First updated 07/13/2022(ver.1-1)
渋谷栄一翻字

初音

凡例

1.大橋寛治氏蔵『源氏物語 奥入』(復刻日本古典文学館 昭和46年10月)所載の巻尾本文を漢字仮名字母翻字法によって翻字した(翻刻資料の凡例を参照)。
2.判読不明文字は△で記した。
3.大島本との本文の異同は朱色、仮名遣い等の異同は茶色、漢字仮名の表記の異同は緑色で表示した。

「自筆本奥入」(52オ)「初音」(巻尾5行)

(+とゝもうるしきふくろ
(ん&)してひ免越可せへるミ那ひき
いてゝをしのこひ)ゆる(へ&)るをとゝの(へ&
佐せなとす御方/\つ可ひい多くしつゝ
(+けさう)をつくし(ん&)可し
 

【本文の訂正跡】
@「万」は「堂」と「ひ」の中間右傍らに補入、補入符号ナシ
A「も」は「ん」の」上に直接重ね書き訂正
B「て」の上にやや大き目の二点ミセケチ符号をうち、削除
C「へ」の上に「へ」と重ね書き修正、「へ」「つ」の違いを明瞭化したか
D「へ」の上に「へ」と重ね書き修正、「へ」「つ」の違いを明瞭化したか
E「けさう」は「心」と「を」の中間に補入符号丸印を入れて、「けさう」と補入、書写者の所為か定家の所為かは未詳
F「む」は「ん」の上に直接「む」を重ね書きした訂正、古くは「ん」字を「も」音に使用していたが、あえて訂正したか

【本文の異同】
@「をしのこひ$)」―「をしのこひ」(大島本)
A「心(+けさう)」―「心けさう」(大島本)

【仮名遣い等の異同】
@「うるしき」―「うるハしき」(大島本)
A「給」―「給ひ」(大島本)

【漢字仮名表記の異同】
@「堂(+万)ひて」―「給て」(大島本)