旅とバイクのページ |
![]() |
東北の峠の脇の白砂に
われ転倒し
蟻とたはむる
膝につたふ
血糊のごはず
一握りの砂の恨めしきを忘れず
たはむれに全開にして
そのあまりに速きに捕まり
三度あやまる
己(おの)が名を呼び捨てにして
怒鳴りせし
巡査の顔を忘る術(すべ)なし
はしれども
はしれども猶(なお)わが目的地わからず
じっと地図みる
手套(グローブ)を脱ぐ手ふと止む
何やらむ
こころかすめし思ひでのあり
小岩井の牧に腹這ひ
転倒の
痛みを遠く思ひ出づる日
やはらかに牧場あをめる
小岩井の桜目に見ゆ
走れとごとくに
やはらかに・・・の歌が刻まれています
道端の
石に腰掛け
弁当のむすびをひとり頬張りしこと
旅立てば見ず知らずひと
現はれて
思ひことごと新しくなる
こころよき疲れなるかな
息もつかず
走り続けたる後のこの疲れ
石川 唐変木
すべて石川啄木のパロディです。啄木記念館に立ち寄ったあと触発されて、宿で作りました。一人旅に啄木の歌集などしのばせて、宿で読んだら結構センチメンタルジャーニーになるとおもいますよ。おすすめです。
制作著作
ぷにぷに新報社
copyright by shigeo kimura
このページは石川啄木に捧げたいと思います。