定家本原本「行幸」漢字仮名字母版

20180216日作成了

20180301日見直了

 

【凡例】

1.『定家本源氏物語 行幸・早蕨』(八木書店 2018年1月)に拠って漢字仮名字母翻字した。

2.漢字は漢字のまま翻字し、他の変体仮名字母と区別するために太字で表示した。

3.通行の平仮名の字母はそのまま平仮名で翻字した。

4.変体仮名はその字母で翻字した。

5.片仮名はそのまま片仮名で翻字した。

6.同字母の異字形については、その崩しレベルに応じて、もっとも漢字の字形を留めている字形群(多少の幅有り)にはその仮名または字母の後に「1」と表示し、通行の仮名また一般的な字母の字形群とも異なる字形群(多少の幅有り)にはその字母の後に「2」と表示し、大きく3区分して表示し分けた。

7.本行本文は10.5ポイントで表示し、書入注記や付箋等は9ポイントで表示した。

8.定家による訂正跡はゴシック体で表示した。

9.行頭の字母の書き分けを赤色で、また書き分けなしを緑色で表示した。

 

「見遊き」(表紙・題箋)

 

  かくおほしい堂らぬことなくい可てよ可らむ

  こと者とおほしあつ可ひへとこのをとな

01【このをとなしのたき】−<朱合点>

しの堂きこそう堂ていとおしくみな

のうへのをし者可りこと尓可な日てかる/\

し可るへきゝれかのとゝな尓こと尓

徒遣てもき者/\しうすこしもか多者な

累さまのことをおほしゝの者すなともの

し多まふ御心さまを佐て日く万なく」(1オ)

 

さや可なるてなしなとのあらむ尓つ

て者おこ可満しうもやなとおほし可へ

さふそ志者す尓大原行幸

能こるさ者くを六條院よりも

/\ひきいて徒ゝ多まふうの尓いて堂ま

うて朱雀より五条能おほちをにしさ満尓

れ多万ふか徒ら可はのもとまて物見

る満ひ万な行幸といへとかならすかう」(1ウ)

 

しもあらぬを遣ふ者みこ多ちかむ多ちめ

もミ那と尓むまくらをとゝのへすい

しんむ万そひ(+の)可多ち多け多ちさうそくを

かさり多まう徒ゝめつら可尓お可し左右大臣

内大臣納言よりしも者たまして能こら

す徒可うまつり多まへりあおいろのうへのきぬ

えひそめのし多可さねを殿上人五位六位

万てき多り多ゝいさゝ可徒ゝ(+うち)ちりてみち」(2オ)

 

のそらさへえむなりみこ堂ちかむ多ちめな

も堂可尓かゝ徒らひ多まへ累ハめつらしき

かりのよそひともをまうけこのゑの

堂可ゝひとも者まして尓免なれぬすり

を見たれき徒ゝ个しきことなりめつらし

うお可しきこと尓きおひいて徒ゝそ

もなくかす可なるあしよ者きくる万なと

わををしひし可れあ者れけなるもあり」(2ウ)

 

うき者しのとなと尓もこの満しう堂

ちさ万よふよきくる万おほ可りにしの堂いの

ひめきみも多ちいて多まへ里そこ者くいと

み徒くし多万へ累可多ちあ里さ万を

見給尓み可とのあ可いろの多てまつりて

うる者しうゝこきな可多はらめ尓な

すらひきこゆへきしわ可ちゝおとゝを

しれすめを徒遣多てまつりへときら/\」(3オ)

 

しうきよけ尓さ可里尓者ものし多まへと

かきりあり可しいと尓すくれ多る堂ゝひとゝ

こしのうちよりほ可尓めうつるへくも

あら須万して可多ちあ里やお可しやなとわ可き

こ多ちのきえ可へりうつ須中少将な尓くれの

殿上人やうのハな尓ゝもあらすきえわ

多れる者佐ら尓堂くひなうお者します

り个り源氏のおとゝの可ほさま者こと」(3ウ)

 

ともえ多ま者ぬをおもひなしのい万

すこしい徒可しうか多しけなくめて多きなり

さ者可ゝる堂くひ者お者し可多可り个りあて

な累者ミ那きよ个尓遣者ひことな

へいとのミおとゝ中将との尓ほ日尓め

へ累をいてきえとものか多者な

尓やあらむおしめ者那ともえすくち

しうそを佐れ多るや兵部卿宮者す」(4オ)

 

右大将のさ者可りおり可尓よしめくも个

ふのよそひいとなま免きてやなくひな

ひてつ可う満つり多まへりいろくろくひ遣

可ち尓えていと心月しい可て可者徒く

ろ日多て堂るかほのいろあひ尓ハ尓多羅む

いとわ里なきことをわ可き御心地尓者

  とし多まうて个りおとゝのきみのおほしよ

里ての多万ふことをい可ゝ者あらむ徒可」(4ウ)

 

へ者尓もあらてみくるしきあ里さま尓や

とおもひつゝみ多まふをなれ/\しきすちなと

越ハもてハ那れておほ可多尓つ可うまつり

むせられむ者お可しうもあ里なむ可しとそ

日より多まうける可うてお者し(+まし)つ

きてこしとゝめかむ多ち免のひらハり尓

まいりさうそくともな越し可里(+の)よそ

ひなと尓あら堂免多ま婦本と尓六条院」(5オ)

 

よりみきく多なと堂てまつらせ多

まへりけふつ可うまつりへて可ねて个しき

あ里遣れと御物いみのよし越そうせ佐せ多

まへりけるなり个りくら右衛門のせう

つ可ひ尓てきしひとえ多ゝてまつらせ

多ま婦おほせ尓ハな尓と可やさやうの

のことまねふ王つらハしくなむ

     ゆき布可き越し本能尓多つきし能」(5ウ)

 

     布累きあと越も个ふハ堂つねよ

太政大臣の可ゝ累行幸尓つ可うまつ

02【太政大臣の】<朱合点>

  堂まへ累堂めしなとやあ里遣むおとゝつ可ひ

を可しこまりもて那させ
    越し本や万みゆきつもれるまつハら尓

个ふハ可りなるあとやな可らむ

とそのころ越日きゝしこと能そハ/\おもひい

てらるゝハひ可こと尓やあらむま多のとゝ

尓しの多い尓きのふうへハみ多てまつり多」(6オ)

 

まひきや可のとはおほしなひきぬらん

やときこえ多まへりしろきしきし尓いとう

ちとけ堂るふミこま可尓个しき者ミてもあ

羅ぬ可お可しき越み堂まうてあいなとや

とわらひ給物可らよくもをしハ可らせ多ま婦

可なとお本す御返尓きのふハ

     うちきらしあさくもりせしミゆきニハ

   さや可尓そら能ひ可りやハミし

ほつかなとゝも尓なむとある越」(6ウ)

 

うへもみ多まふさゝのとをそゝの可し可と

中宮可くてお者すこゝな可らのおほえ尓ハひ

可るへし可のおとゝニしられても女御可くて

佐ふら日へハなとおもひミ多累免里し

すちなりわ可のさもなれつ可うまつらむ尓

者ゝかるおもひな可らむハうへを本のみ多て

まつりてえ可遣者那れておもふハあらしと

の多まへハあなう多てめて堂しとみ多て」(7オ)

 

  まつるともこゝろもてつ可ひおもひ堂ゝむ

こそいとさしすき堂累こゝろならめとてわ

羅ひ多まふいてそこ尓しもそめてき

こえ多ま者むなとの多まうて又御返

     あ可ねさす悲可りハそらにくもらぬ越

なとてミゆき尓免越きらし遣む

な越ゝ本し堂てなと多えす春ゝめとて

もかうても万つきのこと越こそハと」(7ウ)

 

お本してそまうけのてうとのこま

可なるきよらともく者へさせ堂まひなにく

れのきしき越御心尓ハいともおも本さぬこ

を多尓をのつ可らよ多けくい可めしくなる越

ましてうちのおとゝもや可て古のいて尓や

し羅せ多てまつりてましとおほしよれ者

いとめて多うところせき満てなむとし可

へ里て二月尓とおほすをむな者きこえ」(8オ)

 

た可くな可くし堂まふへき本とならぬも

む春免とてこもりお者須る本と

者可ならすしもうち可ミのつとめなとあ

羅者ならぬ本となれハこそとしハまきれ

すくし多まへこのしおほしよることも

らん尓ハ可す可の可ミ能御心多可ひぬへきもつ

ゐ尓は可くれてやむましき可らあちき

くわさとかましきのちのなまて」(8ウ)

 

う多ゝあるへしな越/\しききハこそい

まやうとて者うちあら多むることの堂(□&)やす

きもあれなとおほしめくらすにおやこの

き里堂ゆへきやうなしおしくハ我心ゆる

して越し羅せ堂てまつらむなとお本し

さ堂免てこのこしゆ日尓は可のとゝ

をなせうそこきこえ堂満ふ个れハ

  大宮こその布ゆつ可多よりなや見多ま」(9オ)

 

ふことさらにをこ多り堂万者ねハ可ゝ累尓

あ者せてひな可るへきよしきこえへ里

中将のきミもよる日累三条尓そ佐ふら

ひ堂まうてひ万(そら&ひ万)なし堂ま

うておりあしき越い可尓せ満しとお

すよもいとさ多免なもうせさせ

多ま者ゝ布くあ(る&)へき越しらす可

本尓てものし多ま者んつミふ可きこと」(9ウ)

 

おほ可らむお者するよ尓このことあらハし

てむとお本しとりて三条とふら

可てらわ多り多ま婦い万ハましてしの

や可尓布(□&)万い多まへとミゆき尓をと

羅すよそ本しくいよ/\ひ可りをのミそへ

給御可多ちなとのこのよ尓みえぬちし

てめつらしうミ多てまつり多まふ尓ハ

いとゝ御心ちのなやましさもとりすてら」(10オ)

 

累ゝちしておきゐ多まへり遣うそ

く尓可ゝりてよ者けなれと

いとよくきこえ个しう者お者しま

さゝり遣るをな尓可し能あそむのまと者

しておとろ/\しうなけきゝこえさす免

れハい可やう尓ものせ佐せ多ま婦尓可とな

ほつ可な可りきこえ佐せつるうちなと尓

  もこと那るついてなき可き里ハまいらす」(10ウ)

 

ほや遣尓つ可ふるともなくてこもりハへれ

者よろつうゐ/\しうよ多けくなりにて者

へりよ者ひなと古れよりまさ(□&こし堂へ

ぬまて可ゝまりありて(て$)堂めしむ可しもいま

ハへめれとあやしくおれ/\しき本上尓そふ

  のうさ尓なむハへ累へきなときこえとし

つもりのやミとおもふへつゝころ尓

  なりぬ(る&)をことしとなりてハ堂のミすく」(11オ)

 

那きやう尓おほえ者へれ者いま悲と多ひかくみ

  堂てまつりきこえさすることもなくてやと

本そ堂まへつるをけふこそ春こし

  のひぬるちし者へれいま者おしミ登むへ

  き本と尓もハへらすさへき/\尓も多ち越く

  れよのすゑ尓のこりと満れ(る&)堂くひを

  うへ尓ていとき那しとみハへりし可者い

  て多ちいそき越なむおもひもよ越され」(11ウ)

 

  ハへる尓この中将のいとあハれ尓あやしき

  まておもひあつ可ひをさハ可い堂まふみハへ

  累尓なむさま/\尓可遣とゝ免られてい満ゝて

  な可ひきハへると堂ゝなきになきて古ゑ

わなゝくもおこ可まし个れとさ(る&)ことゝも

なれハいとあハれな御物可多りともむ可しいま

のとりあつ免きこえ多まふついて尓うちの

おとゝはへ多て春まいり堂まふことし」(12オ)

 

遣可らむを可ゝるついて尓(□&)いめんのあら者

い可尓うれし可らんい可てきこえし羅せむ

とおもふことのハへる越さ(る&)へきついて那くてハ堂い

めんもあ里可多个れハおほつ可なくてなむ

  ときこえ多ま婦おほや个こと能新遣き尓や

  わ多くし能さしのふ可ゝらぬ尓やさしも

ふらひものしハへらす能堂万者す(へ&)可らむ

  ことはな尓さまのことに可ハ中将のうらめし」(12ウ)

 

  け尓おも者れ堂累こともハへるをハ志免の

  ことハし羅ねといまは遣尓くゝもてなすニ

  つ个て堂ちそめ尓しとり可へさるゝ

  あらすおこ可ましきやう尓可へりてハよ

  い日もら春那る越なとものしハへれハ堂

て多るむ可しよりいとゝ个可多き本上尓て

すなむみ多まふるとこの中将とゝお

ほしての多まへハうちわらひ多まひていふ」(13オ)

 

可ひなき尓ゆるしすて堂まふこともやとき

  き(者&)へり(へり$)てこ(ゝ&)尓さ(へ&)なむ可す免やうあ

里し可といときひしういさめ多まふよし越み

ハへりしのちな尓ゝさまてことをもま(と&)ハへり

个むとわるうくいおもふたま(へ&)てむよろ

のことにつ个てきよめといふこ(□&)ハ(へ&)れハい可ゝ

  者さもとり可へしすゝい者さらむとはお

もふ堂まへな可ら可うくち越しき尓こり」(13ウ)

 

すゑ尓まちとり布可う春むへきこそ

いてき可多可へいよなれな尓ことにつ遣ても

ゑ尓なれハおちゆく个ちめこそやすくハへめれ

いと本しうきゝ堂まふるなと堂まうて

さるハ可のし里へきをなむおもひま

可ふることハへりてい尓堂つ年とりてハへるを

そのおりハさるひ可わさともあ可しハへらす

あ里し可者あな可ち尓ことのを多つね可へ」(14オ)

 

さふも者へらて堂ゝさ(る&ゝくさの

く那きを可こと尓ても尓可ハとおもふ多ま

へゆ(る&)しておさ/\むつひもみハへらすして

としはへりつ(る&)越い可て可きこし免し个む

うち尓おほせらるゝやうなむあるないしの

可ミゝやつ可へするくてハ可のところのまつり

としとけな女官ともおほや遣こと越

を(を$つ可うまつるに多つきなくことみ多るゝ」(14ウ)

 

やう尓なむあ里遣る越堂ゝいまうへニ佐ふら婦

こらうのすけ二人又さるへき/\さ満/\尓

03【こらう】―古老<> ら<>

さする越は可/\しうえら者せ多ま者むた

ね尓堂くふへきむないへ堂可う

のおほえ可ろ可らていへのいと那ミ堂て多らぬ

むい尓しへよりなりき尓けるし多ゝ可

尓可しこき可多のえらひ尓てハそらて

もとしらう尓なりの本る堂くひあ」(15オ)

 

れとし可多くふへきもなしとならハおほ可多

本え越堂尓え羅せ堂まハむとな

うち/\におほせられ堂りし越尓遣なきこ

としもな尓可ハおもひ堂ま者むつ可へ者

さ累へきすち尓てもおもひをよひ

いて堂つこそ堂可きことなれおほや个

さま尓てさ(る&と越つ可さとりまつ

とのおもふきをし多ゝめしらむこと者」(15ウ)

 

  者可/\し可らすあ者つ遣支やう尓おほえ

  れとなと可さしもあらむ堂ゝ王可能あり

  さまからこそよろつのこと者へめれとおもひ

よ者りハへしついて尓なむよ者ひの本となとゝ

  ひきゝハへれハ可のおほむ堂つねあ(へ&)いことに

  なむありけるをい可なへいことそとも

  あきらめ満本しうハへ累ついてなくてハ堂い

  め者へゝき尓もハへらすや可て可ゝることなむ」(16オ)

 

とあらハしまうすへきやうをおもひめくらし

せうそこまうしゝ越やミにことつけ

ものうけ尓春まひ多まへりし个尓

りしもひんなうおもひとまり尓よ

ろしうものせさせ个れハな越可う

もひおこせるついて尓となむおもふ多

  まふるさやうにつ多へものせさせ多まへときこ江

  多まふい可尓/\个ることに可ゝしこに」(16ウ)

 

者さま/\尓可ゝ累なの里するをいとふこ

  なく日ろひあつ免らるめく(□&く)る尓い可那

尓て可くひき堂可へかこちきこえ

羅累らむこのとしころう(+け)堂万者りて

りぬる尓やときこえへハさるやうハへるこ

と那里くハしきさま者可のをとゝもをのつ可ら

堂つねきゝ多まうてむく多/\しきな

のな可らひ尓ゝ堂(る&)ことに者へれハあ可さむ

尓つ遣てもらう可ハ志うい日つ多へハへらむ」(17オ)

 

中将のあそん尓多尓ま多王き満へし

らせハへらす尓もゝらさせ堂まふましと

くち可多免きこえ多ま婦うち能おほいとの

かく三条きおとゝ王多りおハし

まい堂るよしきゝ堂まひてい可尓さひし遣

尓ていつくしきさま越万ちうけきこえ

まふらんこせんと母ゝてはやしおましひき

くろふもハ可/\しうあらし可し中将

とも尓こそものせられつらめ那とおとろき」(17ウ)

 

堂まふてとものきみ多ちむつましう

(る&)へきまうちきみ多ち堂てまつれ多ま

く多物御みきなとさりぬへくまいらせ

つ可らもまいるへき越可へりてさハ可

しきやうならむなとの多まふ本と尓大宮

ふミあ里六条のおとゝのとふらひにわ多

里多まへる越ものさひし个尓れハめの

いと越しうも可多し遣那うもあるをこと/\

しう可うきこ江堂るやう尓者あらてわ多り

堂まひなむや堂いめん尓きこえ満本し遣」(18オ)

 

 那ることもあなりときこえへりな尓ことニ

か者あらむこの日免きみの御事中将

  うれへ尓やとお本しま者すにも可う

のこりな个尓てこのことゝせち尓の多まひ

とゝも尓く可らぬさま尓ひとことうちいて

うらみ堂ま者む尓と可く可へさふこと江

あらし可しつれなくておもひいれぬ越みる

はやす可らすさ(る&)へきついてあらハ御事

なひき可本尓てゆるしてむとおほす御心」(18ウ)

 

をさしあ者せての多まハむことゝおもひより

多(+)ふ尓いとゝいなひな可らむかなと可

さしもあらむとやすらハるゝいと遣し可らぬ

あやにくこゝろなり可しされと可くの多

まひおとゝも堂いめん春へくまちお者するに

や可多/\に可多し个那しまいりてこそハ个しき

尓し多可者免なとおも本しなりてさう

とにひきつくろ日てこせんなとも

と/\しきさ満尓ハあらて王多り堂まふ」(19オ)

 

きみ堂ちいとあま多ひきつれてい里多まふ

さまもの/\しう堂のもし遣なり堂遣多ち

ゝろ可にものし多まふニ布とさもあひて

いとしうとく尓おもゝちあゆ万(□&大臣とい者ん

04【しうとく】−宿徳

  に堂らひ多まへりえひそ免のさしぬき

さくらのし堂可さねいとな可うハし里ひきて

ゆる/\とことさらひ堂(る&もてなしあなきら/\

しとみえ(る&)尓六条とのハさくら能可らの

きの越しいまやういろのひき可さね」(19ウ)

 

てしと个那きおほきミす可多いよ/\堂とへんも

しひ可りこそまさりへ可うし多ゝ可にひ

きつくろひ堂まへ累あ里さま尓な春ら

  ひてもみえ多万者さり个りきみ多ちつき/\

  尓いときよけな可らひ尓てつとひ

へ里とう大納言春宮大夫なといま者きこゆ

累こともゝみなゝりいてつゝものし堂ま婦を

のつ可らわさともなき尓おほえ多可くやむこ」(20オ)

 

とな殿上人くらひとのとうゐのくら人近衛

中少将弁官可ら者那や可尓あ(る&)へ可しき

  つとひ多まへれハい可めしうつき/\の多ゝ

もおほくて可ハら遣あま多ゝひな可れみな

ゑ日尓なりてをの/\かうさい者ひ尓すくれ

へるあ里さ万を可多り尓し个りおとゝ

もめつらしき多いめん尓む可しのことお本し

いてられてよそ/\尓てこそハ可なきことにつ」(20ウ)

 

遣ていと満しき御心もそふへ可めれさしむ可

ひきこえてハ可多み尓いとあハれなることの可す/\

ほしいてつゝれいのへ多てなくむ可しいまの

ともとしころの御物可多り尓くれゆく可ハら

遣なとすゝめ万いり多まふ佐ふらハて者あし

可りぬへ可り遣累をめし那き尓ハゝ可りてうけ

堂ま者りすくしてまし可ハ可うしやそ

ましと堂ま婦耳可む多うハこな多さ満尓」(21オ)

 

む可うしととおほくハへるなと个しき者

見堂まふ尓このと尓やとおほせハわつらハしう

て可しこ満り堂るさ満尓てものし多まふむ

可しよりおほや遣わ多くしのと尓つ遣て

こゝろのへ多てなく大小のこときこえうけ多まハ

里者ねをならふるやう尓ておほや遣の

うしろミ越もつ可うまつるとなむおもふ多ま

へしをすゑのよとなりてその可み多万へし本

  いなきやうなることうちましりハへれとうち/\」(21ウ)

 

  のわ多くしこと尓こそハおほ可多能さしハ

さらにうつろふことなくなむなにともなくてつ

もり者つるとしよ者ひ尓そへてい尓しへのこ

むこ日し可りけるを堂いめん者ることも

いとまれ尓のミハへれハこと可き里ありてよ多け

ふるまひとハおもふ多まへな可らし堂し

  本と尓ハそのいき本日をもひきしゝめ多

  ま日てこそはとふらひものし者めとなむ」(22オ)

 

  うらめしきおり/\ハへ累ときこえへハい尓しへ

者遣におもなれてあやしく堂い/\しきまてな

れさふらひ尓へ多つることな御覧せられ

しをおほや个尓つ可うまつりしき者ゝ者ね

らへ堂る可す尓もおもひハへらてうれしき

御返みをこそハ可/\し可らぬ尓て可ゝ累くらゐ

をよひておほや遣尓つ可うまつ里

そへてもおもふ多まへし羅ぬ尓者ハへら

ぬをよ者ひのつり尓者遣尓をの」(22ウ)

 

つ可らうちゆるふことのミなむおほく个る

とかしこまりまうし多まふそのついて尓

本のめ可しいてて个りおとゝいとあ者れに

めつら可なることにも可なとまつうちな

てその可ミよりい可尓なり尓个むと堂つねお

もふたまへしさ満者なにのついてに可个む

うれへ尓堂へすもらしきこしめさせし

むしるい満可くすこし可す尓もな

里ハへるにつ个てハ可/\し可らぬともの

堂/\につ个てさまよひを可多く那しく」(23オ)

 

みくるしとみ尓つ个てもさるさ満にて

可す/\につらねてハあ者れ尓おもう堂まへらるゝ

り尓そへてもまつなむおもひ多まへいて

羅るゝとの多まふついて尓かのいにしへのあ万

よの可多り尓いろ/\なりしむつことのさ多め

をお本しいてゝなきみわらひミゝなうちミ

  堂れい多うふ个てをの/\あ(可&)れ多まふ

可くまいりきあひて者さらにひさしくな

ぬるよのふることおもふたまへいてられこひ」(23ウ)

 

しきことのしの日可多きニ堂ちいてむちもし

者へらすとておさ/\よ者くお者しまさぬ

六条とのもゑいなきにやうちし本れ多まふ

者多まいてひ免きミのと越お本し

  いつる尓ありしにまさるあ里さ満いき本

日をみ多てまつり堂まふ尓あ可す可なしくてとゝ

め可多くし本/\となき堂まふあまころ

も者个尓と那り个り可ゝ累ついてなれと

中将とをはうちいて多ま者すなり」(24オ)

 

ぬひとふしよういなしとお本しをきて遣れハ

くちいれむこともわ累くお本しとゝめ可の

とゝ者多个しきなきニさしすく

可多くてさす可尓むす本ゝれ堂る

たまう个り古よひもともにさふら

婦へき越うちつ个尓さ者可しくもやとてな

个ふの可しこ満り者ことさらになむまいるへくハ

へるとまうし堂まへはさらは古のやミも

よろしうみえ多まふを可なら須きこえし」(24ウ)

 

日多可へさせ者すわ多り堂まふへきよしき

こえちきり堂まふ个しきともようてをの/\

いて多まふひゝきいとい可めしきみ多ちの

もの/\なにことありつるならむめつらしき

堂いめ尓いと个しきよ个なりつるはい可

ゆつりあるへきに可なとひ可をえつゝかゝ

累すちとはおもひよらさり个りおとゝうち

つ遣尓いといふ可しうもとなうおほえ多ま

へとふとしかう个とりおや可らむもひな可らん」(25オ)

 

堂つねえ堂まへらむハしめをおもふ尓さ多めて

きよう者なち堂まハしやむことなき可多/\

を者ゝ可りてう遣者りてそのき者にハもて

さすさす可尓わつらハしうのきこえを

もひてかくあ可したまふ(な)めりとお本す者く

ち越し个れとそれをきすとすへきこと可ハこ

さらにも可のあ堂り尓ふれハゝせむ尓なとか

ほえとらむつ可へさ満尓おもむき

堂満へらは女御とのほさむ(+)もあちき」(25ウ)

 

しとおほせとともかくもおもひよりの多ま

者むをきてをた可ふへきこと可ハとよろつ尓お

本し个り可くの多まふハ二月ついたちころな

十六日ひ可んのハし免尓ていとよきなり

里ち可うよきしとかう可へ个る

ちによろしうおハしませハいそき堂ち多ま

てれいのわ多り多まうてもおとゝ尓

あらハしゝさ満なといとこま可にあへきことゝも

をしへきこえ多まへハあ者れな御心者おや」(26オ)

 

ときこえ可らもあ里可多可らむをとおほす

可らいとなむうれし可り个る可くてのち者中将

きみ尓もしの日て可ゝ累こと能の多万日

しらせ个りあやしのことゝもやむへなり个りと

もひあ者することゝもあるに可のつれな

あ里さ満よりもな本もあらすおもひ

いてられておもひよらさり遣累ことよと志れ/\

しきちすされとあるましうねち遣多る

へき本となり遣りとおもひ可へすことこそ者」(26ウ)

 

あ里可多きまめ/\しさな免れ可くてその

尓なりて三条よりしのひや可につ可ひ

  あ里くしのハこなとに者可那連と(+とも)いとき

よら尓し堂まうて御文ニハきこえむにもい

ま/\しきあ里さ満越けふハしのひこ免ハへれと

さる可多尓てもな可き堂めしハ可りをおほしゆ

るすへうやとてなむあハれ尓うけ多ま者りあ

きら免堂る春ち越可遣きこえむもい可ゝ

个しきにし多可ひてなむ」(27オ)

 

     布多可多にいひもてゆ遣ハ堂満くし遣

   王可者なれぬ可遣こなり个り

といとふるめ可しうわなゝき堂まへ累越とのも

こな多尓おハしましてことゝも御覧しさ多

むる本となれハみ多まうて古堂いな累

ふミかきなれとい堂しやこのてよむ可しハ

す尓ものし堂ま个る越とし尓そへて

あやしくおいゆく尓こそあ里遣れいと」(27ウ)

 

からくてふるひ尓个りなとうち可へしみ

まうてよくも堂満くし个尓万つ者れ

る可な卅一字のな可尓こともし者すく那く

そへ多ることの可多きなりとしのひてわら

給中宮よりしろきも可らきぬ

うそくしあ遣能くなといと尓那くて

れいのつ本とも尓可らの多き物心と尓可本り

ふ可くて多てまつり多まへり可多/\みな/\」(28オ)

 

さうそ/\のれう尓くしあふきま

てとり/\尓しいて多まへるありさ満おとりま

さらすさ満/\尓つ遣て可者可りの御心者せ

ともにいとミつくし堂まへれハお可しうみゆる

をひむ可しの/\も可ゝ累いそきハきゝ

多まう遣れともとふらひきこえ多まふへき

可すならねハ堂ゝきゝ春くし堂るにひ多ち

御方あやしうもうる者しうさる

へきこと能おりすくさぬ古堂いの御心尓て」(28ウ)

 

  い可て可このいそき越よそのとゝはきゝすく

  さむとおほして可多のことなむしいて多まう

  遣累あ者れなる御心さしな里可しあをに日

  の本そな可ひと可さねおちくりと可やなにと可

やむ可しのめて堂うし个るあ者せのはハ可満

ひとくむらさきのし可きりみゆるあられち

  のこうちきとよき古ろもハこ尓いれてつゝ

みいとうるわしうて堂てまつれ多まへり」(29オ)

 

御文尓ハし羅せ多ま婦へき可す尓もらねハ

つゝまし个れと可ゝる越里はおも多まへ志のひ

可多くなむこれいとあやし个れと尓も多ま者

せよとお日ら可とのらむしつ个ていとあさ

ましうれいのとおほす尓可本あ可みぬあや

しきふる尓こそあれ可くつゝみ志多る

ハひきいりしつミいり堂るこそよ个れ

  さす可尓ハち可ましやとてとはつ可者せ者

  多なくおもひなむちゝみこのいと可な

  うし多まひ个るおもひいつれ者尓」(29ウ)

 

とさむハいとくるしき人也ときこえ多まふ

こうちきの堂もとにれいのおなしすち能

うたあり个り

     わ可ミ古そうらみられ个れ可らころも

きミ可多もとになれすとおもへハ

ほむてハむ可し堂にあ里し越いとわり那う

し可みゑりふ可うつよう可多う可き堂まへり

とゝ尓くきのお可しさをハえねむし堂

者てこのう多よミつらむ本とこそましてい

者ち可らなくてところせ可り个むといとお

可り多まふいてこのとさハ可しうともわれせん」(30オ)

 

との堂まひてあやしうのおもひよるまし

御心者えこそあらてもあ里ぬへ个れと尓く

さ尓可き堂まうて

      からころも可らころもからころも

可へす/\も可らころもな累

とていと万めや可尓かのの堂てゝこのむ春ち那

れ者ものしてハへるなりとてみせ多てまつり

多万へハきみいと尓本ひや可尓わらひ多まひてあ

いとをしろうし多るやう尓もはへる可なとく

累し可りようなしこといとおほ可りやう」(30ウ)

 

ちのとゝ者さしもいそ可れ多まふましき御心

れとめつら可尓きゝ多まふしのちはいつし可と御心

かゝ里多れハとく万いり多まへりきしきなとあへ

い可きり尓春きて免つらしきさま尓しな

させ堂まへり个尓わさと御心とゝ免多まう个る

とゝみ多まふも可多し遣な可らやうか

者りておほさるゐの尓ていれ多てまつり多

ふれいのまうけをハさる尓てうちのお

しいと尓なくしつら者せたまうてさ可那

いらせ多ま婦となふられいの可ゝるより者

春こし日可りみせてお可しき本と尓もてな」(31オ)

 

しきこえ多まへりいミしうゆ可しうおもひきこ

多万へと(+古)よひハいとゆくり可なへ个れハひきむ

すひ多ま婦本とえしのひ多ま者ぬ个しき

なりあるしのおとゝこよひハい尓しへさ満の

とは可遣ハんへらねハな尓のあやめもわ可せ多まふ

  ましくなしらぬめを可さりてな越よの

  つねのさ本う尓ときこえ多まふ个尓さらにき

  こえさせやるへきハへらすな可ハら遣ま

  いる本とにかきりなきかしこまりをハよ尓多め

しなきことゝきこえさせな可らいまゝてかくし」(31ウ)

 

ひこめさせ多ま日个るう羅ミもい可ゝそへハへ

らさらむときこえ多まふ

     うらめしやおきつ堂まも越可つくまて

いそ可くれ遣るあ万のこゝろよ

とてな越つゝみもあへすし本多れひめきミ

者いと者つ可しきさまともさしつとひつゝ

ましさ尓えきこえ多ま者ねハ殿

     よるへなミ可ゝ累なきさ尓うちよせて

   あまも堂つねぬもくつとそみし

いと王り那きうちつ遣こと尓なむときこえ

まへハいとことハり尓なむときこえやる可多那くて」(32オ)

 

いて多まひぬみこ多ちつき/\/\のこる那くつとひ

堂万へり个さうもあま多まし里堂まへれ

者このおとゝかくいりお者して本とふる越い可な

に可とうた可ひ多まへりかのとのゝきむ

堂ち中将弁のきみ者可りそ本のし里へり

遣るしれすおもひしこと越可らうもうれし

うもおもひなり多まふハよくそうちいて

さり遣累とさゝめきてさまこと那るおとゝの

このみともなめり中宮多くひ尓したて

多まハむとやお本すらむなとをの/\いふよし」(32ウ)

 

をきゝ堂まへと志者しハ御心つ可ひしたまう

てよ尓そ志り那きさま尓もてなさせ多まへな

(+尓)こともやすき本とのこそミ多り可ハしうとも

かくもハへゝ可めれこ那多をもそ多をもさ満/\

のきこえなやまさむ堂ゝならむよりはあち

きなき越な多ら可尓やう/\めをもならすな

むよきこと尓ハゝへ累へきとまうし堂まへハ堂ゝ

もてなし尓なむし多可ひはへ累へきかうまて

こらむせられあり可多きハくゝミ尓かくろへ

个るもさきのよ能ちきりをろ可ならしと多」(33オ)

 

ま婦越くりなとさらにもい者すゝへてひき

いてろくともしな/\につ遣てれいあるこ

かきりあれととく者へになくせ佐せへり

  おやみ尓ことつけ多まうしなこ

里もあれハこと/\しきあそひなとはな

兵部卿いま者ことつ遣やりへきとゝこ本り

もなきをとおり多ちきこえ多まへとうち

より个しきあること可へさひそうしま多/\

おほせことにし多可ひてなむことさまの

ハともかくもおもひさ多むへきとそきこ江」(33ウ)

 

させ堂(+ま)ひ个るちゝおとゝハ本の可なりしさま越

い可てさや可尓みむな万可多本なることみえた

ま者ゝ可うまてこと/\しうもてなしおほさ

しなと/\もと那うこひしうおもひきこ江

多まふいまそ可のゆめもまことにおほしあ者

せ个る女御者可り尓ハさ多可なることのさ満を

きこえ堂まう个りよのひときゝ尓志ハし

このことい多さしとせち尓こめ多まへとくちさ可

きものハよのなり个り志ねんニい日もら

しつゝやう/\やうきこえいてくる越可のさ可な」(34オ)

 

のきみきゝて女御のおまへ尓中将少将さふら

  ひ多まふ尓いてきて殿むすめまうけ多

  まふへ可な(□&)りあなめて多やい可な累人二可多に

  もてなさるらんき遣ハ可れもおとりハらなりと

あふな遣にの多まへハ女御可多ハらい多しと

  おほしてものもの多ま者す中将し可ゝし

  つ可るへきゆへこそものし堂まふらめさても多可

  い日しことを可くゆくりなくうちいてたまふ

いひ堂ゝならぬ女方ともこそみゝ」(34ウ)

 

とゝむれとの多まへハあな可まミなきゝてハへりないし

  の可み尓なるへ可なつ可へにといそきいてたち

  しことはさやうの御返みもやとてこそなへての

  女方堂ち多尓つ可うまつらぬこと満ており多ちつ可う

まつれおまへのつらくおハしますなりとうらみ可く

れ者みな本おゑミてないしの可ミあ可ハなに可しこそ

のそ万むとおもふをひ多う尓もおほし可けゝ累可な

との多まふ尓ハら多ちてめて多き御中尓可すな

羅ぬ者ましるま志可り个り中将のきミそつらく

者するさ可しら尓む可へたま日て可ろめあさ个り多

  まふせう/\のハえ多てるましきとのゝうち可那あ」(35オ)

 

可しこ/\とし里ゑさ満尓ゐさりしそきてみを

こせ尓く个もな个れといとハらあし个尓ま志り

ひきあ遣多り中将ハ可くいふ尓つ个ても个尓

あやまち堂ることゝおもへハ万めや可尓てものし多

まふ少将ハかゝる可多尓ても多くひなあり

さま越おろ可尓ハよもおほさし御心しつめ堂ま

うてこそ可多きい者越もあ者ゆき尓なし多まう

つへきおほむ个しきなれ者いとようおひかな

給時もありなむと本おゑミてい日ゐ多まへり中将

もあまのい者とさしこもり堂まひなむやめ

やすくとて多ちぬれハ本ろ/\と那きてこのきみ」(35ウ)

 

  堂ちさへみな春个那くし堂まふ尓多ゝ御前

  あ者れ尓おハしませハ佐ふら婦とていと可やすく

いそしくらうわら者へなとのつ可うまつり堂ら

ぬさうやくをもたち者しりやすくまと日あ里き

つゝさしをつくしてミやつ可へしありきてないしの

可ミにをれをし堂まへとせめきこゆれ者あさ

ましうい可尓ていふことならむとおほす尓も能

もい者れ多ま者すおとゝこのゝそミ越きゝ

いと者なや可尓うちわらひ多まひて女御可多ニ

まいりへるついて尓いつらこのあふミのきみこな

と免せハをといと个さや可尓きこえていてき」(36オ)

 

  堂りいとつ可へ多るみ遣者いおほや遣尓て个尓

い可尓あひ堂らんないしの可みのことはなと可を

れ尓とくハものせさりしといと万めや可尓ての

堂まへハいとうれしとおもひてさも个しき多

まハらま本しうし可とこの女御殿とをのつ

からつ(□&)堂へきこえさせてむと堂のミふくれて

む佐ふらひつる越なるへきものし堂まふや

う尓き堂まふれハゆめ尓とみし多累ちし

てなむむね尓て越ゝき多累やう尓

堂まふ志多ふりいとものさ者や可なりゑミ」(36ウ)

 

ぬへきをねんしていとあやしうお本つ可な

くせなりやさもおほしの多ま者まし可ハまつ

のさき尓そうしてましおほきおとゝの

む春めやむこと那くともこゝにせちにさんことハ

  きこしめさぬやうあらさらましいまニても布ミ

越とりつくりてひゝしうかきい多されよな可う多

との者えあらむ越御覧せむ尓ハすてさせ

多まハしうへハそのうち尓なさけすて須おハし

ませ者なといとようす可し多まふのおや遣

く可多者なりやとう多者あしともつゝ遣

むむね/\しきのことハ多とのよりさせ」(37オ)

 

堂ま者ゝつまこえのやう尓てとくをも可う

ふりハへらむとてゝをゝしすりてきこえゐ多りミ

うしろなと尓てきく女方しぬへく

ほゆ王らひ尓堂えぬ者すへりいてゝな

くさめ个る女御もてあ可みてわり

うみくるしとおほし堂りとのもゝ

のむつ可しきおりハあふミのきみゝ累こそ

ろつまきるれとて多ゝわらひくさ尓つくり多

まへとよハはち可てらハし堂な免多ま

  ふなとさ満/\いひ遣り」(37ウ)

 

【奥入01仁和二年十二月十四日<戊/午>寅四剋行幸芹川(河&川)野用

鷹鷂也式部卿本康親王常陸太守(+貞固)親王太政大臣<藤原/朝臣>

左大臣<源朝臣>右大臣<源朝臣>大納言藤原朝臣<良世>中納言源朝臣<能有>在原朝臣<行平>

    藤原朝臣<山蔭>已下参議皆扈従其狩猟之儀一依承和故事

或考舊記付故老口語而行事乗輿出朱雀門留輿砌上

勅召太政大臣云皇子源朝臣定ー宜賜佩釼太政大臣傳勅

定ー拝舞輿前帯釼騎馬皇子源朝臣正五位下藤原時平着

摺衣午三剋亘猟野於淀河邊供朝膳<行宮在泉河鴨河/宇治河之會>海人等

献鯉鮒天子命飲右衛門督諸葛朝臣奏歌天子和之群臣以次

    歌謳大納言藤原朝臣起舞未二剋入猟野放鷂撃鶉

如前放隼撃水鳥坂上宿祢ム献鹿一太政大臣馬上奏之乗輿

幸於左衛門権佐高経別墅供夕膳高経献贄勅叙正五位下

太政大臣卒高経拝舞」(38オ)

 

(白紙)」(38ウ)

 

右定家卿真跡也然此本

散在於世云々庶乎其以

類集矣

寛永第七林鐘上澣特進藤(光広花押)」(39オ)