メロディパート

この章の目次
  1. 音の高さ
    1. 音の名前
    2. オクターブ指定
    3. 休符
  2. 音の長さ
    1. 小節とビートグループ
    2. 音の継続
    3. 無音記号
    4. 複雑なリズムパターン
    5. 直接指定

ひとくちに音といいますが、一音でも高さ、長さ、音色、さらに細かく言えば音の立ち上がりや持続時間など多くの情報を持っています。しかしEMDLでは音の高さ、長さのみを主に扱います。補助的に音色を扱うこともできますが、基本的にはこの二つのみです。

音の高さ

音の高さを表す記号は、次のように表されます。

X[n]
Xは「」や「F#」などの基本的な音の名前を現し、nはどのオクターブ範囲に属する音かを表す数字を現します(省略可能)。例えば、ピアノの真ん中の「ド」、いわゆる「一点ハ」音は「C1」となります。省略時は1あるいはその時点で設定されているOCTAVE値となります(→オクターブ指定)。

音の名前

音名には、以下の4つの流儀による表記方法が使用できます。
JazzClassicJapanese-traditionalItalian-Japanese
CCド, ど
C#, DbCis, Des嬰ハ, 変ニド#, ど#, レb, れb
DDレ, れ
D#, EbDis, Es嬰ニ, 変ホレ#, れ#, ミb, みb
EEミ, み
FFファ, ふぁ
F#, GbFis, Ges嬰へ, 変トファ#, ふぁ#, ソb、そb
GGソ、そ
G#, AbGis, As嬰ト, 変イソ#, そ#, ラb、らb
AAラ、ら
A#, BbAis, B嬰イ, 変ロラ#, ら#, シb, しb
BHシ, し

どのスタイルを使用するかあらかじめ宣言する(→NOTEタグ)こともできますが、なにも宣言しなければClassicを除くJazz, Japanese-traditional, Italian-Japaneseのスタイルを自由に混用することができますので、通常はデフォルトのまま使用するのが便利でしょう。例えば

ど Db 変ホ ファ
とすることも可能です(実際こんな使い方をする人がいるとは思えませんが)。

なぜClassicスタイルだけが仲間はずれかというと、決して私が良からぬ感情を抱いているわけではなくて、通常軽音楽で使われるJazzスタイルに対して「B」という音名の解釈に違いがあるからです。

半音上を表す「#」半音下の「b」は、それぞれいわゆる全角文字の「#」「b」、「♯」「♭」でもかまいません。また、この表にない「Cb」「ミ#」なども許されます(「#」「b」は単純に直前の音程記号を半音上に上げる/下げる、という意味として解釈されます)。「Abb」や「G##」などのダブルフラット、ダブルシャープも可能です。尋常ではない書き方ですが、「Ab#b#」と書いても「A」と同じ音を現すことができます。

Japanese-traditionalスタイルを使用しているとき(またはLANGUAGEを省略したとき)は「」と」が使用できます。直後の音に対して意味を持つ以外は「#」「b」と同じです。

オクターブ指定

音名だけでは絶対的な音の高さを決めることは出来ません。同じ名前でもオクターブ異なった(厳密に言えば波長が2n倍の)別の音の高さであることが有り得るからです。

そこで、ドからシまでの12音(ここではこれをオクターブ範囲と呼びます)ごとにすべての音階を区切って、それぞれを番号で表すことにします。番号は一点ハ音(ピアノの真ん中のド)があるオクターブ範囲を1とし、以下オクターブ下になるにつれ0, -1, -2…となり、オクターブ上が2, 3, ...となります。

EMDLでは3つの方法で絶対的な音の高さを指定することができます。

直接指定
音の名前に続けて、オクターブ範囲の番号を指定します。
G0 C1 F#2 A B-1
カレントオクターブ(絶対指定)
オクターブ番号を省略した場合、その時点で設定されているオクターブ範囲(これをカレントオクターブと呼ぶことにします)の音として解釈されます。初期状態では1です。つまり上記の例でAA1として解釈されます。

メロディーの途中でカレントオクターブを変更することも出来ます (→OCTAVEタグ)。例えば

G <OCTAVE 2>C F# <O3> A G</O> F</OCTAVE>
という表記は以下と同じ意味です。
G1 C2 F#2 A3 G3 F2
カレントオクターブ(相対指定)
相対的にカレントオクターブを変更することも出来ます。一つ上のオクターブに上げるときには<U/>、下げる時には<D/>を使用します。またこれらの代りにを使うことも出来ます。上記の例をこの方法で記述してみると以下のようになります。
G <U/>C F# <U/>A G<D/> F
ソ ↑ド ファ# ↑ラ ソ ↓ファ
ト 上ハ 嬰ヘ 上イ ト 下ヘ
連続して記述しても構いません。2オクターブ跳躍したい場合は、↑↑とします。ちょうど#bのオクターブ版だと理解すればよろしいと思います(ただし、#bが直前の音に影響を与えるのに対して、こちらはその時点から後の音に影響を与えます)。当然↑↓とも書いても構いませんが、意味はないですね。

休符

休符は「,」で現します(スペースは基本表記ルールにあるように、無視されてしまい休符として解釈されません)。「」でもかまいません。オクターブ範囲の指定や#, bなどは意味がありません。

しかし、鳴らないにせよ一つの音として解釈されますので、次のような場合に注意してください。例えばD#の後に休符を入れようとして、誤って

C D,#
としたとします。このとき、#は直前の休符「,」へ影響を及ぼしますから、Dの音はナチュラルのままです。

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簡易旋律記述言語 EMDL
©1999 Shibayama "HEAD" Ken'ichi