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若菜上
【概要】
・明融臨模本「若菜上」(東海大学桃園文庫蔵)は全文非定家筆本「若菜上」を臨模した写本であると考えられる。
・引き歌を注記した付箋が6枚貼付されているが、その筆跡は本文筆写とは別の筆跡と見受けられる書体である。また定家の筆跡とも別書体である。
・本行本文中の引き歌箇所に朱筆による合点(掛け点)はない。
・奥入が存在するが、その筆跡は定家筆ではない。
・和歌の書写様式は、「若菜下」とほぼ同様で、Ⅰ類A型「地の文から改行して、約2字下げて和歌を書き出し、上句と下句との間で改行をして、和歌の末尾に地の文を直接続けて書く」という形式(①)は1例のみ、Ⅲ類G型「地の文から改行して、約2字下げて和歌を書き出し、上句・下句の境以外の所で改行をして、和歌の末尾に地の文を直接続けて書く」という形式(②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑭⑮⑯⑰⑱⑲⑳21222324)が最も多く、「若菜下」には見られないⅣ類H型「地の文から改行して、約2字下げて和歌を書き出し、上句・下句の境以外の所で改行し、和歌の末尾を余白にする」という形式(⑬)もある。
・「若菜上」では、行頭に同字が並んだ場合に、書き分けている場合(1オ8「佐」・9「さ」、6オ9「者」・10「ハ」・11「者」、6ウ9「を」・10「越」、7ウ10「あ」・11「阿」、9オ10「こ」・11「古」、20ウ5「堂」・6「た」、26ウ7「者」・8「は」、27オ7「可」・8「か」、30オ3「可」・4「か」、36ウ1「可」・2「か」、44オ6「を」・7「越」、48オ6「あ」・7「阿」、58オ4「多」・5「堂」、61ウ3「能」・4「の」、72ウ1「ひ」・2「飛」、73オ2「お」・3「お1」、78オ1「か」・2「可」、94オ4「な」・5「な2」、95オ6「ひ」・7「飛」、102ウ6「み」・7「見」、104オ「者」・2「は」、106ウ6「万」・7「満」)と、そうではない場合(3ウ3・4「し」、9オ1・2「し」、13ウ4・5「む」、33ウ7・8「む」、45ウ2・3「な2」、55ウ9・10「へ」、65ウ1・2「き」、72オ2・3「こ」、79オ7・8「い」、79ウ3・4「こ」、93オ3・4「も1」、108ウ4・5「き」、109オ5・6「こ」)とが見られる。
【凡例】
1.漢字は漢字のまま翻字し、他の変体仮名字母と区別するために太字で表示した。
2.通行の平仮名の字母はそのまま平仮名で翻字した。
3.変体仮名はその字母で翻字した。
4.片仮名はそのまま片仮名で翻字した。
5.仮名や字母の崩し方が複数ある文字については、一般的な字形を基準にして、それより元の漢字に近い字形には「1」と付記し、また一般的な字形とも異なった別の崩し字形には「2」と付記した。
6.本行本文は10.5ポイントで表示し、書入注記や付箋等は9ポイントで表示した。
「わ可な2 上/三十四」(題箋)
「這表一枚明融御筆 琴山(印)」(遊紙表貼紙)
朱雀院のみ可とありしみゆきのゝちそのころを
飛よりれいな2らすなやミわ多らせ給も1とよりあ
徒しくお1者し万春うち尓この1多ひ者物心本
そ具お1ほしめされて年ころをこな2ひの本い布
かきをきさいの宮お1者しましつる本と者よろ徒
0001【きさいの宮】-弘徽殿
者ゝかりきこ江させ給てい万ゝてお1ほしとゝこ本り
徒るを猶その方尓も1よお1す尓やあらん世尓飛
佐しかる万しき心地な2ん春るな1との1多ま者せて
さ累へき御心まうけともせさせ給みこ多ちハ」(1オ・1025⑥)
春宮を越きて(て$1)多てまつりて女宮多ちな2
むよところお1者しまし个るそ能中尓ふち
つ本ときこ江しハ先帝の1源氏尓そお1ハし万
し遣る万多者うときこ江させし時万いり給
て堂可きくら井尓も1さ多万里た万(+1う)へ可りし
人のとり多て堂る御うしろみも1お1者せすハゝ
か多も1そ能春ちとな2くものハ可那き可うい者ら
にてものし多万飛个れハお1ほんましらひの本と
も1心本そ个尓ておほきさきのな2いしの可ミ越」(1ウ・1025⑩)
まいら勢多てまつり給て可多ハらにな2らふ人な1く
もてな2しきこえ給な2とせし本とに个をされてみ
0002【みかと】-朱雀院
可とも御心の1うちにいと越しきも能尓ハお1もひきこ
えさせ給な2可らお1りさせたまひ尓し可は可ひな2くゝ
ち越しく1てよのな可越うらみ多るやう尓てうせ
給尓しそ能御ハらの女三宮越あ万多の御中に
寿くれて可な2しきもの尓お1もひ可しつきゝこえ
多満ふそ能本と御とし十三四者可り(+0尓)お1者寿い万者
0003【三】-サウ
とそむきすて山こもりしな2むのちのよに多ちと
ま里て多れを多のむ可遣尓てものし多万者む
と」(2オ・1026②)
寿らむと堂ゝこの御ことをうしろ免多くお1ほ
しな2个く尓しや万な2る御てらつくり者てゝう
つ1ろ者せ給者ん本との御いそき越せ1させ給尓そへ
てま多こ能みやの御も1きのことをお1ほしいそ可せ
給院のうちにやむことな2くお1ほ寿御堂可らも1能
御てうとゝも1越ハさらにも1い者寿者可那き御あそ
ひもの万て寿こしゆへある可きり越ハたゝこの1
御可多にとりわ多し多て万つらせ1給てそのつき/\
をな2むことみこ多ちに者お1ほん所うふんともあり
个る春宮はかゝる御な2やみ尓そへて世越そむ可せ多」(2ウ・1026⑧)
満ふへき御こゝろつ1可ひ尓な2むとき可せ堂満ひて
わ多らせ給へり者ゝ女御そひきこえさせ給て万
0004【はゝ女御】-承香殿
いり給へり寿くれ多る御お1ほえ尓しも1あらさりし
可と宮の可くてお1者し万す御春寿くせのかきりな2くめ
て多个れハとしころの御も1の1可多りこ満や可尓き
こえさせ給遣りみや尓もよろつ1のこと世越多も1ち給
者む御心つ1可ひな2ときこえしらせ給(+1御年の程よりハいとよくおとな2ひさせ給て1)御うしろみともゝ
こな2多可な1堂可ろ/\し可らぬな2可らひ尓も1能し多
満へハいとうしろや寿く思ひきこ江させ給このよ尓
うらみのこることもハへらす女御(御$1宮)多ち能あま多能こ」(3オ・1026⑭)
りとゝ万るゆくさき越お1もひやるな2むさらぬわ可れ尓
も1本多しな2りぬへ可り个るさき/\人のうへ尓みきゝ
し尓も1をん那盤心より本可にあハ/\しく人尓お1と
(+0志めらるゝすくせあるな2んいとくちお1)しく可な2しきいつれをもお1もふやうな2らん御よ尓
はさ満/\尓つけて御こゝろとゝ免てお1ほし多つね
よそ能な2可にうしろみな2とあるハさる可多にも1
お1もひゆつ1り者へり三宮な2んい者个な2きよ者
ひ尓て多ゝ飛とりを多のもしきものとな2らひて
うちすてゝんのち能よに多ゝよひさすらへむこと
いと/\うしろ免多く可な2しく者へると御めを」(3ウ・1027⑥)
しの(+0ひ、ひ$2)こひつ1ゝきこえしらせさせ給女御尓も1心
心(心$1)うつ1くしきさ満尓きこえつけさせ給されと女
御の人よりハまさりてとき免き給しにミ那
いとみ可ハし給し本と御な2可らひとも1えうるハし
可らさ里し可はそのな2こり尓てけ尓ハ(ハ$1)い万ハわさ
とにくしな2とハな2くとも1まことに心とゝ免てお1
もひうしろ見むと万て盤お1ほさすもやとそ
越し者可らるゝかしあさゆふ尓この御事をお1ほ
しな2个くとしくれゆく万ゝ尓御な1やみま
こと尓をもくな2り万さらせ給てみ春のと尓も」(4オ・1027⑫)
いてさせ給者寿御も1のゝ个尓てとき/\な2やみ(み$1ま)
せ給ことも1ありつれといと可くうち者へをやミな2
きさ満尓ハお1者し万さゝりつ1るをこの多ひハな2
越可きりな2りとお1ほし免し多里御く1ら井をさ
らせ給つれと猶そのよに多のみそめ(+1たて万つり)多満へる人/\
はい万も1な2つ1可しくめて多き御ありさ万越心や
里所に万いりつ可う万つり給可きりハ心をつ1くして
越しみきこえ給六条院よりも1お1ほむと布らひ
しは/\ありみつ1可らも1まいり給へきよしきこ」(4ウ・1028③)
志免して院はいとい多くよろこひきこえさせ
給中納言のきみ万いり堂満へる越み春のうちにめ
しいれてお1ほむも1能か多りこ万や可な2りこ院
のうへのいまはの1きさみ尓あま多の御ゆいこむあ
里しな可にこの院の御事い万のうちの御事な2む
とりわきての給をきし越お1ほや遣となりてこと
可きりあり个れハうち/\の(+0御)心よせは可者らすな2可ら
者可那きことのあや万り尓心を可れ多て万つることも1
あり个むとお1もふをとしころことにふれてそ能うら
み能こし給へる个しきをな2むもらし給者ぬさ可」(5オ・1028⑨)
しき人といへとみのうへにな2りぬれハこと多可ひて
心うこき可な2らすそのむく井ミえゆ可免ること那む
い尓しへ多尓おほ可り个るい可な2らむお1り尓可その御
こゝろハへ本ころふへ可らむとよ能ひともお1もむ个う多
可ひ个る越つい尓し能ひすくし給て春宮な2とにも
心をよせきこえ給い万ハ多又な2くし堂し可るへき
な2可とな1りむつ1日可者し給へるも1可きりな1く心尓は
お1もひな2可ら本上のお1ろ可なる尓そへてこのみち能
やみ尓多ち万し里可多くな2ゝるさ満尓やとて中/\
よそのことにきこえ者那ち多るさ万尓て者へるうち」(5ウ・1029②)
の御事ハ可能御ゆいこん堂可へ寿つ可う万つ1り
越きてしかは可く春ゑのよに(に$1の)あきら个きゝみとし
てきし可多の御お1もて越も1おこし給ほいのこと
いとう連しくな2むこの秋(+0の)行幸のゝちい尓しへの
ことゝりそへてゆ可しくお1ほつ可那くな2むお1ほえ
給多いめん尓きこゆへきことゝも1者へり可な2らすみつ1
可らと布らひも1のし給へきよしも1よ越し申給へ
な2とうちし本多れつ1ゝの給ハす中納言のきみすき
者へり尓个む可多はとも可くも1お1もふ多万へわき可多く
ハへりとし万可りいりハへりてお1ほやけ尓もつ可う万つ1り
者へるあひ多よのな2可のこと越見給へ万可りありく本と」(6オ・1029⑨)
尓者大小のこと尓つけても1うち/\のさるへきも1の1可多
里な2との(+0つ)いて尓もい尓しへのうれハしきことありて1
な2むな2とうち可すめ申さゝる(ゝる=0ル丶)をり(+0ハ)者ゝへらすな1む
可くお1ほや个の御うしろ見越つ1可う万つ1りて(て$1)さし
てしつ1可なるお1もひ越可な2へむと飛とへ尓こもり
ゐしのちはな2尓こと越も1志らぬやう尓てこ院
の御ゆいこんのことも1えつ1可う万つ1らす御くら井尓
お1ハし万しゝよにハよ者ひの本ともみのう徒ハも1のも1
をよ者寿可しこき可見の人/\お1ほくてその心さし
越と遣て御覧せらるゝこともな2可りきい万可く万つ1り
ことをさりてしつ1可にお1ハ志ますころ本ひ心のう」(6ウ・1030②)
ちをもへ多てな2く万いりうけ多満者ら満本しきを
さす可にな2にと那くところせき身のよそ本ひ尓
ておのつ1可ら月ひをすくすことゝな2むをり/\な2け
き申給な2とそうし給廿尓も万多わつ可な2る本とな2(な2$1)
0005【そうし給】-」<朱段落符号>
な2れといとよくとゝのひすくして可多ちも1さ可りにゝ
本ひていミしくきよく(く$1ら)な2る越御免にとゝ免てう
ち満もらせ給つ1ゝこのもてわつ1らハせ給ひ免宮の
御うしろみ尓これをやな2と人しれすお1ほしより个り
お1ほきおとゝのわ多り尓い万はすミつ1可れ尓多り
と那としころ心えぬさ満尓きゝし可いと越し可りし
越みゝやすきものから(ら&1ら)さす可にね多くお1もふことこ」(7オ・1030⑧)
そあれとの給ハする御个しきをい可尓の給者する尓とあ
やしく1お1もひめくらす尓このひ免みや越可くお1ほ
しあつ1可飛て1さるへき人あらはあつ1个て心や寿
く1よをもお1もひ者那連者やとな2むお1ほしの給者す
るとお1の1つ1可らも里きゝ給多よりあり个れハさや
うのすち尓やとはおもひぬれと布と心え可本にも1な2
尓可はいらへきこえさせむたゝ者可/\しくも者へらぬ
み尓ハよるへも1さふらひ可多くのミな2むと者可りそうし
てやミぬねう者うな2とハのそきて見きこえていと
あり可多くも1みえ給可多ちようい可那あ那めて多な2と
阿つ1万りて起こゆるをお1いしらへるはいてさりとも1可能」(7ウ・1030⑬)
院の可者可りにお1者せし御ありさ万尓ハえな2すらひ
きこえた万ハさめ里いとめもあやにこそきらよにも能し給
し可な2といひしろふをきこしめして万ことにかれハ
いとさ満こと那里し人そ可しい万ハ又そ能よにもねひ
万さりてひ可るとはこれをいふへき尓やとミゆる尓本
ひな2むいとゝく者ゝり尓多るうる者し多ちて者可/\し
き可多に見れ盤いつ1くしく1あさや可尓めもをよ者寿(寿$1ぬ)
心ちする越又うちと个て多者ふれことをもいひみ多
れあそへハそ能可多につ1个てハ尓るも1のな2くあい行つき
な2つ1可しくうつくしきことのな2らひな2らひ(な2らひ$3)な2きこそよに
あり可多个れな尓ことにも1さきのよお1しハ可られてめつ1ら可」(8オ・1031⑨)
なる人のありさ満な2り宮のうちにお1ひいてゝていわ
うの可きりな2く可な2しきもの尓し給日さ者可りな2
て(+0かし)つ1き身に可へてお1ほし多里し可と心の万ゝ尓も1越こ
らすひ个して廿可うちにハ納言尓もな2らすな2り尓き可し
飛とつ1あ万りてやさい将尓て大将可遣多万へり个む
それ尓これハいとこよ那くすゝ見尓ためるはつき/\の
このよ能お1ほえ能万さる那めり可し満ことに可しこき
可多のさえ心もち井な2とはこれも1おさ/\お1とる満しく
あや万りても1およす遣万さり多るお1ほえいとこと那めり
可し(可し$1)な2とめてさせ給日め宮のいとうつ1くし遣尓てわ可く
0006【ひめ宮】-女三
な2尓心な2き御ありさ満な2る越見多て万つ1り給尓も1みハや」(8ウ・1032②)
し多て万つり可つ1者又可多お1ひな2らんことをはみ可くしを
しへきこえつ1へ可らむ人のうしろやす可らむにあつ遣きこ
え者やな2ときこえ給お1と那しき御免のとゝも1めしいてゝ
御もきの本とのこと那との多満者するついて尓六条のお1とゝ
の志きふ卿のミこのむ寿免お1ほし多て个むやうに
この宮をあつ1可りて者くゝ万む人も可な2堂ゝ人のな可
に盤あり可多しうち尓ハ中宮さ布らひ給つ1き/\の女御
多ちとてもいとやむこと那き可きりも1能せらるゝに者可/\
しきうしろミな2くてさやうの万しらひいとな2可/\な2らむ
この権中納言のあそむの飛とりありつ1る本とにうち可す免て
古そ心ミる(る$1)へ可り个れわ可个れといときやうさくにおひさ
き多のも1し个れ(れ$1)なる人尓こそあめるをとの給者す中納言」(9オ・1032⑪)
者もとよりいと満め人尓てとしころも可能わ多り尓心を可
个て本可さ満尓おもひうつ1ろふへくも1者へらさり遣る尓
そ能お1もひ可な2ひてハいとゝゆるく可多者へらし可能
院こそな2可/\なをい可那る尓つ个ても1人をゆ可し
く1お1ほし多る心者多えすも1のせ1させ給な2れ所
の中尓もやむこと那き御ね可ひふ可くて前さい
院な2とをも1い万にわ春れ可多くこそきこえ給な2
れと申すいてそのふりせぬあ多遣こそはいとうし
ろめ多个れとハの給者すれとけ尓あ万多のな2可に可ゝつ1らひ
てめさ満しかるへきお1もひハありとも1猶や可てお1やさ万に
さ多め多る尓てさもやゆつりをきゝこ江(ゝこ江$1聞え)満しな2ともお1本」(9ウ・1033④)
しめすへし万ことにすこしもよつ1きてあらせむ
とお1も者む女こも多らはおな2しくは可能人のあ多り
にこ所ふれ者ゝせ満本し个れいく者くな2らぬこのよ能あ
ひ多はさ者可り心ゆくありさ満尓てこそすくさ満本
し个れわれ女な2ら者お1な2しハら可らな1りとも可な2ら
すむつ1ひより那ましわ可ゝりしときな2とさな2むお
ほえし万して女のあさむ可れむハいとこと者りそや
との給者せて御心のうちに可むのきみ能御事も1お1ほしい
てらるへしこの御うしろミともの中尓おも/\しき御めのと
のせうと左中弁な2る可の院のし多しき人尓てとしころ
つ1可う万つ1るあり个りこの宮尓も心よせこと尓てさ布らへハ」(10オ・1033⑪)
万いり多るにあ日ても能可多りするつ1いて尓うへな2むし可/\
御个しきありてきこえ給し越可能院尓をりあらハも1
らしきこえさせ給へみこ多ちハ飛とりお1者し万すこそ
盤れいのこと那連とさ満/\尓つけて心よせ多て万つ1りな2尓
ことにつ个ても御うしろみし給人あるは多のもし个
な2りうへをゝき多てまつりて又万心尓お1もひきこえ給へき
人もな2个れ盤越のらハつかう万つ1るとても1な2尓ハ可りのみや
つかひ(ひ$1へ)尓可あらむわ可心飛とつ1にしも1あらてお1のつ1可ら思
飛の本可能こともお1者しまし可る/\しきゝこえもあらむとき
に盤い可さ満尓可はわつらハし可らむ御覧春るよにとも可
くも1この御事さ多満りたらハつかう万つ1りよくな2むあ」(10ウ・1034⑤)
るへき可志こきすちときこゆれと女ハいとすくせさ多め可多
く1お1者し万すも1能な2れハよろつ1にな2个かしく可くあ
万多能御中にとりわきゝこえさせ給尓つけても1人のそ
ねミあへかめるをい可てちりも1すゑ多て万つ1らしと
可多らふ尓弁い可なるへき御事尓可あらん院ハあやし
き万て御心な1可く可り尓ても1みそめ給へる人ハ御心と万
り多るをも1又さしも1ふ可ゝらさり(+0个る)越も1可多/\につ1遣て
多つねとり給つ1ゝあ万多つとへきこえ給へれとやむこと
な1くお1ほし多るは可きりありて日と可多な2めれ盤
それ尓ことよりて可ひな2个な2るす万ゐし給可多(+0/\)こそ
ハお1ほ可めるを御寿くせありてもしさやうにお1者し」(11オ・1034⑬)
万すやうも1あらハいみしき人ときこゆとも多ち那
らひて越し多ち給ことは江あらしとこそハ越し
者可らるれと猶い可ゝと者ゝ可らるゝことありてな2むお1
ほゆるさるはこのよ能さかえ春ゑのよにすきてみ尓
心もとな2きことはな2き越女の1すち尓てな2む人の
もときをも1お1も(も$1)ひわ可心尓もあ可ぬことも1あるとな2ん
つね尓うち/\能すさひことにも1お1ほしの給ハすな2る个尓
をの(+0れ)ら可見多て万つる尓もさな2むお1ハし万す可多/\に
つけて御可遣に可くし給へる人見な2そ能人な2らす多ち
く1多れるき者尓ハも能し給者ねと可きりある多ゝ人とも
尓て院の御ありさ満尓な2らふへきお1ほえくし多るや者」(11ウ・1035⑥)
お1者すめるそれ尓越な2しくハけ尓さもお1ハし万さはい可尓
堂くひ堂る御あわひな2らむと可多らふをめのと又こと
のつ1いて尓し可/\な2むな尓可しのあそむに本のめ
0007【しか/\なむ】-朱ニ申
可し者へし可は可の院尓ハ可な2らすうけ个(个$1)ひき申
させ給てむとしころの御本い可な2ひてお1ほしぬへき
こと那るをこ那多の御ゆるしまことにありぬへくハつ1多
へきこえむとな2む申者へりし越い可なるへきこと尓可
者ゝへらむ本と/\につ1个て人のきわ(わ=0ハ)/\お1ほしわき万へつ1ゝ
0008【ほと/\につけて】-源ノ心ヲ云
あり可多き御心さ満尓も1の志給な2れと多ゝ人多に又可ゝつ1ら
ひ思人多ちな2らひ堂ることは人のあ可ぬことにしハ」(12オ・1035⑬)
へめるをめさ満しきこともや者へらむ御うしろみのそ
み給人/\ハあま多ものし給めりよくお1ほしさ多め
てこそよくハへらめ可きりな2き人ときこゆれとい万の
よのやうとてハミ那本可ら可にあるへ可しくてよのな可越
0009【ほからかに】-カシコキコト
御心とすくし給つ1へきもお1者し万すへ可めるをひめみや
ハあさ満しくお1ほつかな2く心もと那くのミみえさせ給
尓さ布ら婦人/\ハつ可う万つ1る可きりこそハへらめおほ
可多の御心越きてにし堂可ひきこえてさ可しきしも1
人もな2(+0ひ)きさふら婦こそ多よりあることに者へらす(す$1め)とり多て
堂累御うしろミものし給ハさらむハな越心本そきわさ」(12ウ・1036⑥)
にな2む者へるへきときこゆし可お1もひ多とるによりな2む
0010【しかおもひ】-朱詞
みこ多ちのよつ1き多るありさ満ハう多てあわ/\しき
0011【よつきたる】-私ノ男ヲツコト
やうにも1あり又多可きゝ者といへとも1をんな2ハお1とこ尓み
ゆる尓つけてこそく1やし个那ることも1めさ満しき
お1もひも1をのつ1可らうち万しるわさ那めれと可つ1ハ心く
るしくお1もひみ多るゝを万多さるへき人尓多ちをくれ
て多のむ可遣ともにわ可れぬるのち心を多てゝ世中尓
すくさむことも1む可しハ人の心多ひら可尓てよにゆるさる
万しき本とのことをハお1もひをよ者ぬものとな2らひ多り
遣むいまのよに盤すき/\しくみ多り可者しきこともるい」(13オ・1036⑬)
にふれてきこゆめり可しき能ふ万て堂可きおや能
いゑ尓あ可められ可しつ可れし人のむす免の个ふハな2お/\
しくゝ多れるきハの春きも1のとも尓な2を多ちあさ
む可れてな2き越やのおもてをふせ可けを者つ1可し
むる多くひお1ほくきこゆるいひもてゆ遣はミ那お1な2
な1(な1$1)しことな1り本と/\尓つ1个て春き(き$1く)せな2といふな累
ことはし里可多きわさな2れハよろつ1尓うしろめ
堂くな2ん春へてあしくもよくも1さるへき人の1
心尓ゆるし越き多る万ゝ尓て世中をすく寿ハすくせ/\
尓てのちの世尓おとろへあるときもみつ1可ら能あや」(13ウ・1037⑤)
万ちにハな2らすありへてこよな2きさい者ひありめや
春きこと尓なるおりハ可くても1あし可らさり个り
とミゆれと猶多ち万ちふとうちきゝつ1个多る本とハ
おや尓しられすさるへ起人もゆるさぬ尓心つ1可らのし
のひわさしいて堂るな2む女の身に盤万すことな2
ききすとお1ほゆるわさ那るなお/\しき多ゝ人のな2可
らひ尓て多にあ者つ1个く心つ1きな2きこと那里見つ1可ら
の心より者那れてあるへきにも1あらぬをお1もふ心より
本可に人尓も1みえす(す=1△イ、△#1)ゝくせの本とさ多められむな2むいと可
る/\しくみのもてな1しありさ満/\(/\$2)越しハ可らるゝこ」(14オ・1037⑫)
と那るをあやしくもの者可那き心さ満尓やとみゆ
める越(越$1)御さ満な2るをこれ可れの心尓万可せもてな2し
きこゆな1(な1=1る)さやう那ることのよにも里いてむこといとうき
ことな1りな2とみすて多て万つり給ハむのちのよ越うし
ろめ多遣尓お1もひきこえさせ多万へれハいよ/\わつ1らハ
しく思ひあへりい万すこしもの1をも1思ひしり
給本と満てみすくさむとこそはとしころ年むし
つ1るをふ可きほいも1とけすな2りぬへき心ちの春る尓
お1もひもよ本されてな2む可能六条のお1とゝは个尓さ
りとも1ゝ能ゝ心えてうしろやすき可多はこよ那可りな2」(14ウ・1038④)
むを可多/\にあま多ものせらるへき人/\をしるへき尓も
阿らす可しとても1可くても人の心可らな2りのと可尓お
ちゐてお1ほ可多のよの1多めしとも1うしろやすきか
堂はな2らひな2くものせらるゝ人な1りさらてよろし可
累へき人多れハ可り可はあらむ兵部卿の宮飛と可らは
めやすしかしお1な2しきすち尓てこと(こと=1コト)人とわき万へ
をとしむへき尓はあらねとあ万りい多くな2よひよし
めく本とにをもき可多をくれてすこし可ろひ多るお1ほえ
やすゝみ尓多らむ猶さる人ハいとたのもし遣な2くな2むあ
る又大納言のあそむのいゑつ1可さのそむな2るさる可多に」(15オ・1038⑪)
もの万めや可那るへきことにハあな2れとさす可にい可尓そ
やさやうにお1しな2へ多るき者ゝ猶めさましくな2むある
へきむ可しも可うやうなる江らひ尓ハな2尓ことも人尓こと
那るお1ほえある尓ことよりてこそあり个れ多ゝ飛とへ尓
ま多な2くもちゐむ可多者可り越可しこきことに思ひさ
多めむ盤いとあ可すく1ち越し可るへきわさ尓な2む右
衛も1んの可みのし多にわふな2るよしな2いしの可み
のものせられしそ能人者可りなむくら井な2とい万
すこしものめ可しき本とにな2り那ハな2と可はともお1も1
ひよりぬへき越ま多としいとわ可くてむ个尓可ろひ多」(15ウ・1039③)
累本とな2り堂可き心さし布可くてやもめ尓てす
くしつ1ゝい多くしつ1万里思ひあ可れる遣しき人尓は
ぬ个てさえ那とも1ことも1な2くつ1ゐ尓ハよの可多めとな2るへ
き人な2れハゆく春ゑも多のもし遣れと猶又この多め
にとお1もひ者てむ尓は可きりそあるやとよろつ1尓お1
ほしわつ1らひ多り可うやうにもお1ほしよらぬあねみや
多ちをハか个てもきこえな2やまし給人もな2しあや
しくうち/\にの給ハすゑの(ゑの$3る)御さゝめきことも1の越の1つ1
可ら飛ろこりてこゝをつ1くす人/\お1ほ可り个りお
ほきおとゝもこの衛門の可みのい万ゝて飛とりのみあり」(16オ・1039⑩)
てみこ多ちな2らすハ江しとお1もへるをかゝる御さ多免と
も1いてきたな2累おりにさやうにもお1もむ个多て万つりて
免しよせられ多らんときい可者可りわ可多免尓も1めむ本
く1ありてう連し可らむとお1ほしの給てな2いしの可む
のきみ尓は可能あねき多の可多してつ1多へ申給な2り
0012【かのあねきたのかた】-柏木ノ母朧ノアネ
个りよろつ1可きりな2きことの者越つ1くしてそうせさせ
御个しき多万者らせ給兵部卿宮は左大将のき多能
可多越きこえ者つ1し給てきゝ給らんところも1あり可多
本な2らむことはとえりすくし給にい可ゝハ御心の多ゝ(多ゝ$1うこ可)さらむ
可きりな2き(き$1く)お1ほしいられ多りとう大納言ハとしころ院」(16ウ・1040②)
のへ多う尓て新(新=0シ)多しき(き$1く)つ1可う万つ1里てさふらひな2れ尓
多る越御山こもりし給な2むのちよりところな2く心本
そ可るへきに古の宮能御うしろみ尓ことよせて可へりみ
させ給へく1御个しきせちに多満ハり給な2るへし権中納言
も可ゝることゝも1越きゝ給尓人つ1て尓も1あらすさハ可り
お1もむ个させ給へりし御个しきをみ多て万つ1り
てし可は越の1つ1可らたよりにつ1遣てもらしきこし
めさることもあらはよもゝて者那連てはあらし可し
と心ときめきもしつ1へ个れと女君のい万者とうちと
个て多のミ給へるをとしころつ1らき尓もことつ1遣つ1へ
可りし本と多に本可さ満の1心もな2くてすくしてし越あ」(17オ・1040⑨)
やにく尓いまさらに多ちかへり尓者可に物をやお1も者せ
きこえむな2の免な2らすやむことな2き可多にかゝつ1らひ
な2はな2尓こともお1もふ万ゝな2らてひ多りみきにやす可らす
ハわ可身もく1るしくこそハあら免な2ともとよりすき/\
し可らぬ心な2れハおもひしつ1めつ1ゝうちいてねとさす
可尓本可さ満尓さ多万り者て給者むも1い可にそやお1ほえ
てみゝ者と満り个り春宮尓もかゝることも1きこしめ
してさしあ多り多る多ゝい万のことよりものちのよの
た免しとも1なるへきこと那(+1ルヲヨクオホシメシメクラスヘキ事也)り人可らよろしとても1多ゝ
人者可きりあるを猶志可お1ほし多つ1ことな2らは可能六条」(17ウ・1041②)
0013【人】-ウト
院尓こそお1やさ満尓ゆつ1りきこえさせ給ハめとな2んわさ
との御せうそこニはあらねと御个しきあり个るを万ちき
可せ給ても1け尓さることな2りいとよくお1ほしの多満者せ
多りといよ/\御心堂ゝせ給て万つ1可の弁してそかつ1/\
あな2いつ1多へきこえさせ給个るこの宮の御こと可くおほ
しわつ1らふさ満盤さき/\もミ那起ゝお1き多満へれハ
心くるしきことにも1あ那る可那さ者ありとも院の御よ
0014【心くるしき】-源心
のゝこりすくな2しとてこゝにハ(ハ=0も)ま多いく者く多ち越く
れ多てまつるへしとて可その御うしろの事をハうけとり
きこえむ个尓し多いをあや万多ぬ尓てい万志者しの」(18オ・1041⑨)
本とものこりと満る可きりあらはお1ほ可多につ1遣ては
いつ1れのみこ多ち越も1よそき(き$1)尓きゝ者那ち(+0多)て万つ1る
へき尓もあらぬ(ぬ$1子)と又かくとりわきてきゝをきて(て$1)多て万
つ1りてむ越ハこと尓こそ盤うしろみミきこえめとお1もふ
越それ多にいとふ定な2るよのさ多免な1さなりやとの
0015【ふ定】-不定
給て万してひとつ1尓堂の万れ多て万つ1るへきすちに
むつ1ひな2れきこえむことはいとな2可/\にうちつゝきよ越
さらんきさみ心くるしくみつ1可らの多め尓もあさ可ら
ぬ本多しにな2むあるへき中納言な2とはとしわ可く可ろ/\
しきやうな2れとゆくさきとをくて人可らも1つい尓おほ」(18ウ・1042②)
や遣の1御うしみとも1な2りぬへき越飛さきな2めれハさも
お1ほしよらむ尓な2と可こよな2可らむされといとい多く
万免多ちてお1もふ日とさ多万りにてそあ免る(る#1れ)盤そ
れ尓者ゝ可らせ給尓やあらむな2との多万ひてみつ1可ら
はお1ほし者那れ多るさ満なる越弁はお1ほろ遣の
御さ多免尓も1あらぬをかくの多万へ者いと越しく
く1ち越しくもお1もひてうち/\尓お1ほし多ちに多
るさ満な2とく者しくきこゆれ盤さす可にうちゑ見
つ1ゝいと可な2しくし多て万つり給みこな免れハあな2
かちに可くきし可多ゆくさきの堂とりも1ふ可き」(19オ・1042⑧)
な2めり可しな2多ゝうちにこそ多て万つり給者め
やむこと那き万つの飛と/\お1者すといふことはよしな2
きこと那里それ尓さ者るへきことにも1あら寿可な2ら
すさりとてすゑの人おろ可那るやうもな2しこ院
の御時尓お1ほきさきの者うのハし免の女御尓ていき
0016【いきまき】-威勢ノ心
万き給し可とむ遣のすゑ尓万いり給へりし入道の
宮尓し者しハ越され給尓き可しこのみこの御ハゝ
0017【このみこ】-女三ノコト
女御こそハ可の宮の御者ら可らにものし給个め可多ち
も1さしつ1きにハいとよしとい者れ給し人な2りし可」(19ウ・1042⑭)
はいつ1可多につ遣ても1このひ免宮をしな2へて
のき者尓ハよもお1者せし越な2といふかしくはおも
ひきこえ給へしとしもくれぬ春さく院尓ハ御心ち
那をおこ多るさ満尓もお1ハし万さねハよろつ1あは
堂ゝしくお1ほし多ちて御も1(+1き)のことはお1ほしいそく
さ満きし可多ゆくさきあり可多个那る万ていつ1くし
くのゝしる御しつ1らひハかへ殿のにしお1もて尓御長(御長$2)御
0018【かへ殿】-カヤノ木ニテ作タル所
き丁より者しめてこゝの1あや尓しき万せさせ給
者春もろこしのきさきの可さりをお1ほしやりてうる
ハしくこと/\しく可ゝやく者可りとゝのへさせ給へ」(20オ・1043⑥)
り御こしゆひ尓ハお1ほきおとゝ越可ねてよりきこえ
させ給へり个れハこと/\しくお1ハする人尓て万いり尓くゝ
お1ほし遣れと院の御事越む可しよりそむき申給
者ねハ万いり給い万ふ多所の大臣多ちそのゝこり可む
0019【ふた所の大臣】-左右大臣
堂ちめな2とはわ里な2きさ者りあるもあな2可ち尓
ためらひ多す遣つ1ゝ万いり給みこ多ち八人殿上人
者多さらにも1い者春うち春宮のゝこらすまいり
つ1とひてい可めしき御いそきのひゝきな2り院の御
ことこの多(多#1)多ひこそとちめな2れとみ可と春宮をハ」(20ウ・1043⑫)
しめ多て万つりて心くるしくきこしめしつ1ゝくら
人ところをさめ殿のからも1(も1$1)もの1ともお1ほく多て万つ1
らせ給へり六条院よりも1(+1御トフラヒイトコチタシ送リ物トモ)人/\のろく尊者の大臣能
0020【尊者】-コシユイノ人ヲ云
御ひきいても1のな2と可の院よりそ多て万つ1らせ給遣
累中宮よりも1御さうそくゝしの者こ心こと尓て
0021【中宮】-秋好
うせさせ給て可能む可しの御くし阿遣の1くゆへ
0022【むかしの御くしあけ】-コレハ斎宮ニ立給シ時ノ具也
あ累さ満尓あら多免くハへてさす可にもとの心者江
も1うしな2者春それとみせてそのひ能ゆふつ1可多
たて万つ1れさせ給宮のこん(+0の)す个院の殿上尓もさふら」(21オ・1044③)
0023【宮】-中宮
0024【院】-朱雀ノコト
ふを御つ1可ひ尓て飛免みやの御可多に万いらすへく
能多万ハせつれとかゝることそ中尓あり个る
さしな2可らむ可し越いまにつ1多ふれは
0025【さしなから】-サナカラ也
た万のをくしそ可みさひ尓个る院こらんしつ1
个てあ者れ尓お1ほしいてらるゝこともあり个りあ
江も1能个しうハあらしとゆつ1りきこえ給へる本
とけ尓お1も多ゝしき可むさしな2れハ御可へりも1
む可しのあハれをハさしお1きて
さしつきにみるも1の尓も可よろつ1よ越つ1个の
0026【さしつきに】-朱
越くしの可ミさふる万てとそい者ひきこえ給へる」(21ウ・1044⑧)
0027【かみさふる】-末ヲ祝心
御心ちいとく1るしき越ねむしつ1ゝお1ほしおこし
てこの御いそきハてぬれハ三日すくしてつい尓御く1
しお1ろし給よろしき本との人のうゑ尓て多尓
いまはとてさ満か者るは可なし个なるわさな2れハ
ましていとあ者れ个尓御可多/\も1お1ほし万とふ
な2いしの1可んの君者つとさふらひ給ていみしくお
ほしい里多る越こしらへ可ね給てこを思道者
可きりあり个り可くお1もひしみ給へるわ可れの多
へ可多くも1ある可那とて御心ミ多れぬへ个れとあ
那可ちに御个うそくに可ゝり給て山のさすより」(22オ・1045③)
者し免て御いむことのあさり三人さ布らひて
0028【御いむこと】-戒法
ほう布くなと多て万つ1る本とこのよ越わ可れ給
0029【ほうふく】-法服 衣ノコト
御さ本うい見しくお1ほしいり多る越こしらへか
0030【いみしくおほし】-「<いみしくおほし以下削除符号>
ね給てこを思道者可きりあり个り可くお1もひし
み給へるわ可れの多へ可多くもある可那とて御心見多
れぬへ个れとあ那可ちに御けうそくに可ゝり給て山
のさすより者しめて御いむことのあさり三人さふら
ひてほう布くな2と多てまつ1る本とこのよ越わ可れ
給御さ本うい見しく可な2し个ふはよをゝもひす万
0031【御さほう】-」<給御さほうマデ削除符号>
し多るそう多ちな2と多にな2ミ多も1えとゝめね盤」(22ウ・1045⑤)
万して女宮多ち女御可ういこゝらのおとこ女可み
しも1ゆ春りみちてな2きとよむ尓いとこゝろあハ
堂ゝしうかゝらてしつ1や可な2累ところ尓や可て
こもるへくお1ほし万うけゝ累本い堂可ひてお1ほし
めさるゝも1堂ゝこのお1さな2き宮尓ひ可されてと
お1ほしの給者すうちより者しめ多て万つ1りて御
と布らひのし遣さいとさらな2り六条院もすこし
御心ちよろしくときゝ多て万つらせ1給て万いり給
御多う者りの1みふな1とこそみな2お1な2しことお1り
ゐの1み可とゝ飛としくさ多満り給へれとまことの太上」(23オ・1045⑪)
天王のきしきに者う遣者り給者寿よのもてな2
しお1もひきこえ多るさ満な2とは心こと那連とことさ
らにそき給てれいのこと/\し可らぬ御くる万に多て万つ1
0032【そき給て】-省
りて可ん多ちめな2とさるへきか(+0き)りくる万尓てそつ可う
万つり給へる院尓はいみしく万ちよろこひきこえ
させ給てくるしき御心ち越お1ほしつよりてお1ほん
多いめむありうるわしきさ万な2らす多ゝお1ハし万す
可多にお1ましよそひく1者へていれ多て万つり給(+1カハリタマ)へる
御ありさ万見多て万つ1り給尓きし可多ゆくさきく
れて可な2しくとめ可多くお1ほさるれハとみ尓もえ多」(23ウ・1046③)
めらひ給者すこ院尓をくれ多て万つりしころ本ひ
0033【こ院に】-源
よりよのつねな2くおもふ給へられし可はこの可多の
ほい布可く春ゝみ者へり尓し越心よはくお1もふ多
0034【ほい】-出家
満へ多ゆ多ふことのミ侍つ1ゝつゐ尓可くみ多て万つ1り
な2し者へる万てをくれ(+1多て万つり)者へりぬる心の1ぬるさ越
者つ1可しくおもふ給へらるゝかな2身にとりてハことに
もある満しくお1もふ多満へ多ち者へるおり/\あ
る越さらにいとしのひ可多きことお1ほ可りぬへきわ
さ尓こそ者へり个れとな2くさめ可多くお1ほし
多里院もゝの心本そくお1ほさるゝ尓江心つ1よ可らす」(24オ・1046⑨)
うちし本れ給つる(つる$1つ1ゝ)い尓しへいまの御もの可多りいとよ
者け尓きこえさせ給て个ふ可あす可とお1ほえ侍つ1ゝさ
す可尓本とへぬるをうち多ゆミてふ可き本いの者しにて
もとけすな2りな1むことゝお1もひをこし(+0て)な2む可くても1
の1こり能よ者ひな2くはお1こ那ひ能心さしも1可な2ふ
満し遣れと万つ1可里尓ても1のとめ越きて念仏を多に
とお1もひ者へる者可/\し可らぬみ尓ても1よ尓な1可らふる
こと堂ゝこの心さしにひきとゝめられ多るとお1もふ給
へしられぬ尓しも1あらぬをい万ゝてつ1とめな2きをこ
多り越多にやす可らすな2むとてお1ほし越きて多るさ」(24ウ・1047②)
満な2とくハしくのたま者するついて尓女みこ多ち越
あ万多うちすへ(へ=0て)し者へるな2む心くるしきな2可にも又お
もひゆつ1る飛とな2き越はとりわきうしろめ多くみ
わつ1らひハへるとて万本尓はあらぬ御个しき心くるしく
み多て万つり給御心のうちにも1さす可にゆ可しき御あ
0035【さすかに】-源ノ女三ヲ思コト
りさ満な2れハお1ほし春くし可多くて个尓たゝ人より
も1かゝる春ち尓はわ多くしさ万の御うしろみ
な2きはく1ち越しけな2るわさ尓那む者へり遣累
東宮可くてお1ハし万せはいと可しこき春ゑのよの1万うけ
のきみとあ免のし多の多のみところ尓あふきゝこえ
さするを万してこのことゝきこえを可せ給者1んことは」(25オ・1047⑨)
飛とことゝしてお1ろ(+0そ)可に可ろ免申給へきニハへらねハ
さらにゆくさきのことお1ほしな2やむへきにも者へら
ねとけ尓こと可きりあれハお1ほや遣とな2り給よの1
万つりこと御心尓可な2ふへしとはい飛な可らをんな2の
御多免にな2尓ハ可りのけさや可なる御心よせあるへ
きにも1者へらさり个りすへて女の1御多めにハさ満/\
万ことの御うしろ見とすへきものハ猶さるへきすち
尓ちきり越可ハしえさらぬことに者くゝみきこゆる御(御$2)
御万もりめ者へるな2むうしろや春可るへきことに者へ
るを猶しひてのち能よの御う多可ひのこるへくハよろ」(25ウ・1048①)
しき尓お1ほしえらひてし能ひてさるへき御あ
つ可りをさ多免を可せ給へき尓な2む者へなるとそう
し給さやうにお1もひよること者へれとそれも可多き
0036【さやうに】-朱詞
ことにな2むあり遣累い尓しへの多めし越きゝ侍尓も1
よ越多もつ1さ可りの見こに多に人をえらひてさるさ
まのことをし給へる多くひお1ほ可り个り万して可く
い万者とこの世越者那るゝき者にてこと/\しくお1もふ
へき尓1も1あらねと又し可春つ1る中尓もすて可多きこ
と阿りてさ満/\尓お1もひわつ1らひ侍本とにや万ひハ
越も里ゆく万多とり可へ春へき尓もあらぬ月ひの春」(26オ・1048⑦)
きゆ个は心あわたゝしくな2む可多者らい多きゆ
つ1りな2れとこのい者けな2き内新王飛とりわきて
者くゝみお1ほしてさるへきよす可をも御心尓お1ほしさ
多めてあつけ給へときこえ満本しきを権中納言な2と
の飛とりも能しつ1る本とにすゝみよるへくこそあり
个れお1ほい万うち君尓せんせられてね多くお1ほえ
者へるときこえ給中納言のあそむ万めや可な2る可多
0037【中納言のあそむ】-源
はいとよくつ1可う万つりぬへく者へるをな尓ことも万多
あさくて多とりすく那くこそ者へらめ可多しけな2くとも
0038【たとりすくなく】-タヨリスクナキ心也
ふ可き心尓てうしろみきこえさせ者へらん尓お1者し」(26ウ・1048⑭)
万すお1ほむ可遣尓可者りてハお1ほされし越多ゝゆ
く1さきみし可くてつ可う万つりさすことや者へらむ
とう多可ハしき可多のみな2む心く1るしく者へる
へきとうけ飛き申給つ1よにい里ぬれハあるし
の院可多も1万らうとの1可む多ち免たちもみな2
御前尓て御あるし能ことさうし物尓てうる者し
可らすな満め可しくせさせ給へり院の御万へ尓せん
かうのかけ者(+0ん)に御者ちな2とむ可しに可ハりてまいる
を人/\な2ミ多をしのこひ給あハれなるすちのこ
とゝもあれとうるさ个れハかゝす夜ふけて可へり給」(27オ・1049⑥)
ろくとも1つき/\尓給へ多う大納言も1御をくり尓万
い里給あるしの院者个ふのゆきにいとゝ御風く者ゝ
りて可きみ多りな2やましくお1ほさるれとこの
宮の御事きこえさ多めつる越心やすくお1ほし
个り六条院者な2万心く1るしうさ満/\お1ほしみ
多るむらさきのうへも可ゝる御さ多めなむと可ねて
も1本のきゝ給个れとさしも1あらし前さい院をも
ねむころ尓きこえ給やうな2(+0里)し可とわさとしも1お1ほ
しとけ春な里尓しをな2とお1ほしてさることも1や
あるともとひきこえ給者すな尓心もな2くてお者春る」(27ウ・1049⑫)
0039【なに心もなくて】-源ノ心
尓いとおしくこの事をい可にお1ほさむわ可心者つ1ゆも
可者るましくさることあらん尓つ1个てハな2可/\いとゝ
布可さこそ万さらめみさ多め給者さらむ本とい可に
思ひう多可ひ給者むな2とや春可らすおほさるいまの
としころとな2りてハ万して可多み尓へ多てきこえ給事
那くあ者れなる御中な2れハしハし心尓へ多てのこ
0040【御中なれは】-紫トノコト
したることあらむも1いふせき越そのよはうちやす
ミてあ可し給つ1又のひゆきうち布りそらの个し
きも1ゝのあ者れ尓春き尓し可多ゆくさきの御も1の1可
堂りきこえ可者し給院の多能も1し遣那くな2り給尓」(28オ・1050④)
0041【院】-源
たる御とふらひ尓万いりてあハれなることゝも1のあり
つ1る可な2女三宮の御事をいとすて可多け尓お1ほし
てし可/\な2む能多満者せつけし可は心くるしくて江
きこ江いな2ひ春な2り尓し越こと/\しくそ人盤いひ
な2さむ可しいまはさやうのこともうゐ/\しくすさ
満しくお1もひな2り尓多れハ人つ1て尓遣しき者万
せ給し尓ハと可くの可れきこえしを多いめんのついて尓
心ふ可きさ満なることゝも1越の給つ1ゝ遣しにも1(も1$1者)えす
く/\しくも可へさひ申さてな2むふ可き御山すミ尓
うつ1ろひ給者む本とにこそハわ多し多て万つ1らめ」(28ウ・1050⑪)
あちきな2くやおほさるへきいミしきことありとも
御(御=0御)多めあるより(より$1世尓)可ハることはさらにある満しきを心
な2をき給そよ可の御多めこそ心くるし可らめそれも
可多はな2らすもてな2してむ多れも/\のと可尓てすく
し給ハゝな2ときこえ給者可那き御すさひことを多尓
0042【御すさひこと】-スキ心
めさ満しき△△(△△#1もの)におほして心や春可らぬ御心さ満な2
れハい可ゝお1ほさむとお1ほ春尓いとつれな2く1てあ者れ
0043【いとつれなくて】-紫体
0044【あはれなる御ゆつりに】-詞
なる御ゆつ1り尓こそあなれこミ(ミ=0古ゝ)尓ハいかなる心をゝき
多て万つ1るへき尓可めさ満しく可くてな2とゝかめらる万
しくハ心や春くても1者へな2むを可の者ゝ女御の御可多さ」(29オ・1051③)
満尓ても1うと可らすお1ほしかす満へてむやとひけ
し給をあ万り可うゝちとけ給御ゆるしも1い可な2れ
0045【あまりかう】-源
ハとうしろめ多くこそあれ万ことはさ多尓お1ほし
ゆるいてわれも人も1心えてな2多ら可にもてな2しすく
し給ハゝいよ/\あハれ尓な2む飛可こときこえな2と
せむ人のこときゝいれ給な2すへてよの人のくちといふ
ものな2む多可(+1い)ひいへ(へ=0ツ)ることともな2く越のつ1可ら飛とのな2
可らひな2とうちともな2く越のつ1可ら(ともな2く越のつ1可ら$3)本をゆ可みお1(+0も)ハす
なることいてくるも1のな(+1め)るを心飛とつ1尓しつ1めてありさ
満尓し多可ふな2むよき万多きにさ者きてあいな2きも1」(29ウ・1051⑩)
のうらみし給な2といとよくをしへきこえ給心のう
0046【心のうち】-紫
ち尓も1可くそらよりいてき尓多るやうなることにての
可れ給可多きを尓くけ尓も1きこえなさむ(む$1し)わ可心尓者ゝ
かり給ひいさむることにし多可ひ給へきをの可とちの
心より越これる个さう尓もあらすせ可るへき可多な2きもの
可らおこ可満しく思ひむ寿本をるゝさ満よ(+0の)ひとにもり
きこえし志きふ卿の宮のお1ほき多の可多つね尓う遣
0047【うけはしけなる】-ノロウ心
者し遣なることゝも1をの給ひいてつゝあちきな2き大将の
御事尓てさへあやしくうらみそねミ給な2る越可や
う尓きゝてい可尓いちしるく思ひあハせ給者むな2と越」(30オ・1052②)
0048【越ひらかなる人】-ヲトナシキ心
ひら可なる人の御心といへとい可て可は可者可りのく1満は
な2可らむい万者さ里ともとのミわ可身をおもひあ可り
うらな2くてすくし个るよの人わらへな2らむこと越し
多尓は思ひつゝけ給へといとお1ひら可尓のミも1てな2し給
へりとしも1可へりぬ朱雀院尓はひめ宮六条院尓う
つ1ろひ給者む御いそき越し給きこえ給へる人/\い
とくちお1しくお1ほしな2遣くうちにも御こゝろ者へあり
0049【うちにも御こゝろはへあり】-内裏ニモ女三ヲホシクオホシタリシ也
0050【御こゝろ】-心
てきこえ給个る本とに可ゝる御さため越きこしめして
お1ほしと満り尓个りさる(る$1)ハことしそよそちにな2り給个れ
は御可能事お1ほや遣尓もきこしめしすくさす世中の」(30ウ・1052⑨)
いと那見尓て可ねてよりひゝくをことのわつ1らひお1ほ
くい可めしき事ハむ可しよりこのミ給者ぬ御心尓て
み那かへさひ申給正月廿三日子のひな2るに左大将殿
のき多の1可多わ可な2まいり給可ねて个しきもゝらし
給者ていといたくしのひてお1ほし万うけ堂り个れハ
尓者可にてえいさめ可へしきこえ給者すし能ひ多れ者(者$1と)
さハ可りの1御いき本ひなれハわ多り給(+0御)きしきな2といとひゝ
きことな2りみな2ミのお1とゝの尓し能者那ちいて尓お1満
しよそふ屏風可へしろより者しめあ多らしく
者こ(こ$2ラ)ひしつ1らひ(ひ$1)ハれ多りうるハしくいしな2とは多て」(31オ・1053)
寿御ちしき四十枚御しとねけうそくな2とすへて1
0051【御ちしき】-地敷 唐筵也
その御(+1く)ともいときよらにせさせ給へりらてんのみつ1し
布多よろひ尓御ころも者こよ(+1徒)すへてな2つ1ふゆの御
さう寿く可うこく春りの者こ御すゝりゆ春るつ1き可ゝ
0052【ゆするつき】-ヒン水入ル物也
遣の者こな2とやうのも1の1うち/\きよら越つ1くし給へり
御可さしの多い尓ハちむし多むをつくりめつ1らしきあや
0053【御かさしのたい】-造花也挿頭也老ヲフセク心也
0054【あやめをつくし】-木ノモクナトノコト又物ノモン也
めをつ1くしお1な2しき可ねをもいろつ1可ひな2し多る
心者へありい万め可しくかむのき(+0ミ)ものゝみやひ布可くか
0055【みやひふかく】-ユウヒナルコト
とめき給へる人尓てめなれぬさ満尓しな2し給つる(る=1り)
お1ほ可多のことをはことさらにこと/\し可らぬ本となり人/\」(31ウ・1053⑧)
万いりな2とし給てお1ましにいて給とて可むのきみ
に御多いめんあり御心のうち尓はい尓しへお1ほしいつ1る
ことも1さ満/\なり个む可しいとわ可く(いとわ可く$1いとわ可く)きよらにて可く
御可な2といふことはひ可ゝそへ尓やとお1ほゆるさ満のな2万
0056【ひかゝそへ】-四十ナトヨリ若キ也
め可しく人のお1や遣な2くお1者し万す越めつ1らしくて
とし月へ多てゝ見多て万つり給ハいと者つ1可し个れと
猶けさや可なるへ多てもなくて御もの可多里きこえ可
ハし給おさ那きゝみも1いとうつ1くし(+0く)てものし給可むの
きみハうちつ1ゝきても御覧せられしとの給个るを大将
かゝるついて尓多に御覧せさせむとてふ多りおな1し」(32オ・1054①)
やうにふりわ遣可みのな2尓心な2きなをしす可多とも
0057【ふりわけかみ】-玉カツラノ子二人
尓てお1ハすゝくるよ者ひも1みつ1からの心尓はことにお1
0058【すくるよはひも】-源心
もひと可められす堂ゝむ可しな2可らのわ可/\しきあ
りさ満尓てあら多むることもな2きを可ゝるすゑ/\能も
よ越し尓な2むな2万ハし多な2き万てお1もひしらるゝ
お1りも者へり个る中納言のいつ1し可と万うけ多なるを
こと/\しく思ひへ多てゝ万多みせす可し人よりことに
可そへとり給个るけふのねのひこそなをうれ多遣れ
志ハしハおいをわ春れても1者へるへきをときこえ給可む
のきみもいとよくねひ万さりもの/\しき遣さへそひ」(32ウ・1054⑦)
てみる可ひあるさ満し給へり
わ可者さ寿能へのこ万つ1を飛きつれてもとの
0059【わかはさす】-内侍
い者ねをいの1る遣ふ可那とせめてお1と那ひきこえ給
ちんのお1しきよつ1して御わ可那さ万者可り(+0万)いれり御可ハら
遣とり給て
こ松者ら春ゑのよ者ひ尓飛可れてや能へのわ可な2
0060【こ松はら】-源
も1とし越つむへきな2ときこえか者し給て可む多ちめ
あま多ミ那ミの飛さし尓1つ1き給しきふきやうの宮ハ
万いり尓くゝお1ほし个れと御せうそこあり遣る尓可く
し多しき御な2可らひ尓て心あるやうならむも1飛んな2く」(33オ・1055①)
て飛多个てそわ多り給へる大将のし多り可本尓て可ゝ
0061【大将のしたりかほにて】-式部卿ノ心
累御中らひ尓うけ者りてものし給も1け尓心やまし
个な1累わさ那めれと御む万このきみ多ちはいつ1可多尓
つけてもをり多ちてさうやくし給こも1のよそえ(△&1え)多お
りひ(ひ=1ウ)つ1も1のよそち中納言をハしめ多て万つりてさるへき
可きりとりつゝき多満へり御可者らけく多りわ可那のお1ほ
むあつ1い(い$2)も1の万いるお1万へ尓ハちんの可遣者んよつ1お1ほ
0062【あつもの】-カンニシタル也
むつきともな2つ1可しくい万めき多る本と尓せられ多里
0063【つきとも】-器
朱雀院の御くすりのことな2を多ひらき者て給者ぬ尓
より可く人な2とは(+1めさす御布えな2とお1本きお1とゝのその)可多はとゝのへ給てよのな可にこの御か」(33ウ・1055⑧)
より又めつ1らしくきよらへ(へ$2ツ)くすへき事あらしとの給
て春くれ多るねの可きり越可ねてよりお1ほし万うけ
多り个れハし能ひや可尓御あそひありとり/\尓多て
まつる中尓わこむハ可のおとゝの第一尓飛し給个る
御ことな2りさるも1のゝ上すの心をとゝめてひきな2らし
給へるねいとな2らひな2き越こと人ハ可き堂て尓くゝし
給へハ(+1衛門の可ミのか多くいな2ふるをせめ多万へハ)个尓いとお1もしろくおさ/\をとる満しくひくな2尓
0064【いなふる】-△△
ことも上寿のつきといひな2可ら可くしも1えつ(+0可)ぬわさそ
可しと心尓くゝあハれ尓人/\お1ほす志らへ尓し多
かひてあとあるてともさ多万れるもろこしのつ1る(る$2タ)へとも」(34オ・1056①)
0065【あとあるてとも】-伝タル手ノコト
はな可/\多つねしるへき可多あらはなるを心尓万可
せて多ゝかきあハせ多るす可ゝき尓よろつ1のものゝね
0066【すかゝき】-和琴計ニアルコト
とゝのへられ多る者多へにお1もしろくあやしき満て
ひゝくちゝおとゝはことのをもいとゆる尓ハりてい多うく
多して志らへひゝきお1ほくあハせてそ可きな2らし給
これ者いとわらゝかにの本るねのな2つ1可しくあい行
つき堂るをいと可うしもはきこえさりし越とみ
こ多ちも1をとろき給きむハ兵部卿宮ひき給この
御こと(こと$1琴)ハきやう殿の御も1の尓て多い/\尓多い一のな2ありし
0067【きやう殿】-宜陽殿
御ことをこ院の春ゑつ1可多一品宮のこのミ給こと尓て」(34ウ・1056⑧)
0068【こ院】-桐ノコト
0069【一品宮】-大后御腹
多まハり堂満へり遣る越このをりのきよらをつ1くし
堂満者んとする堂めおとゝの申給者る(る$2り)給へる御つ1多へ/\
越お1ほす尓いとあハれ尓む可しの事もこ飛しくお1
ほしいてらるみこもゑひな2きえとゝめ給ハす御个し
きとり給てきむハおまへ尓ゆつ1りきこえさせ給も1のゝ
0070【おまへに】-源ノコト
あハれ尓江(江=0エ)すくし給ハてめつ1らしきも1の飛とつ1者可りひ
き給尓こと/\し可らねと可きりな2く越もしろきよの
御(+0あ)そひな2りさう可の人/\み者しにめしてす春くれ多
るこゑの可きりい多して返(+0り)こゑ尓なるよのふ遣ゆく
0071【返りこゑ】-呂ノ律ニナルヲ云
万ゝ尓も1能ゝしらへともな2つ1可しくか者りてあ越」(35オ・1056⑭)
0072【あ越やき】-\<合点>
やきあそひ給ほとけ尓ねくらのうくひすおとろ
きぬへくいみしくおもしろしわ多くしことのさ
万尓しな2し給てろくな2といと経さく1に万うけられ
多り个りあ可月尓可むのきみ返給御をくり物な2とあり遣
里可うよ越寿つるやう尓てあ可しくらす本とにとし月
0073【かうよ越】-源
のゆくゑもしらすかをなるをかう可そへしら勢多
万へる尓つけてハ心本そくな2むとき/\ハをい(+0や)万さ
るとみ給く1らへよかし可くふるめ可しきみのところせ
さにお1もふ尓し多可ひて多いめんな2きもいとくち越
しくなむな2ときこえ多万ひてあ者れ尓もを可しく」(35ウ・1057⑦)
も1おもひいてきこえ給ことな2きにしも1あらねハ
な可/\本の可尓てかくいそきわ多り給をいとあ可す
く1ち越しくそお1ほされ个る可むのきみも満ことのを
やをハさるへきちきり者可りにおもひきこえ給て
あり可多くこ満可なりし御こゝろ者へ越とし月尓
そへてかくよにすミ者て給尓つけてもをろ可な2ら
春お1もひきこえ給个り可くてきさらきの1十よ日尓
朱雀院のひめみや六条院へわ多り給この院尓も御(御$1)
0074【この院】-源ノコト
御心万うけよのつねな2らすわ可那万いりしにしのハ
な1ちいて尓1御帳丁(丁$1)堂てゝそな多の一二の多いわ多との」(36オ・1057⑬)
可遣てねう者う能つ本年/\万てこ満可尓しつ1らひ見
かゝせ給へりうち尓万いり給人のさ本うを万ねひて
こ(こ=0か)の院よりも御てうとな2と者こ者るわ多り給きし
きいへ者さらな2り御をくり尓可む多ちめな2とあ万多
まいり給かの遣いしのそ見給し大納言も1やす可ら寿
お1もひな可らさふらひ給御くる万よせたるところ尓
ゐんわ多り給てお1ろし多て万つ1り給な2ともれい尓
ハ堂可ひ多る事ともなり堂ゝ人尓お1ハすれハよろつ1
のこと可きりありてうち万いり尓も尓寿むこのお1ほきみ
とい者む尓もこと多可ひてめつ1らしき御な可能あハひ」(36ウ・1058⑤)
とも尓なむ三日可本と可の院よりもあるしのゐんか
堂よ(+0り)もい可めしくめつ1らしきみやひをつ1くし給多
いのうへも1事尓ふれて堂ゝにもお1ほされぬよのあ
りさ満な2り遣にかゝる尓つ1けてこよな2く人尓お1と
里遣多るゝこともある満し个れと万多ならふ人な2
くならひ給て者那や可にをひさきとをくあな1
つ1りにくきけ者ひ尓てうつろひ多万へる尓な満
者し多な2くお1ほさるれとつれな2くのミもてな1して
御わ多りの本ともゝろ心尓ハ可那きこともしいて給て
いとらう多遣なる御ありさ万越いとゝあり可多しと」(37オ・1058⑪)
お1もひきこえ給ひめみやハ遣に万多いとちひさくか多
なりにおハするうちにもいとい者けな2き个しきして
ひ多みちにわ可ひ給へりかのむらさきのゆ可り多つね
とり給へりしお1りお1ほしいつ1る尓可れハ可れハ(可れハ$3)され
ていふ可ひありしに(に$3)をこれ者いとい者けな2くのミみえ
給へハよ可めりにくけ尓越し多ち多ることな2とハある満
0075【にくけに】-嫉妬ナトノコト
し可めりとお1ほすも1の可らいとあ万りも1の1ゝ者えな2き
御さ万可な2とみ多て万つ1り給三日可本とはよ可れな2く
わ多り給をとしころさもならひ給ハぬ心ち尓し能ふ
0076【さもならひ給はぬ】-紫ト今マテハ一夜モヨカレナキ也
れとなをも1のあハれな2り御そともな2といよ/\多きし」(37ウ・1059④)
めさせ給も1の可らうちな可めても1のし給个しきい見
0077【うちなかめて】-源ノ紫ノ方ヲ也
しくらうたけ尓お1可しな2とてよろつ1のことありとも
万多人をハならへてみるへきそあ多/\しく心よはく
0078【また】-又
0079【あた/\しく心よはく】-女三ノコトヲウケコイタルコト後悔也
なりをきに个るわ可をこ多りにかゝる事もいてくるそ
かしわ可个れと中納言をはえお1ほし可遣すなりぬめり
し越とわれな可らつ1らくお1ほしつ1ゝくる尓なミ多
く1満れてこよひハ可りハことハりとゆるし給てんな2これ
0080【こよひはかりは】-紫ヘノ詞
よりのちの1と多江あらんこそ身な可らも1心つ1きな1
かるへ个れ又△△(△△#1)さりとて可の院尓きこしめさむこと
よとお1もひみ多れ給へる御心のうちくるし遣なり」(38オ・1059⑩)
すこし本ゝゑみてみつ1可らの御こゝろな可ら多にえさ
0081【すこしほゝゑみて】-紫ノ体
多め堂まふ万し可なるを万してことハりもな2尓も
いつ1こ尓と満るへき尓可といふ可ひな2遣にとりな1し給へハ
0082【いつこにとまるへき】-ナニコトモ源ノコトハ定ラヌト也
者つ1可しうさへお1ほえ給てつ1らつ1ゑをつ1き給てよ
0083【はつかしう】-源心
りふし多万へれハすゝりをひきよせ給て
め尓ち可くうつ1れハか者るよのな可越ゆくすゑ
0084【めにちかく】-紫
とをく多の見遣る可那ふることな2と可き万せ給をとりて
み多万ひてハ可那きことなれと遣にとことハり尓て
いのちこそ多ゆともたえめさ多めなきよのつね
0085【いのちこそ】-源
な2らぬな可のちきりをとみ尓も1江わ多り堂満ハぬを」(38ウ・1060③)
いとか堂わらいたきわさ可那とそゝの可しきこえ給へハ
な2よゝ可にお1可しき本とに江ならす尓ほひてわ多り
堂満ふをみい多し給も1いと多ゝ尓ハあら寿かしとし
ころさもやあらむとお1もひしことゝもゝい万者とのみ
0086【さもやあらむ】-槿朧月ナトノコト也
もてハ那れ多満ひつゝさらは可くにこそハとうちと遣
0087【うちとけゆくすゑに】-紫ノ油断也
ゆくすゑ尓あり/\て可くよのきゝみゝも1なのめな2らぬ
ことのいてきぬるよお1もひさ多むへきよのありさ万
尓もあらさり个れハい万よりのちもうしろめ多な2(な2#1)
く1そお1ほしなりぬるさこそつれな2く万きらハし
給へとさ布ら婦人/\も1お1も者寿なるよなりやあ」(39オ・1060⑨)
満多ものし給やうなれといつ1可多もみな2こ那多の御
遣者ひ尓ハ可多さりハゝ可るさ万にて寿くし給へ者
こそこと那くな2多ら可にもあれをし多ちて可ハ可り
なるありさ満尓遣多れても1江すくし多満ふまし
0088【江すくしたまふまし】-紫ニ女三ノオサレ給マシト也
ま多さりとて者可那きことにつけても1やす可らぬこと
のあらむお1里/\可な2らすわつ1らハしきことゝも1い
てきなむ可しなとをの可志ゝうち可多らひな2遣可
しけなる越つゆも1みしらぬやうにいと个者ひお1可し
く1もの可多りな2とし給つゝよふくる万ておも(も$1)者す可う人
の多ゝな2らすいひお1もひ多るも1きゝ尓くしとお1ほして」(39ウ・1061①)
かくこれ可れあ万多も能し給めれと御心尓可な2ひてい万
0089【かくこれかれ】-紫詞
め可しく寿くれ多るき者尓もあらすとめなれてさう/\
しくお1ほし多りつ1る尓この宮の1可くわ多り給へるこ
そめや春个れなをわら者こゝろのうせぬ尓やあらむ
われもむつ1ひてきこえてあら満本しきをあいな2く(く&1く)へ多て
0090【あいなくへたて】-嫉妬ノ心
あるさ満尓人/\やとりな2さむとすらむ飛としき
本とお1とりさ満な2とお1もふ人尓こそ堂ゝならすみゝ
多つ1ことも1をのつ1可らいてくるわさな2れ可多しけな2
く1心くるしき御事な2めれハい可て心を可れ多て万つ1
らしとな2むお1もふな2との給へハ中つ可さ中将君な2と」(40オ・1061⑧)
0091【中つかさ中将君なと】-源心ヲカケシ人也
やうの人/\め越くハせつ1ゝあ万りなる御お1もひやり可那
な2といふへしむ可しハ多ゝな2らぬさ満尓つ可ひな1らし
0092【つかひならし】-源ノ方ニ仕シニ候也
給し人ともな2れとゝしころ者この御可多にさふらひ
0093【この御かた】-紫也
てミ那心よ(+0せ)きこえ多るなめりこと御可多/\よりもい可尓
0094【こと御かた/\よりも】-六条院ノ殿ヨリ
お1ほ寿らむもとより思ひ者那れ多る人/\ハな可/\
0095【思ひはなれ】-末ツムナトノコト
心やすき越な2とおもむ遣つ1ゝとふらひきこえ給も
ある越可くをし者可る人こそ中/\くるし个れ世
中もいとつねな2き物越な2とて可さのミはお1もひな2や
万むな2とお1ほすあ万り飛さしきよ(+1ひ)井も1れいな2らす」(40ウ・1061⑭)
0096【あまりひさしきよひゐ】-源ノルスニヨイヰノコトヲ紫ノ心
人やと可めむと心の1お尓ゝお1ほしてい里給ぬれハ御
ふ春満ゝい里ぬれとけ尓可多者らさ飛しきよ那/\
へ尓个るも1猶多ゝな2らぬ心ちすれとかのす万の御わ可
れのおりな2と越お1ほしいつ1れハいまはと可遣者那れ
給ても1たゝおな2しよのうちにきゝ多て万つら満し可は
とわ可身万てのことはうち越きあ多らしく可な2し可
里しありさ満そ可しさてその万きれ尓われも人
も1いの1ち多へすなり那まし可はいふ可ひあら満しよ
0097【たへす】-不堪
可はとお1ほしな2越寿風うちふきたるよのけ者ひ」(41オ・1062⑤)
飛やゝ可尓てふともねいられ給者ぬをち可くさ布ら
ふ人/\あやしとやき可むとうちも1みしろき給
者ぬも猶いとくるし个な2里よふ可きとりのこゑの
きこえ多るも1ゝのあハれな2りわさとつ1く(く$1ら)しと尓は
あらねと可やうにお1もひみ多れ給遣尓や可の御ゆ
0098【かの御ゆめに】-源ノ御夢ニ紫ヲミ給也
め尓見え給个れハうち越とろき堂万ひてい可尓
と心さは可し給尓とり能ねまちいて給へれハよふ可
きも1志らす可本尓いそきいて給いとい者けな2き御あり
さ万な2れ盤めのと多ちゝかくさ布らひ个りつ1万とお1し
あけていて給をみ多て万つ1りをくるあ遣くれの」(41ウ・1062⑫)
そらにゆきの1飛可りみえてお1ほつ可な1しなこり
まてと万れる御尓本ひやみハあやな2しとひとりみ(み$3こ)
0099【やみはあやなし】-\<合点>
堂るゆきハところ/\きえのこりたる可いとしろき尓
者の1布と个ちめみえわ可れぬ本とな2る尓猶の1こ(+0れ)累
0100【猶のこれるゆき】-\<合点>子城陰處猶残雪/衙皷声前未有塵(付箋01)
ゆきとしのひや可尓くち春さひ給つ1ゝみ可うしうち
多ゝき給も1飛さしくかゝることな可里つ1るな2らひ尓人/\
0101【かゝること】-早帰給コト稀ト也
も1そらねをしつ1ゝやゝ万多せたて万つりてひきあ
遣多里こよ那く飛さし可りつ1る尓みも1ひ江尓遣累
はをちきこゆる心のをろ可な2らぬ尓こそあめれさるは
つ1見も1な1しやとて御そひきや里那とし給にすこし」(42オ・1063④)
0102【つみもなしや】-紫ヘ道理ト也
ぬれ多る御飛とへのそて越ひき可くしてうらも1な2
く1な2つ1可しきもの可らうちとけて者多あらぬ御よう
いな2といと者つ1かし遣尓越可し可きりなき人ときこ
0103【かきりなき人】-女三宮トイヘト紫程ニナキト也
ゆれと可多可めるよをとお1ほしくらへらるよろつ1い尓
しへのこと越お1ほしいてつ1ゝと遣可多き御遣しき
をうらみきこえ給てそのひハくらし給ひつれ盤えわ
多り給ハてしむ殿尓ハ御せ1うそこ越きこえ給けさの
ゆきに心ちあや万里ていとな2やましく者へれハこゝろ
やすき可多に多めらひ者へるとあり御めのとさきこえ
させ者へりぬとは可りこと者尓きこえ多りこと那ること」(42ウ・1063⑩)
0104【ことなることなの】-源心
那の1御返やとお1ほ寿院尓きこしめさむこともいと
お1しこの1ころ者可りつ1くろ者むとお1ほせとえさもあ
らぬをさハお1もひしことそ可しあ那くるしとみ
つ1可らお1もひつ1ゝ遣給をむな2きみも1お1もひやりな2
0105【をむなきみ】-紫上モ源ノコナタニアレハ不可然ト也
き御心可那とく1るし可り給个さはれいのやうにお1本
とのこもりおきさせ給て宮の御可多に御ふミ多て万
0106【宮の御かた】-女三也
つ1連給ことに者つ1可し个も1なき御さ満なれと御ふ
てな2とひきつ1くろひてしろき可み尓
な可みち越へたつ1る本とはな1遣れともこゝろ
み多るゝけさのあ者ゆきむ免尓つけ給へり人」(43オ・1064③)
めして尓しのわ多との1より多て万つ1らせよとの
給や可てみい多して者しち可くお1ハし万すしろき
0107【みいたして】-源ノ女三ノ御返ヲ待給也紫ニ忍給心也
御そとも1をき給て者那を万さくり給つ1ゝとも万つ1
0108【はな】-花
0109【ともまつゆきの】-\<合点>
ゆきの1本の可にのこれるうへ尓うちゝりそふそら越な2
可免給へりうくひ春のわ可やかにち可きこう者いの
すゑ尓うちな2き多る越そてこそ尓本へと者那越
0110【そてこそにほへと】-\<合点>おりつれハ袖こそ尓ほへ梅の花/ありとやこゝ尓1鴬のなく(付箋02)
ひき可くしてみす越しあけてな可め給へるさ満ゆ
め尓も可ゝる人のおや尓て越もきくら井とみえ給者す
わ可うな2満め可しき御さ満な2り御可へりすこし本とふる
心ち寿れハい里給てをむな2きみ尓者那みせ多て万」(43ウ・1064⑨)
つ1り給者那とい者ゝかくこそ尓本者満本し个れな2さ
0111【はな】-梅ノコト
くらにうつ1してハ万多ちりハ可りも1心わくる可多な2くや
あら満しな2との給これもあ万多うつ1ろハぬ本とめと
満る尓やあらむ者那のさ可りにな2らへて見者やな2と
0112【はなのさかりに】-梅ト桜ノ心
の給尓御可へりありくれな2ゐの1う春やうにあさや可尓
をしつ1ゝ万れ多る越むねつふれて御てのいとわ可き
越しハしみせ多て万つ1らてあらハやへ多つ1とはな2
个れとあハ/\しきやうな2らんハ人の本とかたし个な2
しとお1ほ寿にひき可くし給ハむも1心をき給へ个
れ盤可多そハひろ遣給へるをし里めにみをこせて」(44オ・1065①)
そひふし給へり
者可那くてう者の1そらにそきえぬへき風尓
堂ゝよふ者るのあハゆき御てけ尓いとわ可くお1さな2
0113【いとわかく】-ヨカラヌ心
遣な1りさハ可りの本とにな2りぬる人ハいと可くは
お1ハせぬものをとめと満れとみぬやうに万きらハして
やミ給ぬこと人のうへな2らはさこそあれな2とは
しのひてきこえ給へ个れといとお1しくて多ゝ心やす
0114【いとおしくて】-紫上詞
く1越思ひな2し給へとのミきこえ給遣ふは宮の御可
多にひるわ多り給心ことにうち遣さうし給へる御あり
さ満い万み多て万つ1るねう者うな2とは万してみ累」(44ウ・1065⑦)
0115【いまみたてまつる】-始テノ心
かひありとお1もひきこゆらん可しお1ほむめのとな2とやう
のお1いしらへ累人/\そいてやこの御ありさ満ひとゝころ
こそめて多个れめさ万しきことはありなむ可しとう
ち万せておもふもあり个る女宮者いとら(ら=0ラ)う多个尓お1さ
那きさ満尓て御しつ1らひな2との1うと(うと=0コト)/\しくよ多遣く
0116【よたけく】-コト/\シキ心
うるハしき尓みつ1可らはな2尓心もな1くもの者可那き御
本と尓ていと御そ可ちにみも1な2くあえ可那里ことに者
0117【みもなく】-チイサキ女房也
ち那ともし給者す堂ゝちこのお1もきらひせぬ心ちし
てこゝろやすくうつ1くしきさ満し給へり院のみ可とハ
0118【院のみかと】-朱ノコト
越ゝしくすくよ可那る可多の御さえな2とこそ心もとな1」(45オ・1065⑭)
0119【御さえなと】-無学ナル也
く1お1者し万すとよひとお1もひ多めれお可しき寿ち
な2万めきゆへ/\しき可多は人尓満さり給つるを
な2とて可くお1ひら可尓お1ほし多て給个むさるはいと
御心とゝめ給つるみこときゝし越とお1もふも1な満くち
越し个れと尓く可らす見多て万つ1里多満ふ多ゝ
きこえ給万ゝ尓な2よ/\と登那ひき給て御いらへな2とを
も1お1ほえ給个ることはい者个な2くうちの給て(給て$1多万ひ)いてゝ
ゑみ者那多すみえ給む可しの心な2ら満し可はう多
て心お1とりせ万し越い万ハよの中をミ那さ満/\尓お
もひな2多らめてとあるも1かゝるもき者ゝ那累ゝことは」(45ウ・1066⑥)
可多きものなり遣りとり/\尓こそお1ほゆれ(ゆれ$1)うはあり
个れよその1お1もひハいとあら満本しき本と那りかしと
0120【よそのおもひ】-女三ハヨソカラハヨキト思サント也
お1ほすにさしな2らひめ可れすみ多て万つ1り給へるとし
ころよりも1多いの1うへの御ありさ満そな越あり可多く
われな可らも1お1ほし多て个りとお1ほす飛とよの本と
あし多の万も1こ飛しくお1ほつ可な2くいとゝしき御心さ
しの万さる越な2と可くお1ほゆらんとゆゝしき万てな2
む院のみ可とは月のうちに御てらにうつ1ろひ給ひぬ
このゐんにあハれなる御せうそこともきこえ給ひめ宮
0121【このゐんに】-源ヘ
の御事ハさらな2り可ゝり(可ゝり$3わつら者しくい可尓きくところやな2と者ゝかり)給こと那くてとも可くも1多ゝ御心」(46オ・1066⑬)
尓かけても1てな2し給へくそ多ひ/\きこえ給个るさ
れとあ者れ尓うしろめ多くお1さな1くお1ハするを
お1もひきこえ給个りむらさきのうへ尓も御せうそこ
ことにありお1さ那き人の心ち那きさ満尓てうつ1ろひ
0122【おさなき人】-文詞
ものすらんをつ1ミな2くお1ほしゆるしてうしろみ給へ
多つね給へきゆへもやあらむとそ
0123【たつね給へきゆへも】-紫ト女三トユカリト也
そむき尓しこのよにのこる心こそいる山み
ちの本多しな2り个れやみ越(+0え)者るけてきこゆるも1
お1こ可万しくやとありおとゝも1み給てあハれなる御せ
うそこ越可しこまりきこえ給へとて御つ1可ひ尓も女房」(46ウ・1067⑥)
して可者らけさしいてさせ給てしひさせ給御可へりハ
い可ゝな2ときこえ(+0尓)くゝお1ほし堂れとこと/\しくお1もし
ろ可るへきお1りのこと那らねハ多ゝ心越のへて
そむくよのうしろめ多くも1(も1$1者)さり可多き本多し越
しひて可遣者那れそな2とやうにそあめりし
女者う(者う$1のさ)うそくに本そな可そへてかつけ給御てな2との1
いとめて多きを院御覧してな1尓こともいと者つ1可し遣
な免るあ多りにい者けな2くてみえ給らむこといと心くる
しうお1ほし多りい万者とて女御かうい多ちな2と越
0124【いまはとて】-朱ノ寺入キコト草子地也
の可しゝわ可れ給も1あハれな2ること那むお1ほ可り遣る」(47オ・1067⑬)
な2いしの可むのきみハこきさいの宮能お1者し万しゝ二
条の宮尓そ寿ミ給ひめ宮の1御こと越ゝきてハこの御事
越なむ可へりみ可ちにみ可ともお1ほし多り遣るあ万尓
なりな2むとお1ほし堂れとかゝるき本ひ尓はし多ふ
やうに心あ者多ゝしくといさめ多満ひてやう/\本とけの
御事な2といそ可せ給六条のお1とゝハあハれ尓あ可すのミ
お1ほしてやみ尓し御あ多りな2れハとしころも1わ春れ可
多くい可な2らむお1り尓多いめあらむい万ひと多ひあひミ
てそのよのこともきこえ満本しくのミお1ほしわ多るを可多
み尓よのきゝみゝも1者ゝ可り給へきみの本とにいとお1し」(47ウ・1068⑥)
遣な2りしよの1さ者きなともお1ほしいてるられハ
よろつ1尓つ1ゝ春すくし給个る越可うのとや可尓な2り
給てよの中越思ひしつ1万里給覧ころ本ひの御
ありさ万いよ/\ゆ可しく心もと那个れハある万しき事
とはお1ほしな可らお1ほ可多の御(御$1)とふらひ尓ことつ1遣て
あハれなるさ万につね尓きこえ給わ可/\し可るへき御
阿者ひな2らねハ御可へりも1とき/\尓つけてきこえ可者し
給む可しよりも1こよ那くうちくしとゝのひ(+0者)て尓多る御
遣者ひ越見給尓も猶しのひ可多くてむ可しの中納言のき
み能もとにも心ふ可きことゝも1越つね尓の給可の人のせう」(48オ・1068⑬)
と那るいつ1見能さきの可みをめしよせてわ可/\しく
い尓しへ尓可へりて可多らひ給人つ1てな2らても1のこし尓
きこ江志ら寿へきこと那むあるさりぬへくきこ江な2
ひ可していみしく志のひて万いらむいまはさやうの
ありきもところせき身の本とにお1ほろ遣な2らすし能
ふれハそこ尓1も1万多人尓者もらし給ハしとお1もふ尓
0125【そこにも】-朧ノコト
可多み尓うしろや寿くな2むとの多まふ可むのきみ
いてやよの中越思ひしる尓つ1遣ても1む可しよりつら
き御こゝろをこゝらお1もひ(+1志)つ1めつ1るとしころ(+0の)者てに
あハれ尓可な2しき御事越さしをきてい可なるむ可し」(48ウ・1069⑤)
0126【かなしき御事】-朱ニ別給コト
可多り越可きこえむけ尓人ハも里き可ぬやうありとも
心の1と者むこそいと者つ1可しかるへ个れとうちなけ
0127【心のとはむこそ】-\<合点>なき名そと人尓ハいひてありな2まし/心のとハゝい可ゝこ多へん(付箋03)
き給つ1ゝ猶さらにある満しきよし越のミきこゆい尓
0128【いにしへ】-源詞
しへわ里な2可りしよに多尓心可ハし給ハぬことにも1あ
0129【わりなかりし】-弘徽殿ノコト
らさ里し越个尓そむき給ぬる御多めうしろめ多き
0130【うしろめたき】-朱ニ対ノコト
やう尓はあれとあらさりしことにも1あらねハい万し
も1个さや可尓きよ万者りてたち尓しわ可那い万
0131【たちにしわかな】-\<合点>むらとりの多ち尓1しわ可名いま/佐ら尓/ことな2しふとも志るしあらめや(付箋04)
さらにとり可へし給へき尓やとお1ほしお1こしてこの志の1
0132【しのたのもり越】-\<合点>
多の1もり越みちの1しるへ尓て万うて給女君尓はひ
0133【女君】-紫
む可しの院尓ものするひ多ちのきみのひころわつ1ら」(49オ・1069⑫)
ひて飛さしくな2り尓个るをも能さハ可しき万き
れ尓とふらハねハいとお1しくてなむ飛るなとけさ
や可にわ多らむも飛んな2き越よの万にし能ひて
とな2むおもひ者へる飛とにも可くともしら勢しと
きこえ給ていとい多く心个さうし給をれい者さしも
見え給者ぬあ多り越あやしとみ給ておもひあハせ
0134【あやしとみ給て】-紫
給こともあハ(ハ$1)れとひめ宮能御事能ゝちハな尓こともい
と春きぬる可多のやう尓はあらすすこしへ多つ1る心そ
ひてみしらぬやう尓てお1者すそのひハしむ殿へもわ
多り給者て御ふミかき可ハし給多きものな2とに心越い」(49ウ・1070③)
れてくらし給よひすくしてむつ1ましき人のかきり
四五人者可りあしろくる満のむ可しお1ほえてやつ1れ
多る尓ていて給いつ1みの可ミして御せうそこきこえ給
かくわ多りお1ハし万したるよしさゝめきゝこゆれハお1
とろき給てあやしくい可やうにきこえ多る尓可とむつ1
可り給へと越可しやか尓て可へし多て万つらむにいとひ
むな2う者へらむとてあな可ちにお1もひめくらして
いれ多て万つ1る御とふらひな2とに(に$1)きこえ給てたゝこゝ
もと尓ものこし尓てもさらにむ可しのある満しき
心な2とはのこらすな2りに个るをとわ里な2くきこえ給」(50オ・1070⑪)
へはい多くな2个く/\ゐさりいて給へりされハよ猶个ち
0135【されはよ】-源心
0136【猶】-ナヲ
可さハと可つ1お1ほさる可多ミにお1ほろ遣な2らぬ御
見しろきな2れハあハれも1すく那可らすひん可しの
多いな2り个り多つ1ミ能可多の飛さし尓春ゑ多て万
つ1りてみさうし能しり(+1ハ可り)ハ可多め多れハいとわ可や可な2
0137【いとわかやかなる心ち】-源心
る心ちもする可那とし月の1つもり越も万きれな2く
可そへらるゝ心那らひ尓(+0かく)お1ほし(し$1)め可しきはいみし
うつ1らくこそとうら見きこえ給夜い多くふ遣ゆ
く多満もにあそふ越しのこゑ/\な2とあ者れ尓きこ
江てしめ/\と人めすくなき宮の1うちの1ありさ」(50ウ・1071③)
万も1さも1うつ1里ゆくよ可那とお1ほしつ1ゝくるにへい
中かまねな2らねと万ことにな2ミ多もろ尓な2むむ可し
に可者りてお1と那/\しく者きこえ給も1能可らこれ
0138【これをかくてやと】-障子ヲアケントスル也
を可くてやとひきうこ可し給
とし月をな2可尓へ多てゝあふさ可能さもせ
0139【とし月を】-源
き可多き(き$1く)お1つ1るなミ多可女
なミ多のミせきとめ可多きしみつ1尓てゆき
あふみちハゝやく堂えにきな2と可遣者那連きこえ給
へとい尓しへをゝほしいつ1るも1多れ尓よりお1ほう
はさるいみしきことも1ありしよのさ者きそハ(ハ$1)と」(51オ・1071⑨)
お1もひいて給尓个尓いまひと多(+0ひ)の多いめむハありも1
すへ可り个りとお1ほしよ者るもゝとよりつ1しや可な累
ところハお1ハせさりし人のとしころハさ満/\尓よの中
をゝもひし里きし可多越く1やしくお1ほや遣わ多く
しの1ことにふれつゝかすもな2くお1ほしあつ1めていと
い多くすくし給尓多れとむ可しお1ほえ多る御多いめ
む尓そのよ能ことも1とを可らぬ心ちして江心つ1よ可らぬ(可らぬ$1くも)
もてな2し給者す猶らう/\しくわ可うな2つ可しく
てひと可多な2らぬよのつゝ万しさ越もあハれをも1お1
もひミ多れてなけき可ち尓てものし給个しき」(51ウ・1072①)
な2とい万者しめ多らむよりも1めつ1らしくあハれ
尓てあ遣ゆくもいとくち越しくていて給者むそら
も1な2しあさ本ら遣の1多ゝな2らぬそらにもゝちとり能こゑ
もいとうらゝかな2里者那者みな2ちりすきてなこり可
すめるみ(み$1こ)寿ゑのあさみとりなるこ多ちむ可しふち
の江んし給しこのころ能ことなり个り可しとお1ほし
いつるとし月のつ1もり尓个るほともそのお1りのこと可き
つ1ゝ个あ者れ尓お1ほさる中納言のきみゝ多て万つりを
くるとてつ1万(+0と)をしあ遣多る尓多ちかへり給てこの
ふちよい可尓そめ个むいろ尓可猶えな2らぬ心そ布尓」(52オ・1073⑧)
本ひ尓こそい可て可この可遣越者多ち者那るへきとわ里
那くいて可て尓お1ほしや春らひ多里山き者よりさし
いつ1るひの者那や可なる尓さしあひめも可ゝやく心
ち春る御さ満のこよな2くねひく者ゝり給へる御遣ハ
ひな2と越めつ1らしく本とへてもみ多て万つる者万し
てよのつねな2らすお1ほゆれハさる可多尓てもな2と可
見多て万つりすくし給者さらむ御みやつ1可へ尓も可
き里ありてき者ことに者那連給こともな2可りし越
こ宮の1よろつ1尓心をつ1くし給ひよ可らぬよ能さ者き」(52ウ・1072⑭)
0140【こ宮】-弘徽殿
に可ろ/\しき御な2さへひゝきてやみ尓しよな2とお1も
ひいてらるなこりお1ほくのこりぬらん御も1の1可多り
のとちめ(+1尓1)ハけ尓のこりあら勢ま本しきわさなり(り$1め)
るを御身心尓え万可せ給万しくこゝらの人めも1
いと越そろしくつゝ万し个れハやう/\さしあ可りゆく
尓心あ者多ゝしくてらうのとに御くる万さしよせ
堂る人/\も1し能ひてこわつ1くりきこゆ人めして
可能さき可ゝり多る者那ひと江多お1らせ給へり
しつ1みしも1わ寿れぬものをこり春満尓身も
0141【しつみしも】-源
な2个つ1へきやとの1ふちな2見」(53オ・1073⑥)
いとい多くお1ほしわつ1らひてよりゐ給へる越心くる
しうみ多て万つる女君もい万さらにいとつゝましく
さ万/\尓お1もひみ多れ給つ(つ$1へ)る尓者那の可遣ハな2をな2
つ1可しくて
みをな2个むふちも万ことのふちな2らて可遣
0142【みをなけむ】-朧
しやさらにこりす万のなミいとわ可や可なる御ふる
万ひを心な可らも1ゆるさぬ事尓お1ほしな可らせき
もりの1可多可らぬ多ゆミ尓やいとよく可多らひをきて
いて給その可ミも人よりこよ那く心とゝめてお1もふ給
へりし御心さしな2可ら者つ1可尓てやみ尓し御な2可らひ」(53ウ・1073⑫)
尓ハい可て可ハあ者れもすく那可らむいみしく新のひ
いり給へるおほんねく多れのさ満を万ちうけて女君
さ者可りな2らむと心え給つれとお1ほめ可しくもてな2し
てお1者春な可/\うち布すへな2と志給へらむよりも心
くるしくな2と可くしも1見者那ち給つらむとお1ほさ
0143【見はなち】-紫ノミハナチ給テハト也
るれハありしより遣にふ可きちきりをのミな2可きよを
可遣てきこえ給可むのきみの御事も又もらすへきな2
らねといにしへのこともし里給へれハ万本尓はあらねと
ものこし尓者つ1可な里つ1る多いめな2んのこりある心
ちするい可て飛とめと可めある万しくもて可くしてハ」(54オ・1074⑤)
い万ひと多ひもと可多らひきこえ給うちわらひていま
0144【うちわらひて】-紫
め可しくも1な2里可へる御ありさ万可那む可し越い
0145【むかし越いまに】-\<合点>い尓しへの志つのを多満支くり/返し/む可しを今尓なすよしも可な1(付箋05)
万尓あら多め(+1く)は(は$1ら)へ給本とな可そらなる身のためくるし
くとてさす可にな2ミ多く見堂万へる万みのいと
らう多け尓みゆる尓可う心やす可らぬ御个しきこそ
0146【かう心やすからぬ】-源
くるし个れ多ゝお1ひら可尓ひきつ1ミな2として越し
へ多まへゝ多てあるへくも1な2らハしきこえぬをおも
者寿尓こそな2り尓个る御心な2れとてよろつ1尓御心と
り給ほと尓な尓こともえのこし給ハすなりぬめ里
宮の御可多尓もとみ尓えわ多り給ハすこしらへきこ」(54ウ・1074⑪)
江つ1ゝお1者し万すひめ宮者な2尓ともお1ほし多ら
ぬを御うしろミともそやす可らすきこえけるわつ1ら
0147【わつらはしう】-心 女三ノコト
者しうな2とみえ給个しきな2らはそな多も1万し
て心くるし可るへきをお1(+0い)ら可尓うつ1くしきも1てあそ
ひくさ尓お1もひきこえ給へりきりつ本の御可多ハうち
0148【きりつほの御方】-明石中宮
者へえ満可て給ハす御いと満のあり可多遣れハ心や寿く
な2らひ給へるわ可き御心尓いとくるしくのミお1ほし多
りな2つ1ころな2や満しくし給をとみ尓もゆるしき
0149【なやましくし給】-明石中宮御懐妊
こえ給者ねハいとわ里な1しとお1ほ寿めつ1らしきさ
万の御心ち尓そあり个る万多いとあえ可なるお1ほむ本と」(55オ・1075④)
にいとゆゝしくそ堂れも/\もお1ほすらむ可し可ら
うして万可て給へりひめ宮のお者し万すおとゝのひむ
0150【ひめ宮】-女三
可しお1もて尓御可多ハ志つ1らひ多りあ可しの御方いま者
御身尓そひていていり給も1あら満本しき御寿くせ
なり可し多いのうへ尓(尓$1)こ那多にわ多りて多い免し給
ついてに日め宮尓も中の1とあ遣てきこえむ可ねて
よりも1さやうにお1もひし可とつ1いてな2き尓ハつ1ゝ万し
きを可ゝるお1りにきこえ者(者$1)那連な2ハ心や寿くなむあ累
へきとおとゝにきこえ多万へハうちゑみてお1もふやうなる
0151【うちゑみて】-源
へき御可多らひ尓こそ盤あな2れいとおさ那遣尓もの1」(55ウ・1075⑩)
し給める越うしろやすく越しへな2し給へ可しとゆ
るしきこえ給宮よりも1あ可しのきみ(+0の)者つ1可し遣
0152【宮より】-紫心
尓て万しらむをお本せは御くしす万しひきつ1く
ろひてお1ハする多くひあらしと見え給へりお1とゝハ
宮能御可多にわ多り給てゆふ可多可の1多い尓者へる人のし
0153【宮の御かた】-女三
けいさに多いめんせんとていて多つ1そ能つ1いて尓ち可つ1き
きこえさ勢万本し遣にもの寿める越ゆるして可多らひ
給へ心な2とはいとよき人な2り万多わ可/\しくて御あそひ
可多き尓も1つきな可らすな2むな2ときこえ給ハつ可し
0154【はつかしうこそ】-女三
うこそハあらめな尓こと越可きこえむとおひら可尓能」(56オ・1076③)
給人のいらへハことにし多可ひてこそハお1ほしいてめへ多
0155【人のいらへ】-源
てをきて那もてな2し給そとこ万可に越しへきこえ
給御な可うるハしくて春くし給へとお1ほすあ万りに
な2尓心もなき御ありさ満をみあらハされむも1者つ1
かしくあちきな2个れとさの多万者ん越こゝろへ多て
むもあいな1しとお1ほ寿なり遣り多い尓ハかくいて
たちな2とし給も1能可らわれより可みの人やは阿
るへき身の本となるも1のハ可那きさ万越みえ越き
多て万つ1り堂る(+1ハ可り)こそあらめな2とお1もひつ1ゝ遣られ
てうちな可免給てな2らひな2とする尓も越のつ1可ら」(56ウ・1076⑨)
ふることもゝの1おも者しきすち(+0ニ)のミかゝるゝ越さらハ
わ可身尓ハお1もふことあり个りと身な2可らそお1ほし
しらるゝ院わ多り給て宮女御のきみな2とのお1ほさ(さ$3)
むさむ(さむ$3)さ万とも1越うつ1くしうも1お1ハする可那とさ
万/\み多て万つ1り給へる御めうつ1し尓ハとしころ
めなれ給へる人のお1ほろ遣ならん可いと可くお1とろい(い#1)
かるへき尓もあらぬをな越多くひな2くこそはとみ給
0156【たくひなく】-紫ヲ源ノ心
あり可多き事な2り可しあるへきかきり遣多可う者つ1可
し遣にとゝのひ多る尓そひてハ那や可尓い万め可しく
尓本ひな2万めきたるさ満/\の可ハ(ハ$1を)りも1とりあつ1めゝて」(57オ・1077②)
多きさ可りにみえ多満ふこそよりことしは万さり
き能ふよりハ个ふハめつ1らしくつね尓めなれぬさ
まのし多万へるをい可てかくしも1あり遣むとお1本
すうちとけた里つ1る御てな2らひをすゝりのし多ニ
0157【うちとけたりつる】-恨給コト
さしいれ多万へれとみつ1遣給てひき可く(く=0へ)しみ給
てな2とのいとわさとも上すとみえてらう/\しく
うつ1くし遣に可き給へり
みにち可くあきやきぬらんみる万ゝ尓あ越
0158【みにちかく】-紫
ハの山も1うつ1ろひ尓个りとあるところ尓めとゝめ
給て」(57ウ・1077⑧)
みつ1とりのあをハゝいろも可ハらぬを者きの1し
0159【みつとりの】-源
0160【はき】-萩
多こそ个しきことな2れな2と可きそへつ1ゝすさ
0161【けしき】-紫ノコト
ひ給ことにふれてこゝろくるしき御遣しきのし
多尓はをの1つ1可らも1りつ1ゝみゆるをことな2く个ち
堂満つるも1あり可多くあハれ尓お1ほさるこよひハ
いつ1可多にも1御いと満ありぬへ个れ者かのし能ひとこ
0162【かのしのひこと】-朧
ろ尓いとわ里な1くていて給ひ尓个りいとあるましき
ことゝいみしくお1ほし可へ春尓も可な2ハさり个り
東宮の御可多ハ志ちの者ゝきみよりも1こ能御可多越ハ
0163【東宮の御かた】-明石中宮
0164【この御かた】-紫
むつ1ましきも1の尓多のミきこえ給へりいとうつ1(+0く)し」(58オ・1078①)
遣にお1とな2ひ万さり多万へるをゝもひへ多て寿か
な2しとみ多て万つ1里給御も1能可多りな2といとな2つ1
可しくきこえ可ハし多万ひてな可のとあ遣てみ
や尓も多いめんし給へりいとお1さな2个尓のミみえ給へハ
心やすくてお1と那/\しく越やめきたるさ万にむ可し
の御すちをも1多つねきこえ給中納言のめのとゝいふめ
0165【御すち】-イトコノ心
0166【中納言のめのとゝいふ】-紫詞
しいてゝ越な2し可さしを多つねきこゆれハ可多し
0167【越なしかさし】-\<合点>
遣な2个れとわ可ぬさ万にきこえさ寿れ者(者$1と)つ1いてな2く
て者へりつ1るをいまよりハうと可らすあ那多な2とに
もゝのし給てをこ多らむことはお1とろ可しなとも」(58ウ・1078⑦)
ものし堂ま者むなむうれし可るへきな2との1多
まへは堂のもしき御可遣とも尓さ満/\尓をくれきこ
0168【たのもしき】-メノト詞
0169【御かけ】-母宮コト
江多万ひて心本そけ尓お1者し万すめるをかゝる御
ゆるしの者へめれハま春ことな2くな2むお1もふ多万へられ
遣るそむき給尓しうへの御心む个も1多ゝ可くな2む御心へ多
てきこえ給ハすま多い者个な2き御ありさ万をも1者く
くみ多て万つらせ給へくそ者へめりしうち/\尓もさ
0170【うち/\にも】-メノト詞
な2む多のみきこえさせ給しな2ときこゆいと可多し
0171【いとかたしけなかりし】-紫詞
けな2可りし御せうそこのゝちハい可てとのミお1もひ
侍れとな2尓ことにつ1遣ても可すな2らぬ事(事$3身)な2むくち」(59オ・1078⑬)
越し可り个るとやすら可にお1とな2ひたる个者ひ尓て
宮尓も御心尓つき給へくゑな2とのことひゐな2の寿て
可多きさ満わ可や可尓きこえ給へハ遣にいとわ可く心
よけなる人可那とお1さな2き御心ちにハうちと遣
給へりさての1ちハつね尓御ふミ可よひな2としてお1
かしきあそひわさな2とにつけても1うと可らすき
こ江可ハし給よのな可の人もあいな2う可ハ可りに
なりぬるあ多りのことはいひあつ1可ふも1のなれハ
者しめつ1可多ハ多いのうへい可尓お1ほ寿らむ御を本
江(江=0え)いとこのとしころのやう尓はお者せしすこしハ」(59ウ・1079⑤)
お1とりな1んな2といひ遣るをいますこし布可き
御心さし可くてしも1万さるさ満なる越それ尓
つ1遣ても1万多やす可らすゆ(ゆ$1い)ふ人/\ある尓かく尓
く遣な1くさへきこえ可ハし給へハことな2お1りてめ
や寿くな2んあり遣累可ミな2つ1きに多いのうへ院
0172【なんありける】-]<朱段落符号>
の御賀尓さ可能ゝみ多う尓てやくし本と遣くや
うし堂て万つ1り給い可めしきことはせちにいさめ
申給へハし能ひや可尓とお1ほしをきて多り本と遣
経者こちすのとゝのへ万ことのこくらくお1もひやら累さい
そうわう経こむ可う者む尓やすみやう経な2といと」(60オ・1079⑪)
ゆ多けき御いの1りな2り可む多ちめいとお1本く万いり
給へりみ多うのさま越も1しろくい者ん可多な2く
もみちの可遣わけゆくのへの本とより者しめて
みも1のなる尓可多へハき本ひあつ万り給なるへし
しも1可れわ多れる能ハらの万ゝ尓う万くるまのゆき
ち可ふをとし遣くひゝき多り御寿経われも/\と御
可多/\い可めしくせさ勢多満ふ廿三日を御としみの
ひ尓てこの院者可くすき万な2くつ1とひ多満へるう
ち尓わ可御わ多くしのとのとお1ほ寿二条の院尓て
その御万う遣勢させ給御さうそく越者しめお1ほ」(60ウ・1080④)
か多のことゝも1ゝみな2こな2多尓のミし給御可多/\も1さる
へ(つ&1へ)きことゝも1わ遣つ1ゝのそみつ1可うまつり給多いとも1者
0173【たいとも】-二条院ノコト
人のつ本年/\尓したる越者らひて殿上人諸大夫
院し志も1人万ての万うけい可めしくせさせ多万
0174【院し】-六条院ノ院司也
へり心殿能者那ちいて越連いの1しつ1らひ尓てらてん
のいし多てた里お1とゝの尓しの万に御そのつ1くゑ十
二多てゝな2れ(れ$1つ1)ふゆ能御よそひ御ふ春満な1とれいのこと
くむらさきのあやのお1ほひとも1うるわしくみえわ多
りてうちのこゝろ盤あらハな2らす御万へ尓をきも1のゝつ1く
0175【をきものゝ】-御服ヲヽク也
ゑ布多△(△#1つから)のち(ち=1らイ)の春そこのお1ほひし多り可さし能多い」(61オ・1080⑩)
はちむのくゑそくこ可ねのとりしろ可ねの江多尓
ゐ多る心者へな2と志遣いさの御あつ1可り尓てあ可し
能御可多の勢させ給へるゆへ布可く心ことなりうしろ
0176【御かた】-中宮
の御屏風四帖ハ(ハ&1ハ)しき布卿宮なむ勢させ給遣る
いみしくつ1くしてれいの四季のゑなれとめつ1らしき
せんすい多んな2との(の$3め)なれすお1もしろしき多の1かへ尓
0177【たんなと】-庭ノタン也
そへてをきも1の1ゝみつ1しふ多よろひ多てゝ御てう
とゝも1れいのことな2りミ那ミのひさし尓かむたちめ
左右の大臣志き布卿宮を者しめ多て万つ1里」(61ウ・1081②)
てつき/\はまして万いり給者ぬ人な2しふ多いの1左
右尓1かく人能ひら者りうちてにし飛ん可し尓とんし
き八十くろくの可らひつ1四十つ1ゝつゝ遣て多て多里
0178【十】-ジフ
0179【ろく】-禄
飛つ1しのとき者可り尓可く人まいる万んさいらく
わ(わ&1わ)う志やうな2とまいてひくれかゝる本とにこ満の1らん
0180【わうしやう】-皇麞
0181【らんしやう】-乱声
しやうしてらくそん万いゝて多る本と猶つねのめな2
0182【らくそん】-落蹲
れぬ万ひの1さ満なれ者万ひ者つる本と尓権中納言
0183【権中納言】-夕
ゑもんの可みお1りてい里あやを本の可に万ひても見
0184【ゑもんのかみ】-柏
ちの可遣尓い里ぬるな2こりあ可す遣うありと人/\」(62オ・1081⑦)
お1ほし堂りい尓しへの1春さく院の行幸尓せい可い
者のいみし可りしゆふへお1もひいて給人/\ハ権中
納言衛もんの可み又お1とらす多ちつ1ゝき給尓遣累
よのお1ほえありさ満可多ち(+0ようい)な2ともおさ/\お1とらす
つ可さくら井ハやゝすゝみてさへこそな2とよ者ひの
本とをも1可そへて猶さるへき尓てむ可しよりかく
堂ちつ1ゝき多累御中らひな2り个りとめて多く思
あるしの院も1あ者れ尓な2み多く満しくお1ほしいて
らるゝことゝも1おほ可りよにい里て可く人とも万かりいつ1」(62ウ・1081⑬)
き堂の万むところのへ多うとも1ひと/\ひきゐて
0185【きたのまむところ】-紫上ノコト
ろく能可らひつ1尓よりて飛とつ1ゝつとりてつき/\給
しろきも1能ともをしな2/\可つ1きて山き者より
い遣の1つ1ゝ春すくる本と能よそめハちとせ越可ねて
0186【ちとせ越かねて】-\<合点>
あそふ(+1つるのけ衣尓思万可へらる御あそひ)者し万里て又いとお1もしろし御ことゝも1
は春宮よりそとゝ能へさせ給个る朱雀院よりわ多
り万いれるひわきむうちより給者り給へるさうの御こと
な2とミ那む可しお1ほえ多るものゝねとも尓1てめつ1らし
く可きあハせ給へる尓な2尓能お1里にも1すきにしか多」(63オ・1082⑤)
の御ありさ満うちわ多里な2とお1ほしいてらる故入道の1
宮お1者せ万し可はかゝる御可な2とわれこそすゝみつ可
0187【われこそすゝみつかうまつらましか】-薄雲ハ源氏ヨリ御アネ也
う万つら万志可は(は$3)な尓ことにつ1个てかは心さしも1みえ
多て万つ1り遣むとあ可すくちおしくのミお1もひい
てきこえ給うちにも1故宮のお1者し万さぬこと越な2
尓ことにも1者え那くさう/\しくお1ほさるゝ尓この院
の御こと越多にれいのあと越阿るさ満の可しこ万りをつ1
くしてもえみせ多て万つ1らぬをよとゝも尓あかぬ心
ちし給も1ことしハこの御賀にことつ1遣てみゆきな2とも」(63ウ・1082⑪)
あるへくお1ほしをきて个れとよのな可のわつ1らひ
な2らむことさらにせさせ給万しくな2むといな2ひ
申給こと多ひ/\尓な2りぬれハくちお1しくお1ほし
と万りぬしハすの者つ1可あ万りの1本とに中宮万可て
させ給てことしの1ゝこりの御いの1りにな2らの京の七大
寺尓み寿行(行$1経)ぬの四千収このち可きみやこの1四十寺尓
0188【四千収】-四千段
きぬ四百疋をわ可ちてせさせ給あり可多き御者くゝみ
越お1本しゝりな可らな2尓ことも1(も1$1尓)つ遣ても1(も1$1可)ふ可き御心さ
しをもあらハし御覧せさせ給者むとてちゝ宮」(64オ・1083③)
者ゝ宮寿所のお1者せまし御多め能心さしをも
0189【はゝ宮す所の】-秋好ノ心
とりそへお1ほ寿に可くあな2可ちにお1ほや遣尓
も1きこえ可へさせ給へハことゝも1お1ほくとゝめさせ給
つ四十の賀といふことはさき/\越きゝ者へる尓もの
こりのよ者ひゝさしきためしな2む寿く那可里遣
るをこ能多ひハ猶よのひゝきとゝめさせ給て万ことに
のちに多らむこと越可そへき可(き可$1さ)せ給へとあり个れとお1
ほや遣さ満尓て猶いとい可めしくな2むあり遣る宮の
お1ハし万す万ちの1心殿尓御しつ1らひな2としてさき/\」(64ウ・1083⑧)
尓1こと可ハらす可む多ちめの1ろくな2とたいきやうにな2
すらへてみこ多ちにハことに女の1さうろ(ろ=0ソ)くひ参き能
四位万うちきむ多ちな2との(の$3)堂ゝの殿上人尓はしろ
き本そな可ひと可さねこしさしな2と万てつ1き/\尓多(多#1)
0190【こしさし】-絹
多満ふさうそく可きりな2くきよら越つ1くしてな2多
かきお1ひ御者可しな2と故前坊の御可多さ満尓てつ1多
0191【御はかし】-太刀コト
者り万いり多るも1又あハれ尓な2むふるきよの一能
も1のとな2ある可きりハみな2つとひ万いる御賀尓な2む
あめるむ可しも1能可多りにもゝのえさせ多るを可しこ」(65オ・1083⑭)
きことにハ可そへつ1ゝ个多めれといとうるさくてこ△△(△△#1ち多)
き御な2可らひのことゝも1(+0者)江そ可そへあへ者へらぬや△(△#1)
内にハお1ほしそめてしことゝも1越む个尓やハとて中納言
尓そつ1个させ給て遣るそのころの右大将や万ゐし
0192【つけさせ給て】-仰付ラルヽ也
てしゝ給个るをこの中納言尓御賀の本とよろこひく
者へむとお1ほしめして尓者可にな2させ給つ1院も1よ
ろこひきこえさせ給も1の可らいと可く尓者可にあ万る
よろこひをな2むいち者やき心ちし侍とひ遣し申
給うしとらの万ちに御しつ1らひ万うけ給て可くろへ」(65ウ・1084⑥)
たるやうにしな2し給つ(つ=0へ)れと遣ふハな2を可多ことに
きしき万さりてところ/\のきやうな2ともくらつ1
可さこくさう院よりつ可う万つ1らせ給へりとんし
きな2とお1ほや个さ万尓て頭中将せんしうけ給ハりて
みこ多ち五人左右お1とゝ大納言ふ多り中納言三人さい
将五人殿上人者れいの1内東宮院のこるすくな2し
お1まし御てうとゝも1な2とはお1ほきお1とゝくハしくうけ
給ハりてつ1可う万つ1らせ給へり个ふハお1ほせことあり
てつ1可う万つ1らせ(つ1可う万つ1らせ$3わ多り万いり)給へりゐんもいと可しこくお1とろ」(66オ・1084⑫)
き申給て御さ尓つき給ぬもやの御さにむ可へて越
とゝ能御さありいときよらにもの/\しくふとりてこのお1とゝ
そい万さ可りのしうとくとハ見え給へるあるしの院ハ
猶いとわ可き源しのきみ尓みえ給御屏風四帖尓う
ちの御てかゝせ給へる可らのあやのうす多ん尓志多ゑの
0193【うすたん】-ウスタミノコト
さ満な2と越ろ可な2らむやハお1もしろき春秋の1つくりゑ
な2とよりも1この御屏風の春見つ1きの可ゝやくさ万ハ
めも1をよ者春お1もひな2しさへ(く&1へ)めて多くな2むあり遣累
越きも能ゝミつ1しひき物ふき物な2とくら人所より給」(66ウ・1084④)
者り給へり大将の1御いきをひいとい可免しくな2り給尓
多れハうちそへて个ふのさ本ういとことな2り御む万四十
疋左右む万つ1可さ六ゑふ(ふ=0ウ)の官人可みよりつき/\尓
ひきとゝのふる本と飛くれ者てぬれいの万んさいら
くかわうおんな2といふ万ひ遣しき者可り万ひて
おとゝのわ多り給へる尓めつ1らしくもて者やし給
へる御あそひ尓ミ那人心をいれ給へりひわハれいの
兵部卿宮な2尓ことにも1よに可多きもの1ゝ上寿にお1
者していとにな2しお万へ尓きむの御ことお1とゝわこむ」(67オ・1085⑩)
ひき給としころそひ給尓个る御みゝのきゝな2し
尓やいというにあ者れ尓お1ほさるれハきむも1御て
0194【きむ】-院ノコト
おさ/\可くし給者すいみしきねともいつ1む可しの
御も1の可多りともな2といてきてい万者多かゝる御な可
らひ尓いつ1可多につ1遣ても1きこえ可よひ給へき
御むつ1ひな2と心よくきこえ給て御みきあ万多ゝひ
万いりても1能ゝお1もしろさも1とゝこ本りな2く御ゑひ
な2きとも江とゝめ給ハす御をくりも1の尓すくれ多累
わこむひとつ1このみ給こ万ふ江そへて志多んの1」(67ウ・1086①)
者こ飛とよろひ尓からの1本ともこゝ能さうの本
な2といれて御く1る万尓1をひて多て万つれ給御む万
とも1む可へとりて右(+0の)つ可さとん(ん=0も)こ万の可くしてのゝし
る六衛ふの官人のろくとも大将(+1多万ふ)御心とそき給て
い可めしきことゝも1はこの多ひとゝめ給へれと内東宮
一院きさいの宮つき/\の御ゆ可りいつ1くしきほといひ
0195【一院】-朱ノコト
志ら寿みえに多ることな2れ盤な2を可ゝ累お1り尓ハめ
て多くな2むお1ほえ个る大将の1多ゝひとゝころお1ハ
する越さう/\しく者えな2き心ちせし可とあ万多」(68オ・1086⑦)
の人尓寿くれお1ほえこと尓人可らも1可多ハらな2きや
うにも能し給尓も可能者ゝき多の可多のいせのみや
春所とのうらみ布可くいとみ可ハし給个む本との御寿
くせとものゆく春ゑ見え多るな2むさ満/\な2り个る
そのひの御さうそくとも1な2とこ那多のうへな2むし
0196【こなたのうへ】-花チル里
給个るろくともお1ほ可多の1ことをそ三条のき多の1か
0197【三条のきたのかた】-雲ゐ
たハいそき給めりしお1里ふし尓つ1遣多る御いとな2ミ
うち/\のものゝきよら越もこな2多にハ多ゝよそのこと尓
0198【こなたに】-花チル
のミきゝわ多り給越な2尓ことにつけて可はかゝるもの/\」(68ウ・1086⑬)
しき可寿にも1万しらひ給者万しとお1ほえたる
を大将のきみの御ゆ可りにいとよく可す万へられ給へ
りとし可へりぬき里つ1本の御可多ち可つき給ぬる尓
より正月つい多ちよりみす本うふ多んにせさせ給て
ら/\やしろ/\の御いのりハ堂(ハ堂$1者多)可すも1しらすお1とゝの
きみゆゝしきことを見給へてし可は可ゝる本とのこと
0199【見給へて】-葵ノコト
いとお1そろしきもの尓お1ほしゝみ多るを多いのうへ
0200【たいのうへ】-紫ヲツヰ子ヲウミ給ハス
な2とのさることし給ハぬハくち越しくさう/\しき
も1能可らうれしくお1ほさるゝ尓万多いとあえ可那る」(69オ・1087⑤)
0201【またいとあえかなる】-明石姫君十四ナリ
御本とにい可にお1者せむと可ねてお1ほしさ者くに
二月者可りよりあやしく御个しき可者りてな2やみ
給尓御心とも1さわくへし御みやうしともゝところを
可へてつ1ゝしみ給へく申个れハ本可のさし者那れ
多らむ者お1ほつ可な2しとて可能あ可しの御万ちの1
な2可能多い尓わ多し多てまつ1り給こ那多ハ堂ゝお1本
きなる多いふ多つ1らうとも1な2むめくりてあり遣る尓
み春本うの多んひ万な2くぬりていみしき个むさ
とも1つ1とひて能ゝしる者ゝきみこ能ときにわ可御」(69ウ・1087⑩)
すくせも1見ゆへきわさな2めれ盤いみしき心を
つ1くし給可の1お1ほあ万きみも1い万ハこよ那き本
遣人尓てそあり遣む可しこの御ありさ万を見多
て万つ1るハゆめの心ちしていつ1し可と万いりち可つき
な2れ多て万つるとしころハゝ君ハ可うそひさふらひ
給へとむ可しのことなと万本尓しも1きこえしらせ給
者さり遣るをこのあ万君よろこひ尓え多へて万いり
てハいとなミ多可ちにふるめ可しきことゝも1越わな2ゝき
いてつ1ゝか多りきこゆハしめつ1可多ハあやしくむ」(70オ・1088②)
つかしき人可那とうち万も1り給し可とかゝる人あり
と者可りハ本のきゝをき給へれハな2つ1可しくもてな2
0202【ほのきゝをき給へれは】-尼ニ初対面
し給へりむ万れ給し本との事お1とゝのき(+0ミ)の可能う
らにお1ハし万したりしありさ万い万ハとて京(+0へ)の
本り給し尓堂れも1/\心を万とハしてい万ハ可き
り可は可りのちきりにこそハあり个れとな2个きし
越わ可きみの可くひき多す个給へる御春くせの1
0203【わかきみ】-姫君ゆへと也
いみしく可な2しきことゝ本ろ/\とな2き(き$1个)はけ尓あ
者れな2り遣るむ可し能ことを可くき可せさら満し」(70ウ・1088⑧)
可はお1ほつ可那くてもすきぬへ可り遣りとお1ほし
てうちな2け(け$1)き給心のうちに盤わ可身ハけ尓う遣ハ
りていみしかるへきゝ者尓ハあらさり遣るを多いの
うへの御もてな2し尓み可ゝれて人のお1もへるさ万
な2とも1可多本にハあらぬなり遣りみ(み$1ひと/\)をハ万多な2き
物尓お1もひて(て$3)个ちこよ那き心おこり越者しつ1
れよ飛とはし多にいひいつ1るやうも1ありつ1らむ
可しな2とお1ほしゝ里者てぬハゝ君を者もとより可
く1すこしお1ほえく多れるすちとし里な2可らむ万」(71オ・1088⑬)
れ給个む本とな2とをはさるよ者那連多るさ可ひ
尓てな2ともし里給者さり个りいとあ万りお1ほと
きた万へる个尓こそハあやしくお1本/\し可り遣る
ことなりや可能入道のいまは仙人のよにも1す万ぬや
0204【かの入道のいまは】-姫君心
う尓てゐ多なるをきゝ給も1心くるしくな2と可多/\
尓お1もひミ多れ給ぬいとも能あ者れ尓な可免てお1
者春る尓御可多万いり給て日中の御可ちにこな2多可な2
0205【日中】-ニツチウ
多より万いりつとひも能さ者可しくのゝしるにお1万へ尓
こと人も1さ布らハすあ万きみところえていとち可くさふ」(71ウ・1089⑤)
らひ給あな2見くるしやみし可き御木丁ひきよせて
0206【あな見くるしや】-明石上詞
こそさふらひ給者め風な2とさ者可しくて越のつ1可ら本
ころひのひ万も1あらむにくすしな1とやう能さ満し
0207【くすし】-医
ていとさ可り春き給へりやなとな2満可多わらい多く
思ひ給へりよしめきそしてふる万ふは(は$2と)お1ほゆめ
0208【そして】-存(存$2殺)
れともも1う/\尓みゝも1お1本/\し可り个れ盤あゝと可
多ふきてゐ多りさるはいとさいふ者可りにもあら
す可し六十五六の1本と那里あ万す可多いと可ハら可
に(+1あてな2るさ万してめ徒やゝか尓)な2き者れ多るけしきの1あやしくむ可しお1も」(72オ・1089⑪)
0209【むかしおもひいてたる】-明石上詞
ひいて多るさ満な2れ盤むねうちつ1ふれてこ多いの1
飛可ことゝもや侍りつ1らむよくこのよの本可なるやう
なるひ可お1ほえともにと里万せつ1ゝあやしきむ可し
の事とも1ゝいて万うてきつ1らむ者やゆめの心ちこそ
し者へれとうち本おゑみてみ多て万つり給へハいと
な2万め可しくきよら尓てれいよりも1い多く志つ1万
里ものお1ほし多るさ満尓見え給わ可こともお1ほえ給
者春可多しけな2き尓いと越しきことゝもをきこえ給
てお1ほしみ多るゝ尓やい万ハ可者可りと御くら井を」(72ウ・1090③)
0210【おほしみたるゝにや】-尼ノイカナルコトヲ姫君ニ申給ト也
0211【御くらゐをきはめ給はむよに】-国母ニ成給ヲ後ニ尼君ニ対面ト明石上ノ心ニ思シコト也
き者め給者むよにきこえも1志ら勢むとこそ
おもへくち越しくお1ほしすつ1へきにハあらねといと/\
お1しく心おとりし給らむとお1ほゆ御可ち者てゝ万
可てぬるに御く多も1のな2とち可く万可なひな2しこ
れ者可り越多にといと心くるしけ尓思ひ(+0て)きこえ給あ
万きみハいとめて多ううつ1くしう見多て万つ1る万ゝ
尓も1なミ多盤えとゝめす可本ハゑみてくちつ1きな2
とは見くるしく飛ろこり多れと万ミのわ多りうち
しくれて飛そみゐ多りし(し#1)あな2可多わらい多とめく」(73オ・1090⑧)
者春れときゝも1いれ寿
おいの1な2ミ可ひあるうらに堂ちいてゝし
0212【おいのなみ】-尼
本多るゝあ万を多れ可と可めむむ可しのよにも1
可やうなる布る人盤つ1みゆるされてな2む侍个る
ときこゆ御春ゝりなる可み尓
し本多るゝあ万越な2ミちのしるへ尓て多つね
0213【しほたるゝ】-姫
も見ハや者満のと万やを御方も1江し能ひ給ハて
うちな2き給ひぬ
よをすてゝあ可し能うらに寿む人も1心のやミ」(73ウ・1090⑭)
0214【よをすてゝ】-明石上<朱>
盤ゝ累遣しも勢しな2ときこえ満きらハし給
わ可れ遣むあ可月の1ことも遊めの中尓お1ほしいて
0215【わかれけむあか月のこと】-姫ノ心昔ヲ知給ハヌト也
0216【中】-ナカ
られぬをくち越しくも1あ里个る可那とお1ほ寿
0217【おほす】-」<朱段落符号>
やよひの十よ日の本とに多いら可尓む万れ給ひぬ可
ねてハおとろ/\しくお1ほしさ者きし可とい多
くな2やみ多満ふことな2くておとこみこさへお
者寿れハ可きりな2くお1ほ寿さ満尓ておとゝも1
御心お1ちゐ給ひぬこ那多ハ可くれの1可多尓てたゝ遣
ち可き本と那るにい可めしき御うふやしな2ひな2」(74オ・1091⑤)
とのうちしき里ひゝきよそ越しきありさま遣
に可ひあるうらとあ万きみの多め尓はみえ多れと
きしきな2きやうなれハわ多り給な2むとす多いの1
0218【わたり給なむと】-源ノコト
うへも1わ多り給へりしろき御さうそくし給て人
のおやめきてわ可宮をつ1とい多きてゐ給へるさ万
いとお1可しみつ1可らかゝることし里給者す人のうへ尓
ても見な2らひ給者ねハいとめつ1ら可尓うつ1くしとお
もひきこえ給へりむつ可し遣にお1者する本と越多えす
い多きとり給へハ満ことの越ハ君者多ゝ万可勢多て万つ」(74ウ・1091⑪)
りて御ゆとの1ゝあつ1可ひな2と越つ可う万つ1里給春
宮の1せんしな2るな2いしのすけそつ1可う万つ1る御
0219【せんしなるないしのすけ】-内侍ヲカネタル宣旨也
む可へゆ(+0尓)お1り堂ち給へるも1いとあハれ尓うち/\の△(△#1)
ことも1本の1し里たるにすこし可多本な2らはいとを
し可ら満し越あさ満しく遣多可くけ尓可ゝるち
きりことにものし給个る人可那とみきこゆこの本と
のきしきな2ともまねひ多てむ尓いとさら那りや
六日といふ尓れいの1お1とゝにわ多り給ひぬ七日の夜内
0220【れいのおとゝに】-源ノ返給心
よりも1御うふやしな2ひ能ことあり朱雀院の1可く」(75オ・1092②)
世越すてお1者し万す御可者り尓やくら人ところよ
り頭弁宣旨うけ給ハりてめつ1ら可那るさ満尓つ1可
う万つれ里六の1きぬな2と万多中宮能御方よりも1
0221【中宮】-秋好
お1ほや遣こと尓は多ち万さりい可めしくせさ勢給
つき/\能みこ多ち大臣のいへ/\そ能ころ能いとなみ尓て
われも/\ときよらをつ1くしてつ可う万つり給お1とゝの1
きみも1この本と能ことともはれいのやう尓も1ことそ可せ
給ハてよにな2くひゝきこち多き本とにうち/\の1な2満め
可しくこ満可な2る宮ひの万ねひつ1多ふへきふし者め」(75ウ・1092⑧)
もと満ら寿なりに个りお1とゝの1きみも1わ可宮越本とな2
くい多き多て万つり給て大将の1あま多まうけ多
なる越い万ゝてみせぬ可うら免しきにかくらう多
き人越そ江多て万つりたるとうつ1くしみきこえ給ハ
0222【うつくしみ】-愛心
こと者りなりや日ゝにもの越ひき能ふるやうにをよ
春遣給御めのとな2と心しらぬはとみ尓めさてさ布ら
婦中尓しな2心寿くれ多るかきり越えりてつ1可う
まつらせ給御可多の御心をきてのらう/\しくけ多可く
0223【御かたの御心】-明石上心
お1ほと可那るものゝさるへき可多に盤ひ个して尓くら」(76オ・1092⑭)
可にもうけハらぬな2と越本めぬ人な2し多いの1うへハ
万本な2らねとみえ可ハし給てさハ可りゆるしな2くお1
ほし多里し可とい万ハ宮の1御とくにいとむつ1万し
く1やむこと那くお1ほしな2り尓た里ちこうつ1くしみ
し給御心尓てあ万可つ1な2と御てつ1可らつ1くりそゝく
りお1者春るも1いとわ可/\しあ个くれこの御かしつ1き尓
て春くし給こ(こ=0可)のこ多いのあ万きみハわ可宮越え心のと
可にミ多て万つらぬな2むあ可すお1ほえ个る中/\み多て
万つ1りそめてこひきこゆる尓そいのちも1え多ふ」(76ウ・1093⑥)
まし可免るかのあ可し尓1も1かゝる御事つ1多へきゝてさ(さ$1)
さる飛し里心ち尓も1いとうれしくお1ほえ个れ盤い
万な2むこのよの1さ可ひ越心やすくゆき者那るへき
とてしともにいひてこの1いゑをはてら尓な2しあ
多り能田な2とのやう能ものハみな1そ能てらのことにし越
きてこのく尓能お1くのこ本りに人も可よひ可多くふ
可き山あるをとしころもしめ越きな2可らあ志こ
にこも里な2むのち又人尓はみえしらるへき尓1も1阿
らすとお1もひて多ゝすこしのお1ほつ1可な2きこと」(77オ・1093⑫)
のこり个れ者いまゝてな2可らへ遣るをい万はさり
ともと本と个可ミ越多のみ申てな2むうつ1ろひ遣
るこ能ち可きとしころとな2りて者京尓1こと那ること
な2らて人も可よ者し多て万つ1らさりつ1これより
0224【これより】-尼君京ヨリノ使
く多し給人者可り尓つけてな2むひとく多り尓ても
あまきみさるへきお1りふしの1ことも可よひ遣累
お1もひ者那るゝよのとちめにふミ可きて御可多に多
て万つ連給へりこのとしころハお1な2しよの中能う
ち尓めくらひ者へりつれとな尓可は可くな2可ら身越」(77ウ・1094③)
0225【めくらひ】-廻
かへ多るやうにお1もふ多満へな2しつゝさせること那き
可きりハきこえうけ給者らす可な2ふミみ給ふるハ
め能いと満いりて念仏も1け多いするやうにやくな2う
0226【いとまいりて】-暇入
てな2む御せう所こも多て万つらぬをつ1て尓うけ
給者れ者わ可きみ者春宮に万いり給てお1とこ宮
む万れ給へるよし越な2んふ可くよろこひ申し
者へるそのゆへ者みつ1可らかくつた△(△#1)な2き山ふし
の身尓い万さらにこの1よ能さ可え越お1もふ尓も1
者へら寿ゝき尓し可多能としころ心きたな2く」(78オ・1094⑧)
六時の1つ1と免にも1多ゝ御事越心尓可遣て者ち
0227【たゝ御事越】-明石上ノコト
寿能うへの露のね可ひ越はさし越きてな2む
ねむし多て万つりしわ可お1もとむ万れ給者むとせ
0228【わかおもと】-明石上ノコト
しそのとしの二月能そのよのゆめ尓1みしやうみ
つ1可らすみの山をみきのて尓さゝけ多り山の1左右よ
り月日のひ可りさや可にさしいてゝ世をてらすみ
つ1可らは山のしもの1可遣にかくれてそのひ可りにあ多
らす山をはひろきうみ尓う可へをきてち井さき
ふねにの1りてにしの可多越さしてこきゆくとな2む」(78ウ・1094⑭)
見者へしゆ免さ免てあし多よりか寿な2らぬ身に多
のむところいてきな1可らな尓ことにつ1けて可さるい可め
しきことをハ満ちいてむと心の1うちにお1もひ者へし
越そのころより者ら万れ給尓しこな2多そゝ(ゝ=0く)能可多の1
ふミ越見者へし尓も1又な2いけうの心を多つぬる中
尓もゆめ越しんの心を(の心を$3)すへきことお1ほく者へし可は
いやしきふところのうち尓も可多しけな2く思ひ
い多つ1きたて万つりし可とち可らをよ者ぬ身尓
お1もむき(むき$3布)た万へ可ねてな2むかゝるみちにお1もむ」(79オ・1095⑤)
き者へり尓し又このくにの1ことにしつ1ミ侍てお1
いのな2ミにさら尓多ち可へらしと思ひとちめて
このうらにとしころ侍し本ともわ可君を多のむ
ことにおもひきこ江者へし可はな2む心飛とつ1尓1
お1ほくのくわんを多て者へしその可へり申
たひら可尓お1もひのこととき尓あひ給わ可きみく尓
能者ゝとなり給てね可ひみち給者む世にすみよ
しの1宮しろを者しめ者多(+1し)申給へさらにな尓
こと越可はう多可ひ侍らむこのひとつ1のお1もひち可」(79ウ・1095⑩)
きよに可な2ひ者へりぬれ者者る可に西の可多十万
億のくにへ多てたる九品のうへのゝそ見う多可
ひな2くなり者へりぬれ盤いま者多ゝむ可ふる者
ちすをまち者へる本とそ能ゆふへ万て水草き
0229【水草】-ミツ
よき山の1春ゑ尓てつ1とめ侍らむとてな2む万可
りい里ぬる
ひ可りいてむあ可月ち可くな2りに个りい万そみ
0230【ひかりいてむ】-入道
しよのゆ免か多り春るとて月日可き多りいの1
0231【月日かきたり】-ヒツケナリ命日トシレト也
0232【いのちおはらむ】-ハシカキ也
ちお1ハらむ月日もさらにな2しろしめしそい尓1しへ」(80オ・1096①)
より人のそめをき个るふちころも1尓もな2尓可や
つ1れ給多ゝわ可身ハへん化のものとお1ほしな2して
お1い本うしの多め尓ハく1とくをつ1くり給へこのよの
多のしみ尓そへても1のちの1よをわ寿れ給なね可
ひ者へる所尓多にい多り侍な2は可な2らす又多いめん者
侍な2むさハ里(里$2)の本可のきし尓い多りてとくあひみむと
をお1ほせさて可のやしろに多てあつ1め多るくわん(くわん$1ね1可ひ)ふミ
ともをお1ほきなるちむ(+0の)ふ者こに布んしこめて多て
万つり給へりあ万君尓はこと/\尓も1可ゝす堂ゝこの月」(80ウ・1096⑦)
の十四日にな2むくさの1い本り万可り者那連てふ可き
山尓いり者へりぬる可ひな2き身をハく1満お1ほ可み尓
もせし者へりな2むそこ尓は猶お1もひしやうな2る
0233【せし】-施
御よを万ちいて給へあきら可なるところ尓て又多
0234【あきらかなる】-浄土
いめん者ありな2むとのみありあまきみこのふミを
見てか能つ可ひの多いとこにとへはこの御ふミ可き
給て三日といふ尓な2む可の1多え多るみね尓うつ1ろ
ひ給尓しな尓可しらも1可能御をくりにふもと万て
者さ布らひし可とミ那可へし給てそう一人わらハ二人」(81オ・1096⑫)
な2む御とも尓さ布らハせ給いまはと世越そむき
給しお1里越可な2しきとちめとお1もふ給へし可との
こり者へり遣里としころをこな2ひ能ひ万/\尓よ里ふ
しな2可ら可きな2可(可$)らし給しきむの1御こと日者とり
よせ給て可いしらへ給つゝほと遣に万可り申給(給$1志)てな2
むみ多う尓せ尓うし給しさらぬものともゝお1ほく
0235【せにう】-琴ナトヲモ施入也
者多て万つり給てそ能ゝこり越な2む御てしとも
六十よ人な2むし多しき可きりさ布らひ遣る本と
尓つ1遣てみな2所分し給てな2をしのこり越な2む」(81ウ・1097④)
京の御れうとてをくり多て万つり給へるい万者と
て可きこも里さる者(+0る)遣き山の1くも1可すミに万志
り給ひ尓しむな2しき御あとにと満りて可な2しひ
お1もふ人/\な2むお1ほく者へるな2とこの1多いとこも1
わらハ尓て京よりく多りしける(ける$1)人のおい本うし
にな2りてと満れるいとあ者れ尓心本そしとお1もふ(ふ$1へ)
里本とけの1御てしの1さ可しき飛し里(+0た)にわし
0236【御】-ミ
能みねをハ多と/\し可らす堂のみきこえな2可ら猶
0237【たと/\しからす】-常在霊鷲山
多きゝつ1き个る夜の万とひハふ可ゝり遣るをましてあ」(82オ・1097⑨)
0238【たきゝつきける】-仏涅槃ノコト
0239【夜】-夜半也
万きみの可な2しとお1もひ多満へること可きりな2し
御可多(+0ハ)みなミのおとゝ尓お1者するをかゝる御せうそこ
0240【御かた】-明石上
な2むあると阿里个れ盤し能ひてわ多り給へりおも/\
しくみをもてな2してお1ほろけな2らてハ可よひ阿
ひ給ことも可多き越あ者れな2ることな2むときゝてお
ほつ可な2个れ者うちし能ひてものし給へるにいとい見
しく可な2し个な2る遣しき尓てゐ給へり火ち可く
0241【けしき】-尼ノコト<朱>
とりよせてこのふみミ(ミ$2)越見給尓个尓せきとめむ可多
0242【このふみ越】-明石上
そな2可り遣るよ(よ=0そ)の人ハな2尓ともめとゝむましき事」(82ウ・1098①)
の万つむ可しきし可多のことおもひいてこ飛しとお1
もひわ多り給心尓はあひ見て寿き者てぬるに
こそハとみ給尓い見しくいふ可ひな2しなみ多越えせ
きとめすこの1ゆ免可多り越可つ1ハゆくさきたのもし
くさらハひ可心尓てわ可身越さしもある万しき
さ満尓あく可らし給とな2可ころお1もひ多ゝよ者れ
しことは可く者可那きゆめに多のみを可けて心多
可くものし給な2り个りと可つ1/\お1もひあ者せ給あ
万君ひさしく多めらひてきみの御とくにハうれしく
0243【きみ】-明石上ヘ
お1も多ゝしきことをも1み尓あ万りてな2らひな2くお1もひ」(83オ・1098⑦)
者へりあ者れ尓いふ勢きお1もひもすくれてこそ者
へり个れ可すな2らぬ可多尓てもな2可らへし宮こをす
てゝかしこにしつ1みゐしを多によひと尓多可ひ
0244【しつみゐしをたに】-入道ノ心ヲ云
多るすくせにもある可な2と思ひ者へし可とい遣
るよにゆき者那連へ多ゝるへき中のちきりと盤
お1もひ可け春お1な2し者ちす尓すむへきのちのよ
の多のみをさへかけてとし月越すくしきて尓1者
可に可くお1ほえぬ御こといてきてそむきにしよに多
ち可へりて者へる可ひある御事をみ多て万つ1里」(83ウ・1098⑫)
よろこふもの可ら可多つ1可多に者お1ほつ可な2く可な2
0245【かたつかたには】-入道ノコト
しきことのうちそひて多えぬをつい尓可くあひみ
すへ多てな2可らこのよ越わ可れぬるな2むくち越し
0246【わかれぬる】-入道ノコト
くお1ほえ者へるよにへし時多に人に(+1似)ぬ心者へにより
0247【人に似ぬ心はへ】-入道ノコト
世越もてひ可むるやうな2りし越わ可きとちたのミな1
らひてをの/\ハ又な2くちきり越きて个れハ可多み尓
0248【又】-マタ
いとふ可くこそたのミ者へし可い可なれハ可くみゝ尓ち
0249【みゝにちかきほと】-播州ヘチカキ也
かき本と那可ら可くし(し#1)てわ可れぬらむといひつゝ个て
いとあ者れ尓うちひそ見給御可多もいみしくな2」(84オ・1099④)
きて人尓すくれむゆくさきのこともお1ほえすやか
すな2らぬ身尓ハな尓ことも1けさや可尓可ひあるへ
き尓も1あらぬもの可らあ者れな2る(る$1)ありさ万尓1
お1ほつ可那くてや見な2むのみこそくちおし
个れよろつ1のことさるへき人の御多めとこそお1
0250【さるへき人】-親ノコト
ほえ者へれさてたえこもり給な2ハ世中もさ多
めな2きにや可てきえ給な2は可ひな2くな2むとてよも
す可らあ者れな2ることゝもをいひつ1ゝあ可し給き
能ふも1おとゝの1きみ能あな2多にありと見越き給て」(84ウ・1099⑨)
しを尓者可に者ひ可くれ多らむも可ろ/\しきや
うな2るへし身ひとつ者な尓者可りも1お1もひ者ゝ可り
者へらす可くそひ給御多めな2とのいとお1しきにな2む
心尓万可せてミをもゝてな2しにく可るへきとてあ可
月尓可へりわ多り給ひぬわ可宮者い可ゝお1ハし万す
い可て可見多て万つ1るへきとても1な2きぬい万み多て
万つり給てむ女御の君もいとあ者れ尓な2むお1ほし
いてに(に$3、+1つゝ聞えさせ給める院もことのつゐて耳)もしよの中思ふやうな2らはゆゝしき可ねこ
0251【よの中】-春宮ノ世ノコト
とあ万君その本と万てな2可らへ給者な2むとの多満ふ」(85オ・1100①)
めりきい可にお1本すことに可あらむとの給へハ又うち
0252【又うちゑみて】-尼ノ心
ゑみていてやされハこそさ満/\多めしな2きすく
勢にこそ者へれとてよろこふこ能ふ者こハも多せ
て万うの本り給ひぬ宮よりとく万いり給へきよし
のミあれ者可くお1ほし多ること者りなりめつ1らし
きことさへそひてい可に心もとな2くお1ほさるらん
とむらさきのうへも1の給てわ可宮しのひて万い
らせ多て万つ1らん御(+1心)つ1可ひし給宮春所ハお1ほむ
いと万の1心や春可らぬにこり給てかゝ累つ1いて尓し」(85ウ・1100⑦)
者しあら満本しくお1ほし多り本と那き御身尓さ
るお1そろしきことをし給へれハすこしお1もやせ
本そりていみしくな2満め可しき御さ万し給へり
可く多めらひ可多くお1ハする本とつくろひ給てこそハ
な2と御可多な2とは心く1るし(+0可り)きこえ給をお1とゝハ可やう
にお1もやせてみえ多て万つり給者むも中/\あ者れ
な2るへきわさ那里な2との給多いのうへな2とのわ多り
給ひぬるゆふつ1可多しめや可な2るに御可多お万へ尓
満いり給てこのふ者こきこえしらせ給お1もふさ満尓」(86オ・1100⑫)
可な2い者てさせ給万てはとり可くして越きて者へ
るへ个れと世中さ多め可多个れ盤うしろめ多さ
尓な2むな2尓ことをも1御心とお1ほし可す万へさら
むこ那多(+0と)も可くも者可那くな2り者へりな2は可な2ら
寿しも1い万者能とちめ越御らむせらるへきみ尓も
侍らねハ猶うつ1しこゝろうせす者へるよにな2む
者可那きことをもきこえさせをくへく者へり个ると
思ひ侍てむつ1可しくあやしきあと那連とこれも
御らむせよこのくわんふみハち可きみつ1しな2と」(86ウ・1101④)
0253【くわん】-ネカヒ
に越可せ給て可な2らすさるへ可らむお1りに御らむ
してこのうち能ことゝも1ハせさ里(里$2せ)給へうとき人尓
はな2もら(+0さ)せ給そ可者可りとみ多て万つ1りをき
つ1連ハ見つ1可らも1世をそむき者へな2むとお1もふ
多満へな2里ゆ遣はよろつ1心のと可にも1お1ほえ者へ
らす多いのうへの御心をろ可尓思ひきこえさせ給な2
いとあり可多くものし給ふ可き御个しきを見者へ
れ盤身にハこよ那く万さりてな可き御よにもあら
な2むとそお1もひ者へるもとより御身にそひきこ」(87オ・1101⑨)
江させむにつ1けても1つゝ満しき身能本とに者へれハ
ゆつ1りきこえそめ者へり尓しをいと可うしも1ゝ
能し給者しとなむとしころハ猶よのつね尓1
お1もふ給へわ多り侍つるい万ハきし可多行さきう
しろや寿くお1もひな2り尓て侍りな2といとお1ほく
きこえ給な2ミ多くみてきゝお1者す可くむつ1万し
可るへきお1まへ尓もつねにうちとけぬさ満し
0254【うちとけぬさま】-明石上ノ心
給てわ里那くものつ1ゝ満(満$1見)し多るさ満な2りこのふ
みのことはいとう多てこ者くにくけな2るさ万をみち」(87ウ・1101⑭)
のくに可み尓てとしへ尓个れ者き者みあつこえ
たる五六枚さす可に可うにいとふ可くしみ多る尓か
き給へりいとあ者れとお1ほして御ひたひ可みのやう/\
ぬれゆく御そ者めあて尓な2万め可し院者ひめ宮
0255【ひめ宮】-女三ノコト
の1御可多にお1者し个るをな2可能みさうしよりふ
とわ多り給へれ盤江しも1ひき可くさて御木丁を
すこしひきよせてみつ1可らはゝ多可くれ給へりわ可
宮ハお1とろき給へりや時の万も1こ飛しきわさな2り
个りときこえ給へハ宮寿所ハいらへもきこえ給ハねハ」(88オ・1102⑥)
御可多ゝい尓わ多しきこ江給つときこえ給(+1つ)いとあや
しやあな2多にこの宮越らうし多てまつりて
ふところをさらに者那多すもてあつ1可ひつ1ゝ
人や里な2らすきぬもみな2ぬらしてぬき可へか
ちなめるかろ/\しくな2と可くわ多し多て万つ里
給(+1こな2多尓わ多りてこそ見多て万つり多万)ハめとの給へハいとう多てお1もひく満な2き御事可
那女尓お1者し万さむ尓多にあな2多尓て見多て万
つり給者むこそよく者へらめましてお1とこは可き
りな2しときこ江さすれと心や春くお1ほえ給を多」(88ウ・1102⑫)
者ふれ尓ても可やうにへ多て可満しきこと那さ
可しら(ら#1)可里きこ江させ給そときこえ給うちわ
らひて御な2可ともに万可せて見者那ちきこゆへ
きな2ゝり那へ多てゝい万ハ多れも/\さしハ那ちさ
可しら(△&1ら)な2との給こそお1さ那个れ万つ1ハ可やう尓
者ひ可くれてつれな2くい飛お1とし給め里し(し$3かし)とて
御木丁をひきや里給へれハもやのは(△&1は)しらにより可ゝ
りていときよけ尓心者つ1可し遣なるさ満して
ものし給ありつ1る者こも1万とひ可くさむもさ満阿
し个れハさてお1者寿るをな2その者こふ可き心」(89オ・1103④)
あらむけさう人のな2可う多よみてふんしこめ
堂る心ちこそ寿れとの給へハあな2う多てやい万
め可しくな2り可へらせ給める御心な2らひ尓きゝし
らぬやうな2る御春さひことゝも1こそとき/\いて
くれとて本ゝゑみ給へれとも1の1あ者れな2り个る御
个しきとも1しる个れハあやしとうち可多ふき給
へるさ満なれハわつらハしくて可能あ可し能い者や
0256【かのあかしのいはやより】-明石上
よりし能ひてハへし御いの1り能巻数又万多しき
0257【数】-スエ
くわんな2との者へり个る越御心にも1しらせ多て万つ1
るへきお1里あらは御覧しをくへくやとて者へ」(89ウ・1103⑩)
累を多ゝい万はつ1いてな2くてな尓可ハあ遣させ
給者むときこえ給尓遣にあハれなるへきありさ
さ満そ可しとお1ほしてい可尓をこな2ひ万してすミ
給尓多らむいの1ちな2可くてこゝら能としころつ1とむ
るつ1みも1こよな2可らむ可しよのな2可によしあり(り$1ル)
さ可しき可多/\の人とてみる尓も1このよ尓そみ多
る本との尓こり布可き尓やあらむかしこき可多こ
そあれいと可きりありつ1ゝをよ者さり遣りや
さも1い多りふ可くさす可に个しきありし人の1」(90オ・1104①)
ありさ万可な2飛し里多ちこの1よ者な2れ可本
にも1あらぬもの可らしたの心者見那あらぬよ尓
可よひすミ尓多るとこそ見えし可満してい万ハ
心くるしき本多しも1なくお1もひ者那連に多ら
むをや可や春(春=0ス)き身な2らはしのひていとあ者満
本しくこそとの給い万は可能侍し所をもす(す$3)
すてゝとり能ねきこえぬ山尓とな2むきゝ者へる
ときこゆれ者さらハそ能ゆいこんな2くも(くも$3な2り)な2せうそ
こは可よ者し給やあ万きみい可に思給らんお」(90ウ・1104⑥)
やこの中よりも1万多さるさ万のちきりハこと尓
こそゝふへ个れとてうちな2ミ多くみ給へりとし(+0比イ)の1
つ1も里によの中能ありさ万をと可くお1もひし里ゆ
く万ゝ尓あやしくこひしく思いてらるゝ人の1
みありさ万な2れ者ふ可きちきり能な2可らひは
い可尓阿者れならむな2との給つ1いてにこのゆめ
可多りもお1ほしあ者することもやと思ひ(ひ&1ひ、+0て)いとあや
しき本むしと可いふやうな2るあとに者へめれ
と御らんしとゝむへきふしもや万し里者へると」(91オ・1104⑪)
てなむい万者とてわ可れ者へり(+0尓)し可とな2越こそ
あ者れハの1こり者へるも能な2り遣れとてさ満よ
くうちな2け(け$3)き給て(て$1、+1より給て1、より=1△イ)いと可しこく猶本れ/\し可ら寿
こそあるへ个れてな2ともすへてな尓こともわ
さというそくにしつ1へ可り遣る人の多ゝこのよふ
る可多の1心越きてこそすく那可り个れ可の千所のお
とゝを(を$1ハ)いと可しこくあり可多き心さし越つ1くしてお1ほ
や遣につ可う万つ1り給ひ尓(尓$3)个る本とにものゝ堂可ひ
めありてそ能むくひ尓可く春ゑハな2きな2りな2と人」(91ウ・1105③)
いふめ里しを女子の1可多につ遣堂れと可くていと
つきな2しといふへき尓も(も$3ハ)あらぬも1そこらのをこ那ひ
のしるし尓こそはあらめな2となみ多をしのこ
ひ給つゝこのゆ免のわ多り尓めとゝ免給あやし
0258【ゆめのわたり】-\<合点>
く飛可/\しくすゝろ尓堂可き心さしありと人も
と可免又われも(も$3)な2可らも1さる満しき布る万ひ越
可り尓ても1する可な2とお1もひしことはこのきみのむ
万れ給志とき尓ちきりふ可くお1もひし里にし可と
めのまへ尓みえぬあ那多能ことハお1ほつ可那くこそ」(92オ・1105⑧)
おもひわ多りつれさらはかゝる多のみありてあ那可
ち尓はのそみしな2り个りよこさ万にいみしき
めをみ多ゝよひしもこの人飛とりの多免尓こ(こ$2)そ
あり个れい可なるくわんを可心尓越こし个むとゆ可
し个れ者心のうちにを可みてとり給つ1これハ万多
くして多て万つ1るへきものハへりい万又きこえしら
せむ(む#1)者へらむと女御尓ハきこえ給そ能つ1いて尓い万ハ
可くい尓しへのことをもたとりし里給ぬれとあな2多の
御心者へ越ゝろ可尓お1ほしな2すな1もとよりさるへきな2」(92ウ・1105⑭)
かえさらぬむつ1ひよりも1よこさ満の人の1な2个の
あハれをも1可遣(+0ひと)ことの心よせあるハお1ほろけのこと尓
も1あらす万してこゝにな2とさ布らひな2れ給越みる/\
も1ハしめの1心さしかハらすふ可く(+1ねむ)ころにお1もひきこ
え多るをい尓しへの1よの多とへ尓もさこそハう者へ尓ハ
者くゝみ个れ連(連$3)とらう/\しき堂と里あらむも1可し
こきやうなれと猶あや万里ても1わ可多めし多の心
ゆ可み多らむ人をさもお1もひよらすうらな可らむ
多めはひき可へしあ者れ尓い可てかゝる尓はとつ見
江可満しき尓も思な2をることもあるへしお1ほろ」(93オ・1106⑥)
个の1む可し能よのあ多な2らぬ人者多可ふゝし/\阿
れと飛とり/\つ1ミ那きとき尓者をのつ1可らも1
てな2(+1をイ)すためしともあるへ可めりさしもあるまし
きことに可と/\しき(き$1く)ゝせをつ1遣あい行な2く人を
もて者那るゝ心あるはいとうちと遣可多くお1もひ
く万な2きわさ尓な2むあるへきお1ほくハあらねと人
の心のとあるさ万可ゝるお1もむきを見るにゆへよし
といひさ満/\尓くち越し可らぬきハ能心者せあるへ可め
里ミ那をの/\え多る可多ありてとるところな2くも」(93ウ・1106⑫)
あらねと又とり多てゝわ可うしろみ尓お1もひ万め/\
しくえらひお1も(も+0ハ)む尓ハあり可多きわさにな2む多ゝ
万ことに心の1く1せな2くよきことはこの多い越のみ
なむこれをそおひら可なる人といふへ可りけると
な2む思ハへるよしとて又あ万里ひ多く(多く$2多ゝ)遣てたのも1
しけな2きもいとくちお1しやと者可り能給尓可多への
人はお1もひやられぬ可しそこにこそすこしもの1ゝ
心えてもの志給めるをいとよし(し=0く)むつ1ひ可者してこの
御うしろ見をも1お1な2し心尓ても1能し給へな2と」(94オ・1107③)
し能ひ(+0や)可尓の給の多まハせねといとあり可多き御
个しきを見多て万つる万ゝにあ个くれのことく
さにきこえ者へるめさ満しきも能尓な2とお1ほし
ゆるさゝらむに可うまて御覧しゝるへき尓もあら
ぬ越可多者らい多き万て可す万への給者すれ者
可へりてハま者ゆくさへな2む可すな2らぬ身のさす可
にきえぬ者よのきゝみゝもいとくるしくつ1ゝ万しく
お1もふ多満へらるゝ越つ1ミな2きさ満尓もてかくされ
多て万つりつ1ゝのみこそときこえ給へハその御多」(94ウ・1107⑨)
め尓ハな2尓(+0の)心さし可者あらむ堂ゝこの御ありさ万
0259【御ありさま】-姫君
越うちそひても1江見多て万つらぬお1ほつ可な2さ
にゆつ1里きこえらるゝなめりそれも1万多とりも1
ちてけちえ(+0ン)にな2とあらぬ御もてな2しともによ
ろつ1能こと那のめ尓めや寿く那連はいとな2むお1も
ひな2くうれしき者可那きことにてものゝこゝろえす
飛可/\しき人者多ちましらふ尓つ1个て人の多
めさへ可らきことあり可しさな2越しところな2く多れ
も1ゝのし給めれ盤心や寿く那むとの給につ1遣ても」(95オ・1108①)
さりやよくこそひ个しに个れな2とお1もひつゝ遣
給たいへわ多り給日ぬさもいとやむこと那き御心
さしの見まさるめる可那希尓ハ多人よりことに
可くしも1くし給へるありさ満のことわ里とみえ給へ
るこそめて多个れ宮の御可多うわへの御可しつ1き能
みめてたく1てわ多り給こともえな2の免な2らさめるハ
可多しけな2きわさな2めり可しお1な2しすちに者お1
者寿れとい万ひとき盤ゝ心くるしくとし里ふこちき
こえ給尓つ1个ても1わ可すくせはいとたけくそお1ほえ」(95ウ・1108⑥)
給个るやむこと那きたにお1ほ寿さ満尓もあらさめるよ
にましてたち満しるへきお1ほえ尓しあらねハすへて
い万はうらめしき布しも1な1し堂ゝ可能多江こもり
尓1多る山寿ミを思ひやるのミそあ者れ尓お1ほつ可な2
きあ万きみも1たゝふくちの1そ能に多ね万きてとや
0260【その】-一本ま
うな里し飛とことをうち多のみてのちの世越思ひ
や里つ1ゝな可免ゐ給へり大将のきみハこのひめ宮の
御こと越お1もひをよ者ぬ尓しもあらさりし可はめ尓
ち可くお1者し万す越いと多ゝ尓もお1ほえすお1ほ可多」(96オ・1108⑫)
能御可しつきにつ1个てこ那多尓ハさりぬへきお1り/\
に万いりな2れをの1つ1可ら御个者ひありさ満も1見
きゝ給尓いとわ可く越ほとき給へる飛と寿ち尓て
0261【越ほとき給へる】-女三ノ体
うへのきぬ(ぬ$3)しき盤い可免しくよの多めし尓志
つ1者可りもて可しつき多て万つ1り給へ(へ&1へ)れとおさ/\け
さや可にも能ふ可くは見えす女房な2ともおと那/\し
き盤すく那くわ可や可なる可多ち人の1ひ多ふる尓
うち者那やきされさり(さり#1者)免るハいとお1ほく可すしら
ぬ万てつ1とひさ布らひつ1ゝも1の1お1もひな2个な累」(96ウ・1109③)
御あ多りとハいひな可らな尓ことも1のとや可に心しつ1
め多るハ心の1うち能あらハ尓しも1見えぬわさな2れハ身
尓人しれぬお1もひそひ多らむも又万ことに心ちゆ
きけ尓とゝこ本りな2可るへきにしうち万しれハ可多
へ能人尓ひ可れつ1ゝお1な2し个者ひもてな2し尓な2
堂ら可なる越多ゝあ遣くれ者い者个多るあそひ
多ハふれ尓心い(い&1い)れ多るわら者への1ありさ万な2と院者い
とめ尓つ1可ぬ(ぬ$1寿)見給ことゝも1あれと飛とつ1さ万によの中
をお1ほしの給者ぬ御本上な2れハ可ゝる可多をも万可」(97オ・1109⑨)
せてさこそハあら満本し可らめと御らむしゆるし
つ1ゝい万しめとゝ能へさせ給者寿さうしみ能御ありさ万
者可り越ハいとよく越しへきこえ給尓すこしもて
つ1遣給へり可やうのことを大将のきみも遣にこそ
あり可多き世な2り个れむらさきの1御ようい遣しき
能こゝら(こゝら=0コ丶ラ)の1としへぬれととも可くも1ゝ里いて見えきこえ
堂る所な2くしつ1や可なるをもとゝしてさす可に心う
つ1くしう人をもけ多す身越もやむことなく心尓くゝ
もてな2しそへ給つることゝみしお1も可遣もわ寿れ可」(97ウ・1110①)
多くの見な2む思ひいてられ个るわ可御き多の可多も
あハれとお1ほす可多こそふ可个れいふ可ひ阿りす
くれたるらう/\しさな2とものし給者ぬ人な2り
お1多しきもの尓いまはとめなるゝに心ゆるひて
猶可くさ万/\につ1とひ給へるありさ満ともの1とり/\
尓越可しき越心ひとつ1にお1もひ者那連可多きを万
してこの1宮ハ人の御本とをお1もふ尓も可きりな2く心
ことなる御本とにとりわき多る御个しきしも阿らす
人めの1可さり者可りにこそと見多て万つりしり(り$1流)わさ」(98オ・1110⑦)
とお1ほ个な2き心尓しもあらねとみ多て万つ1るお1り
ありな2むやとゆ可しくお1もひきこえ給个りゑも1ん
の可むのきみも1院(+0尓)つね尓万いりし多しくさふらひ
な2れ給し人な1れハこの宮をちゝみ可とのかしつ1き
あ可免多て万つ1り給し御心をきてな2とくハ志く
み多て万つ1りをきてさ万/\能御さ多めありしころ本
ひよりきこえより院尓もめさ万しとハお1ほしの給ハ
せすときゝしをかくことさ万になり給へるはいとく
ち越しくむねい多き心ちすれハ猶えお1もひ者那」(98ウ・1110⑫)
れ寿そ能お1りよりか多らひつ1き尓个るねう者う
能堂よりに御ありさ満な2ともきゝつ1多ふる越なくさ
めにお1もふそ者可那可り遣る多いのうへの御个者ひ(+1尓)ハ猶
をされ給てな2むとよ(+0ノ)ひとも万ねひつ1多ふる越
きゝてハか多しけな2くともさるも1の者お1もハせ多て
万つらさら満し个に多くひな2き御身にこそあ多ら
さらめとつねにこのこしゝうといふ御ちぬしをも1いひ
ハ个万して世中さ多めな2き越も(も$3お1とゝ)の1きみもとより
ほいありてお1ほしをきて多る可多にお1もむき給ハゝ」(99オ・1111④)
とたゆミな2くお1もひありき个りやよひハ可り能そら
うらゝかな2るひ六条の院尓兵部卿宮衛もむの可ミ
な2と万いり給へりおとゝいて給て御も1の1か多りな2とし
給しつ1可なるす万ゐハこ能ころこそいとつれ/\に△(△#1)
万きるゝこと那可り遣れお1ほや遣わ多くし尓ことな2
しやな2尓わさしてかハくらすへきな2との給て遣さ
大将のも能しつるハいつ1可多にそいとさう/\しき越
れいのふ(ふ$3こ)ゆき(き$3み)いさせてみるへ可り遣る(る=0り)このむめるわ可うと
ともゝみえつ1る越ね多ういてやしぬるとゝハせ給大将」(99ウ・1111⑩)
のきみハうしとらの1万(+0ち)に人/\あ万多して万△(△#1)り
0262【うしとらのまち】-花チルノ方
もてあそハしてみ給ときこしめして見多り可ハし
きことのさす可にめさめてかと/\しきそ可しいつ1ら
こ那多にとて御せうそこあれハ万いり給へりわ可き
む多ちめく(△&1く)人/\お1ほ可り个り万りも多せ給へり
や多れ/\可ものしつ1るとの給これ可れ者へりつ1こ那多
へ万可てむやとの給て心殿の飛む可しお1もてきりつ1
本ハわ可宮くし多て万つ1りて万いり給ひ尓しころな2
れ者こ那多(+0ハ)かくろへ多り遣りや里水な2とのゆきあ」(100オ・1112②)
ひ者(+0な2)れてよしあるかゝり能本と越多つねて多ちいつ1
お1ほきお1ほいとのゝの君多ち頭弁兵衛佐大夫の君
0263【佐】-スケ
0264【大夫】-タユウ
な2とすくし多るも1又か多な2りなるもさ万/\に人より
万さりてのみものし給やう/\くれ可ゝるに風ふ可
す可しこき日な2りと遣うして弁のきみもえし
つ1めす多ち万しれ盤お1とゝ弁官も江(江=0え)お1さめあへさ
めるを可む多ちめな2りともわ可きゑふつ1可さ多ち
ハなと可み多れ給者さらむ可ハ可りのよ者ひ尓てハ
あやしく見すく(く=0く)寿くち越しくお1ほえしわ(△&1わ)さ」(100ウ・1112⑦)
な1りさるはいと経/\な2りやこのことのさ満よな2との
給に大将もかむの君も1みな2お1り給て江な2らぬ花
の可け尓さ満よひ給て(て#1)ゆふ者えいときよ遣な1りお
さ/\さ万よくしつ1可な2らぬ見多れことな2免れと
心可ら人可らな2り个りゆへある尓者のこ多ちの1い多く可
すミこめ多る尓いろ/\ひもときわ多る者那のきとも
わつ1可な2るもえきの1か遣尓(△&1尓)可く者可那きことな2れと
よきあしき个ちめあるをいとみつ1ゝ我も1お1とら
しと思日可本なる中尓ゑもむの可み能可りそめに多ち」(101オ・1112⑬)
万し里給へるあしもとにな2らふ人な2可り个り可多ちいと
きよ个にな2まめき多るさ満し多る人の1よういゝ多
くしてさす可にみ多り可ハしきお可しくみゆみ
者しの(+1万尓あ多連るさくらの可个尓よりて人/\花の)うへも1わ春れて心尓いれ多るをおとゝも1宮も
0265【宮】-蛍也
すミ能可うら(+0ン)にいてゝ御覧すいとら(ら$1ラ)うある心者へともみ
え(え=0エ)てかすお1ほくな2りゆくに上らうも1見多れてかう
ふりの1ひ多ひすこしくつ1ろき多り大将のきみも1
御くらゐの本と思ふこそれいな2らぬみ多り可ハしさ可
な2とお1ほゆれみるめは人よりけ尓わ可くお1可し遣尓て」(101ウ・1113⑥)
さくらのな2お1しのやゝな2え多るにさしぬきの1春そ
つ1可多すこし布くみて个しき者可りひきあ遣
給へり可る/\しうもミえすも1の1きよ遣なるうち
と遣す可多ハ那(ハ那#1尓花)のゆきのゆきの(ゆきの$3)やうに布り可ゝれハ
うちみ阿遣てし本△れ(△れ#1れ多る)え多すこしをしおりて
みハしのな可能しな2の本とにゐ給ひ(+0ぬ)可むのきみつ1ゝ
きて者那(+0ミ)多りかハしくちるめりやさくらハよきてこ
0266【さくらはよきてこそ】-\<合点>
そな2と能給つ1ゝ宮の1御前の可多をし里め尓見れハ
0267【宮】-女三
れいのこと尓お1さ万らぬけ者ひともしていろ/\こ本れ
いて多るみすのつ1万すき可遣な2と者るの多む遣の1ぬ」(102オ・1113⑫)
さふくろ尓やとお1ほゆみ木丁ともしと遣な2くひ
きやりつ1ゝ人けち可くよつきてそみゆる尓からね
このいとちゐさく越可し遣那るをすこしお1ほき
な2るねこをひき(き#1)つゝきてにハか可尓みすのつ1万より
0268【きて】-来
者し里いつ1るに人/\をひえさハきてそよ/\と
みしろきさ万よふ遣者ひともきぬのをと那ひ
見ゝ可し可万しき心ちすねこハ万多よく人尓も1
な2つ1可ぬ尓やつな2いとな2可くつ1き多り个る越もの尓
ひき可遣万つ者れ尓个る越に遣むとひこしろふ本と」(102ウ・1114③)
にみすのそハいとあら者にひきあ遣られ多るをとみ尓
ひきな2をす人も1な1しこの者しらのもとにありつ1る
人/\も1心あハ多ゝし遣尓ても1能お1ちし多る遣
者ひともな2り木丁のきハすこしいり多る本とに
うちきす可多尓て多ち給へる人あり者しより尓し
の二能万の1飛ん可しのそハ那連ハ万きれところも
0269【二】-ニ
な2くあらハ尓見いれらるこう者い尓やあらむこき
うすきニ(ニ#1)すき/\にあ万多可さな2り多るけちめ者那
や可尓さうしのつ万能やうにみえてさく1らのをりも1」(103オ・1114⑨)
のゝ本そな2可なるへし御くしの春そ万てけさ
や可尓みゆるハいとをより可遣多るやうにな2ひきて
0270【いと】-糸
すそ能ふさや可にそ(+0か)れ多るいとうつ1くしけ尓て
七八す者可りそあ万里給へる御そ能すそ可ちに
いと本そくさく(さく$1佐ゝ)や可にてす可多つ1き可みの可ゝり給へる
そハめいひしらすあて(+0尓)らうた遣な2りゆふ可遣なれハ
さや可な2らすお1くゝらき心ちするもいとあ可すくち越
し万りに身をな2くるわ可きむ多ちの者那のちるを
おしみもあ(あ$1あ)へぬ个しきとも越みるとて人/\あら」(103ウ・1115①)
者越布ともえ見つ1个ぬな2るへしねこのい多くな2遣
はみ可へり給へるお1もゝちもてな2しな2といとおひら可尓
てわ可くうつ1くしの1人やとふとみえ多り大将いと可
多わらい多个れと者ひよらんもな2可/\いと可る/\し
个れハ多ゝ心を江さ(江さ=0エサ)せてうちしハふき給へる尓そ
やをらひきい里給さるはわ可心ちにもいとあ可ぬ心ち
し給へとねこのつ那ゆるしつ1れハ心耳(耳$1尓)もあらすうち
な2(+0遣)可るましてさハ可り心をしめ多るゑもんの可ミはむ
ねふと布多可りて多れハ可り尓可はあらむこゝら能中
尓しるきうちきす可(可=0可)たよりも人尓まきるへくもあ」(104オ・1115⑦)
らさりつ1る御遣者ひな2と心尓可ゝりてお1ほゆさら
ぬ可本にもてな2し多れとまさにめとゝめしやと
大将者いとお1しくお1ほさるわりな2き心ちのな2くさ
めにねこを万ねきよせて可きい多き多れ盤いと可う
者しくてらうたけ尓うちな2くもな2つ可しくお1もひ
よそへらるゝそすき/\しきやお1とゝ御らむしをこせ
て可む堂ちめの1さいと可ろ/\しやこな2多にこそとて
多い能みな2みおもてにい里給へれハみ那そな2多に万いり
0271【たいのみなみおもて】-紫ノスミ給方也
給ひぬ宮もゐな2お1り給て御も1の1可多りし給つ1き/\能
0272【宮も】-蛍
殿上人ハすのこにわらう多めしてわさと那く1つ者いも」(104ウ・1115⑭)
0273【わらうた】-円座也
ちゐな2し可うしやうの1も能ともさ満/\に者この1ふ多
とも1にとり万せつ1ゝある越わ可き人/\そ本れとり
0274【そほれ】-サルヽ也
く1ふさるへき可らもの1者可りして御かハらけ万いるゑも1
0275【からものはかり】-肴ハカリノ心
むの可みはいとい多くお1もひしめ里てやゝも寿れハ者
那の1木尓めをつ1遣てな可めやる大将ハ心し里にあや
し可りつ1るみすの1春き可遣思ひいつ1ることも(も$1)やあらむ
と思給いと者しち可な2りつ1るありさ満越可つ1者可ろ/\
しとお1もふらむ可しいてやこ那多の1御ありさ満の
0276【こなたの】-紫ノコト
さハある万し可めるも1のをとおもふに可ゝれ盤こそ
よのお1ほえ能本とよりはうち/\能御心さしぬるきや」(105オ・1116⑥)
うに盤あり个れと思ひあハせて猶うちとの1よう
0277【うちとのようい】-紫ノコト内外ノ心モチ取捨ナキ也
いお1ほ可らすい者けな2きハらう多きやうなれとう
しろめ多きやうな1りやとお1もひお1とさるさい将
0278【さい将のきみ】-柏木也
のきみハよろつ1のつ1ミをも1お1さ/\堂とられすお1
ほえぬもの1ゝひ万より本の1可尓もそれとみ多て万
つ1りつる尓もわ可む可しよりの1心さし能しるしあ
るへきにやとちきりうれしき心ちしてあ可すのミお1
ほゆ院ハむ可し△△(△△#1)も1能可多りしいて給てお1ほき
お1とゝのよろつ1のことに多ちな2らひて可ち万遣能さ多
めし給し中尓万りなむ江越よ者すな2りにし者可な2」(105ウ・1116⑫)
きことはつたへ(△&1へ)ある満し个れとも能ゝすち盤猶こよ
な可り个りいとめも1越よ者寿可しこうこそみえつれと
の給へハうちほゝゑみて者可/\しきか多にハぬるく者
へるいへの風のさしもふきつ1多へ者へらむにのちのよの1
多めこと那ることな2くこそ者へりぬへ个れと申給へハい可
て可な2尓ことも人尓こと那る遣ちめ越ハしるしつ1多ふ
へきな2りいゑの1つ1多へな2とに可きとゝめいれたらむこそ
个うハあらめなと多ハふれ給御さ万の尓本ひや可にき
0279【御さまのにほひかに】-柏木ノ心
よらな2る越み多て万つ1るにも1可ゝる人尓な2らひてい可者可り
の事尓可心をうつ1す人ハものし給者むな2尓ことにつ1遣」(106オ・1117⑤)
て可あハれとみゆるし給ハ可りハな2ひ可しきこゆへきとお
もひめくらすにいとゝこよ那く御あ多り者る可なるへき
みの本ともお1もひしらるれ盤むねのミふ多かりて万可り(り$2)
て給ぬ大将のきみ飛とつ1くる万尓てみちの本ともの1
可多りし給な2越このころ能つれ/\尓ハこの院尓万いりて
0280【な越このころの】-柏詞
万きらハすへきな2り个り个ふ能やうな2らむいと満のひ
満ゝちつ1个て者那のお1りすくさす万いれとの給つるを
者る越しミ可てら月のうちにこゆみも多せて万いり
給へと可多らひちきるをの1/\わ可るゝみちの本とも1能可多
りし多万うて宮の御事のな2越い者満(+0本)し遣れハ院」(106ウ・1117⑫)
尓はな2をこ能多いにのみものせさせ給な2めりな2可のお1ほ
0281【このたいに】-紫
0282【なか】-中
むお1ほえのことなるな2めり可しこの宮い可にお1ほすらん
0283【おほえ】-紫ノコト也
0284【この宮】-女三ノコトヲ柏ノ心
み可とのな2らひな2くな2らハし多て万つ1り給へる尓さし
も1あらてくし給ひ尓多らむこそ心くるし个れとあ
いな2くいつ(つ$2へ)は多い/\しきことい可て可さ者あらむこ
0285【たい/\しき】-夕霧詞
な2多はさ万可者りてお1ほし多てた万へるむつ1ひ
0286【おほしたて】-紫ノコト 生
の遣ちめ者可りにこそあへ可めれ宮をは可多/\尓
つ1遣ていとやむこと那く思ひきこえ給へるもの1を
とか多り給へハいてあな2可満給へみ那きゝて者へりいと/\」(107オ・1118④)
0287【いてあなかま】-柏木詞
0288【給へきゝてはへり】-人ノ云ヲ聞タルト也
越し遣なるおり/\あな2るをやさるはよに越し
な2へ多らぬ人の1御お1ほえ越あり可多きわさな
りやといと本し可る
い可なれハ者那尓こつ1多ふうくひ寿の1さく
0289【いかなれは】-柏
ら越わきてねくらとはせぬ春の1とりの1さくらひ
とつ1尓と万らぬ心よあやしとお1ほゆることそ可
しとくちすさひ尓いへはいてあな2あちきな2の1
も1能あつ1可ひやされハよとお1もふ
みや万きにねくらさ多むる者ことりも1い可て
0290【みやまきに】-夕霧
可者那の1いろ尓あくへきわ里な2きことひ多お1もむ」(107ウ・1118⑩)
き尓のミやハ(+1と)いらへてわつ1らハし个れ盤ことにい者せ
すな2りぬこと/\尓いひ万きらハしてをの1/\わ可れ
ぬ可むのきみハ猶お1ほいとのゝ飛ん可しの1多いにひとり
(+0す)み尓てそも能し給个るお1もふ心ありてとしころかゝ
累す万ひをする尓人や里な2らぬ(ぬ$1寿)さう/\しく心本
そきお1里/\あハ(ハ#1)れとわ可身か者可り尓てな2と可お1
もふこと可な2ハさらむとのミ心お1こりをする尓この
ゆふへよりくしい多くも1の1お1も者しくてい可な2らむお1り
にま多さハ可り尓ても1本の可那る御ありさ万を多尓
みむとも可くも可き万きれ多るきハの1人こそか」(108オ・1119②)
りそめ尓も1多ハや寿きものいみ可多ゝかへのうつ1ろ
ひも1可る/\しき(+1尓)をのつ1可らと可く(可く$1も可くも)も能ゝひ万をう
可ゝひつ1くるやうも1あれな2と思やる可多なくふ可
き万とのうちにな2尓ハ可りの1ことにつ1个て可ゝくふ可
き心あり遣りと多にしら(△&1ら)せ多て万つ1るへきとむね
い多くいふ勢个れ者こしゝうかりれいのふみやり
0291【かり】-モトノ心
給一日風尓さそハれてみ可きの(の$1可)者ら(△&1ら)越わ遣いりてハ
0292【一日】-文ノ詞
へしにいとゝい可にみお1とし給个むそ能ゆふへよりみ
多り(△&1り)心ち可きく1らしあやな2く遣ふハな2可めくらし
0293【あやなくけふは】-\<合点>
者へるな2と可きて」(108ウ・1119⑧)
よそにみてお1らぬな2个きハし个れともな2こり
こ飛しき者那の1ゆふ可遣とあれと(+1侍従ハ一日)能こゝろもし
らぬ(ぬ$1子)ハ多ゝよのつねのな2可免尓こそハとお1もふ越万へ尓
人し遣可らぬ本とな2れハか能ふミ越もて万いりて
この人の1かくのミわ春れぬもの尓ことゝひものし給
こそわつ1らハしく者へれ心くるし遣なるありさ
万も1み多万へあ万る心も1やそひ者へらんと身つ1可ら
の心な可らし里可多くな2むとうちわらひてきこゆれハ
いとう多てあることをもいふ可那とな2尓心もな1个れ(れ#1)
0294【いとうたて】-女三心
にの給てふミひろ遣たるを御らむす見もせぬと」(109オ・1120①)
0295【見もせぬと】-\<合点>見春もあら須ミもせ1ぬ人の恋し/くハ/あやなく个ふやな可めくらさむ(付箋06)
いひ多るところをあさ万し可りしみすのつ万
越お本しあハせらるゝに御おもてあ可みておとゝ
のさ者可り(+1こと)能ついてことに大将尓見え給な2い者
个な2き御ありさ万な1んめれハをの1つ1可らとり者つ
して見多て万つ1るやうも1ありな2むといましめ
きこえ給をお1ほしいつ1る尓大将のさることの
ありしと可多りきこえ多らむときい可にあ者め給ハ
むと人の見多て万つり个むことをハお1ほさてまつ1
者ゝかりきこ江給心のうちそお1さな2可り遣るつねよ
りも1お1ほむさし(+0イ)らへな2个れハすさ満しくしゐて」(109ウ・1120⑦)
きこゆへきことにも1あらね者ひきし能ひてれ
いの可く一日者つれな2し可本をなむめさ満しく(く$1う)
0296【一日は】-文詞
0297【つれなし】-\<合点>
とゆるしきこえさりし越み寿も1あらぬやい可尓
0298【みすもあらぬや】-\<合点>
あなか个/\しと者やり可尓者し里可きて
いまさらにいろ尓な2いてそ山さくらをよハ
ぬ江多にこゝ(ゝ=0コ)ろ可遣きと可ひなきこと越とあり」(110オ・1120⑪)
(白紙)」(110ウ)
【奥入01】ちとせを可ねてあそふつるのけ衣
席田第二反度也
【奥入02】耶輸陀蘿可布くちのその尓
堂ね万きてあ者むかな2らす
有為のみやこ尓
雖有此説此哥之證拠不知誰説
頗凡俗事歟」(111オ)