シナリオ派のための気になる今後


AFTER JULY
8/7 き・ず・な
堕ちた天使が詩う歌
College Terra Story
8/27 魔法使いになる方法
時をかける少女
センチメンタル グラフィティ
フレンズ 〜青春の輝き〜
9/1 美しき獲物たちの学園
9/11 Fifteen
9月 With You 〜みつめていたい〜
Ribbon2
バトルアスリーテス大運動会GTO
10/9 EVE The Lost One
10月 サンパギータ
11月 雪割りの花
Words Worth
黒い瞳のノア
学園ソドム2
ルームメイトW〜ふたり〜
12月 弟切草
年内 火魅伝・恋解
To Heart
EXODUS Guilty
エリーのアトリエ
1月 かまいたちの夜
勇者王ガオガイガー
2月
未定 瑠璃色の雪
リアルサウンド2 〜霧のオルゴール〜
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8
月以降の展望

3本の注目作、話題作が控えているがそれについては後に触れるとして、 「Fifteen」を片付けておこう。

「放課後恋愛クラブ」がヒットして以来、コンシューマ市場では「まともな恋愛ゲームソフトハウス」として認知されてしまったこと、そしてしばらく音沙汰がなかったことから、もう「昔のような無茶はやらないのか…」と一部オールドファン(ゲームというより広告のファン)を悲しませていたが、まだやつらの息の根は絶えてはいなかったようだ。最近15歳でデビューするアイドルが目につくが、この微妙な年齢をLIBIDOが狙ったのはさすがというべきか当然というべきか。まずその前に無事に発売されるのかどうかが問題かもしれない。

次にちょっと先の話になるが「エリーのアトリエ」。 「うちは大作RPGを作るほどの力はないですから」という言葉が象徴するように、前作はあまりに消極的、弱気な姿勢で、せっかく良い着眼点を持つゲームが妙にこじんまりとしてしまった嫌いがあった。予想外の好評ぶりに慌ててマイナーバージョンアップをリリースしたのもその証左である。

バージョンアップではない完全な続編となる本作では、前作の反省点がどう解消されているか、見守りたい。なお、原画担当は桜瀬琥姫ではなく山形伊佐衛門なる人物。ビジネスの現場で何があったのかはファンの立場として知りようもないが、前作の人気には彼女の原画が多大な貢献をしていたと思われるだけに、少々残念だ。山形伊佐衛門氏の活躍に期待する。

ゲーム作家としての筒井康隆

さて、「時をかける少女」だ。原作ももちろん、何度も映像化され好評を博した作品であるし、絵柄もアニメーション世代にアピールするルックス。ヒットする要素は充分といえよう。不安要素としては悪名高き「必然性のないゲーム性」を加えてしまう可能性があることくらいか。

ただ、未だに「筒井=時かけ・七瀬」なのか、と若干寂しく思わなくもない。筒井康隆という天才を語るにはまったく不十分であろう。剣乃ゆきひろをはるかに凌駕するストーリー、プロット、実験を発表し続けているのだ。最も「ゲーム的」小説家の代表格として考えて良い。どのシナリオライターもある程度は影響を受けているはずだ。なぜもっと着目しないのか不思議でならない。

生粋の筒井ファンとしては、「時をかける少女」ゲーム化に際して、筒井作品がさらに広まることももちろん願うが、それ以上に筒井氏本人の覚醒に期待する。つまり「最近のゲームではこんな実験も許されるのか」とゲーム作家としての資質に目覚めて欲しいのだ。

その予兆はある。断筆以降の近作「夫婦遍歴〜RPG思案〜」はとあるソフトハウスに「こんなRPGなんてどうだろう?」と示した作品だそうだ。「ゲームに純文学はちょっと…」と答えた担当者は多分正しかった。実際あの小説はゲームとしては難しい内容だった。RPGとアドベンチャーの区別がついていなかったように思われる。「大原まりこあたりがやっているようだが…」とか、古くはインベーダーにハマる横田順彌らに「彼らが失ったものは多いはずである」などと書いているところから判断して、筒井康隆のゲーム理解は一般のお父さんとさほど変わりない。

しかし、筒井康隆氏が仮に剣乃ゆきひろ作品やLeafの諸作品をちらとでも見れば、たちどころにその勘所を理解してしまうはずなのだ。なにしろ、筒井康隆ほど、マルチサイト、ザッピング、信用のならない語り手、マルチエンディング等の、元々小説の分野に存在した仕掛けを理解し実践している人物はいないのだから。

筒井康隆書き下ろし企画脚本のノベル形式大作アドベンチャーゲームを、切に期待する。

大震動の予感

さてさてさて。「移植決定」のニュースを聞き、一体何人の人が「今年のベスト1は決まったな」と思った事だろうか。発売されてからこの1年というもの、「To Heart」 が与えた、恋愛をテーマとするゲーム分野での影響力は大きい。「ノベル形式」が続々と採用され(システム自体はチュンソフトの発案だが、やはり昨今の流行は「かまいたちの夜」や「街」が起源ではあるまい)、より深い心理描写を売りとするソフトが増え、セガがサターンの後継機を発表…いやこれは関係ないか、とにかくそういうさまざまな動きは、すべてこのソフトが震源地なのである。

比較的ユーザが少数のはずのパソコン版だけでこれだけのブームとなり、トレーディングカード、ポスターが飛ぶように売れ、リーフonly同人誌即売会が開催されている。そうそう、忘れてはならない最近のニュースに、

「To Heart」アニメ化決定!
もある。

これがコンシューマに移った時にどのような騒ぎになるのか。まったくもって秋が楽しみである。

…。と書いていたら、発売が冬に延びたようだ。あらら。まあともかく、頑張ってください。

Kenno returns

剣乃ゆきひろがelfを辞めた、という情報は、しばらく前から広く伝わっていた。一説には新会社を設立したらしい、とか、elfとさらにその前に彼がいたC's wareとモメゴトがあったらしい、とか。しかし噂の域を出るものではなかった。

だが、ついに彼は「菅野ひろゆき」という本名で戻って来た。しかも「EXODUS Guilty」という、話を聞いているだけで身震いするほど傑作の予感を、いや「確信」をさせるほどの作品をひっさげて。

いや、彼は最初からどこに行っていたわけでもないのかもしれない。


シナリオ派のためのゲームニュース [7月]
「ゲームを考えすぎる」
©1998 Shibayama the HEAD
Last modified:98/11/01