First updated 06/06/2002(ver.1-1)
Last updated 09/02/2020(ver.3-1)
渋谷栄一翻字(C)

  

末摘花

【概要】

・大島本「末摘花」は、引き歌を付箋貼付し、多穴綴じ・宮河印のある巻である。

・朱筆で引き歌を注記した付箋が7枚貼付されている。

・和歌の書写様式は、すべて地の文から改行して和歌の冒頭を2字下げて書き出し、上句と下句との間で改行して下句は地の文の高さから書き、和歌の末尾に地の文を続けて書く(T型A類@ABCDEFGHIJKLM)一式である。

・「末摘花」では、行頭に同字が並んだ場合に、同じ字母・字形で書かれているのは、19ウ3・4「い」、20オ6・7「を」、21ウ6・7「ゑ」、24ウ9・10「こ」、31オ9・10「さ」、33ウ4・5「へ」、の6例である(表示)。
 対して、異なる字母・字形で書かれているのは、1ウ5「な」・6「な」、4ウ9「徒」・10「つ」、11ウ7「ミ」・8「み」、12ウ1「佐」・2「さ」、17ウ8「連」・9「れ」、20ウ1「万」・2「ま」、21ウC「な」・5「な」、24オ9「か」・10「可」、26オ2「多」・3「多」、28オ2「可」・3「か」、29ウ2「可」・3「か」、の11例である(表示)。
 「末摘花」の書写者は、親本における行頭字母の書き分けを理解して書写していると考えられる。

・以上から、大島本「末摘花」は青表紙原本を直接に書写した可能性が高い巻であると考えられる。

1.『大島本 源氏物語』(角川書店 平成8年5月)及び『大島本源氏物語DVD−ROM版』(角川学芸出版 2007年11月)に拠って漢字仮名字母翻字した。

2.漢字は漢字のまま翻字し、他の変体仮名字母と区別するために太字で表示した。

3.通行の平仮名の字母はそのまま平仮名で翻字した。

4.変体仮名はその字母で翻字した。

5.片仮名はそのまま片仮名で翻字した。

6.仮名や字母の崩し方が複数ある文字については、一般的な字形を基準にして、それより元の漢字に近い字形には「と付記し、また一般的な字形とも異なった別の崩し字形には「と付記した。

7.本行本文は10.5ポイントで表示し、書入注記や付箋等は9ポイントで表示した。

8.行頭に同字が並ぶ場合に、異なる字母は赤色、同じ字母は緑色で表示した。

「春衛つむ」(題箋)

  へとも越あ可さ里しゆふ可ほの
0001【思へとも】−夕顔巻ニつゝけてかけり故発端之句如此
0002【露にをくれし心地を】−
<朱合点>
  をくれし心地としふれとお本し王春
  連春古ゝもかしこもうちけぬ可起り能
0003【こゝも】−葵上
0004【かしこも】−六条御息所
  遣しき者見ふ可(△&可)きか多能いとましさ
0005【いとましさ】−挑
  尓氣ちかくうちと遣多りしあハれ尓にる
  なうしくおも本えい可てこと/\
  しきおほえハないとらう多けなら無
  の徒ゝましき可らみつけてし可
  なこりす満尓お本し王多れハ春こしゆ
  へ徒きてきこゆるわ多りハ見ゝとゝめ」(1オ・201@)

  者ぬく満なき尓さてもやとおほしよるハ可り
  能遣ハひあ類あ多り尓こ飛とく多りをも
0006【ひとくたり】−文事
  本のめ可しふめる尓ひきゝこ盈春
  て者なれ多る盤おさ/\あるましきそ(△&そ)いとめ
  連多るやつれな徒よ起ハたとしへ
0007【つれなう心つよきは】−又かゝる人あり
  なさ氣をく類ゝまめや可さなあ万
  里ほと志らぬやう尓さて志も春くし
  ハてすこりなく具つをれて越/\し
0008【な越/\しきかたに】−よのつねの心也
  きか多尓佐多まりなとするもあれ者
  ひ佐しつるもおほ可り个るかのうつ見を」(1ウ・201E)

  ものゝおり/\にハね多うおほしいつおき能
0009【おきの葉も】−<朱合点> 空蝉巻ニ蔵人少将妻となれり 後撰秋風のふくにつけてもとハぬかな(後撰846・古今六帖3718・和漢朗詠401・中努集230、源氏古注・花鳥余情・休聞抄・孟津抄)
  さりぬへき可せのよりあるおとろ
  可しふお里もあるへし本可遣能み多れ多り
  しさ満ハまたさやう尓ても万ほしく
0010【また】−又
  おほ春ほ可多なこりなきもの王春れ
  をそえ志多万ハさり氣る左衛門のめ能
  とゝて大弐能佐し徒き尓おほい多類可むす
0011【大弐】−惟光か母
  めいふの命婦とて(+うちに)さふらわ可むと本りの
0012【わかむとほり】−王家無等倫王孫をいふ也
  兵部能多い婦なるむ春めなり个りいとい多う
0013【兵部のたいふ】−左衛門のめのとか夫ナリ
  いろこ能めるわ可尓てあり个る越もめし」(2オ・201J)
0014【君も】−源氏

  徒可ひなとし者ゝハちくせむ能可ミのめ尓
0015【ちくせむのかミ】−大輔命婦かまゝちゝ也
  てく多り尓个れハちゝ能もと越佐と尓
0016【ちゝ君】−兵部大輔
  ゆきかよ婦ひ多ち能みこ能すゑ尓まう
0017【故ひたちのみこ】−常陸太守親王也父ハいつれの御門とみえす
  氣てい見しうかなしうかし徒き日し
  む春めほそくてのこりゐ多るをも能ゝ
0018【御むすめ】−末摘花トモ蓬生君トモ云
  徒いて尓か多りき古え个れハあハれのことやと
0019【かたりきこえけれハ】−命婦
0020【あハれのことや】−源氏
  て御心とゝめてとひきゝ者へか多ちな
  ふ可起かたハえし里可いひそ
  うとうもてなへハさ遍きよひなともの
  古しにてそか多らきむをそつ可し」(2ウ・202B)

  きか多らおもへるときこゆ連盤みつ
0021【みつのとも】−\<朱合点> 白氏文集北窓三友詩三友者為誰琴罷輒挙酒々罷輒吟詩
  のとも尓てい万悲とくさやう多てあらむとて
0022【いまひとくさ】−酒をいへり
  王れ尓き可せよちゝ見こ能さやう能可たにいと
  よし徒きてものし布个れハをしなへて
  のて尓ハあらしとなむおもふとのへハさや
0023【さやうに】−命婦
  うにきこしめすハ可り尓はあら春や
  といへと御心とまるは可りきこえな春をい多
0024【いたうけしきハましや】−源氏
  う遣しきハ満しやこ能古ろのおほろ
  志のひてものせま可てよとのへハ
  王つハしとおもへとうちわ多りものとや可な」(3オ・202G)
0025【わつらハしとおもへと】−命婦

  はるのつれ/\尓ま可てぬちゝ能大輔
  本可尓すミける古ゝ尓は/\そかよひ遣る
  命婦ハまゝ者ゝのあ多りハすミも徒可春ひめ
0026【まゝはゝのあたり】−兵部大輔か左衛門めのとの後むかへたる妻也
  のあ多りをむつひて古ゝ尓はくるなり氣り
0027【のたまひしもしるく】−源氏
  多まひしも志るくいさよひのお可しき本
  と尓おハし多いと可たハらい多起王さ可那
0028【いとかたハらいたきわさかな】−命婦
  ものゝねすむへきさ万尓さめる
  尓登きこゆ連と越あな多尓わ多りてたゝ
0029【な越あなたにわたりて】−源氏
  ひとこゑもよをしきこえむなしくて
  可へらむ可多可るへきをとのへハうちとけ」(3ウ・202M)

  多る春見可尓すへ多てまつりてうしろめたう
  か多し遣なしとおもへと志むてむ尓万いり多れ
  ハま多かうしもさ那可らむめの可お可しきを
0030【見いたして】−末つむ花
  い多してものしよきおり可な日てこと
  能ねい可尓万佐りむと思給へらるゝよ能遣し
  き尓佐そハれりてなむあハ多ゝし起いて
  いりにえうけ多万ハらぬこそくちをし个れ
  といへハきゝ志類そあなゝしき
0031【きゝしる人】−末つむ花 伯牙鐘子期知音故事 六帖五ことのねをきゝしる人のあるなへにいまそたちいてゝをゝもすくへき(古今六帖3392、異本紫明抄・紫明抄・河海抄)
  ゆき可うきくハ可りやハとてめしよする
  もあいなうい可ゝきゝハむとむねつふる」(4オ・203D)

  本の可尓可起な可しうきこな尓
0032【おかしうきこゆ】−源氏
  ハ可りふ可きてなものゝね可ら能春ちこ
  なるものなれハきゝにくゝもおほされ春いとい
  多うあれわ多里てさひしきさハ可りの
  ふるめ可しうところせくかしつきすへ多り
  个むこりなくい可尓おも本しのこす
0033【なこりなく】−をやの御名残ノなき也
  可ら可やうの尓こむ可しものか多り
0034【むかしものかたりにも】−うつほのとしかけかすめ母にをくれて故里にのこりとゝまり侍を太政大臣の賀茂にまて侍るとてこの家のまへをすくるとてさし入てよめる哥云むしたにもあまた声せぬあさちふにひとりすむらん人をしそ思ふ(うつほ物語4、源氏古注・花鳥余情・孟津抄)
  尓あハれなるともゝあり个れな日つ
  遣てもやいひよらましとおほせうち
  け尓やお本さむと者つ可しくてやすらひ」(4ウ・203J)

  命婦可とあるもの尓てい多う見ゝなさ勢
  多てまつらしと日个れハくもり可ち尓
0035【くもりかち】−命婦月事
  めりまらうとのこむとりついとひ可本
  尓もこい満と可尓をミかう志万いりな
  無とてい多うもゝ能可さて可へり多れ者
  な可/\なるほと尓てもやミぬる可な
0036【なか/\なるほとにても】−源氏ノ御心
0037【ものきゝわくほとにもあらて】−末ツムノ詞
  きゝわくほと尓もあら多うとの
  遣しきお可しとお本し多しくハ氣
0038【おかしとおほしたり】−源氏ノ御心
0039【おなしくハ】−源氏
  ち可起本との多ちきゝせさせよとのへと
0040【心にくゝて】−命婦
  尓くゝてとおもへハいてやいと可す可なる阿り」(5オ・204B)

  さ満尓ひきえてくるし遣尓ものし
  めるをうしろめ多きさ満尓やといへハ遣尓さも
0041【けにさも】−源氏
  あるは可尓うちとけてか多ら
  へき能き者ゝきハとこあれなあハれ尓
  おほさるゝ本となれハ越さやう能遣し
  きを本のめ可せとか多らまたち起り
0042【またちきり給へる】−源氏
  へるか多やあらいと志のひてかへり多ま婦
  うへのまめ尓おハしますともてなや見き古え
0043【うへの】−命婦
  させふこ可しうおもふへらるゝおり/\
  かやう能やつれ春可たをいかて可(+ハ)らむ」(5ウ・204G)

  志つけむときこゆ連ハち可へりうち王らひて
0044【たちかへり】−源氏
  古と能い者むやう尓と可那あらハされそこれ
  をあ多/\しきふるまひとい者ゝ阿り
0045【女のありさま】−命婦をさす也
  さ満くるしからむとの多まへハあまりいろめい
  多りとお本しており/\かうのふを者つ
0046【はつかしと思ひて】−命婦
  しと日てものもい者す志む殿の可多尓
0047【しむ殿のかたに】−源氏
  能遣ハひきくやうもやとお本してやをら
  多ち能き春い可いのゝ春こしおれ
  のこり多るかくれのか多尓たちよりふ尓
  とよ里多てるおとこあり个りれならむ」(6オ・204M)

  可け多る春きものあり个りとお本して可け尓
  つきて多ちかくれへハとう能中将り氣り
  このゆふ徒可多うちよりもろとも尓ま可て
  个るや可て大殿尓もよら春二条尓もあらて
  ひき王可れ日遣るをいつちなら無と多ゝな
0048【いつちならむと】−頭中将
  亭王れもゆく可多あれとあと尓つきてう可ゝ
  ひ个りあやしきむ万に可りきぬす可多
0049【かりきぬすかた】−狩衣すかた不審
  い可しろ尓てき个れハえし里多万者ぬ尓
  さ春可尓かう古とか多尓いりたまひぬ連ハ
  え春日遣るほと尓ものゝね尓きゝついてた」(6ウ・205E)

  てる尓可へりやいてふと志多まつり个り
  ミハ多れともえわき者てわれと志られし
  とぬきあしにあゆミふ尓ふとよりてふりすて
0050【ふりすてさせ給へるつらさに】−頭中将
  させへる徒らさ尓をくり徒可うまつりつる盤
    もろとも尓おほうちハいて徒連登
0051【もろともに】−頭中将 一時日本記
0052【おほうち山】−内裏<ヲフウチ>日本記
  い類かたぬいさよひの徒きとうらむる
0053【うらむるもねたけれと】−源氏
  も多个れとこの見給春古しお可し
  うなりぬおもひよらぬよとにくむ/\
    佐と王可ぬ可けをハ連とゆく
0054【さとわかぬ】−源氏
  い類さのを多れ可堂つぬるかう志多ひあ」(7オ・205K)
0055【かうしたひありかは】−頭中将

  里可ハい可尓させ者むときこえ満古と
  はかやうのありき尓ハ春いしむ可らこ
  可は可しき古ともあるへ个れをくらさ勢
  者てこあらめやつれ多ありきハ可る/\
  しきもいてきをしかへしいさめ多
  てまつるかうのミつけらるゝを多し登
0056【かうのミ見つけらるゝを】−源氏
  おほせかのなてしこハえたつ年志らぬを
0057【かのなてしこ】−玉かつらの君
  をもきこう尓御心のうち尓お本しいつを能/\
0058【こうに】−劫也人のいたむへき心也碁の劫も同心也劫ハつむ心也
  ちきれるか多尓もあ万えてえゆきわ可れ
0059【あまえて】−したふ心也
  者春悲とつくる満尓のりてお可しき」(7ウ・206D)

  本と尓くもかくれ多るみち能ほとふえ布き
  あ者せて大殿尓おハしぬさ起なともを者せ
  ハ春しのひいりてみぬらうに越しと
  もめしてき可へつれなうい満くるやう尓
  ふえとも布起春さひてお者すれ者おとゝ連
  いのきゝすくし者てこまふえとりいて
0060【こまふえ】−六帖高麗笛のこまにわかのりならさなんみきをハいはしあなにくけとハ(古今六帖3410、源氏古注)
  へりいとすにお者す連ハいとおもしろう
  布きとめしてうち尓もこのか多尓
  /\尓ひ可せつ可さ能き
0061【中つかさのきみ】−葵上の女房源氏密通也
  見わさとひ者ゝひ遣登君心可け多る」(8オ・206I)

  をもて者なれてゝこの満さ可な
0062【このたまさかなる御けしき】−源氏事
  遣しきのなつかしきをハえそむききこえ
  ぬ尓をのつ可らかく連なくて大宮ともよろ
0063【大宮なとも】−大殿の北方
  し可ら春お本しなり多れハものおもハしく
  者したなきこゝちしてすさましけ尓より
  ふし多多え多てまつらぬ可け
  者なれなむもさ春可尓本そくおもひみ多
  連多ちハあり徒るきむのね
0064【君たち】−源氏頭中将
  お本しいてゝあハれ氣なり徒る春ま井の
  さ満なともやう可へてお可しう日徒ゝ遣あらまし」(8ウ・207A)

  尓いとお可しうらう多さてとし
  をかさねゐ多らむと起めていみしう
  くるし具ハ尓もゝてさハ可類者可りやわ可
  もさ満あし可らむなとさへ中将日个りこの
0065【この君】−源氏の君
  のかう遣しき者ミありき万佐尓さて
  ハ春くし日てむやと満ねうあやう可り
  个りゝちこ多可な多よりふミなとや里
  へしいつれもかへり事見お本つ可な
  やましき(+丹)あまりうたてもあ類可な・さやう
0066【あまりうたても】−頭中将
  なるす万ひする日志り多る」(9オ・207F)

  遣しき者可那きくさらの个しき尓
  徒氣てもとりなしなとして者せをし者可
  らるゝおり/\あらむこあハ連なるへ个連
  をもしとてもい登可うあまりうもれ多らむ
0067【うもれたらむ】−拾遺 久かたの雨のふる日越たゝひとり山へにおれはむもれたりけり(拾遺集1252・拾遺抄470万葉772、源氏古注)
  盤徒きなくわるひ多りと中将ハ万いて
0068【心いられ】−いら/\しき心也
  られし个り連いのへ多てきこえもぬ古ゝ
0069【れいの】−頭中将問
  ろ尓て志可/\能かへり見給ミ尓
  春め多りしこハし多なくてやミ尓
  可とうれふ連ハされ者よいひより尓けるをやと
0070【されはよ】−源氏答
  ほゝゑまれていさみむとしも者年ハ尓や」(9ウ・207L)

  みるとしもしといらへ王起ゝ(ゝ#し)氣ると
0071【人わきしけると思ふに】−頭中将心中
  ふ尓いとねハふ可うしもおも者ぬ
  のかうなさ氣なを春さましくお
0072【なさけなきを】−返事なき越
  もひなし可とかうこの中将能いひあ
  里きけるをことおほくいひなれ多らむ
  そなひ可む可し志多り可本尓亭もとの
0073【もとの事】−源氏をもとの事といふ
  をおもひ者なち多らむ个しきうれハし
  可るへ个れとお本して命婦をまめや可尓か多らひ
  お本徒可なくもて者なれ多遣しき
0074【おほつかなく】−源氏
  ないとうき春起/\しきか多尓うた」(10オ・208C)

  可ひよせ尓こあらめ佐りとみし可き者へ
0075【心はへ】−源氏ハ人にむきて心なかくあると也
  徒可者ぬものをののとや可な
0076【人の心】−葵上の嫉妬の心也
  く亭おも者春尓のミある尓なをのつ
  可らわ可あやまち尓もなりぬへきのと可尓て
0077【心のとか】−閑也
  おやハら可ら能もてあつ可ひうらむるもなう
0078【おやハらから】−親 兄弟
  屋春からむハな可/\なむらう多可る
0079【心やすからむ人】−末摘花の事をいふ
  へきをとのへ者いてやさやう尓お可しき
0080【いてやさやうに】−命婦
  かた能かさやとり尓者えに(に<朱>)しもやと徒き
0081【御かさやとりには】−催馬楽妹之門云あまやとりかさやとり云々
  な遣尓こみえ日とへ尓もの徒ゝ見しひ
  きいり多るか多ハしもありか多うも能し」(10ウ・208H)
0082【かたハし】−方 詞

  尓なむとるありさ満可多りきこゆ
  らう/\しうかとめ起多る者なめりいと
0083【らう/\しう】−源氏 良
  こめ可しうおほと可ならむこらう多くハある
  へ个れとお本しわ春連春のわらハやみ尓
0084【わらハやみに】−若紫巻始同時也 横並此にみえたり
  王つらひ給人し連ぬも能をもひのまきれ
  も御心いと万なきやう尓て者るな春起
  ぬのころ本ひ志つ可尓お本し徒ゝ氣て
0085【かのきぬたのをと】−夕顔
  能きぬ多のをともみゝ尓徒きてきゝ尓
  可りしさへしうをほしいてらるゝまゝ耳
  ひ多ちの尓ハ志ハ/\きこえへと越」(11オ・209@)

  おほつ可なうのミあれ者よつ可すやましう
  まけてハや万志能御心さへそひて命婦をせめ
  い可なるやうそいと可ゝるそま多志
  らねといとものしとおもひて農多まへハいと
0086【いとおしと思ひて】−命婦
  おしと日てもて者なれて尓けな御事
  もおもむ遣ら春ゝおほ可多のも能つゝ
  能わりな起丹て(+を)え佐しいて者ぬとなむ
  ふるときこゆ連ハれこハよつ可ぬ
0087【それこそハ】−源氏
  なものおもひ志るましき本とひとり
  尓ま可せぬほとこそハりな」(11ウ・209E)

  しつ万里へらむとふこそこ者可登
  なくつれ/\尓ほそうのミおほゆるをおな
  尓いらへ者むハね可ひかなちなむ春へ
  きな尓やかやとよつけるすちならてそ
  あれ多る春のこ尓多ゝ春まゝ本しきいと
  う多えぬち春るをかのゆるしなう(う$く)
  とも多ハ可れ可しいられしう多てあるもてな
  し尓ハよもあらしなとか多らひ
0088【なを世に】−命婦猶の字有心
  あるのありさ満をおほ可多なるやう尓
  きゝあつめみゝとゝめくせの徒きへるを」(12オ・209K)

  う/\しきよひ井なと尓(尓<朱墨>)ハ可なき徒いて尓
  とハ可りき古えいて多りし尓可く
  わさと可満しうの多まひ王多れハな万王(者&王)つら
  ハしくをむなありさ満もよつ可ハしく
  よしめきなともあらぬを/\なるミちひき
  尓いとおしきやみえむなむと日个れと
  のかうまめや可尓のふ尓きゝいれさらむも
  ひ可/\し可るへしちゝみこおハしけるおり尓
  多尓ふりに多るあ多りとてをとなひきこゆる
  もな可り遣るをましてい満ハあさちハく類」(12ウ・210C)

  もあと多多る尓かくよにめつらしき
  遣者ひのもり尓本ひく流をハなハ羅なとも
  ゑミ満氣てな越きこえへ(△△&へ)とそゝの可した
  て万つれとあさましうもの徒ゝ見したまふ
  尓てひ多ふる尓もいれハぬなり个り命婦
  ハ佐らハ佐りぬへ可らんおり尓もの古し尓き古え
  者むほと御心尓徒可春ハさてもやみ年可し
  さるへき尓てかり尓もおハしかよハむをと可
  めへきしなとあ多めき多る者や里
  ハうち日てちゝき見尓もかゝ類と」(13オ・210H)
0089【ちゝきみ】−兵部大輔

  もい者さり氣り八月廿よひ春く流まて
  ま多るゝもとな尓本しのひ可りハ可り
0090【またるゝ月】−<朱合点> 六帖したにのミこふれはくるし山のはにまたるゝ月のあらハれハいかに(古今六帖336・万葉3825、源氏釈・奥入・異本紫明抄・紫明抄・河海抄)
  さや遣くまつのこすゑふくのをとほそ
  くてい尓しへの可た(△&た)りいてゝうちなとし
0091【いにしへの事】−故宮の御事
  いとよ起おり可な日てうそこやき
  こえつらむれいのいと志のひておハし多
0092【れいのいとしのひて】−源氏
  やう/\いてゝあれ多るま可起のほとうとまし
  くうちな可めふ尓きむそゝの可されて本の可
  尓可きならしほと个しうハあら春す古し
0093【けしうハあらす】−命婦心
  遣ち可うい満めき多る遣をつ気ハや(+と)そみ多」(13ウ・211@)

  連多る尓ハもとなくおもひい多めしな
0094【人めしなき所なれは】−目 詞
  きれハや春くいり多まふ命婦をよ者
  せい満しもおとろき可本尓いと可たハらい多
  きわさ可なし可/\こそおハしまし多
  ね尓かううら見きこえふを尓可な者ぬよし
  をのミいなひき古え連ハ見徒可ら古とハりも
  きこえ志らせむとの日わ多るなりい可ゝきこ
  え可へさむなミ/\の者や春き布る
0095【たはやすき】−<朱合点> たやすくといふ詞也 文字ヲそへていふ也 あられふるの山の里のさひしきハきてたハやすくとふ人そなき(後撰468・古今六帖982、河海抄・孟津抄・岷江入楚)
  まひならねくるしきをもの古し尓て
  き古えハむき古しめせといへハい登」(14オ・211F)
0096【いとはつかしと】−末摘

  者つ可しと(△&)尓ものき古えむやうも
  志らぬをとておくさ満へゐさりいりさ満いと
  う井/\志氣なうち王らひていと王可/\
0097【うちわらひて】−命婦
  しうおハしますこそくるし个れ可起り
  なもおやなとおハしてあつ可ひうしろ
  きこえふほとこわ可ひ多まふもこ
  ハりなかハ可りほそきありさ満にな越
  よ越徒きせすお本し者ゝ可類ハ徒きなう
  こそとをしへきこゆさす可尓能いふ
0098【さすかに人のいふ事ハ】−末摘花
  徒ようもいなひぬ御心尓ていらへき古えてたゝ」(14ウ・211K)

  き氣とあらハかうしなと佐してハありなむとの
  春能こなとハひむなりなむをし多ち
0099【すのこなとハ】−命婦
  てあハ/\しき御心とハよもなといとよ具
  いひなしてふ多まのきハなる佐うして徒可
  羅いと徒よくさしてしと年うちを起ひ
  きつくろふいと徒ゝまし遣尓お本し多れと
  かやうのにもい婦らむ者へなとも
  志りハさり个れハ命婦のかういふをあるやう
  こハと日てものしめ能と多おい
  なとハ佐うしにいりふしてゆふ万とひ志多る」(15オ・212C)

  本となわ可き人二三人あるハよにめてられ連
  ありさ満をゆ可しきもの尓日き
  こえ遣さうしあへりよろしき多て
  まつり可へ徒くろひきこゆれハさう志ミハな
  の氣さうもくておハすおとゝ(ゝ$)こハいと徒
0100【おとこハ】−命婦カ心
  きせさ満をうち志のひよういしへる
  ハひいミ志うな満めきて志らむ尓こ
  せめ者へあるましきわ多りをあ那いとおしと
  ハおもへとゝおほと可尓も能しふをそう
  志ろや春う佐し春起多多てまつ」(15ウ・212I)

  りハしとおもひ个るわ可つ年尓せめられ多て
  まつる徒ミさりこと尓くるしき
  日やいて古むなとや春可ら春日ゐ多り
0101【君ハ】−源氏
  本と越おほせハされくつ可へるい万やう能
  よしはミよりハこよなうおくゆ可しうとお本
  佐るゝ尓い多うそゝの可されて井さりより
  へる遣ハひしのひや可尓え日能可いとなつ
0102【えひのか】−薫衣香の名也 又云すへて薫物の名也云々
  可しうか本りいてゝおほと可なるをされハよ登
  おほ春とし古ろ日わ多るさ満なといとよく能
  つゝくれとましてちかきいらへハたえてな」(16オ・213@)

  わりなわさやとうちなけき
0103【わりなのわさやと】−源氏
    いくそ可志ゝま尓さ(さ$万<朱>)けぬらん
0104【いくそたひ】−源氏
0105【しゝま】−進退也 又棲遑日本記 物いはぬ也 ちかふ事也

  ものないひそといハぬ多のミ尓の多まひも春
  てゝよ可し多万堂春起くるしとの
0106【たまたすき】−<朱合点> 「<古今イ>/おもはすハおもハすとやハいひい(い=はイ)てぬ/なと(と=そイ)世中のたまたすきなる<朱>」(付箋01 古今六帖3216、源氏釈・奥入・異本紫明抄・紫明抄・河海抄) 六帖 玉たすきかけねハくるしかけたれはあなわつらハし人の心やイ<朱>(古今六帖3218、源氏古注)
  め能とこ志しうとて者やり可なる王可
  いともとなうかたハらい多しと日てさし
  よりてきこゆ
    かね徒きてとちめむことハ佐春可尓て
0107【かねつきて】−侍従 論義の時鐘ヲつけはいひやむ也
  こ多えまうきそ可つハあやないとわ可ひ
  堂るこゑのと尓おもり可ならぬを徒て」(16ウ・213F)

  尓ハあらぬやう尓きこえなせハほとよりハあ
0108【あまえて】−されハみたる心也 一云あさやか也
  まえてときゝへとめつらしき可な可/\くれ(れ#ち)
  ふ多可るわさ可な
    い者ぬをもい婦耳満さると志りな可ら
0109【いはぬをも】−源氏<右> 六帖心にハ下行水のわきかへりいはておもふそいふにまされる(古今六帖2948、源氏古注・花鳥余情・一葉抄・休聞抄・紹巴抄・孟津抄・岷江入楚) 大和物語此下句侍り鷹事ニアリ
  をしこめ多るハくるし可り个りなにや可や
  と者可なきれとお可しきさ満尓
  まめや可尓ものへとな尓可ひないと
0110【いとかゝるも】−源氏
  可ゝるもさ満可ハりおもふ可多古と尓ものし
  尓やとね多くてやをらをしあけていり
  多まひ尓个り命婦あなう多て多ゆめ」(17オ・213L)
0111【たゆめ】−油断セサセタル也

  へるといとおし个れハ志ら春可本尓てわ可か多へい尓
  个りこのわ可とも者たよ尓多くひな起
0112【このわか人とも】−侍従そと
  ありさ満のをときゝ尓つミゆるしきこえ
  おとろおとろしうもなけ可れ春ゝお
  ひもよらす尓は可尓てさる御心もなきをそ
  日遣るさうしミハ多ゝわれ尓もあら春者つ
  可しく徒ゝましきより本可能ま多な
  い満ハかゝ類そあハれなる可しま多よ那
0113【いまハ】−源氏の心
  うちかしつ可れ多るとゆるし
  もの可ら春な満いとおしとおほゆるさ」(17ウ・214D)

  満なり尓つけて可ハ御心とまらむう
  ちうめ可れてよふ可ういてひぬ命婦ハい可な
  らむとめさめてきゝふせり个れと志り可本
  ならしと(+て)をくり尓ともこハ徒くら春もや
  をら志のひていて尓个り二条尓お
  してうちふしひてもな婦尓かな
  か多起よにこそとお本しつゝ遣てかるら可な
0114【かるらかならぬ人】−末摘
  ぬほと(+を)くるしとそお本し氣る
  日見多れてお者する尓頭中将おハして
  こよなきあさい可なゆへあらむ可しとこそ」(18オ・214J)

  へらる連といへハおきあ可り
0115【おきあかり給て】−源氏
  春起ひとりねのとこ尓てゆるひ尓个りやうち
0116【ゆるひ】−緩
  よりかとのへハし可満可てるまゝなり春さ
0117【しかまかて】−頭中将
  く行幸个ふなむかく万ひ(△&
0118【かく人】−ヒト
  さためら類へきよしよへうけ多まハりしを
  おとゝ尓もつ多へさむとてなむま可て
  類や可てかへり万いりぬへうるといそ可し遣
  なれハ佐らハもろと(+も)尓とて可ゆこハいひめし
0119【御かゆこはいひ】−粥 強飯
  てまらうと尓も万いりひきつゝ遣多
0120【ひきつゝけ】−源氏与頭中将車をつらねなから同車せられたる也
  と悲とつ尓多てまつりて越いとねふた遣那」(18ウ・215・A)
0121【な越いと】−頭中将

  里とと可めいてつゝかくい給事おほ可りと
  そうら見きこえ古とともお本く佐多
0122【こととも】−行幸事
  めら類ゝにてうち尓さふらひくらし
  可しこ尓はふミを多尓とい登をしくお本
0123【かしこには】−末摘
  しいてゝゆふ徒可多そあり遣るふりいてゝ
  くもある尓かさ屋とりせむとハ多おほ
  され春やあり个む可しこ尓ハまつほと春起
  て命婦もいといとをしきさ満可な
  くおもひ个り佐う志ミハ御心農うち尓者つ
0124【さうしミハ】−末摘花
  可しうて遣さ能ふミのくれぬ連と」(19オ・215G)

  な可/\と可とも日王起ハさり个り
    ゆふきりの者類ゝ遣しきもま多ミぬ尓
0125【ゆふきりの】−源氏イ
  ふせさそふるよひのあめ可那くも万ま地
0126【くもままちいてむほと】−雨はれハ行へしと云心也
  てむ本とい可尓もとなうとありハします
  ましき遣しき越人/\むねつ婦連て
  おもへとな越きこえさせへとそゝの可しあ
  へれといとゝおもひ見多れへる本と尓てえ
  可たのやう尓も徒ゝ遣多万ハ年ハよふけぬ
  とてし志うそれいのをしへきこゆる
    者れぬよ能まつ佐と越おもひやれ」(19ウ・215L)
0127【はれぬよの】−返し

  おな尓な可免せすともくち/\にせ
  られてむらさ起の可ミ能としへ尓个れハ者ひ
0128【むらさきのかみ】−万十六/紫ハはいさすものそつハいちのやそのちまたにあへるこやたれ(万葉3115、源氏物語新釈)
  をくれふるめい多る丹て(て&て)ハさすかにもし徒
  ようさたの春ち尓てかミしもひとしく
0129【中さた】−中央也 中比也
0130【かみしもひとしく】−女の文ハ上下なかくミしかくかきてひとしくハかゝぬ也 ちらしかき本也

  かいへりみる可ひなううちをきいか尓
0131【みるかひなう】−源氏
  もふらんと日やるもや春可ら春可ゝるこ
  くやしなとハいふ尓やあらむさりとてい可ゝ
  ハせむ王れハさ里ともな可く者てゝ
  むとおほしな御心を志らねハ可しこ尓はい
  ミしうそけい氣るおとゝ尓いりて」(20オ・216E)

  可て尓ひ可連多てまつりて大殿尓をハし
  しぬ行幸のこと越个婦ありとおもほし
0132【けふ】−興
  てちあつまりてのをの/\まひ
  ともならひふを能ころ能尓て春
  きゆくものゝねともつ年よりもみゝ可し可
  ましくて可多/\いとミ徒ゝ連井のあそ
0133【れゐの御あそひならす】−康保三年十月七日覧殿上舞有大篳篥<ヒチリキ>小篳篥<ヒチリキ>
  ひならすひち里き佐くハちの布えなと
0134【さくハちのふえ】−尺八長一尺八寸 舌四寸八分 又名短笛
  能おほこゑをふきあけつゝいこをさへかう
0135【たいこをさへ】−礼記鐘皷在庭瑟在堂 寛治五年五月廿五日殿上競馬六番主上自打大皷給此時並堂上 延木四年三月廿四日覧舞楽左大臣明平公仰令推大皷階前自打之
  らむのもと尓まろハしよせて亭徒可らうち
  ならしあそひおハさふ春いと満な起やう」(20ウ・216K)

  尓ち尓おほ春者可り尓こそぬ春万
0136【おほす所】−藤壺なと也
0137【ぬすまはれ給へれ】−ぬすまれ給ふ也

  者れへ(+連)かのわ多り尓ハいとを本つ可なく(+て)あき
0138【かのわたり】−末摘花
  くれ者てぬな越たのミこし可ひなくて春起
  ゆく行幸ち可くなりて志可くなとのゝ志る
  ころそ命婦ハまいれるい可尓そとひた万
0139【いかにそ】−源氏
0140【とひたまいて】−末摘の事

  いていとをしとハおほし多ありさ満きこえ
0141【ありさま】−命婦
  ていとかうもて者なれ多御心者えハみ多
  まふるさへくるしくなとなきぬ者可り
  おもへり尓くゝもてなしてやミなむとおもへ
  里しをく多いて遣るもなこ能」(21オ・217B)
0142【くたいて】−腐
0143【この人】−命婦か心

  のおもふらむをさへおほ春佐うしミののハ
0144【さうしミ】−末摘
  い者ておほしうつもれらむさ満おもひやり
  ふもいとおし个れハいと満な本とそやわり
0145【いとまなき】−源氏
  しとうちなけいも能おもひ志らぬやう
  さ満をこらさむとふそ可しとほゝ
  へるわかうう徒くし遣なれハ王れもうち
0146【われも】−命婦
  まるゝちしてわりな尓うらミられ
  よハひやおもひや里すくな御心まゝな
  むもことハりとおもふこのいそきのほと春
  くしてそ/\おハ(△△&おハ)し个るかのむらさ起能」(21ウ・217G)
0147【時/\おはしける】−末摘
0148【かのむらさきのゆかり】−紫上ハ薄雲の姪女故也

  ゆ可り堂つ年とり日てそ能うつくしミ尓
  いり日て六条わ多り尓多尓可れ万佐りた万
  婦めれ盤ましてあれ多るやとハあハれ尓おほし
0149【あれたるやと】−末摘花
  をこ多らすな可らものうきそわりな可り个る
  とものハちをあらハさむの御心
0150【御ものハち】−蓬生の事
  こと尓なうて春起ゆくをまたうちかへし
  まさり春るやうもあり可してさくり能たと
0151【てさくりの】−鼻の長き手あたる也
  多としき尓あやしうもある尓や
  みてし可なとおも本せ登けさや可尓とりな
  さむも万ハ遊しうちとけ多るよひゐの」(22オ・217M)

  本とやをらいり日てかう志の者さ満より
  見給日个りされとみつ可らハへくも阿
0152【みつからハ】−末摘
  ら春とい多くそこなハれ多るも能
  可らとしへ尓个る多ちとかハら春おしや里
  なとみ多れ年ハもとなくてこ多四五人
  ゐ多りひそくやうのもろ古し能もの
0153【御たい】−台
0154【ひそく】−茶碗事也 唐の世ニ秘蔵して秘色といへり

  なれとひと王ろき尓な尓のくさ者ひもな
0155【わろきに】−此器物ふるくてよからねハ人わろしと也
0156【くさはひ】−種

  くあハれ遣なるま可てゝ/\具ふ春ミ
0157【まかてゝ】−退
  のまハ可り尓そいとさむ遣なる者らしろき
  きぬ能いひ(△&ひ)志ら春すゝけ多る尓き多なけ」(22ウ・218E)

  なる志ひらひきゆひつけ多る古し徒きか多
0158【しひら】−うハ裳ナリ
  くなし遣なりさ春可尓くしを志多れて
  したるひたいつき・ないけうはう内侍所の
0159【ないけうはう】−内教坊也 女楽をつかさとる所也
  本と尓かゝ類ものともある者やとお可し可け
0160【かけても】−源氏御心
  ても能あ多り尓ち可う婦るまふものとも
  志り多まハさり个りあハれさもさむきとし
  かないのちな可个れハかゝ類尓もあふも能な
  里个りとてうちなくもありをハしまし
  しをなとてからしと日个む可く多のミ
0161【からし】−辛
  なくても春く類ものなり个りとてとひ多ち」(23オ・218J)
0162【とひたちぬへく】−とひたちぬへしつるの毛衣 後撰哥世ノ中ヲウシトヤサシト思ヘトモトヒタチカネツ鳥ニシアラネハ(万葉893、河海抄・一葉抄・休聞抄・孟津抄・紹巴抄・岷江入楚)

  ぬへく婦るふもありさ満/\尓王ろき
  とも越うれへあへるをきゝもか多者らい多
  个れハちのきて多ゝい満お者するやう尓
  てうち多ゝきそゝやなといひてとり
  な越しかうし者なちてい連多てまつる志ゝう
  ハさい尓万いりかよふわ可尓てこのろハ
  な可り个りいよ/\あやしうひなひたる可起り
0163【ひなひたる】−いなかひたるナリ
  尓てみならハぬちそするいとゝうれふなり
  徒る(+にイ、にイ<朱>)ゆき可起多連いみしうふり个り
  遣しき者遣しう可せふきあれておほとな」(23ウ・219B)

  ふらきえ尓个るをともし徒くるもな可の
0164【かの】−夕顔
  もの尓をそハれしおりおほ本しいてられてあれ
  多るさ満ハおとらさめる越本とのせハう
  氣能春こしあるなと尓なくさめ多れと
  春こうう多てい佐ときちするさ満
0165【いさとき】−さとき也
  なりお可しうもあハれ尓もやう可へてとまり
  ぬへきありさ満をい登むもれすくよ可尓
  な尓者へなをそくちをしうおほ春
  らうしてあけぬる遣しきなれハかうしてつ
  らあけてまへのむさいのゆき越」(24オ・219G)

  多まふふミあけたるあともなくハる(△&る)/\とあれ
  わ多りていみしうさひし遣なる尓ふりいてゝゆ
  可むもあハれ尓てお可しきほとの
  見給徒き御心へ多てこわりな个れ
0166【見給へつきせぬ】−末つむにの給ふ也
  とうら見きこえ万た本のくら个れと
  ゆきのひ可り尓いとゝきよらに王可う
  ふをおいともゑミさ可へててまつる
0167【ゑミさかへて】−咲 栄
  者やいてさせあち起なうつくしき
0168【はやいてさせ給へ】−源氏
  とをしへきこゆ連ハさす可尓能き
  ゆるをえいなハぬ御心尓てと可うひ」(24ウ・219M)

  き徒くろいて井さりいてへりぬやう尓
  てとの可多をな可めへれと志りめハ多ゝな
  春い可尓そうちとけま佐りのいさゝ可も
  らハうれし可らむとおほ春もあな可ちな
  御心りや万徒ゐ多けのた可くをせな可耳
  みえふ尓されハよとむ年徒ふれぬうち徒
  きてあな可多わとゆるものハ(+#)者那なり个り
  ふとめそとまるふ个む本さつのゝ里ものとお
0169【ふけむほさつのゝりもの】−普賢菩薩乗大白象 鼻如紅蓮華色 観普賢経
  ほゆあさましう多可うのひら可にさきの
  可多春こし堂りていろつき多との」(25オ・220D)

  本可尓う多てありいろハゆき者つ可し具志
0170【しろうてさおに】−少青也 極て白物青く見ゆる也
  ろうてさおにひ多ひ徒きこよなうハれ多
  に越しも可ちなるおもやうハおほ可多お
0171【しもかち】−面長也
  ろおとろしうな可きなるへしやせ多まへる
  いとをし遣尓さら本日て可多の本とな登(△&登)
0172【いとをしけに】−痛
0173【さらほひて】−[骨+尭]床子ヤセカラ/\トシタル也

  者い多遣なるまてきぬのうへまてみゆな尓
0174【なににのこりなう】−源氏
  尓こりなあらハし徒らむともの可ら
  めつらしきさ満の志多れハさす可尓うちミや(+ら)
  連かしら徒き可ミ能可ゝりハしもうつ
  くし遣尓めて多しとおもひきこゆる/\」(25ウ・220J)
0175【めてたしとおもひきこゆる人/\】−藤壺

  尓もおさ/\おとるましううちきのすそ
  まりてひ可連多るほと一尺ハ可りあまり
  らむとき多まへるものともをさへ
0176【きたまへるものともを】−作者詞也
  いひ多つるもも能いひさ可なきやうなれと
  む可しもの可多り尓もさうそくをこ
  まついひ多めれゆるしいろのわりなううハし
0177【ゆるしいろ】−聴色也 紅梅をいふ 見延喜式 深紅ハ禁色也
  ら見多るひと可さ年なこりなうくろき
0178【ひとかさね】−衣一かさね也
  ちき可さ年てう者き尓はふるきの可ハき
0179【ふるきのかはきぬ】−<朱合点> 貂裘 可聞師説
  ぬいときよらにかうハしきをきへりこ多
0180【こたい】−古代
  いのゆへつき多さうそくなれとな越」(26オ・221A)
0181【ゆへつき】−由付

  王可や可なるよそひ尓ハ尓けなうおとろ
  おとろしきいともて者やされ多佐連と
  遣尓こ能可ハなうてハ多さむ可らましとミゆる
  可本さ満なるをくるしと見給な尓
  もい者れ者す王れさへくちとち多る
  ちし多まへと連いの志ゝまもみむとと
  可うきこえふ尓い多う者ちらひてくちお
  本ひ志多まへるさへひなひふるめ可しうこ
  ことしくきし起りいて多るひち
0182【きしき官】−儀式官 判官ナト也
  もちおほえさす可尓うちゑミへる个し」(26ウ・221G)

  き者し多なうすゝろひ多いとをしく
  あハれ尓ていとゝいそきいて能もしき
0183【たのもしき人なき御ありさまを】−源氏詞
  ありさ満をめ多尓はう
  とから春日むつひハむこ本いある
  ちすへ遣れゆるしな遣しきなれハ徒ら
  うなと古とつ氣て
    あさひ佐春の起の多るひハとけな可ら
0184【あさひさす】−源氏<右> 好忠集 あさ日こやけさハうらゝにさしつらん軒のたるみのしたの玉水<左>(好忠集6、花鳥余情・休聞抄・紹巴抄・孟津抄・岷江入楚)
  なと可徒らゝのむ春本ゝ類らむとのへと
  多むく(く=む<墨><朱>、#<朱>)とうち王らひていとくちをも遣な
  もいとおし个れハいてひぬ御車よせ多る」(27オ・221L)

  もむのいとい多うゆ可ミよろ本日てよめ尓
  こ志るき可らもよろつかくろへ多る
  お本可り个連いとあハれ尓さひしくあれまとへる
  尓まつのゆきのミあ多ゝ可遣尓ふり徒め類
  佐とのちしてものあハれなるをかの/\
  のいひしむくらの可とハかうやうな
0185【むくらのかと】−雨夜の物かたりにいへる事也
  个む可し氣尓くるしくらう多けならん
  をこゝ尓すゑてうしろめたうし登
  おもハゝやあるましきものおもひハそれ尓万
0186【あるましき】−薄雲を思ふ越いふ
  きれな無可しとおもふやうなるすミ可尓」(27ウ・222D)
0187【おもふやうなるすミか】−末摘

  あ者ぬありさ満ハとるへき可たなしと日な
  王れならぬハましてしのひてむやわ可
  うてれ个るハこみこ能うしろめ多
0188【こみこ】−常陸宮
  と多くへをき多万ひ个む多万志ひの志る
  へなめりとそおほさるゝ堂ち能うつ
  もれ多る見春いしむめして者らハせ堂
  まふうらやミ可本尓まつのき能をのれお
  き可へりてさとこ本るゝゆきもな尓多
0189【ゆきもなにたつすゑの】−<朱合点> 古 君をゝきてあたし心越わかもたハ末の松山なミもこえなん(古今1093、弄花抄) 古 浦ちかくふりくる雪ハしらなミの末の松山こすかとそ見る(古今326・拾遺集239・古今六帖717・興風集7・63・寛平后宮歌合143、花鳥余情・弄花抄・孟津抄・岷江入楚)
  徒春ゑのとみゆるなと越いとふ可ゝら春
  ともな多ら可(△&可)なるほと尓あひしらハむ」(28オ・222I)

  も可な見給御車いつへき可とハま多あけ
  佐り个れハ可起のあつ可り多つ年いて多れハお起
  ないといみしきいてき堂るむ春め尓や
  む万こ尓や者し多な類お本きさの
0190【はしたなる】−半なる勢分ナリ
  きぬハゆき尓あひてすゝ遣まとひさむし
  とへる个しきふかう(+て)あやしきもの尓
  多ゝ本の可尓いれててくゝ見尓も多り
  きな可と越えあけやらねハよりてひきた
  春くるいとか多くなゝ里とものよりてそ
  あけつる」(28ウ・223A)

    布りに个るかしら能越みるひとも
0191【ふりにける】−源氏
  おとら春ぬらすあさのそて可なわかきもの
0192【ぬらすあさのそて】−古今秋ののゝさゝわけしあさの袖よりもあハてこし夜そひちまさりける(古今622・古今六帖3037・業平集15・伊勢物語、河海抄・孟津抄・岷江入楚)
0193【わかきものはかたちかくれす】−
<朱合点> 白氏文集 夜深煙火尽霰雪白紛々幼者形不蔽老者体無温悲端与寒気併入鼻中辛 秦中吟
  ハか多ちかくれ春とうちすし日ても
  のいてゝいとさむしと徒るをも可
  氣布とおもひいてられてほゝゑまれたま
  婦頭中将尓これをらむときい可な
  をよそへい者むつね年尓う可ゝひくれハい満
  つけられなむと春へなうおほ春
  つ年なるほとのことなさならハおも
  ひすてゝもや見ぬへきをさた可尓た万」(29オ・223G)

  ひてのちハ/\あハれ尓いみしくてまめや
  なるさ満尓つ年尓をとつれふるき能
  ハならぬ(+きぬ)あやわ多なとおいとものきるへ
  きも能ゝ多くひかのき那の多め万
  て可みしもおほしやりて多てまつり
  可やうのまめや可も者つ可し遣ならぬを
  や春く佐るか多のうしろミ尓て者くゝ万
  むとおも本しとりてさ満こと尓さならぬう
  ちとけわさもし个り可のうつ見の
  うちと遣多りしよひのそハめ尓はいと王」(29ウ・223L)

  ろ可りしか多ちさ満なれともてなし尓かくさ
  連てくちおしうハあらさりき可しとる
  へきほとのりやハ遣尓し那尓もよらぬ王
0194【しな】−品
  さなり个りハせ(+の)な多ら可尓ね遣な
  しを万个てやミ尓し可なとものゝお
0195【まけ】−負
  こと尓ハお本しいつとしもくれぬのとの
0196【内のとのゐ所】−源ノ淑景舎
  ゐ尓おハします尓いふの命婦万いれり
  遣つりくしなと尓はけさう多春ちな
0197【御けつりくし】−天子の御くしをけつりたてまつる時ハ上臈御くしをはらひ中臈けつり奉る也
  くや春きものゝさ春可尓のハふれ
  なとしてつ可ひならしへ連ハめしな」(30オ・224C)

  もきこゆへきあるおりハまうの本り个り
  あやしきをきこえさせさらむも
0198【あやしき事の侍を】−命婦
  ひ可/\しうおもひへ王つらひてと本ゝゑミ
  てきこえやらぬをな尓さ満のそ王れ尓
0199【なにさまの】−源氏
  ハ徒ゝむあらしとなむおもふとのへハい可
0200【いかかハ】−命婦
  可ハ見つ可ら能うれへハ可しこくともまつこ
  ハこれハいときこえさせ尓くゝなむとい多うこ
  こめ多れハ連いのえむなると尓く見
0201【れいの】−源氏
0202【かの】−命婦

  のよりふミとてとりいて多まし
0203【宮】−蓬生
0204【まして】−源氏

  てこれハとりかくすへき可ハとてとり」(30ウ・224H)

  婦もむ年徒ふる見ち能く尓可見のあつ古え
0205【みちのくにかみ】−今の檀紙ナリ 古今にみちのくのまゆミのかミといへり 檀ハまゆミ也
  多る尓に本ひハ可りハふ可う志め(△&め)へりいとよう
  可起おほせりう多も
    から古ろも可こゝろの徒ら遣連者
0206【からころも】−末摘 元真集いつかわれ涙のつきんから衣君か心のつらきかきりハ(元真集311、源氏古注・花鳥余情・休聞抄・紹巴抄・孟津抄・岷江入楚)
  多もとハかくそそ本ちつゝのミ春うち
  か多ふきへる尓徒ゝミ尓古ろも者この
0207【つゝみ】−曩
0208【ころもはこ】−衣筥

  もり可尓こ多いなるうちをきてをしいて
0209【こたい】−古代
  多りこれをい可て可ハか多ハらい多く
0210【これを】−命婦
  らむされとつい多ちのよそひとて王
  める越ハし多う盤者(者$盈<朱>)可へしら春」(31オ・225@)

  ひとりひきこめらむも御心た可ひ
  个れハらむせさせてこハときこゆ連者
  ひきこめられなむハから可りなましてまき
0211【ひきこめられなむハ】−源氏
0212【そてまきほさむ人も】−
<朱合点> 「白露(露=雪イ<墨>)ハけふはなふりそ白たえの/そてまきほさむ人もなき身に<朱>」(付箋02 古今六帖755・万葉2325、源氏釈・奥入・異本紫明抄・紫明抄・源氏古注・河海抄)
  本さむもないと(+うれしきさし尓こそハと<朱>)の日てこと尓
  のい者れ者すさてもあさまし能くち徒き
  やこれこハてつ可ら能御事可起りなめれ
  侍従そとりな越すへ可めれま多布ての
0213【侍従こそとりなをす】−此哥ハ手つからのかわろし侍従こそよくハよむへきとなり
  里とる者可せそ可へきといふ可ひなくお本
  春を徒くしてよミいてつらむほとを
  ほす春尓いとも可しこき可多とハこれをもいふ」(31ウ・225E)

  へ可り个りと本ゝゑミて見給ふを命婦おもて
  阿可ミててまつるいまやういろのえ遊
0214【いまやういろ】−こき紅梅也 うす紅梅ハ聴色也 濃によりてえゆるすましといふ也
  類春ましく徒やなうふるめき多
  のうらうへ日と志うこまや可なるいとな越/\志う
  徒万/\そみえ多るあさましとおほ春尓
  のふミをひろ遣な可らハし丹てならひ春さひ
  ふをハめ尓れハ
0215【そハめに見れハ】−命婦
    なつ可しきともなし尓なにゝこ能
0216【なつかしき】−源氏
  春ゑつむをそて尓ふれ个むこき者
0217【すゑつむ花】−万よそにのミみつゝやこひん紅の末つむ花の色にいてすとも人丸(拾遺集632、河海抄・休聞抄・紹巴抄・孟津抄・岷江入楚) 古今人しれす思へハくるし紅の末つむ花の色にいてなん(古今496・古今六帖3493、異本紫明抄・紫明抄・源氏古注・河海抄)
0218【色こきはな】−\<朱合点> 「
くれなゐを(を=のイ<墨>)色こき花とみしかとも/人をあくたに(たに=にハイ<墨>)うつろひにけり(ろひにけり=るてふなりイ<墨>)<朱>」(付箋03 出典未詳、源氏釈・奥入・異本紫明抄・紫明抄・源氏古注・河海抄)
  なとみし可ともなかき遣可しと」(32オ・225K)
0219【花のとかめを】−命婦

  可め越(+なを)あるやうあらむとおもひあハするおり/\
  の可けなと越いとおしきもの可らをかし
0220【月】−つま 河海説
  うおもひなりぬ
    くれな井のひところも(△△&ろも)うすくとも
0221【くれなゐの】−命婦
  ひ多春らく多すな越し多て春ハくるし
  のよやといとい多うなれてひとり古つよ起
0222【よきにハ】−源氏
  尓ハあらねとかうやう能可いなてに多あら
0223【かいなてに】−をしなへてといふ心也
  まし可ハとかへ春/\くちをし能本との
  くるしき尓なくちなむハさす可なひと
  ひと万いれハとり可くさむや可ゝ流わさハ」(32ウ・226C)
0224【とりかくさむや】−源氏

  のするもの尓やあらむとうちうめ起
0225【なにゝこらむせさせつらむ】−命婦
  尓ゝこらむせさせ徒らむわれさへやう尓
  といと者つ可しくてやをらおりぬうへ尓
0226【おりぬ】−下
0227【うへにさふらへハ】−命婦

  さふらへハい者む尓佐しのそ
0228【くはや】−さあといふ也
  者やきのふの可へりあやしく者ミすく
0229【心はミすくさるゝ】−心たちすきたるとの給ふ
  佐るゝとてなへり者う多ちな尓
  事ならむとゆかしかる・多
0230【たゝ梅の花の色】−<朱合点>
  能こ見可さの能をとめをハすてゝと
0231【みかさの山のをとめをハ】−<朱合点> 求子哥也 春日社ニテハミカサ山トウタフ余社ニテハ各其所ヲうたふ也 青表紙云 未勘云々
  う多ひ春さひていて日ぬ類を命婦
  いとお可しとおも婦志らぬ/\ハなひと」(33オ・226H)

  里ゑミハ(+と)と可めあへりあらすさむきしも
  あさ尓可いねりこ能めるいろあひやミ
0232【かいねり】−掻練也面ウラにくさハりにて中倍(倍=へ)なし紅の色也火色ハ面裏くれなゐの打物中へあり
0233【かいねりこのめる花のいろあひや】−風俗哥たゝらめの花のことかいねりこのむやけしむらさきの色このむや

  えつらむ徒ゝ志りうたのいとおしきとい
  あな可ちなる御事可なこの可尓ハ尓本
  もな可めりさ古むの命婦ひこ能う
0234【さこむの命婦ひこのうねへ】−此二人ハ鼻のあかき人也
  ねゑ(ゑ$遍)や万しらひ徒らむなもえ春いひ
  しろふ可へり多てまつり多耳ハ
  者う徒とひてめて个り
    あ者ぬよ越へ多つるな可能ころもて尓
0235【あはぬよ越】−源氏返し 拾衣たに中にありしハうとかりきあハぬ世越さへへたてぬるかな(拾遺集789・拾遺抄270、源氏古注・花鳥余情・休聞抄・紹巴抄・孟津抄・岷江入楚)
  かさ年ていとゝもしみよとや志ろき可ミ」(33ウ・227@)

  尓春て可ひへるしも可/\お可し遣
  なる徒こもりのゆふ徒可多可能ろもハこ
  尓れうとて能多てまつれるそひとく(+多り
  えひそめ能をりものゝやまふき可な
  尓そいろ/\命婦てまつり多
  ありしいろあひを王ろしとやまひ个んと
  日志ら類連と可れハ多くれな井のおも/\し
  可りしをやさりともき盈しととも
0236【ねひ人】−老
  佐多むるうたもこれよりのハ古とハりきこえ
  志多ゝ可尓こあれ可へ里ハ多ゝお可しきか多」(34オ・227F)

  尓ことくち/\尓いふひめもお本ろ遣
  ならて志いてつるわさなれハもの尓可きつけ
  てをきへり个り徒い多ち能ほとすき
0237【ついたちのほと】−正月一日改年源氏十八紫上十一
  亭古としおとこ多う可あるへ个連ハれい農
  /\あそひのゝ志りふ尓ものさハ可し个れ
0238【ものさハかしけれと】−蓬生
  とさひしきあハれ尓を本しやら類連ハ
  なぬ可能のせちゑ者てゝ尓いりて
  より万可て日个るをとの井尓や可て
0239【御とのゐ所】−きりつほ
  とまりぬるやう尓てよふ可しておハし多り
0240【おハしたり】−蓬生許
  連いのありさ満よりハ遣ハひうちそよめき」(34ウ・227K)

  (+よ)徒い多も春こし多をやきへる氣し
0241【君も】−蓬生
  きもて徒遣多まへりい可尓あら多めてひき
0242【いかにそ】−源氏
  可へ多らむと起とそおほしつゝ遣らるゝ佐し
  いつる本と尓や春らひなしていてひむ可し
  のつまとをしあけ多れハむ可ひ多るらう能
  うへもなくあハれ多れハひのあしほとなく佐し
0243【あし】−脚
  いりてゆき春こしふり多るひ可り尓いと遣
  さや可尓いれら類越しなと多て万
  つるをい多して春古し佐しいてゝか多ハら
0244【見いたして】−蓬生
  ふしへるかしらつき本れいて多るほと」(35オ・228C)

  いとめて堂しおひな越里をいて多らむ
  とお本されてかうしひきあけへりい登
  おし可りしも能こり尓あけも者てハて
  うそくををしよせてうち可けてひん(ん$<朱墨>)くき
  のしと遣なをつくろひわりなうふる
  めき多るきやう多いのから具志遣かゝ
0245【からくしけ】−唐匣
0246【かゝけのはこ】−掻上函也

  遣能者こなとりいて多りさす可尓おとこ
  の御具さへほの/\あるをされてお可しと
  さうそく个ふハよつき多りと
  ゆるハありし者この者をさ那からなり」(35ウ・228I)

  个りさもおほしよらす婦あるもむつきて志る
  きうハきハ可りそあやしとお本し遣る古とし
0247【うハき】−表着
  多尓こゑ春古しき可せたまへ可しま多るゝ
0248【またるゝものハ】−<朱合点>
  ものハ佐しを可れて遣しきあら多まらむ
  なむゆ可しきとのへハさ盈つる者るハ登
0249【さえつるはるハ】−<朱合点> 蓬生<右> 「百千鳥さえつる春ハ物ことに/あらたまれとも我そふりゆく<朱>」(付箋04 古今28、源氏釈・奥入・異本紫明抄・紫明抄・源氏古注・河海抄)
  かし(しらイ、イ<朱>)うしてわなゝ可しいて多りさりやとし
0250【さりや】−源氏
  へぬる志類しよ登うち王らひ可登
0251【夢かとそみる】−<朱合点> 「夢とこそおもふへけれとおほつかな/ねぬに見しかハわきそかねぬる<朱>」(付箋05 後撰714、奥入・源氏古注・河海抄・孟津抄・岷江入楚) わすれてハ夢かとそおもふ思きやイ<左>(古今970・古今六帖715・業平集60・伊勢物語152、源氏釈・異本紫明抄・紫明抄)
  そみるとうちすしていてふををく
  里てそ日ふしへりくちおほひのそ
  めよりな越可の春ゑつむいと尓本ひや」(36オ・229@)

  可尓佐しいて多くる志のわさやとお本
  さる二条尓おはし多れハむらさ起の
0252【むらさきの君】−今年十一歳
  いともうつくしきか多おひ尓てくれな井盤
  かうなつ可しきもあり个りとゆる尓
0253【かうなつかしき】−紅顔をいふ
  もんのさくらのほそな可なよらか尓きな
  してもなくてものしふさ満いみしう
  らう多こ多いのをハこり尓
  ハくろめもさ(さ#万、万=まイ)た志可り遣るをひきつくろ者
0254【はくろめ】−歯黒 山海経云東海有黒歯国其俗婦人歯志黒染
  せへれハまゆの遣さや可尓なり多るも
  徒くしうきよらな可らなと(+可)かううき」(36ウ・229E)
0255【心から】−源氏
0256【うき世を】−紫上と蓬生とをいへり

  をミあつ可ふらむ可くくるしきものを
0257【心くるしき】−蓬生
  もてゐ多らてとお本しつゝ連いの
  も尓ひい(ゝ&い)なあそひしゑなとかきて
  よろつ尓お可しう春さひちらし
  个り王れも可起そ可見い登な可き
0258【われも】−源ノ
  をかき日て者な尓へ尓を徒个て見給
0259【へに】−遠脂
  ふ尓か多尓可きても万(△&万)うきさ満し
  多りわ可可遣のきやう多い尓うつれる可い
  ときよらなるを見給日て亭つ可らこの
  あ可者那をかきつ遣尓本ハして見給ふ尓」(37オ・229K)

  可くよ起可本多尓さてまし連らむハ
  類し可る遍可り个り日めミていみしく
  王らひまろ可かく可多者尓なりなむと
  きい可ならむとの多まへハうたてこ
  らめとてさもや志ミつ可むとあやうく
  へりらのこひをしてさら尓志ろ
  万ねようなき春さひわさなりやうち
  い可尓の者む(+と)すらむとい堂まめや可
  いと/\おしとお本してよりての
  こ日へハへいちうかやう尓とりそ」(37ウ・230B)
0260【へいちうかやうに】−「<平中妻哥也>/我にこそつらさハ君かみすれとも/人にすミつくかほのけしきよ<朱>」(付箋06 出典未詳、源氏釈・奥入・異本紫明抄・紫明抄・源氏古注・河海抄) 平仲也 定文事也 宇治大納言物語大和物語にあり 女のよめる哥<右>

  あ可ゝらむハあえむと多ハふ連さ満いと
0261【あえなむ】−ありなんといふ也 又似たらんといふ心
  お可しきいもせとみえへりひのいとう羅ゝ可
  なる尓いつし可とか春見者多れるこ春ゑ
  とものもとな尓もむめハ氣しきハ
0262【むめハけしきハミ】−「にほはねとほおゑむ梅の花をこそ/われもおかしとおりてなかむれ(おりてなかむれ=折テハヲラマホシケレ イ<朱>」(付箋07 好忠集26、源氏釈・奥入・異本紫明抄・紫明抄・源氏古注・河海抄)
  ミ本ゝゑミわ多れるとりわきてハし可
  くしのもとのこう者いゝとゝく佐く
  て徒き尓个り
    くれな井の者那そあやなくうとまるゝ
0263【くれなゐの】−源氏
  の多ちえハなつ可し个れといてやと阿
  いなくうちうめ可れ可ゝる/\能春」(38オ・230G)
0264【かゝる人/\の】−作者詞也

  ゑすゑい可なり个む」(38ウ・230L)

  伊行
【奥入01】琴詩酒伴皆抛我雪月花時
  尤憶君
【奥入02】伊毛可々度世奈可々度申支酒支可祢天也
  和可由可波比知可左乃比知可左のあめも
  や布らなむしてたを左あまやとり可左や
  とりて末からむして多をさ
【奥入03】文集秦中吟
  夜深煙火盡 霰雪白紛々 幼者形不蔽」(39オ)

  老者體無温 悲端与寒氣 併入鼻中辛
【奥入04】求子を可す可尓てハみ可さとうたふ
【奥入05】文集六十二
  北窓三友
  今日北窓下 自問何所為 欣然得三友
  三友者為誰 琴罷輙挙酒 々罷輙吟詩
  三友逓相引 脩隈無已時 一弾△<カナフ>中心
  一詠暢四支 猶恐中有問 以酔弥縫之
  みつ(+の)ともハこれ」39ウ

二校了(前遊紙1オ)