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Last updated 12/29/2021(ver.3-4 修正)
渋谷栄一翻字(C)
花散里
【凡例】
1.『青表紙原本 源氏物語 花ちるさと・かしは木』(原装影印古典籍覆製叢刊 前田育徳会尊経閣文庫 昭和53年11月)に拠って漢字仮名字母翻字した。
2.漢字は漢字のまま翻字し、他の変体仮名字母と区別するために太字で表示した。
3.通行の平仮名の字母はそのまま平仮名で翻字した。
4.変体仮名はその字母で翻字した。
5.片仮名はそのまま片仮名で翻字した。
6.仮名や字母の崩し方が複数ある文字については、一般的な字形を基準にして、それより元の漢字に近い字形には「1」と付記し、また一般的な字形とも異なった別の崩し字形には「2」と付記した。
7.本行本文は普通字体で表示し、書入注記や付箋等は小字体で表示した。
8.行頭に同字が並ぶ場合に、異なる字母は赤色、同じ字母は緑色で表示した。
「花ちる佐と」(題箋)
ひとしれぬ御心徒可らの1物お1も者しさはいつと
な1きこ2とな2(+0め)れとかくお1ほ可多の1よ尓つけてさへ
わつら者しうお1ほしみ堂るゝこ2とのみまされハ
もの心ほそ2く世中な2へていと者しうお1ほし
な2らるゝにさす可な2るこ2とお1ほ可りれい遣いてんと
きこえしハ宮堂ちもお1者せす院可くれさ勢
堂まひてのちいよ/\あ者れな2る御ありさ満を
多ゝこの大将殿の御心尓もて可くされてすくし
堂まふな2るへし御をとうとの三の1きみうち」(1オ・大成387E)
わ多り尓て者可那う本の免き堂まひしな2こり
のれいの御心な2れハさす可尓2わ春れも者て多ま者す
わさともゝてな2し堂ま者ぬ尓人の御心をのミ徒く
し者て堂まふへ可免るをもこのころの1こるこ2と
な2くお1ほしみ多るゝよのあ者れの1くさ者ひ尓は
思いて堂まふ尓者しのひ可多くてさみ多れのそ2ら
めつらしく者れ多るくもまにわ多り給な2尓者可り能
御よそ2ひな1くうちや徒して御せんな2ともなく志
のひてな可ゝはの本とお1者しすくるにさゝや可な2る
いへ能こ堂ちな2とよし者免る尓よくな2るこ2とを」(1ウ・387K)
あ徒ま尓しらへて可きあ者せ尓き者ゝしく
ひきな2すなり御みゝと満りて可とち可な2る所な2れハ
すこしさしいてゝみいれ堂まへハお1ほきな累可徒ら
のき能お1ひ可せ尓まつりのころお1本しいてられてそ2
こ者可となくけ者ひお1可しきを堂ゝひと免み給
しやとりな2りとみ多まふ堂ゝな2らすほとへ尓个る
お1ほめ可しくやとつゝまし遣れとすき可てにやすらひ
堂まふお1りしも本とゝきすな2きてわ多るもよ
をしきこえ可ほな2れハ御くるま越し可へさせて」(2オ・388C)
れいのこれみついれ給
お1ち可へりえそ2しの者れぬ本とゝき須1
本の可堂らひしやとの1可きね尓
志ん殿とお1ほしきやの尓しのつま尓人/\ゐ多り
さき/\もきゝしこゑな2れ者こわつくり遣し
きとりて御せうそ2こきこゆわ可や可な2る个しき
ともしてお1ほ免くな2るへし
本とゝきすこ2とゝふこゑ者そ2れな2れと
あ那お1ほつ可な2さミ多れのそ2ら こ2と佐ら堂」(2ウ・388I)
と累とみれ者よし/\うへし可きねもとてい徒る
01【うへし可きねも】−\<朱合点>
を人しれぬ心尓者ね堂うもあ者れ尓も思个り
さもつゝむへきこ2とそ2可しこ2とわり尓もあれハさ
す可な2り可やうのき者につくし能こせち可らう
堂个なりし者やとま徒お1ほしいつい可な2る
尓つ遣ても御心のいとま那くゝ累し遣な2りとし
月をへても猶可やう尓2みしあ多りな2さけす
くし堂ま者ぬ尓しもな2可/\あま多の人の1
ものお1もひくさな2り可能本いのところ者お1ほし」(3オ・389@)
やり徒るもしるく人めな2くしつ可尓てお1者する
ありさ満をみ堂まふもいとあ者れな2りまつ女御
の御可多尓てむ可しの御もの可多りな2ときこえ給尓2
夜ふ个に遣り廿日の月さしい徒る本とにいとゝ
こ堂可き可けともこくらくみえわ多りてち可き
堂ち者那の可本りなつ可しく尓本日て女御の御个
者ひね日尓2堂れとあくまてよういありあてに
らう堂个な2りすくれて者な2や可なる御をほえ
こそ2な2可りし可とむつましうなつ可しき可多にハ」(3ウ・389E)
お1ほし堂りし物をな2と思いてきこえ給尓つけ
てもむ可しのこ2と可きつらねお1ほされてうちな2き
堂まふ本とゝきすありつるかきねの尓やお1な2し
こゑ尓うちなくし堂ひき尓个るよとお1ほ
さる(る&る)ゝほともえんな2り可しい可尓しりて可な2と
02【い可尓しりて可】−\<朱合点> い尓しへのこ2とか多らへハほとゝき春/い可尓1し里て可な2くこゑ能する(付箋01)
しのひや可にうちすんし給
堂ち花の可をなつ可しミほとゝきす
03【堂ち花の可をなつ可しミ】−堂ち花の1可本な2つ可し見ほとゝき須1/か多らひしつゝな2可ぬ日そ那き(付箋02)
者那ちるさとを堂つねてそ2とふ い尓しへの
わすれ可多きな2くさめにハな2をまいり侍ぬへ可り」(4オ・389K)
遣りこよ那うこそ2満きるゝこ2とも可すそ2ふ
こ2とも者へり个れお1ほ可多のよ尓し堂可ふもの
な2れ者む可し可堂りも可きく徒すへき人春く
なうな2りゆくをましてつれ/\も満きれな2くお1
ほさるらんときこえ堂まふ尓いとさらな2るよ
な2れとものをいとあ者れ尓お1ほしつゝ遣堂累
御个しきの1あさ可らぬも人の御さ満可らにやお1ほ
くあ者れそ2ゝひ尓个る
ひと免な2くあれ多るやとは堂ち者那の」(4ウ・390C)
者那こそ2のき能つまとな2り遣れと者可り
の堂まへるさはいへと人尓者いとこ2とな2り遣り
とお1ほしくらへらる尓しお1もてにハわさとなく志
のひや可尓うちふ累まひ多ま日てのそ2き給へる
も免つらしき尓そ2へてよ尓免な2れぬ御さ満
な2れ盤徒ら佐もわすれぬへしな尓や可やとれいの
なつ可しく可堂らひ堂まふもお1ほさぬこ2とにあ
らさるへしかり尓もみ堂まふ可きりハをしな2へて
のきは尓ハあらすさ満/\につ遣ていふ可ひな2し
と」(5オ・390H)
お1ほさるゝはな2个れ者尓や尓く遣なくわれも
人もな2さけを可者しつゝすくし堂まふな2り遣り
そ2れをあいな2しと思人者と尓可くに可者るも
こ2と者りのよのさ可とお1もひな2し堂まふあり
つるかきねもさやう尓てありさ満可者り尓多る
あ堂りな2り遣り」(5ウ・390L)