旅とバイクのページ |
大館
入学式の頃関東近辺を彷徨っていた桜前線は5月の連休の頃ぼちぼち津軽海峡を渡る準備を始める。
八甲田山で吹雪に道を閉ざされた私たちは、山を降りた大館で春爛漫の花吹雪に迎えられた。桜前線通過直後だったのだ。
通りかかった桜満開の公園で「花より団子」とばかり団子に焼そばを食べた。ただ団子を食べるより、ただ桜を愛でるより、桜の木の下で食べたほうがずっとうまい、だから「花より団子」ではなく「花と団子」が正しい。数学の論理式で表わせば。
((花<団子)<(花×団子))
なのだ。
私の記憶が確かならば、日本一深い湖である。
さらに記憶をたどれば日本一広いのが琵琶湖で、透明なのが摩周湖で、マリモがあるのが阿寒湖だ。阿寒湖の隣にペンケトー、パンケトーという2つの小さい湖がある。通常は国道241号から遥かに見下ろすだけで誰も行かない。観光客で喧騒甚だしいの阿寒湖を抜け、林道に入ると人の気配が一気になくなる。ややぬかるんだ林道を十数キロ、途中「ひぐま橋」などという物騒な橋を渡ってたどり着く小さな湖のほとりは、神秘を通り越して畏怖を感じるカムイの領域。周囲十数キロ四方に(たぶん)自分一人だけだと思ったら物凄く怖くなって慌てて引っ返した。キタキツネはちらっと見かけたが幸い熊には遭遇しなかった。もちろん行き帰り誰にも会わなかった。
田沢湖では辰子の像で写真を撮っただけ。
1.つのかん、2.かくかん、3.つのだて、4.かくだて、5.つのやかた・・・最初はどうやって読むのかわからなかったけど、答えは「かくのだて」。自分が考えた候補の中には入ってなかった。ここも桜の名所だけど、花は殆ど終わってた。(桜のお祭りはまだやってたけど)
バイクを降りて「小京都」と呼ばれる街を歩く。あまりに観光地化されてるのは興醒めだけどそぞろ歩きは結構たのしい。下の写真の場所にバイクを止めた。わりと絵になってると思うのは自己満足だろうか。
「粋な黒塀見越しの柳、あだな姿のあらいいをんな」 (^^;;
制作著作
ぷにぷに新報社
copyright by shigeo kimura