First updated 02/24/2003
Last updated 06/17/2024
渋谷栄一翻字(C)

柏木
【凡例】
1.『青表紙原本 源氏物語 花ちるさと・かしは木』(原装影印古典籍覆製叢刊 前田育徳会尊経閣文庫 昭和53年11月)に拠って漢字仮名字母翻字した。
2.漢字は漢字のまま翻字し、他の変体仮名字母と区別するために太字で表示した。
3.通行の平仮名の字母はそのまま平仮名で翻字した。
4.変体仮名はその字母で翻字した。
5.片仮名はそのまま片仮名で翻字した。
6.仮名や字母の崩し方が複数ある文字については、一般的な字形を基準にして、それより元の漢字に近い字形には「」と付記し、また一般的な字形とも異なった別の崩し字形には「」と付記した。
7.本行本文は普通字体で表示し、書入注記や付箋等は小字体で表示した。
8.「柏木」は冒頭第1丁表1行目「衛門のかむのきみ」から第11丁裏5行目「おとろ/\し」までが定家親筆部で、同6行目「御うふやしなひ」以下、末尾「このきみはゐさりなと」(第50丁裏2行目)までは非定家筆による寄合書の写本である。
9.行頭に同じ文字が並ぶ場合に、異なる字母は茶色で、また同じ字母は緑色で表示した。

「かしハ」(題箋)

  衛門のかむのきみかくのみなやみわ堂り
  をこ堂らて可へりぬおとゝ
  ほしな遣くさ満を多て万つる尓志ひて可个
  者なれなむいのち可ひなく徒みをもかるへき
  ことをとしてあ那可ち尓この
  はなれ可多くおしみとゝめ万ほしき可は
  い者遣なか里し本とよりと尓てな尓こ
  とをも尓い万ひとき者万佐らむとお本や□」(1オ・大成1227D)

  わ多くしのこと尓布れてなのめならす日の本
  里し可とそかなひ可多可り个里と飛と徒
  布多徒の布しことに日おとしてしこ
  な多なへての世中春さましうおもひなりて
  のちののをこなひ尓ほい布可く春ゝみ尓
  しをおや多ちのうらみをての尓もあく
  かれむみちのをもきほ多しなるへくおほえ
  志可者とさ満かうさ万尓万きら者しつゝ」(1ウ・1227I)

  春くし徒るを徒ゐ尓猶世尓堂ち万ふへ
  具もほえぬ物思日の飛と可多なら須
  そ飛尓多る者われよりほ可尓堂れ可者つら
  徒可らもてそこな飛つるにこそあめれと
  尓うらむへきなし神仏をもかこ多む
  き者これみなさるへき尓こそ者あら
  堂れも1ちとせのま徒な者徒ゐ尓と万
01 うくも思心尓かな者ぬ可/多れもちとせのなく尓(付箋@)
  累へき尓もあらぬをかくひと尓もすこしうち」(2オ・1227M)

  志の者れぬへきほと尓てな遣のあ者れをも
  か遣給人あらむをこそ者ひとつおひ尓
02 むしのをい多つら尓な春/ことも/悲と徒おもひ尓よりてなり个り(付箋A)
  も盈ぬる志るし尓者せめ勢免てな可らへハ
  をのつ可らあ累満しきをも多ち
  や春可らぬみ多れいてくるやうもあらむより者
  なめしとをいらんあ多り尓も佐里ともお
  ほしゆるいてむかしよろつのこといま者のとち
  め尓者みなきえぬへきわさなとさ万の」(2ウ・1228C)

  あや満ちしな个れ者ころものゝお里ふしこ
  尓者ま徒者しならひ尓しか多のあ者れも
  てきなんなと徒れ/\尓つゝくるもうち可へし
  とあちきなしなと可く本ともなく志なしつ
  累んとかきくらしみ多れてもう
  きぬ許人やりならすな可しそへ徒ゝいさゝ
  かひ万ありとて/\多ちさりへる本と尓かし
  こ尓布み多て万つれいま者かきり尓な
  リにてありさ万者をのつ可らきこしめす」(3オ・1228I)

  やう者へらんをい可ゝなりぬると多尓みゝ
  とゝめさせ者ぬもこと者りなれといとうく
  も可那ゝときこゆる尓いみしうわなゝけハ
  おもふこともみなかき佐して
    いま者とてもえむ个ふりもむす本ゝれ
  えぬおもひのやのこらむ あ者れと
  尓の多万者せよとめてやりな
  ぬやみ尓まと者むみちのひかり尓も志」(3ウ・1229@)

  らむときこえ志ゝう尓もこ里す満尓あ者
  れなることゝもをい飛をこせへりみつ可らも
  い万ひと多ひいふへきことなむとの多万へれハ
  このもわらはよりさる多より尓まいり
  かよ飛徒ゝ多て万つりなれ多るれハ
  おほ个なこそう多ておほえつ連
  い万者ときく者いとかなしうてなく/\この
  御返万こと尓これをとちめ尓もこそれと」(4オ・1229D)

  きこゆれ者も个ふ可あす可の心地して物心
03 をおいを者て尓しせまし/可ハ/个ふ可あ春可もいそ可佐らまし(付箋B)
  ほそ个れ者おほ可多のあ者れしら
  累れといとうきことゝこり尓し可ハ伊みし
  うなむ徒ゝ満し起とて佐ら尓かい多万者す
  御心本上の徒よく徒しや可なる尓ハあらねと
  者つ可し遣な个しきのおり/\尓万本
  ならぬ可いとおろしうわひしきなるへし
  されと春ゝりなとま可なひてせめきこゆ」(4ウ・1229H)

  者志ふ/\尓かいとりて志の日てよゐの万き
  尓かしこに万いりぬおとゝかしこきをこな
  可つらより佐うしいて多る万ちうけ
  多万ひてか地万いらせむとしみす本うと
  ともいとおとろ/\しう佐者き多里
  のす万ゝ尓さ万/\ひし里多徒遣んさな
  と能おさ/\よ尓もきこえす布可き尓こ
  もり多るなとをもおとうとのきみ多ちを徒可
  者しつゝ堂つねめす尓け尓くゝ心月」(5オ・1230@)

  布しともなともいとお本く万いるわつら
  さ満のそこ者可となくものを本そ
  ねをの/\なむやうしなともお
  く者のリやうとのみうらな个れ者
  さることもやとおほせと佐ら尓ものゝ遣のあら
  者れいてくるもなき尓おも本しわつらひてかゝる
  く万/\をも堂つねり个りこのひしりも
  堂遣多可や可尓満布し徒へ多万しくて」(5ウ・1230D)

  らゝか尓おとろ/\しく堂らによむをい亭
  尓くや徒みの布可き尓やあらむたら
  にのこゑ多可き者いとけおろしくていよ/\
  志ぬへくこそほゆれとてやをらすへりいてゝ
  このしゝうとか多らとゝ者佐も志り
  多ま者すうちやすみ多ると/\してさせ
  へ者さおほして志のひや可尓このひし里
  ともの可多りしとなへれと者なやき
  多るつきてものわらひしとゝのかゝる」(6オ・1230I)

  ともとむ可ひゐてこのわつらひそしあり
  さ万な尓ともなくうち多ゆみつゝをもりへる
  こと満こと尓このの遣あら者るへうねむし
  へなとこ万や可尓か多らひもいとあ者れな
  かれきゝ多万へな尓のつみともおほしよらぬ尓
  うらなひより个むのリやうこそ万こと尓さる
  しうの尓そひ多るなハ伊と者しき
  をひき可へやむことなくこそりぬへ个れ
  さても越本个なありてさる万しき」(6ウ・1231@)

  あや万ちを飛きいてゝをも多てをも
  かへリぬ堂くひむ可し能尓もなくやハあり个る
  とす尓遣者ひわつらはしうかの
  御心尓かゝると可を志られ多て万つりて尓な
  からへむもいと万者ゆくお本ゆる者个尓
  ことなる飛可りなるへし布可きあや万ちも
  なき尓あ者せ多て万つりしゆふへの本とより
  や可てかきみ多り万とひそめ尓し多万しひの
              尓もかへらす」(7オ・1231E)

  なり尓しをかののうち尓あく可れあり可ハ
  むすひとゝめ多万へよなといとよ者け尓から
  のやうなるさ万してなきみわらひみ可多ら
  給宮もゝのをのみ者徒可しうつゝ満しとお本
  し多るさ万を可多るさてうちしめりおもやせ
  へらむさ満のおもか个尓多て万つる心地
  てやらへ者遣尓あく可るらむ多万やゆ
  きかよふらむなといとゝしき心地もみ多るれ/者」(7ウ・1231J)

  い万佐ら尓このとよか个てもきこえしこの
  者可う者可なくて春きぬるをな可き
  ほ多し尓もこそむいとおしきくる
  志きとをたひら可尓と多尓い可てきゝを
  い堂て万つらしゆめをひとつ尓
  者せてか多るもなき可いみしういふせく
  もある可那ゝとゝりあつめしみへるさ万の
  布可きをかつ者いとう多ておろしうへと
  あ者れ者多え志の者すこのもいみしう」(8オ・1232A)

  なく志そくめして御返見給へハてもいと
  者可な个尓お可しき本と尓かいくるし
  うきゝな可らい可て可者多ゝをし者可りの
  らむとある者
    堂ちそひてきえやしな万しうきことを
  み多るゝ遣ふりくらへ尓をくるへうやはと
  者可りあるをあ者れ尓か多し个なしと
  てやこの个ふり者可りこそ者このよのおもひ
  てなめ者可なくもあり个る可那といとゝ」(8ウ・1232F)

  なき万佐り御返布しな可らうちやす
  み徒ゝかい多万ふことのはのつゝきもな
  あやしきとりのあとのやう尓て
    ゆく衛なきそらの个ふりとなりぬとも
  おもふあ多りを多ち者ゝなれしゆふへ者わき
  てな可めさせへと可めきこ江させ多ま者む
  めをもいま者やすくおほしなりて
  かひなきあ者れを多尓も多えすか个させ
                 へなと」(9オ・1232K)

  かきみ多りて心地のくるし佐万さ里个れ者よし
  い堂う布个ぬさき尓かへり万いりてかく可き
  里のさ満尓なんともきこえへいま佐ら
  あやしとあ者せむをわ可のゝち佐へこそ
  くちおし个れい可なるむ可しのちきり尓ていと
  かゝることしも尓志み个むとなく/\ゐさりい
  里ぬれ者れい者むこ尓む可へすへて春ゝろ
  ことをさへい者せ万ほしうしをことすく」(9ウ・1233B)

  な尓てもとふ可あ者れなる尓えもいてやら春
  ありさ万を免のともか多りていみしくな
  万とふおとゝなとのおほし多る个志きそ
  みしきやきのふ个ふ春こしよろし可りつるを
  なと可いとよ者け尓者とさ者き給な
  と万りましきなめりときこえてみつ
  らもな給宮者このくれ徒可多よりな
  満しう志个るをそ个しきと多て
                 万つリ」(10オ・1233G)

  志里多る/\佐者きみちておとゝ尓もきこえ多
  リ个れ者おとろきてわ多りへり御心のうち者あ
  なくちおしや万するくて多て万つら万
  し可者めつらしくうれし可らましとおほせと
  尓ハ个しきもら佐しとおほせ者遣むさな
  めしみす本う者いつとなく布多ん尓せらるれハ
  そうとものな可尓遣むあるかきりみ那万いりて
  か地万いりさ者くよひとよなやみあ可佐せ日て」(10ウ・1233K)

  佐しあ可る本と尓う満れ多万ひぬおとこ
  きゝ尓かく志のひ多ることのあや尓く尓いち
  志るきかほつき尓て佐しいて多まへらんこそ
  く累し可るへ个れこそな尓となく万きれ
  あ万多のねハやす个れとお
  す尓かくくるしきう多可ひ万し里堂る尓
  て者やすき尓ものしもいとよし可し
  さてもあやしやわ可とゝも尓おろしと
  しことのむくひなめりこの尓てかく可个ぬ」(11オ・1234C)

  こと尓む可者りぬれ者のちのよの徒みもすこし
  ろみなんやとお本す者多志らぬことなれ者
  とな者ら尓てすゑ尓いておハし多る
  ほえいみし可りなんといとなみつ可う万つる
  う布やのきしきい可めしうおとろ/\し
  可多/\さ満/\尓しいて給御(+う)ふやしなひ
  よのつねのおしきつい可さね堂可徒きなとの
  はえもこと佐ら/\尓いとまし佐みえ」(11ウ・1234G)

  つゝな五日夜中宮可多よりこもち
  の御前物女ハうのな可にも志那/\尓あて
  堂るきは/\おほや遣ことにい可免しうせ
  させへり可ゆてとんしき五十くところ/\の
  きやうのしもへちやうの免しつきところ
  な尓可のくまゝてい可免しくせ佐せへり
  徒可さ大夫よりハしめて院殿上人ミ那まいれり
  七夜ハうちよりそれもおほや遣さ満なりちし
  のおとゝなととにつ可うまつりへき尓この
                     ころハ」(12オ・1234M)

  な尓こともおほされて越本そうのとふらひ
  のみそあり遣る多ち可む多ち免なとあま多
  まいりほ可多の个しきもよ尓那きまて
  かし徒きゝこえへとおとゝの御心のうちに
  るしとおほすことありてい多うもゝて者やし
  きこえ者須あそひなとハな可り个り
  さ者可りひわつなさ満尓ていとむくつけう
  なハぬことのおろしうおほされ个るに
  ゆなともきこしめさすうきことを」(12ウ・1235D)

  かゝる尓つけてもおほしいれハさハれこのついて尓
  も志なハやとお本すおゝはいとようめを
  可さりおほせとま多むつ可し遣尓お者す累な
  をとりわきてもみ多てまつりハすなとあれハ
  おいしらへるなとハいてやおろそ可尓もお
  者しますめつらしう佐しいて堂まへるあり
  さ満の可者可りゆゝしきまてにおハしますをと
  うつくしみきこゆれハ可多みゝ尓きゝてさのみ
  こそハおほしへ堂徒ることもまさら免とうら
  めしうわ可つらくてあま尓もなりなハやの」(13オ・1235J)

(白紙)」(13ウ)
(白紙)」(14オ)

  御心徒きぬよる那ともこな多尓ハおほとのこも
  らすひるつ可多なとそ佐しのそ可せ(可せ$き)給世中
  者可那きをみるまゝにゆくすゑミし可う物心
  そくて越こなひ可ち尓な(□&な)り尓てれハかゝる本と
  のらうか者しきちする尓よりえまいりこぬを
  い可ゝ御心ちハさ者や可尓おほしなり尓堂りや
  くるしうこそとてのそハより佐しのそ
  きへりくしも堂けてなをえいき多る
  ましきちなむしるをかゝるハつみも」(14ウ・123A)

  をも可なりあま尓なりてもしそれ尓やいきと満
  累となくなるともつみをうしなふこ
  もやとな者へるとつねの个者ひよりは
  いとおとなひてきこえをいとう堂てゆゝしき
  となりなとて可さ満てハおほす可ゝることハ
  のみこそろし可なれとさてな可らへぬわ
  ハこそあらめときこえ給御心のうちにハ
  まことにさもおほしよりての堂まハゝさやう
  尓てみ多てまつらむハあ者れなりなむ可し
  可つみつゝもこと尓ふれてを可れ多ま者む可」(15オ・123G)

  くるしう可らもえすましうゝき
  ことうちましりぬへきをゝのつ可らをろ可尓
  みと可むることもあらむ可いと/\おしうとの
  きこしめさむこともわ可をこ堂りにのみこそ
  者ななやみ尓ことつけてさもやな
  堂てまつりてましな(□&な)とおほしよれといと
  あ堂らしうあ者れ尓可者可りとをきくし
  のお日さき越し可やつさむこともくるし
  遣れハなをつよくおほしなれ个しうハお
  せし可きりとみゆるも堂日らなる多めし」(15ウ・1236M)

  ち可遣れ盤佐す可に堂のみあるよ尓なむなと
  きこえゆまいりいとい多うあお
  や勢てあ佐ましう者可な个尓てうち婦し
  堂まへるさ満おほときうつくしけなれ者
  いミしきあやまちありとよ者くゆるし
  徒へきさ満可那とみ多てまつり給山のみ可と
  者めつらしきと堂日ら可なりときこし
  めしてあ者れ尓ゆ可しうおも本す尓可くなやミ
  堂まふよしのミあれ盤い可尓へき尓可/と」(16オ・1237D)

  をこなひもみ多れておほし遣り佐者可りよ
  者りへるのものをきこしめさてひころへ
  堂まへハいと多のもしけなくなりてとしころ
  み堂てまつら佐りし本とよりものいとこ日
  しくおほえもみ多てまつらすなり
  ぬる尓やとい多うな可くきこえさ満
  さ累へきしてつ多へそう勢させ个れハ
  いと多え可多う可なしとおほしてあるましき
  ことゝハおほしめしな可らよ尓可くれていてさせ」(16ウ・1237I)

  堂まへり可ねてさるせうそこもなくて尓ハ
  可尓かくわ多りお者しまい堂れ盤あるしの
  とろきかしこまりきこえ給世中
  可へりみすまし(+う)者へりし可となをまとひ
  さ免可多きもの者このみちのやみ尓な
  り个れハをこなひも遣多いしてもしをくれ
  佐き堂つみち能堂うりのまゝなら(ゝ&ら)てわ可れな
  や可てこのうらみもや可多み尓のこらむとあち
  きなさ尓このよのそしリをはしらて可く」(17オ・1238@)

  ものしときこえ給御可多ちこと尓てもな
  め可しうなつ可しきさ満尓うちしのひやつれ
  うるわしき本うふくなすゝみそ免の
  可多あら満本しうきよらなるもうらやましく
  み堂てまつりれいのま徒なみ多おとし
  わつら給御さ満こと那るなやミ尓も
  堂ゝころよ者りへるありさまに者
  可/\しうなともまいらぬつもり尓や可く
  し堂まふ尓こそときこえ可多わらい多/き」(17ウ・1238E)

  越ましなれともとて御丁のまへ尓しと
  まいりていれ堂てまつり給宮をもと可う/\
  つくろ日きこえてゆ可のしも尓おろし堂て
  まつる御木丁すこし越しやらせ多まひてよ
  ゐ可ちそうなとのちすれとま多个むつく
  者可りのをこなひ尓もあらねハ可多わらい多
  遣れと多ゝおほつ可なくおほえむさま
  を佐な可らみへきなりとて免をしのこハせ
  堂まふもいとよ者け尓なていくへう/も」(18オ・1238J)

  おほえぬを可くお者しまい堂るついてに
  ま尓なさせてよときこえさる御本
  はいと多うときこと那るを佐す可に可きら
  いのちのほと尓てゆくす衛とをきハ可へりて
  ことのみ多れあり尓そしらるゝやうあり
  ぬへきなとの者せておとゝの尓可くな
  すゝみの堂まふをいまは可きりのさ満ならハ
  可多の本と尓てもその堂す个あるへきさ
  ま尓てとな多まふるとの多まへハひころ/も」(18ウ・1239A)

  くなむの堂まへと佐遣なとの多ふろ
  して可ゝるか多尓てすゝむるやうも者へなるを
  とてきゝもいれぬなりときこえものゝけの
  おしへ尓てもそれ尓まけぬとてあし可るへきこ
  なハこそ者ゝから免よ者りに多るの可きり
  とてし堂(堂$)者むこと越きゝすくさむは(い&は)のち能
  くいくるしうやとの給御心のうち可きりなう
  うしろやすくゆつりをきしと越う遣とり
  堂まひてさしもさしふ可ゝらすわ可おもふ」(19オ・1239G)

  やう尓ハあら个しきをこと尓ふれつゝとしころ
  きこし免しおほしつめ个ることいろ尓いてゝう
  らみきこえへき尓もあらねハよのいふらむ
  ところもくちおしうおほしわ多る尓かゝ累お
  りにもて者なれなむもな尓可ハわらへ尓よ
  をうらみ堂累けしきならて佐もあら佐ら
  おほかたのうしろミに者なを多のまれぬへき
  をきてなる越堂ゝあつけをき多てまつりし
  しるしにハして尓く遣尓そむくさ満尓ハ」(19ウ・1239L)

  あらすともうふん尓ひろくおもしろき
  堂ま者り多まへるをつくろ日てすま勢多て
  まつらむわ可お者しますよ尓佐る可多尓ても
  うしろめ堂可らすきゝをき可のおとゝも
  さいふともいとおろ可尓ハよもおもひ者な
  しそ者え(+を)もみ者てむとおも本しとりて
  さらハ可くものし堂るついて尓いむことう遣
  者ら(ら$)むを多尓けちえん尓せむ可しとのハす
  おとゝのうしとおほす可多もわすれてこ者
  い可なるへきことそと可なしくゝちおし遣れハえ堂」(20オ・1240D)

  へ者すうちにま(ま$)いりてなと可いく者くも
  ましき越ふりすてゝかう者おほしな
  尓遣累なをし者しをし徒め多まひて
  ゆ万いりものな(+を)もきこしめせ堂うとき
  ことなりとも御身よ者うてハをこな井も
  し堂まひてんや可つハ徒くろ日てこそ
  ときこえへとかしらふりていと徒らうの
  堂まふとおほし多りつれなくてうらめしと
  おほすこともあり遣る尓やとみ多て満つり」(20ウ・1240H)

  堂まふ尓いとおしうあ者れなりと可くきこえ
  かへさむおほしやすら婦本と尓よあけ可多尓な
  りぬ可へりいらむ尓みちも日るはゝし多な
  可累へしといそ可せいのり尓可にやむ
  ことなう多うとき可きりめしいれてくしお
  させいと佐可り尓きよらなるくしをそ
  すてゝいむことう遣さ本う可なしうくちお
  し遣れハおとゝハえしのひあへハすいみし
  うな給院ハ多もとよりとりわきてやむこ
                    なう」(21オ・1241@)

  よりもすくれてみ多てまつらむとおほしゝ
  をこの尓ハ可ひなきやう尓ない多てまつるも
  あ可す可なし个れハうちし本多れ可くても
  堂ひら可にておしうハねむすをもつと免多
  まへときこえをきてあ遣者てぬる尓いそ
  きていて佐せ多まひぬハなをよ者うきえ
  いるやう尓して者可/\しうもえみ多てまつら
  ものなともきこえ多ま者すおとゝもゆめのやう尓
  多まへみ多るゝまとひ尓かうむ可しおほえ」(21ウ・1241E)

  堂るみゆきの可しこまりをもえらむせられぬ>
  らう可ハしさハこと佐らにまいりりてなむと
  きこえ給御をくりに/\まいら給世中
  个ふ可あす可におほえりし本と尓しる
  もなくて堂ゝよ者むことのあ者れ尓さり可多う
  おほえハへし可は御本い尓者あらさり遣免と
  可くきこえつ个てとしころ者やすく多まへ
  つるをもしもいきと満りらハさ満こと尓可者り
  て志けきすまゐ者つきな可るへきを佐るへき
  さとなとに可け者なれ多らむありさまも」(22オ・1241K)

  さす可に本そ可るへくやさ満尓し多可ひて
  なをおほし者なつましくなときこえへ者
  さらに可くまておほせらるゝなむ可へりて者つ可
  しう多まへらるゝみ多りちと可くみ多れ
  てな尓こともえわきまへ者へらすとてけ尓いと
  堂え可多遣尓お本し多りこやの可ちに御物
  けいてきて可うそあるよいと可しこうとり可へし
  徒とひとりをはお本し堂りし可いとね多可りし
  可者このわたり尓佐り个なくてなころ
  さふらひつるいまは可へりなむとてうちわらふ」(22ウ・1242B)

  いとあ佐ましうさはこのの个のこゝにも者な
  れさり个る尓やあらむとおほす尓いとおしう
  くやしうおほさるすこしいきいてやうな
  れとなを多のみ可多遣尓さふら婦/\も
  いといふ可ひなうおほゆれとかうても堂日ら可に
  堂尓お者しま佐者とねむしつゝみ春本うのへ
  て多ゆみなくをこな者せなとよろつ尓せさせ
  多まふ可のゑもんの可みハ可ゝるとをきゝ
  いとゝきえいるやう尓してむ遣尓多のむ可多すく
                       なう」(23オ・1242H)

  な尓多り女宮のあ者れ尓おほえ多まへ者
  こゝ尓わ多り堂ま者むことはいま佐ら尓かる/\
  しきやうにもあらむをうへもおとゝも可くつと
  そひお者すれハ越のつ可らとり者つしてみ多て
  まつりやうもあらむ尓あちきなしとおほして
  可の尓と可くしていまひと多ひまうてむと
  の堂まふを佐ら尓ゆるしきこえハす多れ尓
  もこのとをきこえつけ者しめより
  者ゝみやす者おさ/\ゆき多ま者さりし
  をこのおとゝの井多ちねむころ尓きこえ」(23ウ・1243@)

  てさしふ可ゝりし尓満个尓もい可ゝハせむ
  とおほしゆる志个る越二品宮とおも本し
  み多れ个るついて尓/\このハゆくさきう
  しろやすくまめや可なるうしろみまうけ
  りとの多まハすときゝしを可多しけな
  いつ可くてみすて多てまつりぬるなめりと尓つけ
  てハさ満/\尓いとおし个れとより本可なるい
  のちなれハ多へぬちきりうらめしうておほし
  な个可れむ可くるしきこ御心さしありて」(24オ・1243F)

  とふらせ佐せ多まへと者ゝうへ尓もきこえ
  いてあ那ゆゝしをくれ堂てまつりてハいく者く
  よ尓婦へきとて可うまてゆくさきのこ
  をはの多まふとてなき尓のミなき多まへハ
  えきこえやり堂ま者す右大弁尓そ
  おほ可多のことゝもはく者しうきこえ給心ハへ
  のゝと可によくおハしつるれハおとうと
  きみ多ちも春ゑ/\のわ可きハおやとのみ
  多のミきこえつる尓可う本そうのを」(24ウ・1243K)

  可なしとおも者ぬくとのゝうちの人も
  遣くおほや遣もおしみくちおし可ら可く
  可きりときこしめして尓者可に権大納言尓な
  させへりよろこひ尓こしていまひと多日
  もまいりやうもやあるとおほしの多ま者せ
  个れとさら尓え多めらひやり多ま者てくるし
  きな可尓もかしこまり申給とゝも可くを
  もきをほえをみ多まふ尓つけてもいよ/\
  可なしうあ多らしとおほしまとふ大将
  つね尓いとふ可う个きとふらひきこえ」(25オ・1244B)

  よろこ日尓もま徒まうて多まへりこのお者する
  堂いの本とりこ那多のみ可とハむまくるま多ち
  こみさわ可しうさはきみち多りことしと
  なりてハ越きあ可ることもおさ/\し堂ま者ねハ
  おも/\しきさ満尓み多れな可らハえ多いめし
  多ま者てつゝよはりぬることゝ尓くちお
  し遣れハなをこな多尓いらせ多まへいとらう
  可者しきさ満尓者へるつミはおのつ可らおほし
  ゆるされなむとてふし多まへるまくら可みの可多
  尓そうなとしハしい多していれ多てまつり」(25ウ・1244H)

  者やうよりいさゝかへ多てとなうむつひ可ハし
  給御中れハわ可れむことの可なしうこひし
  可るへきなけきおや者ら可らの御思尓も越とら
  す个ふハよろこ日とてちよけなら満しをと
  おもふ尓いとくちおしう可ひなしなと可く多の
  もし遣なくはな尓个る个ふ者可ゝる
  ろこ日尓いさゝかすくよ可尓もやとこそ思侍つれ
  とて木丁のつまひきあ个多まへれハいとくちおしう
  そ尓もあらすなり尓て者へりやとてえ本う
  し者可りおしいれてすこしおきあ可らむとし
                   へと」(26オ・1245A)

  いとくるし遣なりしろきゝぬとものなつ可しう
  なよゝかなるをあま多可さねてふすまひき
  可遣てふし多まへりおましのあ多りきよけ尓
  け者ひ可うハしう尓くゝそすみなし多まへる
  うちとけな可らようゐありとみゆをもくわつら
  多るハをのつ可ら可みひ个もみ多れものむつ可し
  き个者ひもそふわさなるをやせさら本ひ多る
  しもいよ/\しろうあてなるさ満してまくら
  そハ多てゝものなときこえ个者日いとよは个に
  いきも多えつゝあ者れ个なりひさしうわつらひ」(26ウ・1245G)

  まへる本とよりハことにい多うもそこなハれ
  満者さり个りつねの可多ちよりも/\
  ま佐りてなむみえとの多まふもの可らミ多
  をしのこ日てをくれ佐き多つへ多てなくとこ
  そちきりきこえし可いミしうもある可那この
  御心ちのさ満をな尓こと尓てをもりと多尓
  えきゝわきす可くし多しき本とな可ら
  おほつ可なくのみなとの尓ハをもくなる
  けち免もおほえすそとくるしきことも
  な个れ盤多ちまち尓かうも多まへさりし本と/尓」(27オ・1245L)

  月日もへてよ者り尓个れハいま者うつし
  うせ多るやう尓なんおしけなをさ満/\尓
  ひきとゝ免らるゝいのりくわんなとのち可ら尓や
  さす可に可ゝつらふも/\くるしうれ者
  てなむいそき多つちの(の#)し者へるさる(+ハ)このよの
  わ可れさり可多きことハいとおほうなむおや尓も
  つ可うまつりさしていまさら御心ともをなやま
  し尓つ可うまつることもな可者の本と尓て
  を可へりみる可多ハ多まして者可/\し可ら
  うらみをとゝめ徒るおほ可多のなけきをは」(27ウ・1246E)

  さる尓て又心のうち尓思給へみ多るゝことの
  を可ゝるいまはのきさみ尓てな尓可ハもら
  すへきと者へれとなをしのひ可多きこと越
  堂れ尓かハうれへむこれ可れあま多もの
  すれとさ満/\なること尓て佐ら尓可す免者へ
  らむもあいなし可志てうの尓いさゝかな
  ことの多可ひめありてころのうちに可しこ
  まりすことなむ者へりしをいと本いな
  世中心本そなりてやまゐつきぬとおほえ
  者へしにめしありてかの可くそみの」(28オ・1246J)

  ひまいりて个しきを多ま者りし尓なをゆる
  されぬ御心者へあるさ満尓ましリをみ多てまつり
  者へりていとゝよ尓な可らへむことも者ゝかりおほう
  おほえなりてあちきなう多まへしに
  のさはきそめて可くしつまらすなりぬる尓
  可す尓ハおほしいれさり个免とい□(□#者)
  う者へしよりふ可く堂のみし/を
  い可なる佐う个んなとのあり个る尓可とこれな
  このよのうれへ尓てのこりへ遣れハろなう可の
  ちのよ能さ満多け尓もやと思給ふるをことの」(28ウ・1247B)

  ついて者へらみゝとゝめてよろしうあきらめ
  させ多まへな可らむうしろ尓もこの可うし
  ゆるされ堂らむなく尓者へるへきな
  のまゝ尓いとくるしけ尓のみゝえまされ者いミ
  しうてのうちにあ者することゝもあれとさし
  て堂し可尓ハえしもし者可らすい可な御心のお
  尓ゝか者さらにさやうなる个しきもなく可く
  をもり多まへるよしをもきゝおとろきなけき
  堂まふことかきりなうこそくちおし可り申給
  りし可なと可くおほすことある尓てハいまゝて」(29オ・1247I)

  のこい(ひ&い)多まひつらむこ那多可(+な多あきらめ
  へ可り个るものをいまはいふ可ひなしやとてとり可へ
  さ満本しう可なしくおほさるけ尓いさゝかもひ
  まありつるおりきこえう遣者るへうこそ者へり
  个れされといと可う遣ふあすとしもやはとつ可ら
  な可らしらぬいのちの本とを日のと免者へりけるも
  者可なくなむこのことはさらに御心よりもらし
  ましさるへきついてむおり尓者ようゐくハへ
  堂まへとてきこえをく尓な一条尓ものし
  と尓ふれてとふらひきこえ多まへくるしき」(29ウ・1248A)

  さ満尓てと尓もきこしめされ堂ま者むを
  つくろ日多まへなとのい者ま本しきことはお
  可るへ个れとちせむ可多なくなり尓个れハいてさ
  せ多まひねとて可きゝこえ多まふ可ちまいるそ
  うともち可うまいりうへおとゝなとおハしあつまりて
  /\も多ちさは遣者なく/\いて女御を者佐ら
  尓もきこえすこの大将可多なともいミしうな遣
  き給心きてのあまねくのこの可み尓もの
  し堂まひ个れハのゝき多の可多もこの
  きみをのみそむつましきもの尓きこえ个れハ」(30オ・1248G)

  よろつ尓个きいのりなとゝりわきて
  せ佐せ个れとやむくすりならねハ可ひなきわさ
04 こそやこ布るくせつ氣連/あふより本可のやむくすりなし(付箋C)
  尓なむあり个る女宮尓もつ井尓え堂いめしきこ
  え多ま者てあわのきえいるやう尓てうせぬと
  ころし多のこそねむころ尓ふ可くもな可りし可
  おほ可多尓者いとあらま本しくもてなし可志つきゝ
  こえてけなつ可しう者へお可しうゝちとけぬさ満尓て
  すくい个れ者徒らきふしもことになし多ゝかく
  みし可ゝり个る御身尓てあやしくなへてのす佐
  ましう思給へ个るなり个りといて多まふ尓」(30ウ・1248M)

  いミしうておほしいり多るさ満いとくるし
  もいみしうわらへ尓くちおしとみ多てまつり
  なけきと可きりなしおとゝき多の可多なとハ
  ましてい者む可多なくわれこそ佐き多ゝめ
  こと者りなうつらいことゝこ可れ多まへとな尓の
  可ひなしあま者おほ个なもう多て
  のみおほされて尓な可ゝれとしもおほさゝりし
  を可くなむときゝハ佐す可(+尓)いとあ者れなり可し
  わ可とをさそとおもひ多りしもけ尓可ゝ
  るへきちきり尓てやの本可尓うきことも」(31オ・1249F)

  あり个むとおほしよる尓さ満/\もの本そうて
  うちな可れぬやよひ尓なれハそらのけしき
  もゝのうらゝか尓てこのい可の本と尓なり
  ていとしろうゝつくしう本とよりハおよす个て
  可多りなとしとゝわ多り御心ちハさは
  や可尓なり多まひ尓多りやいてやいと可ひなくも
  者へる可那れいのありさ満尓て可くみな
  堂てまつら満し可ハい可尓うれしうらましうく
  おほしすて个ることゝなミ多くみてうらみきこ
  えひゝ尓わ多りていましもやむことなく」(31ウ・1249L)

  可きりなきさ満尓もてなしきこえ給御い可尓
  もちゐまいらせ多ま者むとて可多ちこと那る
  さ満を/\い可尓なときこえやすらへとわ多らせ
  多まひてな尓可尓て(て$)者ゝこそ
  すち尓ていま/\しくもあらめとてみなミおもてに
  ちゐさきおましなとよそひてまいらせ給御免のと
  いと者なや可尓佐うそきて御前いろ/\をつくし
  多るこ日わりこの者へとも越うち尓もと尓も
  をしらぬことなれ者とりちらしな尓
  きをいとくるしうま者ゆきわさなりやとお
  すもおきゐくしのすゑのところせう」(32オ・1250D)

  日ろこり堂る越いとくるしとおほしてひ多いな
  なてつ遣てお者する尓木丁をひきやりてゐへハ
  いと者つ可しうてそむき多まへるをいとゝちひさう
  ほそくしハ越しミきこえてな可うそ
  き多り个れ盤うしろ者ことに个ちめもみえ
  堂ま者ぬ本となり春き/\みゆる尓日いろとも
  き可ちなるいまやういろなときてま多ありつ可ぬ
  可多者ら免可くてしもうつくしきこともの
  してな満免可しうお可し遣なりいてあ那
  すみそめこそをいとう多てめもくるゝいろな
  个れ可やう尓てもみ多てまつることは多ゆましき」(32ウ・1250K)

  そ可しとく佐め者へれとふり可多うわりな
  ちするなミ多のわろさをいと可うすてら
  れ多てまつる能と可尓すもさ満/\尓むね
  い堂うくちおしくなむとり可へす尓も可な
  とうちな个き多まひていま者とておほし者な
  れ者まことに御心といとひすて个ると者つ可しう
  うくなむおほゆへきなをあ者れとおほせと
  きこえ多まへハ可ゝる佐まののあ者れも志ら
  ぬものときゝしをましてもとよりしらぬこと尓て
  い可ゝハきこゆへ可らむとの多まへ□可ひなのことや」(33オ・1251C)

  おほしゝる可多もあらをと者可りのさしてわ可
  をみ多てまつり給御めのと多ちハやむことなく
  めやすき可きりあま多さふら婦めしいてゝつ可うま徒
  るへきをきてなとのあ者れのこりすくなき
  尓お日い徒へき尓こそとてい多きとり多まへハいと
  やすくうちゑミて徒ふ/\とこえてしろうゝつくし
  大将とのちこおひ本の可におほしいつる尓ハ尓
  者す女御御宮多ち者多ちゝみ可との可多さ満尓
  わう遣つきて个堂可うこそ者しませことにすく
  れてめて多うしもお者せすこのいとあてなる/尓」(33ウ・1251J)

  そへてあいつき満ミの可をりてゑ可ちなるなとを
  いとあ者れと見給思し尓やなをいとようおほえ
  多り可し多ゝいまな可らまなこ井のゝの(の$)と可に者つ
  かしきさ満もやう者なれて可越りお可しき可越さ
  まな者さしもおほしわ可す者多さら
  しらぬことなれハ多ゝひとゝころの御心のうち尓のミ
  そあ者れ者可那可り个るのちきり可那とみ尓お
  ほ可多ののさ多免な佐もおほしつゝ遣られてなミ
  堂の本ろ/\とこ本れぬるを遣ふ者こといミすへき
  をと越しのこひ可くししつ可尓てな个くに
  堂へ多りとうちすうし多まふ五十八をととり」(34オ・1252C)

  すて堂るよ者ひなれとすゑ尓なり多るちし
  ていとあ者れ尓おほさる可ちゝ尓ともいさ
  めま本しうおほし个む可しこのことのしれる
  人女者うの尓もあらむ可し志らぬこそね多个れ
  おこなりとみるらんとやす可らすおほせとわ可
  あることはあへ(阿へ&あへ)なむふ多つい者む尓者多め
  こそいとおし个れなとおほしていろ尓もい多し
  堂ま者すいと那尓可多りしてわら
  へるまみくちつきのうつくしきもしらさら
  者い可ゝあらむなをいとよく尓可よひ多り个り
  とみ尓おや多ちのこ多尓あれ可しとない」(34ウ・1252J)

  らむ尓もえみせすしれす者可那き可多み者可り
  をとゝめをきて佐者可りあ可りおよす个多り志
  もてうしなひつるよとあ者れ尓お
  遣れ者めさ満しとおもふもひき可へしうちな
  可れ/\春へり可くれ多る本と尓
  もとにより多まひてこのをはい可ゝみ
  可ゝるをすてゝそむき者て多まひぬへき
  やあり个るあ那うとおとろ可しきこえへハ
  可本うちあ可免てお者す
    堂可よ尓可多ね者まきしと者ゝ
  い可ゝい者ねのま徒ハこ多へむ」(35オ・1253B)

  あ者れなりなとしのひてきこえいらへも
  なうて日れふし多まへりこと者りとおほせハし
  ゐてもきこえ者すい可尓おほすらむものふ可
  うなとハお者せねとい可て可ハ堂ゝ尓はとお
  者可りきこえもいとくるしうな大将のきみハ
  可のにあまりて本の免可しいて多りしをい可
  ることに可あり个むすこしほえ多るさ満
  らまし可ハさ者可りうちいてそ免多りしにいと
  ようけしきはみてましをいふ可ひなきとちめ
  尓ておりあしういふせくてあ者れ尓もありし
                   可那と」(35ウ・1253I)

  おも可けわ春れ可多うて者ら可らの多ちよりも
  しゐて可なしとおほえ个り女宮の可く
  そむき多まへるありさ満おとろ/\しきやミ
  尓もあらてす可や可におほし多ち个る本とよ
  さりともゆるしきこえへきこと可ハ二条
  のうへのさハ可り可きり尓てなく/\申給ときゝ
  しを者いみしきことにお本してつゐ尓可く
  可个とゝめ多てまつり多まへるものをなとゝリ
  あつめてく多くになをむ可しより多えすみゆる
  者へえしの者ぬおり/\ありき可しいとよう」(36オ・1254@)

  もてしつめ堂るう者へ者より遣尓ようゐ
  ありのと可にな尓こ2と越こののうち尓
  らむとみゆ(ゆ$る)ひともくるしきまてありし可とすこ
  しよ者きところつきてなよひすき多りし
  けそ可しいみしうともさるましきこと尓
  み多りて可くしもみ尓可ふへきこと尓やハあり
  个るの堂免尓もいとおしうわ可者い多つら
  尓やなすへきさるへきむ可しのちきりといひな可/ら
  いとかる/\しうあちきなきことなり可しなと
  ひとつ尓へとをむな尓堂にきこえいて」(36ウ・1254F)

  堂ま者須さるへきついてなくて尓もま多
  え申給者さり个りさるは可ゝることをな
  可す免しといてゝ个しきもみま本し可り
  个りちゝおとゝ者ゝき多の可多ハなミ多のいとま
  なくおほしゝつみて者可那くすくるひ可すをも
  志りハすわさの本うふくさうそくな
  くれのいそきをも多ち可多/\とり/\尓なむ
  せさせ个る経仏のをきてなとも右大弁
  させ給七日/\とをのきこえお
  ろ可す尓もわれ尓なき可せそ可くいみしと」(37オ・1254L)

  まとふ尓/\みちさ満多个にもこそとてな
  やう尓おほし本れ多り一条尓者ましておほつ可
  なうてわ可れ多ま日尓しうらみさへそひてころ
  ふるまゝにひろきのうちけすくなう
  そ遣尓て志多しくつ可日な新(□&新)ハなを
  まいりとふらひきこゆこのみ(+し)多可むまなとそ
  の可多能あつ可りともゝみなつくところなううし
  てかす可にいているをみもこと尓ふれてあ者れハ
  つきぬもの尓なむあ(+り)个るもてつ可日多まひし
  てうとゝもつね尓ひきし日わゝこむ」(37ウ・1255D)

  な(+の)をもとり者なちや徒されてねを多て
  ぬもいとむもれい多きわさなりや御前のこ多
  ちい多う遣ふりてをわ春れぬ个しきな
  をな可免つゝ可なしくさふら/\も尓日いろ
  尓やつれつゝさひしうつれ/\なるひるつ可多佐き者
  なや可尓越ふをとしてこゝにとまりぬるあり阿
  者れこ殿个者ひとこそうちわすれてハ
  つれとてなくもあり大将のゝお者し多るなり个り
  せうそこきこえいれ多まへりれいの
  さいとのお者し多るとおほしつるをいと」(38オ・1255J)

  者つ可し个尓きよらなるもてなし尓ていりへり
  もやのひさし尓おましよそひていれ多てまつ
  るをしなへ多るやう尓/\のあへしら日きこえむハ
  可堂しけなきさ満のしへれハみやす多い
  めしへるいみしきことを思給へな个く
  さるへき/\尓もこえて者へれと可きりあれハ
  きこえ佐せやる可多なうてよのつね尓な
  尓遣りいま者の本と尓もの多まひをくこ
  者へりし可ハをろ可なすなむ多れものとめ
  可多きよなれとをくれさき多つ本とのけちめ」(38ウ・1256B)

  尓は多まへをよ者む尓し多可ひてふ可き
  の本とをもらむせられ尓し可なわさ
  なとのしけきころほひわ多くしのさし尓ま
  可せてつく/\とこもりゐ者へらむもれいなぬこ
  なり个れハ多ちな可ら者多/\尓あ可す思給
  らるへうてなころをすくしり尓个るお
  とゝなとのをみ多り多まふさ満みきゝ尓つけ
  てもお(を&お)やこのみちのやミをはさる尓てかゝる
  可らひのふ可くとゝ免多まひ个む本とをゝ
  し者可りきこえ佐する尓いとつきせすなむとて」(39オ・1256H)

  しは/\をしのこ日者那うち可み多まふあさや可
  尓遣堂可き可らなつ可しうなま免い多りみや
  春も者那こゑ尓なり多まひてあ者れな
  ことはそのつねなきよのさ可にこそはいミしとても
  多くひなきこと尓やハとゝしつもりぬる
  ゐてつようさ満し者へるをさらにお
  いり多る佐まのいとゆゝしきまてし者しも
  堂ちをくれ多まふましきやう尓みえれハ
  すへていとう可り个るのいまゝてな可らへ者へり/て」(39ウ・1257@)

  可く可多/\尓者可那きよのす衛のありさ満を
  みへすく春へき尓やといとしつ那くなむ越
  のつ可らち可き可らひ尓てきゝをよ者せ
  やうも者へり个む者しめつ可多よりおさ/\うけ
  ひきゝこえ佐りしとをおとゝの御心むけも
  くるしう尓もよろしきやう尓おほしゆる
  い多る个しきなとの者へし可はさらはつ可らの
  をきての越よ者ぬなり遣りと思給へなして
  なむミ多てまつりつるを可くゆ免のやうな□
                   ことを」(40オ・1257E)

  み多まふる尓思給へあ者すれ盤つ可らの
  ほとなむおしうはつようもあら可ひきこえ
  ましをと者へる尓なをいとくやしうそれ者
  可やう尓しもおもひより者へらさりき可しみこ
  多ちはおほろ遣のことなてあしくもよくも
  かやう尓よつきとはえ尓く可らぬことな
  とふるめき尓者思侍しをいつ可多尓もよらす
  な可そらにうきすくせを(を$)なり个れ盤な尓可
  者可ゝるついて尓けふり尓もまきれむ者この」(40ウ・1257K)

  御身の堂免のきゝなとはことにくちお
  可るまし个れとさりとても志可すくよ可にえ
  しつむましう可なしうみ多てまつりる尓
  いとうれしうあさ可らとふらひの多ひ/\尓
  なめるを阿り可多うも(+と)きこえ者へるも
  さらは可のちきりあり个る尓こそはと
  う尓しもみえさり志御心者へなれといま者とて
  これ可れ尓つけをき日个るゆいこんのあ者れ
  なる尓なむうき尓もうれしきせはましリ/り」(41オ・1258B)

  个るとていとい多うな个者ひな大将
  とみ尓え堂めら者須あやしういとこよ
  なく越よす个多まへりしの可ゝるへうてや
  この二三ねんのこな多なむい多う志めりて
  本そ遣にし可はあまりのことハ
  りをおもひ志りものふ可うなりぬる春み
  すきて可ゝる堂めしうつくしからす可へりてハ
  あ佐や可なる可多のおほくうすらくものなりと
  なむつね尓者可/\しから尓いさめきこえし
                      可ハ」(41ウ・1258G)

  あさましと多まへりしよろつよりも
  まさりてけ尓可のおほしな个くらむ御心
  うちの可多し遣な个れといとくるしうも
  る可那ゝとなつ可しうこまや可にきこえ
  やゝほとへてそいて可の五六年の本との
  この可みなりし可となをいとわ可や可尓なまめき
  あい堂れてものししこれ者いとすくよ可
  尓おも/\しくをゝしきけ者日して可本のみ
  そいとわ可うきよらなるこ尓すくれ多まへ/る」(42オ・1258L)

  わ可き/\者もの可なし佐もすこしまきれて
  みい多し堂てまつる御前ち可きさくらのいとお
  もしろきをことし者可りハとうちおほゆるも
  いま/\しきすちなり个れ盤あひむことはと
05 とにのさ可りハあ里なめと/あひむこと者いのちなり个り(付箋D)
  くちすさひて
    しあれ盤可者らぬいろ尓ゝほ日遣り
  可堂え可れ尓しやとのさくらもわさとなら
  すゝ志なして多ち尓いとゝう
    この者やなき能免尓そ堂満ハぬく」(42ウ・1259D)
06 よりあ者せてなくなるこゑをいと尓/して/わ可なミ多をハ多万尓ぬ可なむ(付箋E)

  佐きちるのゆくゑしらねハときこえいと
  ふ可きよし尓はあらねといま免可しう可と
  ありとはい者れし可ういなり个りけ尓め
  やすき本とのよういなめりとみちしの
  大殿尓や可てまいりへれ者多ちあま多
  ものし个りこな多尓いらせ多まへとあれハ
  おとゝのいてゐの可多尓いりへり多めらひて
  いめんしへりふり可多うきよけな
  ちい多うやせおとろへてひ个なともと
  りつくろ井多ま者ねハし遣りて越やの个う」(43オ・1259J)

  よりも遣尓やつれへりみ多てまつりより
  いとしのひ可多个れ者あまり尓越さまらす
  み多れおつるなミ多こそはし多な个れとへハ
  せめてそもて可くしとゝもとりわきて
  よくもし多まひしをと尓堂ゝ
  ふり尓ふりおちてえとゝめハすつきせぬ
  ことゝもをきこえか者し給一条尓まて
  堂り徒るありさ満なときこえいとゝ志う
  さ免可とみゆるまてのきのしつく尓こと」(43ウ・1260A)

  ならすぬらしそ多らむ可み尓可のやなき
  のめ尓そとありつる越可いつるを多てまつり
  多まへハめもみえすやとをしゝほりつゝみうち
  ひそみつゝそ見給御さ満れい者つようあ
  さや可に本こり可なる个しきなこりなく
  わろしさるはことなることな可めれとこの
  多ま者ぬくとあるふしの遣尓とおほさるゝ尓
  ミ多れてひさしうえ堂めらひ多ま者す
  者ゝの可くれ多まへりしむ」(44オ・1260F)

  よ尓可なしきことのき者にハおほえりしを
  者かきりありてみるすくなうとあるこ
  も可ゝることもあら者那らね者可なしひも
  可くろへてなむあり个る者可/\しからねとお
  ほや遣もすて者すやう/\となりつ可佐く
  らゐ尓つ个てあひ多のむ/\をのつ可らつき/\
  尓おほうなりなとしておとろきくちおし可る
  もるい尓ふれてあるへし可うふ可きおもひ者
  そのおほ可多ののおほえも(+つ可さ)くらゐもおも」(44ウ・1260K)

  本えす多ゝことなることな可りしつ可らのあ
  リさ満のみこそ多へ可多くこひし可り个れな
  者可りのと尓て可おもひさますへ可らむとそ
  をあふきてな可めゆふくれのくものけしき
  尓ひいろ尓可すミて者那のちリ多るこす衛とも
  をも遣ふそめとゝめこの多ゝむ可み尓
    このし多の志つく尓ぬれて佐可さ満尓
  可すみのころもき多る可那 大将
    なき者佐り个むうちすてゝ
  ゆふへの可すみきみき多れとハ 弁君」(45オ・1261C)

    うらめしや可春みのころも多れきよと
  者累より佐き尓のちり个む
  わさなとよのつねなすい可免しうな
  あり个る大将とのゝき多の可多をはさる尓て
  との者とにすともあ者れ尓ふ可き
  へをく者へ可の一条尓もつね尓とふら
  ひきこえ者可り能うの者那者そ
  者可と那うちよけ尓ひとついろなるよもの
  こすゑもお可しうみえわ多るをものやとはよ/ろ」(45ウ・1261H)

  つのこと尓つ个てしつ可にほそうくらし可ね
  堂まふ尓れいの王多りへり尓者もやう/\
  あおみいつるわ可くさみえ王多りこゝかしこ
  のす那こうすきものゝ可くれの可多尓よも
  きもところえ可本なりせんさい尓いれてつ
  くろ日多まひしも尓ま可せて志个りあひ
  日とむらすゝきも多のもしけ尓ひろこりて
  むしのねそへむ秋思やられ(れ$)るゝよりいと
  あ者れ尓つゆ个くてわ个いりいよす可遣わ多
                     して」(46オ・1262@)

  尓ひ(+い)ろのきのころも可へし多るすき可け
  すゝし遣尓みえてよきわらハのこまや可にゝ
  者める可さみのつま可しらつきなとほのみえ多
  累お可し个れとなをめおとろ可るゝいろなり可志
  遣ふ者すのこ尓ゐ多まへハしとねさしいて多り
  いと可るらかなるをましなりとてれいの
  おとろ可しきこゆれとこのころなやましとて
  よりふし多まへりと可くきこえまきらハす本と
  お(を&お)まへのこ多ちとと那个なるけしきを」(46ウ・1262E)

  み給もいとあ者れなりかし者きと可えて
  とのも能より遣尓わ可や可なるいろしてえ多さ
  し可者し堂るをい可なるちきり尓可すゑあ
  へる多のもし佐よなとのてしのひや可尓さ
  しよりて
    ことならはならしのえ多尓なら佐な
  者もりののゆるしありきとみすのとへ多て
  ある本とこそうらめし个れとてな个し尓
  より井多まへりなよひす可多者多いとい多
  う堂をや(+き)遣るをやとこれ可れつきしろふ」(47オ・1262J)

  このあへしらひきこゆる少将といふ
  して
    かし者尓者もり能者ま佐すとも
  らすへきやとのこす衛可うちつけな
  累との者になむあさう思給へなりぬる
  ときこゆれ盤け尓とおほす尓すこしほお
  ゑみ多まひぬゐさりいて个者ひ
  すれ盤やをら井なぬうき世中
  を思給へしつむ月日のつもるけちめ尓や」(47ウ・1263A)

  み多りちもあやしう本れ/\しうてすくし
  るを可く堂ひ/\可さねさせ給御とふら
  ひのいと可多しけなき尓思給へおこしてな
  とて遣尓なやましけな个者ゐな
  おも本しな个くはよのこと者りなれと
  いと佐のみ者い可ゝよろつのとさるへき尓こ
  そ者へめれさす可に可きりある尓なむと
  なくさ免きこえこのこそきゝしよりハ
  のおくみえへあ者れ个尓い可尓わらハれ」(48オ・1263F)

  ることをとりそへておほすらむとも多ゝ
  らね者い多うとゝめてありさ満もと
  きこえ个りか多ちそいとま本尓者え
  まし遣れといとみくるしう可多わらい多き
  本と尓多尓あらす者なとてみる免尓より
  をもあきさるましき尓をもまと
  者すへきそさ満あしや多ゝ者勢のみこそ
  い日もてゆ可む尓者やむことな可るへ个れと
  おもほ春いまはなをむ可し尓おも本し」(48ウ・1263K)

  なすらへてうと可らすもてなさせへな
  わさとけさうひてハあらねとねむころ尓
  けしき者みてきこえしす可多いと
  あさや可尓て堂个多ちもの/\しうそろゝ
  可尓そみえ个る可のおとゝハよろつのこ
  なつ可しうなま免きあて尓あいつき
  へることのならひなきなりこれ者をゝしう
  者那や可尓あ那きよらとふと尓本日
  そ尓ゝぬやとうちさゝ(□□&さゝ)めきておしうハ」(49オ・1264B)

  かやう尓てもいていり者まし可ハな/\
  いふめりいう志やうくん可つ可尓くさ者しめて
  あおしとうちくちすさひてそれもいとち
  可きよのことなれ盤さ満/\尓ち可うとをう
  み多るやうなりし世中尓多可きもく多
  れるもおしみあ多らし可らぬ者なきも
  むへ/\しき可多をはさる尓てあやしう
  な佐遣を堂て多る尓そものし个れ盤」(49ウ・1264F)

  さしもあるましきおほや遣人女者う
  なとのとしふる免き多る(+と)もさへこひ可な
  しひきこゆるましてうへ尓はあそ
  なとのおりことにもまつおほしいてゝな
  しの者せ个るあ者れもんの可みといふこ
  くさな尓こと尓つ遣てもい者ぬ六条
  の尓者ましてあ者れとおほしいつるこ
  月日尓そへておほ可りこのわ可御心ひと
  つ尓は可多みとし多まへとのおもひ」(50オ・1264K)

  よらぬことなれ盤いと可ひなつ可多尓
  なれ者このきみ者井さりなと」(50ウ・1264L)

【奥入01】文集
    五十八自嘲詩
    五十八翁方有後静
〈シツカニ〉思堪〈タヘタリ〉喜亦堪嗟〈ナケク〉
    持盃祝〈イノリ〉〈ネカフコト〉無他語慎〈ツヽシテ〉〈ナカレ〉〈カタクナニ〉〈ヲロカナルコト〉似汝耶〈チニ〉
    白楽天くして尓のそむ人也
    五十八尓て者しめて男子む万れ多りむ万類ゝ
    をそき尓よりて生遅徒くそ
    む可日てつくリ个る詩也」(51オ)

【奥入02】妹与我 」(5ウ)