紫式部集
First updated 11/24/2003
Last updated 01/31/2024
渋谷栄一翻字(C)

紫式部集

凡例
1 本文は定家自筆本系の最善本とされる実践女子大学図書館蔵「むらさき式部集」(『紫式部集大成』影印版 笠間書院 2008年〈平成20年〉5月)によって、漢字は漢字のまま翻字し、他の変体仮名字母と区別するために太字で表示した。
2 通行の平仮名の字母はそのまま仮名で表示した。
3 変体仮名はその字母で翻字した。
4 片仮名はそのまま片仮名で翻字した。
5 仮名や字母の崩し方が複数ある文字については、一般的な字形を基準にして、それより元の漢字に近い字形には「1」と付記し、また一般的な字形とも異なった別の崩し字形には「2」と付記した。
6 行頭に同字が並ぶ場合に、異なる字母字形で書き分けられている所は茶色で表示し、同じ字母字形で書かれている所は緑色で表示した。
7 和歌の冒頭には001から126まで3桁の数字で記した。なお改行された下句の位置が上句より約半字下げられて書かれている箇所はそのように表記した。
8 振り仮名は〈 〉に括って記した。
9 本文の訂正跡は( )に入れて記した。$ミセケチ、#削除、+補入を表す。
10 各丁の終わりには」の印と丁数とその表(オ)裏(ウ)を記した。

  「むらさき式部集」(題箋)

     者やうよ里わらハとも多地なりし人
     尓1としこ2ろ遍て2ゆきあひ堂類可
     本の可尓て十月十日のほと月尓1
     きおひて2かへり丹个れ盤
001 免くりあひて2見しやそれともわ可ぬまに
   くも1かく連尓1し夜ハの月可け
    (一行空白)
     その人と越支1とこ2ろへいくな2り个り
     阿き能者つる日き2多るあ可つきむし
     の1こ2ゑあハ連那り」(1オ)

002 な起よハる満可き能むしもとめか多起
   阿き能わ可れや閑な2し可るらむ
    佐うの1こ2と志者しとかひ多り个る人
    まいりて2御てよりえむとある返事尓
003 徒ゆしけきよも起可中能むし能年を
    おほろ遣尓てや人の堂つね1ん
    閑多ゝか遍尓1わ多り多る人のな2満おほ
    /\しきこ2と阿里とてかへり耳ける
    徒とめて2あさ可ほの花をやるとて
004 お本徒可な2それ可阿らぬ可阿氣く連能」(1ウ)

    そらお1ほ連す累あさ可本の1花
    返し て越みわ可ぬ尓やあ里个ん
005 伊つれそ2といろわくほと尓1阿さ閑ほの
    阿る可な起可尓な累そわひしき
    徒くしへゆく人のむすめの1
006 尓1しの1うミ越お1もひ屋りつ1ゝ月ミれハ
    堂ゝ耳な可類ゝこ2ろ尓もある可那
    返し
007 にしへゆく月のたよりに堂満つ1佐の1
    か支1堂えめや者くもの1閑よひち」(2オ)

    はる可那るとこ2ろ尓ゆきやせんゆ可す
    やとお1もひ王つらふ人の屋ま佐とより
    もみちをお1里てをこせ多類
008 つゆ布可くをく山さ登の1も1みちハ尓
   閑よ遍るそての1いろをみせ2ハや
    かへし
009 阿らし布くと越山さ登濃もみちハゝ
    つゆも1と満らんこ2との1か多佐よ
    又そ能人の
010 も1みちハ越佐そふ阿らし者ゝや个れと」(2ウ)

    古のし多那らてゆくこゝろ可は
    も1能お1もひ王つらふ人のう連遍多る
    返こ2と尓1志も月ハ可り
011 志も1こほりと地多るこ2ろの1ミつくきハ
    えも閑起屋らぬ古ゝ地のミして2
    返し
012 ゆ可すともな越かき徒めよ志もこほり
    ミつ能う遍尓てお1もひな可佐ん
     かも尓1まうて多る尓1本とゝき須1な可
     な2んといふあ遣ほの尓か多を可能こすゑ」(3オ)

     お1可しく見え个り
013 本とゝき須1こ2ゑまつ本とは閑多越可能
    も1里能し徒く尓1多地やぬ連まし
    屋よひの1つい多ちかハらにいて堂る尓1
    可多ハらなるくる満尓本うしの1閑ミ越
    かうふり尓ては可せたちをる越耳く
    みて2
014 はら遍との1閑ミの1閑佐里能みてくらに
     う多てもま可ふみゝはさミ可那
    あね1な里し人な2く那り又人のお1とゝ」(3ウ)

    うしなひ多る可閑多み尓ゆき阿ひて2
    な2起可ゝハり尓お1もひかハさんとい日个り
    布ミ能うへ尓阿年きみとかき中能君
    とかき閑よハしけるかをのかしゝとをき
    とこ2ろへゆきわ可るゝ尓1よそ那可らわ可れ
    お1しみて2
015 き2多へゆく閑里能徒ハさ尓1こ2と津て2よ
   くもの1うハ可起かき堂えすして2
    返しハ尓1しの1うミ能人なり
016 ゆきめくり多1れも1みやこ耳かへる山」(4オ)

   い徒ハ多登き2く本との1ハるけさ
    徒のく尓1といふ所よりをこせ多りける
017 な尓1ハ可多むれ多ると里能もろとも尓1
    多ちゐるも1能とお1もハまし可は
    か遍し
   (二行空白)
    津くし尓1ひせんといふとこ2ろよりふミ
    をこせ多る越いとはる可なるとこ2ろ尓て
    見けりその返こ2と尓1」(4ウ)

018 阿ひ見むとお1もふ古ゝろ盤まつら那る
    かゝミのかみやそらにみるら舞
    閑遍し 又のとしもてき1多り
019 ゆき免くり阿ふ越まつらの1かゝみ尓ハ
    堂れを可けつゝいのると可し累
    あふミのミつうみ尓てみ越か佐き登
    いふとこ2ろ尓阿ミひくを見て
020 み越の1うミにあミ引多みのて満もな2く
    多ちゐ尓1徒遣てミや古ゝひしも1
    又いその者満尓徒るのこ2ゑ/\なくを」(5オ)

021 伊そ閑く連お1な2し古ゝろ尓1堂つそ那く
    な2耳お1もひいつる人や多れそも
    夕堂ちしぬ遍しとてそら能くもり
    て2ひらめく尓1
022 閑起くもりゆふ多つなミの1阿ら个れハ
    うきたる舟そ2し徒古ゝろなき
    志ほつ山といふみちのいとし氣き越
    しつのおの1阿やしき2さ満登もして2
    な2越からき2ミ地な里やといふ越きゝて
023 志里ぬら舞ゆきゝ尓1ならす志ほつ山」(5ウ)

    世耳ふるミ地ハ閑らきも1のそ2と
    水うみ尓お1いつ志まといふす佐き尓1
    む可ひてわらハへのうらといふいりうミ能
    お1可しき越くちすさひ尓
024 おい徒しま/\も1累閑ミやいさ無らん
    なみも1佐ハ可ぬ王らハ遍のうら
    
古よミに者つゆきふる登かき多る日
    め尓1ち可き火の堂けといふ山のゆき
    いと布可う見やらるれハ
025 古ゝ尓1可くひのゝす起むらう1徒無ゆき」(6オ)

   をし本の松耳个ふや満可遍る
    か遍し
026 越しほやままつの1うハ葉に个ふや佐ハ
    み年の1うすゆき花と見ゆらん
    布里徒ミていとむつ可しきゆき越
    かきすてゝ山のやう尓1志な2し堂る尓1
    人/\能本里てな越古連いてゝみ多
    まへといへ者
027 布るさ登尓1閑遍る屋まちのそれな2らハ
    古ゝろやゆくとゆきもみてまし」(6ウ)

    としか遍りて2閑らひと見尓1ゆ可むと
    いひ个る人のはるハとくゝるものとい可
    て2志ら勢多てまつら無といひ多る尓1
028 春なれとし羅年の1みゆきいや徒もり
    とく遍起本と能いつとな起可那
    阿ふミの閑みの1むす免氣佐うすと
    きく人の布多古ゝろな2し那と徒ね1尓
    いひ王多り个れハうる佐くて
029 水うミのともよふちとりこ2と那らは
    屋そ能みな2と耳こ2ゑ多え那せそ」(7オ)

    う多ゑ尓阿まの志ほやく可多越閑起
    て2こ古里津ミたるな2けき能もと尓1かきて
    か遍しや累
030 よも1の1うみ尓1志本やく阿まの心可ら
    屋く登ハ閑ゝるなけきをや徒無
    布ミ能う遍尓志ゆといふ物越徒ふ/\
    とそゝき2か遣て2なみ多の1いろなと
    かき多る人の可遍りこ2と尓1
031 くれな1ゐ濃なミ多そ伊とゝうと満2るゝ
    う津る古ゝろの1いろ耳見ゆれ盤」(7ウ)

    もとよ里人のむす免をえ多る人
    な里けり
    布ミちらし个りとき2ゝて阿里し文
    ともとり阿つ免てをこせすハ返
    事かゝしとこ2とは尓て能ミい日や
    里け連はみ那をこすとていミしく
    ゑんし多り个れハむ月十日ハ可りの1
    こ2と那里个り
032 登ち多里しう遍能うすらひと遣那可ら
    さは堂えねとや山のし多水」(8オ)

    す可佐連て2いとくらうな里堂る尓
    をこせ多る
033 こ地風尓1とくるは可りをそ古見ゆる
    伊しま能水ハ堂えはたえな2ん
    いまはも1のもき2こ江しとはら多ち
    堂れ盤わらひて2か遍し
034 いひ堂えは佐こ2そハたえめな尓1可その
    み者ら能いけを徒ゝミしもせん
    夜中ハ可り尓1又
035 堂け閑らぬ人可す那ミは王起可へり」(8ウ)

    見はら能い氣尓1堂て登かひな2し
    佐くらを閑免丹佐して2みる尓1とり
    も阿遍すち里け連はも1ゝの1花を
    見やりて
036 お1里て2み盤地可ま佐里せよもゝ能花
    おもひくま那き佐くらお1しまし
    返し人
037 も1ゝ登い布名も1阿るものをと起のまに
    ちる佐くら丹もお1もひおと佐し
    花のちるこ2ろなしのハ那といふも1桜」(9オ)

    もゆふくれの風の1佐ハき尓1いつれと
    見えぬいろなるを
038 花登い者ゝいつ連可丹ほ日な2しとミむ
    ち里可ふいろの1こ2と那らなく尓1
    と越支とこ2ろへゆきにし人のなくな2
    里尓1ける越おやはらからな2と閑遍り
    きてか2なしき2こ2といひ多る尓1
039 伊つ可多能くもち登き2可ハ多1つ1年まし
    津らハな2れ个ん閑りかゆくゑを
    古そよ里うす尓ひなる人尓女院可く」(9ウ)

    閑く(閑く$)連佐せたまへる者累い多うかすミ
    多る夕くれ尓人の佐しを可せ多る
040 くもの1う遍も1物お1もふはるハすミそめ尓1
    かす無そら佐へあハ連那る可那
    返し
041 な尓1可この1本とな2起そて越ぬらすらん
    閑すミのこ2ろも1な遍て2きる世尓1
    なくな1里し人のむす免の1おや能
    てかき徒遣多りけるも1のを見亭
    いひ多里し」(10オ)

042 ゆふき里尓1ミし満かくれしをし能この
    阿と越みる/\まとはるゝ可那
    お1な2し人阿連多る屋との1佐くら能
    おもしろきこ2と登て2お里てをこせ
    多る尓1
043 ちるは那をな2けきし人者古のもと濃
    佐ひしき2こ2とやかね1て2志里个無
    おもひ堂えせ2ぬとな起人のいひ个る
    こ2と越思日いて多るな2り
    ゑ尓も1のゝけ徒き多る女の見尓くき」(10ウ)

    閑多か起多るうしろ尓お1丹ゝな2り多る
    もとの免越こ本うしの志ハりた多る可多
    かきてお1とこはきやうよみて2も1のゝ
    氣せ免多るとこ2ろを見て
044 な起人耳閑こ2とはか氣て2王つらふも
    をの可古ゝろの1お1尓ゝや盤阿らぬ
    返し
045 こ2とハ里やき2み可古ゝろ濃屋ミ那連ハ
    お1丹のか氣とはしるくみゆら無
    ゑ尓むめ能花見るとて女徒まとをし」(11オ)

    阿氣て二三人井多る尓1みな2人/\
    ね1多る个しき閑い多る尓いと佐多
    す起多類お1もとの1徒らつゑ徒いて2な2可
    免多る可多あるとこ2ろ
046 春能夜の屋ミ濃まとひ尓1いろな2らぬ
    古ゝろ尓1者那のかをそ志免つ1る
    お1な2しゑ尓佐可の尓1者那見る女くる
    ま阿りな2れ多るわらハのはき能花尓1
    多地よ里てお1里多るとこ2ろ
047 佐越し閑の志可ならハせるはきな2れや」(11ウ)

    多ちよる可ら尓1を能連おれ布す
    世のは可那きこ2と越な2けくこ2ろミ地
    能く尓1名阿るとこ2ろ/\閑い多る越み
    て2志本かま
048 みし人の个ふり登な里しゆふ遍より
    な2そむつましき志ほ可満2の1うら
    かと堂ゝき2王つらひて2閑遍り尓1个る
    人の徒と免て
049 世とゝも尓1阿らき2風布く尓1しの1うみも1
    いそ遍尓なみ盤よせすとや見し」(12オ)

    とうらみ多里ける閑遍りこ2と
050 か遍りて2はおもひ志里ぬやい者かと尓1
    うきてよ里けるきし能阿多な2ミ
    登し可へりて2閑とは阿きぬやとい日
    たる尓1
051 堂可さ登の1春能たよ里尓1うくひすの
    かすミ耳とつる屋と越とふらむ
    世中の1佐ハ可しきこ2ろ阿さ可ほ
    を人のもとへ屋るとて
052 き2えぬま能身をも1志累/\あさか本の」(12ウ)

    徒ゆ登あらそふ世越な2けく可那
    世越徒ね1な2し那とお1もふ人のおさ那
    き人のなやミける尓閑ら堂けといふ
    も1のかめ尓1佐し多る女はらの1いの里
    个る越みて2
053 わ可竹の1お1いゆくすゑをいの累可那
    この世越うしといとふも1のから
    身越お1もハすな2りとなけくこ2との
    やう/\な能免尓1ひ多婦る濃佐ま
    なる越おもひ个累る」(13オ)

054 閑す那らぬ古ゝろ尓身をハま可せねと
    身にし多可ふ盤心な2り个り
055 古ゝ路多尓1い可な2る身に可ゝな2ふら無
    おもひ志連れともお1もひしられ春
    者しめて2う地わ多りをみる耳も1
    ものゝ阿者れな2連は
056 身の1うさは古ゝ路の1う地尓1志多ひきて
    いまこゝのへそおもひ見多るゝ
    ま多いとうゐ/\しき2さ満尓てふる
    佐と尓1閑遍りて能ちほの可尓1か多ら」(13ウ)

    ひける人耳
057 と地堂里しいハ満の1古ほりう地とけ者
    を多えの水も閑氣みえしや盤
    か遍し
058 見山遍の1者那ふきま可ふ堂丹風耳
    むすひし水も1とけ佐らめやハ
    正月十日の本と尓1はるの1う多ゝてまつ
    連と阿里け連はま多いて堂ちも1
    せぬかくれ可尓1て2
059 見よしの1盤春能个しき尓1かす免とも」(14オ)

    むす本ゝれ多るゆき能し多草
    屋よひハ可り尓1宮能へんの1お1も登
    いつ可まいりたまふな2とかきて
060 うきこ2と越お1もひみ多れて2あ越やき能
    いと飛さしくもな里にける可那
    返し
061 徒連/\とな可めふる日は阿をやき2能
    いとゝう起世尓1ミ多れて2そ婦る
    かハ可り思う(う$そ)しぬへき身越いとい多う
    も上すめく可那とい1日ける人を」(14ウ)

    き2ゝて
062 わ里那しや人こ2そ2人登伊者佐ら免
    身津可ら身をやおもひすつへ支1
    くすたまをこすとて
063 志のひつ1るね1そ阿らハ類ゝ阿やめく佐
    いハぬ耳く地て2やミぬへ个れ者
    返し
064 个ふ者可くひきけるも1のを阿やめく佐
    わ可み可くれ尓ぬ連わ多里徒る
    徒ちみ可ととの尓て三十講〈可う〉の1五巻〈くハん〉五」(15オ)

    月五日尓1阿多れ里し尓1
065 堂遍な里や个ふハ佐月のいつ可とて
    い徒ゝの1ま起の阿遍る御能りも
    その夜い氣能かゝり火尓み阿可し能
    ひ可り阿日て飛るよ里もそ古まて2
    佐や可なる尓佐う婦の1閑いま免可し
    う丹ほひくれ半
066 閑ゝり火のか氣も1佐ハ可ぬい氣水尓1
    いくちよす万無能里の1ひ可りそ
    お本屋遣こ2と尓1いひま起らハす越む」(15ウ)

    可ひたまへる人者佐しもお1もふこ2ともの
    し堂まふましき2可多地あり佐ま
    よはひの本と越い多うこゝろふ可け尓
    おもひミ多れて2
067 すめ累い氣能そ2古まてゝらすかゝりひの
    まハゆ起まてもう起わ可身可那
    やう/\阿氣ゆくほと尓1わ多との耳
    きて徒本年能し多よりいつる水越
    かうらんをゝ佐へて2志者し見ゐ多れハ
    そら能个しきはる秋のかすミ耳も」(16オ)

    き2り耳も1お1とらぬこ2ろ本ひな2り
    こせう志やうの1すミ能かうしをうち
    堂ゝき2多れハゝな2ちてをしお1ろし
    たまへりもろとも尓1お1りゐてな1可免
    井多り
068 閑氣見てもう起わ可な2ミ多お1ちそ2ひて2
    かこ2と閑ましき2堂起のをと可那
    返し
069 飛とりゐてな2ミ多くみける水のお1も尓1
    うきそはるらんか氣やいつ連そ」(16ウ)

    阿可うな2れハい里ぬ長きねをつゝみて2
070 な遍て2世のう起尓1な2可るゝあやめく佐
    个ふまて閑ゝるね1者い可ゝみる
    かへし
071 な1尓1こ2とゝ阿やめハわ可て2个ふも1な2越
    たもと耳あまるね1こ2そ2たえせ2年
    うち尓1くひな2の1なくを七八日の1夕
    徒く夜尓こせうしやう能きミ
072 阿まとのと能月の1閑よひち佐ゝね1とも
    い可な2る可多耳堂ゝく倶ひな2そ」(17オ)

    返し
073 ま起の1戸も佐ゝて2屋すら婦月可遣に
    な尓1越阿可す登たゝくゝゐ那そ
    夜布氣て2戸を堂ゝきし人つと
    免て2
074 夜もす可らくひな2よ里け尓なく/\楚
    ま起のとくち耳たゝき2王ひつる
    か遍し
075 堂ゝならしとは可りたゝくゝひ那ゆへ
    阿氣て2ハい可尓1くやしからまし」(17ウ)

    あさき2りの1お1可しき本と尓1お1まへの1
    者那ともいろ/\尓1み多れ多る中に
    をミなへしいと佐可りなる越との御らん
    してひとえた多お1らせ佐せ2たまひて2き
    ちやう能可ミよりこれ多ゝ尓1かへすな2とて
    たまハせ多り
076 をミな遍し佐可りの1いろをみるから尓1
    徒ゆの1わきける身こ2そしらるれ
    と可起徒遣たる越いとゝく
077 志ら津ゆハわきてもを可し越ミなへし」(18オ)

    古ゝろから耳やいろの1そむら舞
    ひさしくをとつれぬ人をお1もひいて
    多るお1り
078 王するゝ者う起世の1徒年登お1もふにも
    身をやる可多能な起そわひぬる
   (四行空白)
    返し」(18ウ)

079 堂可佐ともとひもやくると本とゝ支須
    古ゝろの1かきりま地そ王ひ尓1し
    ミやこの可多へとて閑遍る山こえ氣る
    尓1よひさ可登いふなるとこ2ろ能王り那き
    閑个ち尓1こしも閑起王つらふ越お
    そろしとお1もふ尓佐るのこ能葉の中
    よりいとおほくいてき多れ盤
080 ましも1な越をち可多人のこ2ゑ閑ハせ
    わ連こし王ふるたこのよひ佐可
    水うみ尓ていふき能山の1ゆきい登」(19オ)

    志ろく見ゆるを
081 名耳堂可起こしの1志ら山ゆき那連て2
    いふき能多けをな尓1とこ2そみね1
    そ2とハのとし遍多る可まろひたうれつゝ
    人耳ふまるゝを
082 古ゝろ阿て尓1あ那か多しけな2こけむせる
    本とけ1の1み可ほそ2とはみえね1と
    人の1
083 氣ち可くて多1れ1も古ゝろ者見え尓1个ん
    こ2と者遍多てぬちき里とも可那」(19ウ)

    返し
084 遍多てし登ならひし本と尓1な2つ1衣
    うす起古ゝろをまつしられぬる
085 み年さ無ミい者満こほ連る堂尓1水能
    ゆくすゑしもそ布可くなるらん
    ミやの1御う婦やい徒可の夜月の1ひ可
    里佐へこ2と尓1く満な2起水のうへの者し
    尓1閑む多ち免とのより者しめ堂て
    まつりてゑひミ多れのゝしり堂まふ
    佐可月の1お1里尓1さしいつ」(20オ)

086 免徒らしきひ可り佐しそふさ可つきハ
    も1ち那可らこ2そ千世越めくらめ
    又の夜月の1く満那支1尓1王可人多ち
    布年尓能りて2阿そふを見やるなか
    志満の松の1ね尓佐しめくる本とお1可し
    くみゆれ盤
087 くも里那く地とせ尓1すめ累水のお1も尓1
    屋とれる月の1か氣も能と个し
    御い可の夜とのゝう多よめとの1たまハ
    すれハ」(20ウ)

088 伊可耳い可ゝ閑そへ屋るへきやちと勢の
    阿まりひさしき君可御世をは
    とのゝ御
089 あし堂つの1よハひしあらハ起ミ可代の
    ちとせの1閑すもかそ遍と里て無
    たま佐可尓1か遍りこ2とし多里个り人
    能ち尓又も閑ゝ佐里ける尓1お1と古
090 お1里/\尓1閑くとは見えて佐ゝ閑尓1の
    い可耳お1もへ盤堂ゆる那累らん
    返し 九月徒古も里にな里に个り」(21オ)

091 志もか連の阿さ地尓1ま可ふ佐ゝか尓1の1
    い可那るお1里に閑くとみゆらん
    な丹のおり尓1可人の返こ2と尓1
092 伊累可多は佐や可な里ける月か希を
    うハの空尓1もま地しよひ可那
    返し
093 佐して2ゆく山の者もみな2閑起くもり
    古ゝろもそらにき2えし月か氣
    又お1な2しすち九月ゝ阿可支1夜
094 お本閑多の1阿き能阿者れ1を思日やれ」(21ウ)

    月耳古ゝろ盤あくか連ぬとも
    六月ハ可りな2てし古の花越みて2
095 閑き本1阿連さひし佐まさるとこ夏尓1
    徒ゆをきそハん秋まてハみし
    も1のやお1もふと人のとひたまへる返事
    尓1な可月徒古も里
096 は那すゝき2葉わ遣の1徒ゆやな尓1ゝ可く
    か連ゆく野へ耳き2えとまるら無
     王つらふこ2とあるこ2ろな2りけり
    閑ひぬまのい氣といふ所な2んあると人」(22オ)

    の1阿やしき2う多か多りする越きゝて
    心み尓よまむといふ
097 世耳ふる尓1な2そかひぬまのい个らしと
    お1もひそ志つむそ2古はしらね1と
    又心ちよけ尓いひな2佐んとて
098 古ゝろゆく水の个しきは个ふそみ累
    こや世耳遍つるかひぬまのい氣
    ちしう佐い志やう能五せちの徒本年ミや
    の1お1まへいと遣地可き尓1古うき2てんの1
    うきやう可ひと夜志る起さ満にて2ありし」(22ウ)

    こ2と那と人/\いひ多てゝ日か遣越屋累
    佐しま起らハすへ支1あふき那とそへて2
099 お本1か里しとよ能ミや人佐しわきて2
    志るき日可けを阿ハ連とそみし
    中将せう志やうと名阿る人々能お1な2し
    本そとの尓1すミて少将の1きみをよ那
    /\阿ひつ1ゝ閑多らふをきゝてと那り
    の中将
100 み可さ山お1な2しふもと越佐しわき亭
    かすミ耳た丹の遍多て徒る可那」(23オ)

    返し
101 佐し古えて2伊累こ2と閑多みゝ閑佐山
    かすミふ起とく風越こ2そ2まて
    古う梅をお1りて2佐とよりまいらすとて2
102 むまれ木の1し多尓1屋つるゝむめ能花
    閑越多尓1ちら勢くもの1う遍まて
    う月尓や遍佐ける佐くらの1者那を
    内にて2
103 古ゝの遍耳ゝ本ふ越み連は佐くら可り
    かさねて2き2多るは累の1佐可りか」(23ウ)

    佐くらの1者那能ま徒里の1日まてちり
    のこ2り多る徒可ひの1せう志やう能可佐し
    尓1たまふとて葉に可く
104 神世耳ハ阿里もや志けん山佐くら
    个ふのかさし尓1お1連るためしハ
    む月の三日うちよりいてゝふるさと能多ゝ
    志ハしの1本と尓1古よな2うち里つ1も里
    阿連万佐里尓1个る越こ2といミも志阿へす
105 阿らためて2个ふしもゝの1ゝ閑那しきは
    身能うさや又佐ま閑ハりぬ累」(24オ)

    五せちの1本とまいらぬをく地お1しな2と
    遍ん佐い志やう能きみのゝたまへる尓1
106 め津らし登き2ミしお1もハゝき2て2見えむ無
    すれるこ2ろも1の1本とす起ぬとも
    か遍し
107 佐らハき見屋ま井のこ2ろも1す起ぬとも1
    こひしき本と尓1きてもみえ那ん
    人のをこせ多る
108 う地志のひな2けき阿可せ盤し能ゝ免の1
    本可らか耳多尓1ゆめ越みぬ可那」(24ウ)

    七月つい多ちこ2ろ阿遣本の成个り
    返し
109 志のゝ免能そらき2里わ多り伊津しかと
    秋の个しき尓1世はな里に个り
    七日
110 お本か多耳お1も遍盤ゆゝし阿ま能川
    个ふの1阿ふせはうらやまれ个り
    返し
111 あま能河阿ふせ2はよ楚能くも井にて2
    堂えぬちき里し世ゝ耳阿せすハ」(25オ)

    かとの1まへよりわ多るとてう地とけたらん
    を見むと阿る尓1かきつ个て返しやる
112 な2越佐里の1たよ里耳とハ無ひとこ2と尓1
    う地とけてしもみえしとそお1もふ
    月見る阿し多伊可尓1い日多累尓1可
113 夜こ免をも1ゆ免とい1日しハた連な2れや
    秋の月尓1もい可て可は見し
    九月九日きく能わ多越う遍の御閑多
    よりたまへる尓1
114 起くの1徒ゆわ可ゆは可り耳そてふれて2」(25ウ)

    花のあるし尓1千世はゆつら舞
    志くれする日こ少将の1きみ佐とより
115 く満も那くな可無るそ羅も1閑起くらし
    い可耳志のふ累しくれ1なるら無
    返し
116 こ2登ハ里の1志くれのそらハくも満阿連と
    な可むるそて楚閑はく世も那き
    里耳いてゝ大な2こんの1きみふミたま
    遍る徒いて2尓1
117 う起ね1せし水のう遍のミこひしくて2」(26オ)

    閑も1の1うハけ耳佐えそお1とらぬ
    返し
118 う地者ら婦とも那きこ2ろの1ね1さめ尓ハ
    徒可ひしをしそ夜ハ尓1恋しき
    又い可な里し尓1可
119 な尓1は可り古ゝろ徒くし耳な2可免ね1と
    みし尓1くれぬる阿き能月可氣
    すまひ御らんする日内にて2
120 堂つ1き那支1多ひのそら那るすまゐをは
    阿めもよ尓1とふ人も1あらし那」(26ウ)

    返し
121 いと無人阿ま多き2こゆるも1ゝしき能
    すまゐうしとはおもひ志るやは
     あめふりて2その日ハ御らんとゝま里に
     个り阿いな2の1おほやけこ2とゝもや
    はつゆきふり多る夕くれ尓人の
122 古ひ王ひて2阿里婦る本との1者つ徒きハ
    き2えぬる可とそう多かハ連ける
    返し
123 布れハ可くう1佐の1ミま佐る世越しらて」(27オ)

   阿連多る丹は尓1徒もる者つゆき
    古せう志やう能き見のかきたまへりし
    うちとけ布ミの1も1のゝ中なる越見つ
    遣てかゝせうな2こんの1もと尓1
124 くれぬま能身をはお1もハて人の世能
   あハ連越し累そ閑つ1盤かな2しき
125 多1れ1可世耳な可らへて2ミ無かきとめし
   あとはき2えせぬ閑多みな2れとも1
    返し
126 な起人越志のふるこ2ともい徒まて楚」(27ウ)

   个ふの1阿ハれ者阿すの1わ可身を」(28オ)

     本云
      以京極黄門定家卿筆跡本不違
      一字至于行賦字賦雙紙勢分
      如本令書写之于時延徳二年
      十一月十日記之
               癲老比丘判
      天文廿五年夾鐘上澣書寫之
」(28ウ)