First updated 07/12/2022
Last updated 02/12/2024
渋谷栄一翻字

若紫

凡例

1.大橋寛治氏蔵『源氏物語 奥入』(復刻日本古典文学館 昭和46年10月)所載の巻尾本文を漢字仮名字母翻字法によって翻字した(翻刻資料の凡例を参照)。
2.判読不明文字は△で記した。
3.定家本との本文の異同は朱色、仮名遣い等の異同は茶色、漢字仮名の表記の異同は緑色で表示した。

「自筆本奥入」(13オ)「若紫」(巻尾6行)

くるをいとお可しきもてあそひなりむ
すめなとは多可者可り尓なれハやすく
うちふるまひへ多てなき佐ま尓
婦し)きなとハえしもすましきを
これハいと佐まか者り多る可しつきくさ
なりとおほい堂めり


【本文訂正跡】
@「を」を擦り消して「お」と訂正する

【本文の異同】
青表紙原本との本文の異同は無し

【仮名遣い等の異同】
・「婦しお&お)き」―「ふしおき」(青表紙原本)
 擦り消し訂正以前の本文は、「を」と判読できる文字、仮名遣いの訂正
 訂正者については、書写者自身か、あるいは定家か、未詳
 「お」の字形について、1行目「お」と6行目「お」の字形は、左側の入筆のカーブ、そして二筆目の元を接する、右側の二筆の繋がり具合等が、4行目「お」とは明らかに異なる。ただし、擦り消した上に訂正した文字という条件の違いもあり、筆者の違いによるとまでは言い難い

【漢字仮名の表記の異同】
漢字と仮名との表記の異同は無し。字母の違いがあるのみである。