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渋谷栄一翻字

真木柱

凡例

1.大橋寛治氏蔵『源氏物語 奥入』(復刻日本古典文学館 昭和46年10月)所載の巻尾本文を漢字仮名字母翻字法によって翻字した(翻刻資料の凡例を参照)。
2.判読不明文字は△で記した。
3.大島本との本文の異同は朱色、仮名遣い等の異同は茶色、漢字仮名の表記の異同は緑色で表示した。

「自筆本奥入」(61オ〜61ウ)「真木柱」(巻尾表12行+裏2行、計14行)

免き(□&き)さ者くこゑいと志る新/\
いとくるしと尓こゑいとさ者や可
尓て
  (□□&き)つな見よる遍なみちニ

多ゝよはゝさ本(さ□&さ本)佐しよらむと万り
越しへ(よ&)多なゝしをふねこき可へり
おな乎やあなるや(/\&)といふ乎
いとあやしうこの可多尓は可うよ
(□&)こときこえ乎と
ま者須尓このきくなり个りと
               (□&)可しうて
  よるへな見可せのさ者可す」(表)

ふな者ぬ可多尓いそつ多
須とて者し多な可めりとや(裏)


【本文の訂正跡】
@「き」は「□」の上に直接重ね書き訂正、□は「支」か、文字の明確化を図った修正か
A「」は「□を擦り消して、その上に「お」と訂正、「き」は□の上に直接重ね書き訂正
B「
さ本」は、「さ」は一部重ね書き補訂、「本」は□の上に直接重ね書き訂正
C「」は「よ」の上に直接重ね書き訂正、文字の明瞭化を図った修正
D「」は「/\」を擦り消して、その上に「い」と重ね書き訂正
E「」は「□」の上に直接重ね書き訂正、□は「支」か、文字の明確化を図った修正
F「お」は「□」の上に直接重ね書き訂正

【和歌書式】
@「おきつな見」歌 V型A類(第二句と第三句の間で改行し、和歌の末尾に地の文が直接に続く)
A「よるへな見」歌 V型A類(第二句と第三句の間で改行し、和歌の末尾に地の文が直接に続く)

【本文の異同】
@「(□□&な見」―「奥津ふ年」(大島本) 「ふ年」の右傍らに朱筆で「定本波とあり」と傍記する
A「越しへ(よ&)」―「をしへよ」(大島本)

【仮名遣い等の異同】
@「るや」―「ハるや」(大島本)
A「よう」―「ようゐ」(大島本)
B「いそつ多」―「いそつたい」(大島本)

【漢字仮名表記の異同】
@「な見」―「奥津ふね」
A「可多尓」―「御方に」(大島本)
B「」―「もの」(大島本)
C「可せ」―「風」(大島本)
D「ふな」―「舟人」(大島本)