スポーツとしてのゲーム(3/5)

ームの語源
スポーツの語源

せっかく疑惑が湧いて来て「さあこれから」というところ、少々もったいないが、いやいまさらもったいつけるほどのこともないか。はい、ゲームとスポーツは同じものだったようです。

ちょっと真面目に新英和大辞典でgameの語源を調べてみればすぐわかる。
古期英語(700-1100)にsport、joyと同じ意味のgamengomenという言葉があった、と書いてある。つまり日本でいうと平安時代ぐらいから、gameとsportとは同じ意味だったようだ。

…まあせっかく書いてあるので game の語源解説の続きも紹介しよう。もっとも、古期英語よりさらにさかのぼった語源は厳密には証明されていないらしい。一応英語と同様ゲルマン基語から派生した古期高地ゲルマン語や古期スカンジナビア語には joy を意味する gaman という言葉があったことから、おそらく「楽しむ」という意味の「gam-」という言葉がもともとゲルマン基語にあったんだろう、という説明がされている。

なお、ゴート語(これは4世紀から7-9世紀に掛けて存在したゴート人の言葉というのだから相当古い。でも聖書に残っていたので検証されるそうだ)に「関係、参加、共同」を意味するgamenという言葉があった、という報告も付加されている。


一方、sportの語源は disport すなわちdis(離脱)+port(移動)と説明されている。つまりスポーツというのは「日常からの脱出」という意味だったのだ。ハレとケのハレ、平たく言えば「遊び」全般、これがスポーツ。今の「ゲーム」の扱われ方とほとんど違いが無いといっていい。

先のエッセイにはこう書かれていた。

貴族は、近代スポーツが確立される時期にも、狩猟や釣りのフィールド・スポーツを「スポーツ」、また獲物の鳥獣を「ゲーム」と呼ぶ傾向が強かった。「ゲーム・バード」(game bird)は狩猟の鳥であるが、「ゲーム・クック」(game cock)は闘鶏の鳥である。
この鳥の例をみても、競技ごとにスポーツと呼ぶかゲームと呼ぶかが明確に区別されていたとは思えない。むしろ遊びそのものをスポーツ、それに使用される小道具を「ゲームなんとか」と呼んでいたんじゃないか、とも思える。

なお、「スポーツマンシップ」の初出はフィールディングの「トム・ジョーンズ」という小説で、トムの素晴らしい狩猟の腕前を褒めて「これがまことのスポーツマンシップだ」などと言っているらしい。戦いの後

「やるじゃないか」
「へへ、お前もな」
などといいながら河川敷に倒れつつ夕日を眺めるような、ちばてつや的展開は微塵もない。

ゲームを考えすぎる
©1998 Shibayama the HEAD
Last modified:98/10/25