< ToP >
東・中央アフリカ平和教育会議<メモ>
2008年12月
アート、レッスン、可能性
(浅川 和也)
NPI(ナイロビ・ピース・イニシアティブ)とケニア教育省および
GPPAC(武力紛争予防のためのグローバルパートナーシップ<日本語>)との連携で平和教
育の会議<プ
ログラム>が2008年12月2日から5日にもたれた。2日と3日が中央・東アフリカ地域の国際会議で、4日と5日がケニア関係者の会議であっ
た。 中央・東アフリカ諸国のブルンジやコンゴ、エリトリア、エチオピア、ケニア、ガボン、ルワンダ、スーダン、タンザニア、ウガンダ各国教育省に、この
会議
への参加が呼びかけられた。その呼びかけにこたえて、ブルンジ、ケニアおよびタンザニアから行政担当者が参加した。この地域からは、NGOをはじめ関係者
が出席していた。
平和への基盤として、GPPACは、2001年来、ガーナで平和構築のため
にコンフリクトマネジメントを実践してきている。中央アフリカでも同様の展開が期待されている。
ケ二アでは2007年末からの死者1500人、難民35万人ともいわれる選挙をめぐる紛争が生じた。1350人の教員が家を失い、10000人の教員が
授業ができない状況にであった。40の学校が焼失し、65の学校が破壊された。ユニセフやセイブザチュルドレンによって仮設で学校を建てたり、教材の提供
や臨時に教師を派遣するなどの緊急支援がなされました。その後、平和教育をはじめとする教育施策がだされ、NPIと教育省ならびにGPPACの協働で平和
教育のカリキュラムづくりがはじめられた。ケニアでは平和教育に関して、2月から、8冊の出版物をつくり、管理職に配布した。教師、また、スクールカウン
セラーにも活用できるよう。ストレスマネジメントも取り入れられている。1150名の教師研修をおこなった。
NPIはこれまで、紛争解決への非暴力による解決を実践してきた。暴力による損失は多大であり、根本的な解決にはならない。非暴力の価値や原理を、すべ
ての教育レベルに浸透させることが必要なのである。対話の文化と平和の文化が社会の基盤である。2005年にはケニアの大学と大学生を対象に調査をおこ
なった。
多様な価値と、価値を尊重する姿勢をつくるために平和教育は重要であり、次世代への教育を実りあるものにするために平和教育を主流にする。平和教育の一
つである紛争解決教育によって、寛容を醸成し、社会的統合をはかるようとりくみをすすめる。安全・安心な学校への転換が必要であり、社会情緒的スキルを身
につけることで、学力も向上すると北米で実証されている。教育と開発の関連は見逃せない。ユニセフは子どもの権利を支援し、ともにいきる教育を学校で推進
し、安心して学ぶことのでいる、安全な学校づくりをすすめることを提唱している。第二次世界大戦後後、国家間対立は減ったが、内戦、紛争が発展への障害に
なっている。世界人権宣言が採択されて60年になり、国連のミレニアム開発目標(MDG)の達成にも平和が重要である。
ケニアでは、平和のためのロードマップ(行程表)がつくられた。避難民が日常生活に戻り、子どもたちも教室で勉強できるようにするための人道支援をすす
める、一方、和解および復興をすすめる。その際、青年に示されるロールモデルが必要であり、青年へのはたらきかけが重要となる。
教育省の平和教育部会は、平和教育マニュアルを作成した。教育者の使命は平和の実現である。多文化を尊重し、国家統合をはかる。それが平和の基盤にな
る。発展は平和のうえに成り立つ。その実現には政治的意志が重要であるとされた。タンザニアやウガンダも国家目標を整備しつつある。ケニアでは教師教育を
3年で行い、周辺諸国へ質の高い教師を供給する。小学校では3年生あたりで退学する率が高い。エイズ予防プログラムも実施している。
アフリカは、5年間で500万人が犠牲になるという経験をした。平和の実現に教育のちからは大きい。しかし、平和教育は何かという問いへの答えは社会的
コンテキストによって異なる。食べるものがない、燃料もなく、自然破壊もすすんでいる。貧困や環境の課題に対処するのも平和教育である。
ユニセフは子どもの権利条約の実現にとりくんでいる。人道支援とともに教育にもとりくんできた。緊急支援とともに、子どもたちのベイシックニーズにこた
えられるようなアドボカシーをおこなっている。UNHCRは、さまざまな生活物資を供給するとともに、政治的なはたらきかけも重要であると、ガーナやウガ
ンダで経験をした。
予防外交や、平和へのアジェンダ(ガリ元国連事務総長)においてガバナンスの重要性が指摘されている。平和の文化という概念もその関連ででてきている。
平和教育では平和の文化の実現をカリキュラムにとりいれる。1940年代からの平和研究が、教育に生かされ、展開される必要がある。知識とともに、仲裁者
のトレーニング、すなわち平和を具体化するやり方を(スキル)を身につけ、生きる姿勢を形づくる。
労働組合や学生が暴力的である現状に対応する。人権委員会も平和教育としての機能がある。権利にねざす平和を追求する。学校外でもピースクラブのような
活動をすすめる。ケニアでは2008年初頭の混乱の記憶がある。メディアや子どもむけの書籍や絵本をつくる。学校で平和を教えても社会がそうではない。暴
力をなくすにはどうしたらよいか。アフリカは固有の困難をかかえているが、ユネスコの21世紀への教育提言は重要である。
ディスカッション:労働者の意識が重要、教職員組合のストが暴力的になっている。社会での暴力の原因はシステムにある。平和教育は学校にとどまらない、メ
ディアも重要。市民の声を政策に組み入れる。短期的、長期的計画を。
フィリピンにおける平和教育:平和教育と平和構築のための教育と、異なるのか。平和教育と紛争解決教育とのつながりはどうか。変革のための教育、包括的
平和教育という概念でとらえる。積極的平和・消極的平和、直接・間接的、社会的・内的などの平和のとらえ方がある。暴力の形態を見きわめることが重要であ
る。奴隷制を廃止したように、変化を生み出すのに充分な多くの人々の考えが変化するによって、変化が可能である。生命の尊重や非暴力、人類愛、尊厳など、
平和教育内容を構築する。
PEER,
Regional Programme of Education for Emergencies, Communication and
Culture of Peace
というユネスコのプログラムがあり、現在、ケニアでのPKO要員のトレーニングに日本政府が支援している。ソマリアで、1993年に実施された。PEER
はBBCの協力でコミュニティラジオをしている。人々のニーズにこたえる。DDRなど、復興支援をおこってきた。
ブルンジでは、教会による学校がある。トラウマヒーリングなど。タンザニアでは2009年に、平和教育の会議を行う。ケニアにはケニア2030という国家
目標がある。経済社会政治を対話によって変える。愛国心と協力を根幹にすえる。ポジティブな扶助(かかわりあい)をつくる。コンゴやモザンビークでは元兵
士へのトレーニングをしてきた。しかし、再度、失業している青年を兵士に徴集することもある。
南アフリカでは1995年にTruth and
Reconciliation(真実と和解)委員会ができ、3年間にわたる公聴活動と恩赦に地道にとりくんだ。Restorative Justice
(修復的司法)の実験ともいえる。Truth, Justice
MemoryというDVDと教授資料を作成した。バンツー教育の再評価はあるが、とくに男性中心主義の教育を見直す必要がある。アパルトヘイトも教育に
よって強化された。南アフリカでは1992年に平和協定、1996年に新憲法ができた。Teaching history of transition
justice (移行過程における歴史教育)として歴史についての共通の見解をもつにいたった。人権を Peoples
Rightsとしてみることが、アフリカ人権憲章に反映されている。Institute for Justice and
Reconciliation ( www.ijr.org )
は平和教育の教材開発をおこなっている。ユネスコ平和教賞を受賞した。和平のある、なしで状況が異なる。異民族への偏見を解消することが重要。しかし、南
アフリカでの経験が他の地域でも同様にあてはまるかは疑問。
平和教育が持続可能な平和をつくる。社会統合の基盤である。平和教育はプロアクティブな方法である。
社会問題の克服:紛争後、予防的平和構築をおこなわれなければ平和はやってこない。戦争はこころを傷つける。こころのケアをおこなう。このような福祉と
教育は同じととらえる。フォーマル・ノンフォーマルの教育と問わず、既存の教育場面に平和教育をいれるべきである。教師のオーナーシップ(当事者意識)、
リーダーシップが重要である。平和教育の普及は、既存のものを是正していくやり方の方が受け入れやすいであろう。学校のさまざまな場面に平和教育を位置づ
ける。
平和の文化の実現のための関連分野は何か。一つは歴史教育である。紛争後には歴史の再編がなされる。そのためのカリキュラム開発をする。学校外での活動
にすすめる。平和のための知識、技能と価値を学ぶことを目的にする。自分、他者、社会および自然環境への認識やかかわりをとりあげる。コンフリクトへの対
処方法など、コミュニケーションや多様性の扱い、他者とどううまくやるかについて経験学習によって学ぶようにすすめる。このようなあたらしいやり方は、い
つまでに何を、どこまでおこなうのかを設定しなければ、すすまない。平和への価値とは何か:わかちあい。アイデンティティ、善悪、赦し。武力によらない選
択。平和教育として社会的課題をどう扱うのか。貧困の解決へのとりくみは、どうか。現実として、助成ファンドがなくなったらどうす
るのか。語学の授業でエイズのこととかをとりあげている。問題解決力をつける。権利を教える。権利を知っても要求の仕方を知らないと権利は実現できない。
さまざまなアクターがある。平和教育は平和運動ともかかわる。統合的視点、教師教育をどうするか。学校のみではできない、地域での紛争の解決を。紛争がつ
づくなかで、女性の役割が重要になる。ライフスキルを身につけるようすすめることはすべての分野にかかわる。
人口増加もすすんでいて、教師不足になっていて、また教師のモチベーションが低いことも問題である。教師の離職率も高い。学校のリーダーシップに期待す
る。学校が価値を体現していかなければならない。教師のやる気をひきだす。リソースをつくり、普及させ、アセスメントをする必要がある。
学校自治をすすめる。家庭教育、社会教育にもひろげる。多様性を尊重し、民族蔑視を解消する。協同学習、ボランティアなど。コミュニティ開発との連携
を。
Coalition for Peace in Africa( http://www.copafrica.org/
)ではピースユースクラブを支援している。リーダトレーニングを行っている。Peace Jam foundation and
International Campaign to Ban Land mines による助成は3年間、次のステップを模索中。
UNHCRは難民にたいして、なぜ自分はここにいるのかを問いかけることか始めた。子どもたちの変化があらわれた。キャンプのなかにピースクラブをつく
り、ファシリテーターによぅってワークショップをおこなっている。協力のゲームから、実際にコミュニティの問題解決がなされるようすすめる。ロールプレイ
とその後の話し合いをおこなうなどの手法もとられている。
麻薬対策、大学生間の暴力行為の増大にたいして青年センターや中学高校での対策が必要である。青年活動として、ピースジャーナルの発行、イベント、演
劇、スポーツなどを行っている。
< ToP
>