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渋谷栄一翻字(C)

  

花 宴


【概要】
・大島本「花宴」は、行間注記の巻である。

・朱筆で合点は掛けられ、行間に墨筆と朱筆で引き歌が記されている。

・和歌の書写様式は、8首、すべて地の文から改行して和歌の冒頭を2字下げて書き出し、上句と下句との間で改行して下句は地の文の高さから書き、和歌の末尾に直接地の文を続けて書く(Ⅰ型A類①~⑧)である。

・「花宴」では、行頭に同字が並んだ場合に、同じ字母・字形で書かれているものは、1ウ4・5「く」、6ウ7・8「き」、7オ5・6「可」、9オ3・4「い」の4事例である(表示)。
 対して、異なる字母・字形で書かれているものは、13オ4「な」・5「な」の1事例のみである(表示)。

・大島本「花宴」は、行間注記に明融臨模本と共通するものがあるのが注目される。

凡例
1.漢字は漢字のまま翻字し、他の変体仮名と区別するために太字で表示した。
2.通行の平仮名の字母はそのまま平仮名で表示した。
3.変体仮名は字母で表示した。
4.片仮名はそのまま片仮名で表示した。
5.仮名や字母の崩し方が複数ある文字については、一般的な字形を基準にして、より元の字母の漢字に近い字形には「1」と付記し、また一般的な字形とも異なった別の崩し字形には「」と付記した。
6.本行本文は普通字体で表示し、書入注記等は小字体で表示した。
7.本文中の朱点及び朱書きは朱色で表示した。
8.行頭に同字が並ぶ場合に、異なる字母字形は茶色、同じ字母字形は緑色で表示した。

のえん」(題箋)

  き佐らきの者つ可あまり南殿能さ
  くら能させ后春宮つ本年
0001【后】-藤壺(明融臨模本0001)
0002【春宮】-朱雀院(明融臨模本0002)
  左右してまうの本里多まふ弘徽殿
  女御中宮かく亭お王する越ふし
  ことに屋春可らすおほせとものミ尓は盈
0003【ことに】-毎ナリ(明融臨模本0003)
  春くしハて万いりい登よく者れて
  遣しき能こゑもちよけな
  尓見こ多地可むたちめよ里はしめて
  濃ハ見那むゐむハりてふミ徒
0004【たむゐむ】-探韻也 各分一字詩也(明融臨模本0004)
0005【ふミつくり】-作文(明融臨模本0005)
  くり宰相中将といふもし者」(1オ・269①)
0006【宰相中将】-源氏(明融臨模本0006)

  連りとふこゑさへ連いの丹こ
  なり徒き尓頭中将人のめうつしもたゝな
  らすおほゆへ可めれといとめや春くもう(う$<朱>)
  (く<朱>)しつめてこハつ可ひなともの/\しく春(△&春)
  れ多さての/\ハミ那をくしかち
0007【をくしかち】-臆(明融臨模本0007)
  に者那しろめ類おほ可り地下まし
0008【はなしろめる】-世俗におくしたる事を鼻しろむといふ(明融臨模本0008)
  て見可と春宮さ盈閑しこく
  くれておハしま春可ゝ類可多尓やむゝ(ゝ$<朱>)とな
  おほくも能しふころなる丹者つ可
  し具者る/\とくもりなき尓はにち」(1ウ・269⑤)

  いつるほと者したなくてや春きれと
  くるし遣那りとしおい多るハ可せとも能な里
0009【はかせ】-博士(明融臨模本0009)
  あやしくや徒連て連いなれ多るもあハれ
0010【なれ】-馴
  尓さ満/\らん春るなお可し可り遣る
  可くともなとハ佐ら尓もい者すとゝ(ゝ$<朱>)のへさせ
0011【かく】-楽(明融臨模本0010)
  へりやう/\入日尓なるほとさへ
0012【春の鴬さへつるといふまひ】-春鴬囀 一越調 一名天長宝寿楽
  徒る登い婦まひいとおもしろくゆるに
  源氏もみちの能おりおほしいてら
  れて春宮可佐し多まハせてち尓せ
  めの多満ハする尓の可れ可多く亭多ちて」(2オ・269⑩)

  のと可尓そてかへすところをひとをれ遣し
  きハ可りまひへる尓にるへきものな
  <朱>)のおとゝうらめしさも王すれて
0013【左のおとゝ】-摂政(明融臨模本0011)
0014【うらめしさ】-女葵上事(明融臨模本0012)
  をとし頭中将い徒らおそしとあれ
  者柳花苑といふ万ひをこれハい満春こし
  すくして可ゝるもや登可ひや
  し个むいとおもしろ(△&ろ)け連は
0015【いとおもしろけれは】-花宴事了王卿以下各賜禄也
0016【御そ】-御衣
  ハりていとめつらしきをもへり
  む多ちめミ那見多れてまひへと
  てはとに氣ちめもふミなとかう」(2ウ・270②)
0017【ふミなとかうするにも】-舞楽之後講詩定事也

  する尓も源氏をハかうしも盈よミ
0018【御をハ】-御詩也(明融臨模本0014)
  やらすくことにすしのゝ志類者能可せともの
0019【すし】-誦(明融臨模本0015)
  尓もい見しうおもへりかうやう能おり尓
  もまつこのを日可り尓志多まつ(つ$<朱>)れ者能
  見可ともい可て可をろ可尓おほされ連(連<朱>)ん
  宮御め能とまるに徒个て春宮女御
0020【春宮の女御】-春宮の母女御也(明融臨模本0016)
  あな可ちにく見らむも阿やしう
  志う(志う<朱>)わ可かうおもふもうしとそ見つ可ら
  おほし可へされ个る
    おほ可多尓のす可多越まし可は」(3オ・270⑦)
0021【おほかたに】-藤壺(明融臨模本0018) 古今 露ナラヌ心越花ニヲキソメテ風ふくことに物ヲモイソツク(古今589・古今六帖586、河海抄・細流抄・休聞抄・紹巴抄・孟津抄・岷江入楚)

  のお可れましやハ御心うちなり个ん
  こい可ても里尓个むい多うふけてな
  むこと者て遣る上達部をのを能あ可れ
0022【あかれ】-分散ナリ(明融臨模本0019)
  春宮可へらせ日ぬれ者とや可丹なり
  ぬるにいとあかう佐しいてゝお可しき
  を源氏ゑいち尓春くしか多く
  おほえ日个れハうへの/\もうちや春
  見て可やうに日可けぬほと尓もしさりぬ
  遍きひまもやあ類と・布ちつ本わ多り
  を
ハ(ハ$<朱>)りなふ志のひてう可ゝひあり遣とか多ら」(3ウ・270⑫)

  婦へきとくちも佐して个れハう地な
  きてなをあらしに弘徽殿の本そとの丹
0023【なをあらしに】-<朱合点> 万 なをあらしとことなしくさにいふことをきゝしれらくハすくなかりけり(万葉1262、河海抄)
0024【ほそとの】-細殿也 廊を細殿といふ 一説廂を云(明融臨模本0021)
  多ちよ里つ(つ<朱>)れハくちあき
0025【三のくち】-弘徽殿に北南へほそくとをりたる戸あり是ハ北より第三間ニアタル戸也格子ヤリ戸也(明融臨模本0023)
  女御ハうへのつ本年尓や可てまう能
ほり
  尓个れハすくなゝ類遣ハひなおく
  のくるゝともあきてをともせ春かやう
0026【くるゝと】-クルヽ木也或ハタヽキ戸とも号也
  尓て世中のあやまちハするそ可し登
  てや△(△#<墨><朱>)らのほりてのそハ見な
  類へしいとわ可うお可し遣なるこゑの
0027【いとわかうおかしけなるこゑの】-源氏君通朧月夜尚侍事(明融臨模本0025)
  てのとハきこえおほろ月夜ににる」(4オ・271③)
0028【おほろ月夜ににるものそなき】-<朱合点> 大江千里 てりもせすくもりもはてぬ春のヨノヲボロ月ヨニシク物ソナキ(明融臨模本0026・付箋02 新古今55・千里集72、源氏釈・奥入・異本紫明抄・紫明抄・河海抄)是ニヨツテ朧月ヨノ尚侍ノ御門といふ

  ものそ起とう地すしてこな多さ満尓(+ハ)く
  類も能可い登うれしくてふと越とらへ
  多満おそろしとへる遣しき尓て
  な無くつこハ多そとのへとに可うと
  ましきとて
    婦可きのあハれをしるも入月
0029【ふかき夜の】-宵灯共憐深夜月(明融臨模本0028)
  お本ろ遣ならぬとそおもふとてやをら
  い多きおろしてとハをし多て徒あさまし
0030【とハ】-戸
  き尓あきれ多るさ満いとなつ可しうおかし遣な
  わなゝく/\古ゝ尓の多満へと万ろハ見な」(4ウ・271⑧)

  尓ゆるされ多連ハめしよせ多りとも
  なむてう可あらんゝ志のひてこ
  のふこゑ尓このきミなり个り登きゝ
  さ多めていさゝ可なくさめ个り王ひしとおもへる
  もの可らさけなこわ/\志うハ
  とおもへ里ゑいちやれいならさり个む
  類さんくちおしき尓もわ可う多(△△&う多)を
  やきてつよ起も志らぬなるへしらう
  多しと見給ふ尓ほとなくあけゆ遣ハ
  あハ多ゝしハましてさ満/\におもひ見」(5オ・271⑭)

  多れ多る遣しきなりの里し多満
  へい可てきこゆへき可うて屋ミなむとハ
  佐りともお本されしと能へハ
    うき身世や可てき△(△#)盈(+<朱墨>)者多つ年ても
0031【うき身世に】-おほろ月夜(明融臨模本0027)
  能者らをはとはしとやおもふといふさ満
  えむ尓な満めき多とハりやきこ盈た
  可へ多るもし可なとて
0032【しかなとて】-サソナノ心也
    いつれそ能やとりをわ可むま耳
0033【いつれそと】-源氏 いつれそとタツネン程も猶おほつかなかるへしといふナリ(明融臨模本0028)
  こさゝ可ハら尓可せもこそふけ王つらハし
  具おほ春らす者尓可徒ゝまむもし」(5ウ・272⑤)

  す可いふ可ともいひあへ春/\おき
  さハ起うへのつ本年尓まひりち个ふ遣し
  きとも志遣くまよへハいとハりなくてあふき
  ハ可りを志るしにとりかへていてひぬきりつ
  本尓ハ/\おほくさふらひておとろき多
  類もあれハかゝ流をさもゆミな志のひ
  ありき可な徒き志ろひつらねをそ
0034【つき】-突
  志あへるいり日てふしへれといら連
  春お可し可り徒るのさ満可な女御
  おとうと多ちにこハあらめま多丹なれぬ」(6オ・272⑪)
0035【世になれぬ】-ぬしなきをいふ(明融臨模本0030)

  ハ五六らん可しち能
0036【そち】-<朱>
  方頭中将すさめぬとこ
  志ときゝし可可/\それならまし个ハい満
  春こしお可志可らまし春宮尓多て
0037【六ハ】-朧月夜也(明融臨模本0031)
  まつらんとさしへるをいとおし(△&し)うもあ
  類へい可な王つらハしう多つね
  らハしさて多むとハおも者ぬ遣し
  りつるをい可なれハとかよハすへきさ満
0038【こと】-言
  をゝしへ春なりぬらんなとよろつ尓おもふも
  のと満るなる遍しかうやうなるに徒」(6ウ・273③)

  遣てもまつかの王多り能ありさ満のこよ
0039【かのわたり】-葵上
  なうおくまり多るハやとありか多ふおもひ
  くらへられ後宴ありて
  ま起連具らし多万ひ徒さう能こと徒
  うまつりきのふのよ里もま免
  しうおもしろしふち徒本ハあ可徒きに
  まうのほり尓个りかのありあけいてや志
0040【ありあけ】-尚侍(明融臨模本0032)
  ぬらんと尓ておもひい多らぬく満な
  きよ(+しきよ)これミつつけてう可ゝハせ个れ者
0041【よしきよこれミつ】-良清 惟光(明融臨模本0033)
  おまへよりま可て日遣る本と尓ゝい満」(7オ・273⑧)

  のちんよりか年てよりかくれ多地てつ(つ#徒)る
  ともま可りいつる可多/\のさと人侍つる
  四位少将右中弁いそきいてゝ
0042【四位の少将右中弁】-両人二条太政大臣子(明融臨模本0033)
  をくりしつるや弘徽殿あ可れならん
0043【御あかれ】-女御御里ヘいて給ふ也(明融臨模本0035)
  と見給へ徒る个しうハあらぬ遣ハひとも志
  類くてくる満見つ者可りつときこゆる
  尓もむ年うちつふれい可尓していつれ
  と志らむちゝおとゝなときゝて古と/\しう
  もてなさんもい可にそま多ありさ満
  よくさ多めぬ本と者王つらハし可るへし」(7ウ・273⑬)

  さりとて志らてあらんハたい登くちおし
  可るへ个れハい可尓ましとおほし王つ
  らひて徒く/\とな可めふしへ里ひめ
0044【ひめ君】-紫上(明融臨模本0036)
  い可尓つれ/\ならんひころ尓なれハくし
  てやあらむとらう多くおほしやるかの志る
  しのあふきハ佐くら可さ年尓てこき可
0045【さくらかさねにて】-<朱合点> 檜扇ノ両方ノうへ三枚つゝをうす様ニテツヽミテいろ/\の糸にてトチテすへニあはひにむすひたる也 五重の扇も同<右> 清少納言枕草子ナマメカシキ物三へかさねのあふき五へニナリヌレハあまりあつくて
  多尓かすめる越可起て尓うつし多
  者へめなれ(+多るれ)とゆへなつ(△&つ)可しうもてならし
  多くさのハらをハ登いひしさまのミ(△&ミ)
  尓可ゝりへハ」(8オ・274⑤)

    尓志らぬちこすれ有明
0046【世にしらぬ】-源氏(明融臨模本0037)
  ゆくゑをそらにま可へてとかき徒遣
  日てをきへりおほいとの尓もひさしうな
  里丹个るとおほせ王可くるし个れ
0047【わか君】-紫上(明融臨模本0038)
  ハこしらへむとおほして二条院へおハし
  ぬるまゝにいとうつくし遣丹おひなりて
0048【見るまゝに】-紫上十二歳也(明融臨模本0039)
  あいきやうつきらう/\しき者えいと
  ことなりあ可ぬ王可御心のまゝにをしへ
  なさんとおほ春尓かなひぬ遍しおとこの
  をしへなれハ春こしれ多るやまし」(8ウ・274⑪)

  らむとおもふこうしろめ多个れ
  のもの可多りとなをしへくらして
  ふを連いのとくちおしくう(くう$<朱>)おほせ
  満ハいとようならハされて王りなくハ志多ひ
  万つハさすおほいとの尓ハれいのふとも多いめん
0049【たいめん】-葵上(明融臨模本0041)
  志多満ハすつれ/\とよろつお本しめくらさ
  連てさうのと満さく里てやハら可丹ぬる
0050【やハらかにぬる夜ハなくて】-<朱合点>(明融臨模本0042) ヌキ川ノせゝノタマクラヤワラカニヌルヨワナクテヲヤサクルツマ 貫河律哥
  ハなくてとう多おとゝわ多り日て
  一日个ふありしきこえ古ゝらの
  よハひ尓てめいわうの御代四代をなんミ」(9オ・275②)

  ぬ連とこのひのやう尓ふミともきやう
0051【きやうさくに】-𨗈迹也 あらハなる心也 一云さとくしるき心也 一説警策也(明融臨模本0043)
  さくにまひ可くものゝねともとゝ(ゝ$<朱>)のほりて
  ハひのふるらさりつる/\能もの
  濃上手ともおほ可るころをひくハしう志ろし
  めしとゝのへさせへる遣なおきなも本と
0052【ほとほと】-殆
  ほとまひいてぬへきちなんししときこ
  えへハとにとゝのへおこならす
0053【ことに】-源氏(明融臨模本0044)
  多ゝおほや遣尓そ志うなるものゝ志とも
  をこゝ可しこ丹多つ年しなよろつのこ
  よりハ柳花苑満ことに古う多いのれいとも」(9ウ・275⑦)

  な里ぬ遍くまつ(つ$<朱>)し尓ましてさ免(免$<朱>)
0054【さかゆくはるに】-\<朱合点> 古今 今コソアレ我モ昔ハ男山サカユク時モ有コシ物ヲ(古今889・新撰和歌353、奥入・異本紫明抄・紫明抄・河海抄 明融臨模本0045・付箋03)
  ゆくはる尓ちいてさせ遍まし可ハ
  めん本く尓やらましときこえ弁中将
  なとまいりあひてかうらむ尓せ可をし
  つとり/\にものゝねとも志らへあハせてあ
  そいとおもしろしかのありあけ能
0055【ありあけの君】-朧月夜尚侍(明融臨模本0046)
  者可な可りしをおほしいてゝいとも
  のけ可しう可め春宮尓ハ卯月
  者可りとお本しさ多め多れハいと王りなうお
  ほし見多れ多るをおとこも多つ年ハむ」(10オ・275⑬)

  尓あと者可なくハあら年といつれとも志らて
  にゆるしハぬあ多り尓かゝ(ゝ$<朱>)つらハむも
  類くおもひ王つらひふ尓やよひの廿余日(△△&余日
  右大殿ゆミの个ちにかむ多ちめみこ
0056【右大殿のゆミのけち】-二条右大臣藤花宴事(明融臨模本0047)
0057【けち】-結也(明融臨模本0048)
  多おほくつとへや可て布ち能
0058【たち】-殿上人
  佐可りハ春きに多るを本可能ちりな
  とやをしへられ多り个むをくれてさくさくら
  ふ多い登おもしろきあ多らしう
  つくりへる殿ち能もき能
0059【宮たちの御もき】-弘徽殿女御の御腹の宮達也(明融臨模本0051)
  見可き志つらハれ多り者那/\とものし」(10ウ・276④)

  給殿やう尓て(+ヰトイ、ヰトイ<朱>)もい満め可しう(う=くイ、くイ<朱>)も
  てなしへり源氏尓も一日うちにうく(うく$<朱>)
  いめんのついて丹きこえし可とおハせね
  ハくちおしうものゝハ遍な志とおほして
0060【ハへなし】-光也 栄也
0061【御】-ヲン
  この四位少将てまつり多満
0062【四位の少将】-軒ハの荻の夫也(軒ハの荻の夫也#)(明融臨模本0052)
    わ可屋とのしなへてのらは
0063【わかやとの】-右大臣(明融臨模本0053)
  なに可ハ佐らにをま多まし尓お者する
  ほと尓てうへ尓う古(う古$<朱>)し志多りかほな
  やとわらハせわさとあめる類を者やうもの(の#)
  せよ可し女御#<墨><朱>)こ多地な登もいひ(ひ$<朱>)徒流」(11オ・276⑩)
0064【女みこたち】-弘キ殿ノ御腹の宮たち也(明融臨模本0054)

  れハへてのさ満尓ハましき越な
  とのハすよそひなひきつくろひ
0065【御よそひ】-粧(明融臨模本0055)
  てい多うくるゝ本と丹ま多連てそわ多り
  くら能可らのきの越しえひそめ能志多
0066【からのき】-綺 うすきからあや也(明融臨模本0056)
0067【えひそめ】-蒲陶染(明融臨模本0057)
0068【したかさね】-下襲

  可さ年志りいとな可くひきてミなハう遍の
0069【しり】-裾(明融臨模本0058)
  きぬなる尓あされ多おほきミす可多能那
0070【あされたる】-鮮也 又宿老之義歟 あハたすけ詞也 宿の字越されたるといへり(明融臨模本0059)
  万めき多る尓ていつ可れいり堂万へるさ満
  け丹いと古となの尓ほ本ひも遣おされて
  可/\ことさ満し尓なあそひなといとおも
  志ろう志春こしふけゆく」(11ウ・277①

  源氏きミい多くゑいなやめるさ満尓もて
  なしま起連多日ぬしむ殿
  女一宮女三宮おハしますひむ可しのと
0071【女一宮女三宮】-皆弘キ殿女御の御腹也(明融臨模本0060)
0072【とくち】-ツマ戸ノクチ也(明融臨模本0061)

  くちにおハしてよりゐ多まへり布ちハ
  こな多のつまにあ多りてあれハ見可うし
  ともあけわ多して/\いてゐ多
  そてくちなう可のおりおほえ古とさ
0073【たうか】-男踏哥(明融臨模本0062)
  らめきもていて多るをふさハし可らす
0074【ふさハしからす】-不祥 日本紀(明融臨模本0063)
  とまつ布ち徒本わ多りおほしいてら類
  なやましき尓いとい多う志ひられて王ひ尓て」(12オ・277⑦)
0075【わひにて】-ワヒタル也 ニハ詞也(明融臨模本0064)

  可しこ个れとこのおまへ丹こ可け
0076【かしこけれ】-をそれねと也
0077【かけにもかくさせ】-
<朱合点> いせ物かたり サク花の下ニカクルヽ人ヲホミ有シニマサル藤ノカケカモ(業平集32・伊勢物語177、河海抄・花鳥余情・一葉抄・紹巴抄・岷江入楚)
  尓もかくさせハめとて徒まと能み春を
  きゝ多へハあな王つらハしよからぬ
  やむことな起ゆ可りハかこちれといふ遣し
0078【ゆかりハ】-源氏のイモウトノ宮タチヲワシマス也(明融臨模本0066)
  きを見給婦丹おも/\しうハあらね
  をしなへ亭のわ可うとともにハ阿らす
  て尓お可しき遣ハひし類しら多きも
  のいと个ふ多うくゆりてきぬのをとな
  登者なや可にふるま日なして尓くゝをく
  まり多る遣ハひハちをくれい満め可し起」(12ウ・277⑫)

  このミ多るわ多り尓てやむことな
  御方/\ものミとてこのとくちハしめ多
  まへるなる遍しさしもあるましき
  れとさす可にお可しうおも本されていつ連
0079【いつれならむ】-あり明君(明融臨模本0067)
  らむとむ年うち徒ふ連てあふきをとら
0080【あふきをとられて】-石川ノこまう人ニおひをとられてからきハヒスルいかなるおひそ花田ノ帯の中ハたえたる催馬楽石川(明融臨模本0068)
  れてからきめ越るとう地おほとけ堂るこ
  ゑ尓いひなしてよりゐ多まへりあやし
  くもさ満可へ遣るこ満うと可那といら婦類者
0081【こまうと】-<朱合点>
  志らぬ尓やあらんいらへハせてゝと起/\
  うちなけ具遣ハひするか多丹より可ゝ里」(13オ・278③)

  て古し尓越とらへて
    あつさゆミい類さのや万尓まとふ
0082【あつさゆミ】-源氏 弓の結の日なれハかくよめり<右>(明融臨模本0069) アツサ弓入サノ山ハ朝キリノアタルコトニヤイロマサルラン宗于(後撰379、河海抄・孟津抄)
  本の可遣やゆるとなにゆへ可登
  をしあて尓の多まふを盈しの者ぬな
  類遍し
    い類可多ならませハゆ見者りの
0083【心いる】-おほろ(大島本0070)
  尓まよハ(+<朱>)しやハといふこゑ多ゝそ
  れなりいとうれしきもの可ら

  任師説加首書已下 良鎮」(13ウ・278⑧)

【奥入01】なをあらし尓 万葉集第七
  黙然不有 なをあらしとしくさ尓いふ
       きゝれハすくな可り个り
【奥入02】貫河律
  ぬ支可波乃世々のノや波良多末久良
  也波良加尓 ぬ留与波名久天 於也左久留
  川末於や左久留川末波末之天留波之
  之加左良波や波々 千加伊乃保曽之支乎
  可戸 左之波支天 宇波毛と利支天
  美や知加与波牟」(14オ)

【奥入03】石川呂
  伊之加波の己末宇と尓 於比乎と良礼
  天可良支久以須留 己比須留
  伊可奈留以可奈留於比曽 波奈多の
  於比の奈可波多伊礼太留加可や留可
  あや留加奈可波太 伊礼太留可」(14ウ)

  二校了<朱> 一校了<朱>(表表紙蓋紙)