェクタには及ばないが、明室で見られるという利点がうれしい。
      • 松浦亜弥 コンサートツアー2003春 (zetima EPBE-5089)
        • DV8400のコンポーネントビデオ出力を本機のD端子に接続(480p、以下同様)
        • もともと4:3収録であり、おそらくSD画質と思われる。
        • 転送レートはかなり高く、コントラストや色乗りが充分である。
        • クローズアップでは、頬を伝わる汗も緻密に描写している。
        • 音声もDTS5.1ch収録があるので好ましい。
      • 岡田有希子 ぼくらのベストSP CD/DVD-BOX「贈りものIII」ポニーキヤニオンPCCA-01774
        • DISC7プロモビデオを視聴。7枚組の1枚。貴重な映像。
        • リトル プリンセスは、作品として秀逸である。映像はアナログ収録であろうが、部分的に高画質なものがある。全般的にハイキーであるが、ユッコの素晴らしい笑顔を見るにつけ、アイドルとしての素質を再確認する。リンギングも気になるが。

●D-VHSデッキとのi.LINK接続

 日立のD-VHSデッキと本機とをi.LINKで接続した。途中にDVコンバータを介してケーブルの短さを

補った。

  • D-VHSデッキ 日立 DT-DRX100
  • DVコンバータ カノープス ADVC-100(電源=入り)
  • ソース D-VHS(NHK BSデジタルハイビジョン ポップジャム)

 宇多田ヒカルが出演した番組であるが、プロジェクタでの再生でも極めてみずみずしく、

透明感のある映像であったが、本機においても同様すばらしいものであった。

 画面拡大。瞳の輝きに注意(c)2003 NHK

 本機に内蔵されたi.LINKスタジオからD-VHSデッキを操作できた。ただし、録画ボタンは

動作しない。デッキ本体から操作しても、地上デジタルやBSデジタルの録画はできなかった。

 日立の初代BSデジタルチューナも認識した。

 

●気付いた点など

  • ハイビジョン撮影された料理紹介番組や、風景等は、非常にリアルで好ましい。
  • 地上アナログは、ゴースト等で汚れた状態が忠実に再現されてしまう。
  • 結構消費電力がある。本体も熱を持つ。
  • 内蔵スピーカでの音質は、意外によい。
  • 起動(電源オンから操作可能になるまで)に時間がかかる。
  • チャネル切り替えしてから出画まで、ちょっと待たされる。(映像信号の違いによる。1080iや480i等)
  • 入力切り替えにビデオボタン、コンポーネントボタンがあるため、ダイレクトに切り替えられる。
  • 画面周囲のフレーム部分の白っぽい色は、視聴中は、意外と気にならない。
  • 画像で動いている部分の解像度は下がり、残像も少しある。
  • 10年以上前のブラウン管テレビと比べて、明るく、きめ細かいように感じた。
  • まだ、価格が高いので、地上デジタル放送エリアが拡大してからでも遅くはない。
  • BSデジタルを楽しむのであれば、本機は、お勧めである。

 


Copyright (c) 2004 Hiroshi TAKEUCHI

2004/07/03初版