First updated 02/24/2003(ver.1-1)
Last updated 12/13/2018(ver.3-3 修正)
渋谷栄一翻字(C)

花散里

 

【凡例】

1.『青表紙原本 源氏物語 花ちるさと・かしは木』(原装影印古典籍覆製叢刊 前田育徳会尊経閣文庫 昭和53年11月)に拠って漢字仮名字母翻字した。

2.漢字は漢字のまま翻字し、他の変体仮名字母と区別するために太字で表示した。

3.通行の平仮名の字母はそのまま平仮名で翻字した。

4.変体仮名はその字母で翻字した。

5.片仮名はそのまま片仮名で翻字した。

6.仮名や字母の崩し方が複数ある文字については、一般的な字形を基準にして、それより元の漢字に近い字形には「と付記し、また一般的な字形とも異なった別の崩し字形には「と付記した。

7.本行本文は普通字体で表示し、書入注記や付箋等は小字体で表示した。

8.行頭に同字が並ぶ場合に、異なる字母は赤色、同じ字母は緑色で表示した。

 

ちる佐と」(題箋)

 

  ひとしれぬ御心徒可らのも者しさはいつと
  な
きことな(なめ)れとかくおほ可多のよ尓つけてさへ
  わつら者しうお
ほしみ堂るゝことのみまされハ
  ものほそ世中へていと者しうおほし
  な
らるゝにさす可なることおほ可りれい遣いてんと
  きこえしハ堂ちもお
者せす可くれさ勢
  まひてのちいよ/\あ者れな
ありさ満を
  ゝこの大将殿御心尓もて可くされてすくし
  まふな
るへしをとうとのきみうち」(1オ・大成387E)

 

  わ多り尓て者可那う本の免き堂まひしなこり
  のれいの御心
れハさす可尓わ春れも者て多ま者す
  わさともゝてな
し堂ま者ぬ尓御心をのミ徒く
  し者て堂まふへ可免るをもこのころの
こること
  な
くおほしみ多るゝよのあ者れのくさ者ひ尓は
  いて堂まふ尓者しのひ可多くてさみ多れのそ
  めつらしく者れ多るくもまにわ多り
尓者可り能
  よそひな
くうちや徒してせんなともなく志
  のひてな可ゝはの本とお
者しすくるにさゝや可な
  いへ能こ堂ちな
とよし者免る尓よくなることを」(1ウ・387K)

 

  あ徒ま尓しらへて可きあ者せ尓き者ゝしく
  ひきな
すなりみゝと満りて可とち可なれハ
  すこしさしいてゝみいれ堂まへハお
ほきな累可徒ら
  のき能お
ひ可せ尓まつりのころお本しいてられてそ
  こ者可となくけ者ひお
可しきを堂ゝひと免み
  しやとりな
りとみ多まふ堂ゝならすほとへ尓个る
  お
ほめ可しくやとつゝまし遣れとすき可てにやすらひ
  堂まふお
りしも本とゝきすなきてわ多るもよ
  をしきこえ可ほな
れハくるま越し可へさせて」(2オ・388C)

 

  れいのこれみついれ
    お
ち可へりえそしの者れぬ本とゝき須
    本の可堂らひしやとの
可きね尓
  志ん殿とお
ほしきやの尓しのつま尓/\ゐ多り
  さき/\もきゝしこゑな
れ者こわつくり遣し
  きとりてせうそこきこゆわ可や可な
る个しき
  ともしてお
ほ免くなるへし
    本とゝきすことゝふこゑ者それな
れと
    あ那お
ほつ可なさミ多れのそら こと佐ら堂」(2ウ・388I)

 

  と累とみれ者よし/\うへし可きねもとてい徒る
01うへし可きねも】−<朱合点>
  をしれぬ尓者ね堂うもあ者れ尓も个り
  さもつゝむへきことそ可しことわり尓もあれハさ
  す可な
り可やうのき者につくし能こせち可らう
  堂个なりし者やとま徒お
ほしいつい可な
  尓つ遣ても御心のいとま那くゝ累し遣な
りとし
  をへても可やう尓みしあ多りな
さけす
  くし堂ま者ぬ尓しもな
可/\あま多の
  ものおもひくさなり可能本いのところ者おほし」(3オ・389@)

 

  やり徒るもしるくめなくしつ可尓てお者する
  ありさ満をみ堂まふもいとあ者れな
りまつ女御
  の可多尓てむ可しのもの可多りな
ときこえ
  ふ个に遣り廿日さしい徒る本とにいとゝ
  こ堂可き可けともこくらくみえわ多りてち可き
  堂ち者那の可本りなつ可しく尓本日て女御
  者ひね日尓堂れとあくまてよういありあてに
  らう堂个な
りすくれて者なや可なるをほえ
  こそ
可りし可とむつましうなつ可しき可多にハ」(3ウ・389E)

 

  おほし堂りしをないてきこえ尓つけ
  てもむ可しのこと可きつらねお
ほされてうちな
  堂まふ本とゝきすありつるかきねの尓やお

  こゑ尓うちなくし堂ひき尓个るよとお

  さる(る&る)ゝほともえんな
り可しい可尓しりて可な
02い可尓しりて可】−<朱合点> い尓しへのことか多らへハほとゝき春/い可尓し里て可なくこゑ能する(付箋01
  しのひや可にうちすんし
    堂ちの可をなつ可しミほとゝきす
03堂ちの可をなつ可しミ】−堂ち可本なつ可し見ほとゝき須/か多らひしつゝな可ぬそ那き(付箋02
    者那ちるさとを堂つねてそとふ い尓しへの
  わすれ可多きな
くさめにハなをまいりぬへ可り」(4オ・389K)

 

  遣りこよ那うこそ満きるゝことも可すそ
  ことも者へり个れお
ほ可多のよ尓し堂可ふもの
  
れ者む可し可堂りも可きく徒すへき春く
  うな
りゆくをましてつれ/\も満きれなくお
  ほさるらんときこえ堂まふ尓いとさらなるよ
  な
れとものをいとあ者れ尓おほしつゝ遣堂累
  けしきの
あさ可らぬもさ満可らにやお
  くあ者れそゝひ尓个る
    ひと免な
くあれ多るやとは堂ち者那の」(4ウ・390C)

 

    者那こそのき能つまとなり遣れと者可り
  の堂まへるさはいへと尓者いとことな
り遣り
  とお
ほしくらへらる尓しおもてにハわさとなく志
  のひや可尓うちふ累まひ多ま日てのそへる
  も免つらしき尓そへてよ尓免な
れぬさ満
  
れ盤徒ら佐もわすれぬへしな尓や可やとれいの
  つ可しく可堂らひ堂まふもお
ほさぬことにあ
  らさるへしかり尓もみ堂まふ可きりハをしな
へて
  のきは尓ハあらすさ満/\につ遣ていふ可ひな

                         と」(5オ・390H)

 

  おほさるゝはな个れ者尓や尓く遣なくわれも
  もな
さけを可者しつゝすくし堂まふなり遣り
  それをあいな
しと思人者と尓可くに可者るも
  こと者りのよのさ可とお
もひなし堂まふあり
  つるかきねもさやう尓てありさ満可者り尓多る
  あ堂りな
り遣り」(5ウ・390L)