若 紫
凡例
1.『定家本源氏物語 若紫』(高精細原寸カラー版影印 八木書店 2020年3月)に拠って、漢字は漢字のまま翻字し、他の変体仮名字母と区別するために太字で表示した。
2.通行の平仮名の字母はそのまま平仮名で翻字した。
3.変体仮名はその字母で翻字した。
4.片仮名はそのまま片仮名で翻字した。
5.仮名や字母の崩し方が複数ある文字については、一般的な字形を基準にして、それより元の漢字に近い字形には「1」と付記し、また一般的な字形とも異なった別の崩し字形には「2」と付記した。
6.本行本文は普通字体で表示し、付箋は小字体で表示した。 奥入の後からの行間書き入れも小字体で表示した。朱合点は\で表示した。
7.行頭に同字が並ぶ場合に、異なる字母は茶色、同じ字母は緑色で表示した。
「わ可むらさ起」(題箋)
わらハやミにわ徒らひ堂まひてよろつ尓
ましな2ひ可ちな2と万いら2せ多まへと志るし
なくてあま多ゝひお1こり堂まひ个れ盤ある
人き堂やま尓な2むな尓可してらといふ所
尓かしこきをこなひゝと2侍るこそ2の夏
も世尓お1こりて人/\ましな2日わつ2らひしを
や可てと2ゝむる堂くひあま多侍りきしゝこら
可し徒る時者う多て侍るをとくこそ2心見させ」(1オ)
堂ま者免な2ときこゆれハめし尓つ可ハし堂るに
お1い可ゝまりてむろのと2尓もま可てすと申多れハ
い可ゝはせむいとしの日て物せむと2の多まひて
御と2も尓むつましき四五人者可りしてま多あ可
月尓お1者すやゝふ可ういる所な2り个り三月の
つこもりな2れハ京の者那さ可りハミ那すき尓
遣り山のさくらハま多さ可りにていりもてお1者する
まゝ尓可すミの堂ゝすまひもお1可しうみゆれ者
可ゝるありさ満もな2ら2ひ堂ま者すところせき」(1ウ)
御身尓て免つら2しうお1ほされ个りてらのさ満
もいとあ者れな2りミね堂可くふ可きい者の中尓
そ2ひ志りいり井多り个るのほり堂まひて多れ
ともしらせ給ハすいとい堂うや徒れ多まへれと
しるき御さ満な2れハあ那可しこや一日めし侍り
志尓やお1者しますら2むいま者この世の1こ2とを
お1もひ堂まへね者遣む可多のをこな2ひもすて
わすら2(ら2$)れて侍るをい可て可うお1者しましつら2むと
お1とろきさはきうちゑミ徒ゝ見多てまつる」(2オ)
いと堂うとき堂いと2こな2り遣り佐るへき物つくり
てす可せ堂てま徒るかちな2とまいるほと日堂
可くさしあ可りぬすこし堂ちいて徒ゝみ王多し
堂まへハ多可き所尓てこゝかしこそ2う者うと2も
あら2者にミお1ろさるゝ堂ゝこの徒ゝらお1りの1
しも尓お1な2しこしハな2れとうるわしく志わ多
志てきよ个なるやらうな2とつゝ遣てこ多ちいと
よしあるはな2尓人のすむ尓可とゝひ堂まへハ御
と2もな2る人これな2むな尓可しそ2うつのこのふ多と/せ」(2ウ)
こもり侍る可多尓侍な2る心者徒可しき人すむな2る
所尓こそ2あな2れあやしうもあまりや徒し个る
可那きゝもこそ2すれな2との堂まふきよ个な2る
わら2ハな2とあま多いてきてあ可多てまつり花お1り
な2とするも阿ら2者にミゆ可しこに女こそ2あり遣れ
そ2うつハよもさやう尓ハすへ堂ま者しをい可な2る
人な2ら2むと2くち/\いふお1りてのそ2くもありお1可
し遣なる女こと2もわ可き人わら2ハへな2む見ゆ
るといふきミはをこ那日し堂(□&堂)まひつゝひ多くる/まゝ尓」(3オ)
い可な2ら2むとお1ほし堂るをと2可う満きら2ハさせ多
まてお1ほしいれぬな2むよく侍るときこゆれハ志り
への山尓堂ちいてゝ京の可多を見多まふ者る可に
可すミわ多りてよも能こす衛そ2こ者可と2な2う遣
ふり王多れる本とゑ尓いとよくも尓多る可那可ゝる
ところ尓すむ人心尓お1もひのこすこ2とはあら2し可し/と
の堂まへハこれハいとあさく侍り人のく尓な2とに
侍るうみやまのありさ満な2とを御らむせさせて
者へら2ハい可尓御ゑいミしうまさら2せ多ま者む」(3ウ)
ふしの山な2尓可しの堂个な2と可多りきこゆるも
あり又尓しく尓のお1もしろきうら/\いそ2のうへを
いひつゝくるもありてよろ徒尓まきゝら2ハしきこゆ
ち可き所尓ハ者りまのあ可しのうら2こそ2猶こ2とに侍
れな2尓能い堂りふ可きく満ハな2个れと堂ゝうみの
お1もてをみ王多し多るほとな2むあやしくこ2と
所尓ゝすゆ本ひ可な2る所尓侍るかのく尓の佐きの可ミ
01 ミよしのゝお1ほ可者水のゆ本ひ可尓/あら2ぬもの可ら2な2ミ能多つら2む(付箋①)
し本ち能むす免可し徒き多るいゑいとい多し可志
大臣のゝち尓ていて多ちもすへ可り个る人のよのひ可」(4オ)
物尓てましらひもせす近衛の中将をすてゝ申
堂ま者れり个るつ可さな2れと可のく尓の人尓もす
こしあな2つら2れてな2尓のめいほく尓て可又宮こ尓
も可へら2むとい日てかしらもお1ろし侍り尓个るを
すこしお1くまり堂るやますミもせてさるうみつ
ら尓いて井堂るひ可/\しきやうな2れと遣尓可の1く尓
のうち尓佐も人のこもり井ぬへき所/\ハありな2可ら
ふ可きさとはひと者な2れ心すこくわ可きさいしの
お1もひわひぬへき尓より可つハ心をやれるすまひ尓」(4ウ)
な2む侍るさい徒ころま可りく堂りて侍りしついて尓
ありさ満み多まへ尓よりて侍りし可ハ京尓てこそ2
ところえぬやうな2り个れそ2こら者る可にい可免しう
しめてつくれるさまさはいへとく尓の徒可さ尓て
志をき个るこ2とな2れハのこりのよ者ひゆ堂>可にふへ
き心可まへも尓那くし堂り个りの1ちの世の徒と
めもいとよくして中/\本うしまさりし堂る人
尓な2む侍り个ると申せはさてそ2のむす免ハとゝ
ひ堂まふけしうハあら2す可多ち心者へな2と侍な2/り」(5オ)
堂い/\のく尓の徒可さな2とよういこ2とにしてさ
累心者へミすな2れとさら2にう遣ひ可すわ可みの可く
い堂つら2にし徒める多尓あるをこの人ひとり
尓こそ2あれおもふさまこ2とな2りもしわれ尓を
くれてそ2の心さしと2けすこのお1もひをき徒るすく
せ堂可ハゝうミ尓いりねとつね尓ゆいこし越きて
侍な2ると2きこゆれ者きみもお1可しときゝ給人/\か
いりうわうのきさき尓な2るへきい徒きむす免
な2ゝり心堂可佐くるしやとてわら2ふ可くいふ者ゝり」(5ウ)
まの可みのこの1くら人よりこ2としかうふりえ多る
な2り个りいとすき堂る物な2れハ可の尓う多うの
ゆいこんやふり徒へき心者あら2む可しさて堂ゝ
すみよるな2ら2むといひあへりいてな2尓しにさいふと
もゐ中ひ堂ら2むお1さな1くよりさる所尓お1ひ
いてゝふる免い堂るお1や尓のミし堂可ひ多
らむハ者ゝこそ2ゆへあるへ个れよきわ可うと2わら2ハ
なと2宮このやむこ2と那き所/\より累(+い)尓ふれて多
つねとりてま者ゆくこそ2もてな2すなれな2さけ」(6オ)
な2き人な2りてゆ可ハさて心やすくてしもえを
き堂ら2しをやな2といふもあり君な2尓心ありて
うみのそ2こまてふ可うお1もひいるら2むそ2このみる
02 あまのすむそ2この見るめも者つ可しく/いそ2にお1い多るわ可めをそ2可る(付箋②)
免も物むつ可しうなとの堂まひて堂ゝな2ら2す
お1ほし堂り可やう尓てもな2へてなら2すもてひ可
み多る(□&る)こ2とこのみ多まふ御心な2れハ御みゝとゝまら
むをやとみ堂てまつるくれ可ゝりぬれとお1こら2せ給
ハすな2りぬる尓こそ2はあめれ者や可へら2せ多まひ
な2むとあるを堂いと2こ御ものゝ遣な2とく者ゝれる」(6ウ)
さ満尓お1者しまし个るをこよひ者猶しつ可尓
可ちなとまいりていてさせ多まへと申す佐もある
こ2とゝみな2人申す君も可ゝる堂ひねもな2ら2ひ給
者ねハさす可尓お1可しくてさら2はあ可月尓との多まふ
人な1くてつれ/\な2れハゆふくれのい堂う可すミ多る
尓まきれて可のこしハ可きの1本と尓堂ちいて給
人/\ハ返し堂まひてこれミつのあそ2むと2のそ2き
堂まへハ多ゝこの尓しお1もて尓しも仏すへ多てま
つりてをこな2ふあまな2り遣りす多れすこしあ遣/て」(7オ)
者那多てま徒るめり中の者しらによりゐてけ
うそ2くのうへ尓経をゝきていとな2やましけ尓よミ
井多るあま君多ゝ人とみえす四十よ者可り尓て
いとしろうあて尓や勢堂れと徒らつきふくら2可に
まみの本と可みのうつくし遣尓そ2可れ多るす衛も
中/\な2可きよりもこよ那ういま免可しき物可那と
あ者れ尓み多まふきよ个な2るお1と那ふ多り者可り
さてわら2ハへそ2いていりあそ2ふ中尓十者可りやあら2むと
みえてしろきゝぬやまふきな2とのなへ多るきて」(7ウ)
者しりき堂る女こあま多みえ徒るこ2とも尓ゝ
るへうもあら2すいミしくお1ひさきみえてうつくし
03 い徒こ尓可屋とりとなら2んあさ日/この/さ春やお1可への多1万佐ゝの/うへ(付箋③「帚木」の誤貼付)
けな2る可多ちな2り可み者あふきをひろ遣多る
やう尓ゆら2/\として可をはいとあ可くすりな2して
堂てりな尓こ2とそ2やわら2ハへとはら2多ち堂まへる
可とてあま君のみあ遣多る尓すこしお1ほえ多る
と2ころあれ者こな2免りとみ堂まふすゝ免のこを
いぬき可に可し徒るふせこのうち尓こめ多り徒る
物(+ヲ)とていとくちお1しとお1もへりこの井多るお1と那」(8オ)
れいの心な2し能可ゝるわさをしてさいな2まるゝこそ2
いと心月な2个れいつ可多へ可ま可りぬるいとお1可しう
やう/\な2り徒る物を可ら2すな2ともこそ2みつくれ
と2て堂ちてゆく可みゆるゝか尓いと那可くめやす
き人な2めり少納言の免のとゝそ2人いふめるはこの
このうしろミな2るへしあまきみいてあ那お1さ
な2やいふ可ひな2う物し堂まふ可那をの可ゝく遣
ふあす尓お1ほゆるいのちをハな2尓ともお1ほし
堂ら2てすゝめし堂ひ多まふ本とよつミうる」(8ウ)
こ2とそ2とつね尓きこゆるを心うくとてこちやといへハ
ついゐ多り徒ら2つきいとらう堂个尓てまゆのわ
堂りうち遣ふりい者けな2く可いやり堂るひ多日
つき可むさしいミしうゝつくしねひゆ可むさ満
ゆ可しき人可那と免とまり多まふさるは可きり
な2う心を徒くしきこゆる人尓いとよう尓堂て
まつれる可まもら2るゝな2り遣りと2お1もふ尓もな2ミ多
そ2お1つるあま君可みを可きなてつゝけつるこ2とを
う累さ可り堂まへとお2可しの御くしやいと者可な2う」(9オ)
物し堂まふこそ2あ者れ尓うしろめ多个れ可者
可り尓な2れハいと可ゝらぬ人もある物をこひめ君
は十者可り尓て殿尓をくれ堂まひし本といミ
しう物者お1もひしり多まへりし可志堂ゝいま
越のれミすて堂てまつら2ハい可て世尓お1者勢むと
すらむとていミしくな2くを見堂まふもすゝろ尓
可な2しお1さな1心ち尓もさす可にうちまもりて
ふしめ尓な2りてうつ婦し堂る尓こほれ可ゝり
堂る可みつや/\とめて多うミゆ」(9ウ)
お1ひ堂ゝむありかもしら2ぬわ可くさを
をくら2すつゆそ2きえむそ2らなき
又ゐ多るお1とな2遣尓とうちなきて
者徒くさのお1日ゆくす衛もしら2ぬま尓
い可て可つゆのきえむとすら2む
ときこゆるほと尓そ2うつあな2多よりきてこ那多
者あら2ハ尓や侍ら2む遣ふしもはし尓お1者しまし
个る可那この可みのひ志りの可多尓源しの中将の
わら2ハやミ満しな2日尓物し堂まふ个るを多ゝいま」(10オ)
な2むきゝつけ者へるいミしうしのひ多まひ个れハ
しり侍ら2てこゝ尓侍りな可ら御とふら2ひ尓もまて
さり个ると2の堂まへハあ那いミしやいとあやしき
佐まを人や見つら2むとてす多れお1ろしつこの
世尓のゝしり堂まふひ可る源し可ゝる徒いてに
み多てまつリ多ま者むや世をすて堂る本うし
の心ち尓もいミしう世のうれへわすれよ者ひのふる
人の御ありさ満な2りいて御せうそ2こきこえむとて
堂つをとすれハ可へり堂まひぬあ者れな2る人を」(10ウ)
み徒る可那可ゝれハこのすき物ともハかゝるありきを
のミしてよくさるましき人をも見徒くるな2り
遣り堂まさ可に多ちいつる堂尓可く思日のほ可
な2るこ2とを見るよとお1可しうお1ほすさてもいと
うつくし可りつ累ちこ可な2ゝ尓人な2ら2む可の人の御可
者りにあけくれのなくさめ尓もみ者やとお1もふ心
ふ可うつきぬうち婦し多まへるにそ2うつの御てし
これみつをよひいてさす本と那き所な2れハ君も
や可てきゝ堂まふよきりお1者しまし个るよし」(11オ)
堂ゝいまな2む人申す尓お1とろきな2可ら2さふら2婦
へきをな尓可しこのてら2にこもり侍りと2はしろ
しめしな2可ら志の日さ勢多まへる越うれ者しく
お1もひ堂まへてな2むくさの御むしろもこの者う
尓こそ2まう遣侍へ个れいと本いな2きこ2とゝ申多まへり
いぬる十よ日のほとよりわら2ハやみ尓わつらひ侍るを
堂ひ可さな2りて堂可(可#〈朱〉)へ可多く侍つれハ人の越しへの1
まゝ尓ゝ者可尓多つねいり者へりつれとかやうやう
なる人のしるしあら2者さぬ時者し多な可るへきも」(11ウ)
堂ゝな2るよりハいと本しう思多まへつゝみてな2む
い多うしのひ侍つるいまそ2な2多尓もと2の多まへり
すな2者ちそ2うつまいり堂まへり本うしな2れといと
心者つ可しく人可ら2もやむこ2と那くよ尓お1も者れ給
へ累人な2れ盤可る/\しき御ありさ満を者し堂な2う
お1ほす可くこもれる本との御物可多りな2ときこえ
堂ま日てお1な2しゝ者のい本りな2れとすこしすゝし
き水のな2可れも御ら2むせさ勢むとせちにきこえ
堂まへハ可の1ま多ミぬ人/\尓こ2と/\しういひき可勢」(12オ)
徒るをつゝましうお1ほ勢と2あ者れな2りつるあり
さ満もいふ可しくてお1者しぬ遣尓いと心こ2とによし
ありてお1な2しきくさをもうへな2し多まへり月もな2
きころなれハやり水尓可ゝり火と2もしと2うろな2と
尓もまいり多りミ那みお1もていときよ个にしつら2ひ
堂まへりそ2ら堂き物いと心尓くゝかほりいてみやう
可う能可な2とに本ひミち多るにきミの御をひ可せ
いとこ2と那れ者うちの人/\も心徒可ひすへ可めり
そ2うつよのつねな2き御物可多りのち能世のこ2とな2と」(12ウ)
きこえしら2せ多まふわ可つミのほとお1そ2ろしうあち
きな2きこ2とに心を志めてい个る可きりこれをお1も日
な2やむへきなめりましてのち能世の1いミし可へき
お1ほしつゝ遣てかうやうな2るすまひもせま本しう
越本え多まふもの可らひるのお1も可遣心尓可ゝりて
こひし个れハこゝ尓物し給者堂れ尓可多つね
きこえま本しきゆ免を見多まへし可な2遣ふ
な2む思あ者せ徒るときこえ堂まへハうちわら2ひて
うちつ遣な2る御ゆ免可多りにそ2侍な2る多つねさせ」(13オ)
堂まひても御心をとり勢させ多まひぬへし
こあせちの大納言ハ世尓な2くてひさしくな2り侍
ぬれ者江しろし免さし可しそ2のき多の可多な2む
な尓(+可、可&か)し(し&し)可いもうとに侍る可のあせち可くれての1ち世を
そ2むきて侍る可このころわつら2ふこ2と侍る尓より
可く京尓もま可てね者堂のもし所尓こもりて
物し侍るな2りと2きこえ給可能大納言のミむすめ
ものし堂まふときゝ多まへしハすき/\しき
可多尓ハあら2てまめや可尓きこゆるな2りとをし」(13ウ)
の堂まへハむす免多ゝひとり侍しうせてこの
十よねん尓やな2り侍りぬら2むこ大納言内尓堂て
まつら2むな2と可しこういつき侍しをそ2のほいの
こ2とくも物し侍ら2てすき者へり尓し可ハ堂ゝこ
のあま君ひとりもてあつ可日侍し本と尓い可な2る
人のしわさ尓可兵部卿の宮な2むしのひて
可堂ら2ひつき多まへり个るをもとのき多の可多
やむこ2とな2くなとしてやす可ら2ぬこ2とおほくてあ遣
くれものをお1もひてな2むな2くなり侍り尓し物思日尓」(14オ)
やまひつく物と免尓ち可くみ堂まへしな2と申
堂まふさら2はそ2のこな2り个りとお1ほしあ者せつ
みこの御すち尓て可の人尓も可よひきこえ多る尓
やといとゝあ者れ尓みま本し人の本ともあて尓お1可
しう中/\のさ可しら心な2くうち可堂ら2ひて心のまゝ
尓をしへお1ほし堂てゝみ者やとお1ほすいとあハれ/尓
物し堂まふこ2と哉そ2れ者とゝ免多まふ可多みも
な2き可とお1さな2可り徒るゆく衛の猶多し可に志ら
まほしくてとひ多まへハな2くな2り侍し本と尓こ/そ2」(14ウ)
侍りし可そ2れも女尓てそ2ゝれ尓つ遣て物お2もひの
もよ本し尓な2むよ者ひのす衛尓お1もひ多まへ
な2个き侍めるときこえ給され者よとお1ほさ累
あやしきこ2とな2れとお1さな2き御うしろミ尓お1
ほすへくきこえ堂まひてんやお1もふ心ありてゆ
きかゝ徒ら2婦可多も侍りな2可ら2世尓心のしまぬ
尓やあら2むひとりすミ尓てのミな2むま多尓けな2き
ほとゝつねの人尓お1ほしな2すら2へて者し多なく
やな2との多まへハいとうれし可るへきお1ほ勢(+こと)な2る/を」(15オ)
ま多む遣尓い者けな2きほと尓侍めれ者堂者ふ
れ尓ても御ら2むし可多くやそ2も/\女ハ人尓もて
な2されてお1と那尓もな2り堂まふものな2ゝれ者
く者しくハえとりまう佐す可のを者に可堂ら2ひ
侍りてきこえさせむと2すくよ可にいひて物こ者き
さまし堂まへれ者わ可き御心尓者つ可しくてえ
よくもきこえ堂ま者すあミ多仏ものし多まふ
堂うにするこ2と侍るころ尓な2むそ2やいま多つと
免侍ら2すゝくしてさふら2者むとてのほり給日ぬ」(15ウ)
君者心ちもいとな2やましき尓あ免すこし
うちそ2ゝき山可せひやゝか尓ふき堂る尓
堂きのよとみもまさりて越と多可うきこゆ
すこしねふ多遣な2る経の堂え/\すこくき
こゆるな2とすゝろな累人も所可ら2物あ者れな2り
ましてお1ほし免くら2すこ2とお1ほくてまとろまれ
堂ま者すそ2やといひし可と2もよもい多うふけ
尓遣りうち尓も人のねぬ遣者ひしるくて
いとしのひ堂れとすゝのけうそ2く尓ひきな2ら2」(16オ)
さるゝをとほのきこえな2つ可しうゝちそ2よめく
をと那日あて者可な2りときゝ堂まひてほとも
なくち可遣れ盤と2尓堂てわ多し多るひやうふの
中をすこしひきあ个てあふきをなら2し給へハ
お1ほえな2き心ちすへ可めれときゝしらぬやう尓
やとてゐさりい徒る人あな2りすこしゝそ2きて
あやしひ可みゝ尓やと2堂とるをきゝ堂まひて
ほと个能御しるへハくらき尓いりても佐ら2に堂可
婦まし可な2る物をとの多まふ御こ衛のいとわ可う」(16ウ)
あてな2る尓うちいてむこはつ可ひも者つ可し遣
れとい可な累可多の御しるへ尓可はお1ほつ可な2くと
きこゆ遣尓うちつ遣な2りとお1ほめき堂ま者む
もこ2と者りな2れと
者徒くさのわ可者のうへをみ徒るより
堂ひねのそ2てもつゆそ2可者可ぬ
ときこえ堂まひてむやとの多まふさら2に可うやう
の御せうそ2こう遣給者りわくへき人も物し
堂ま者ぬさ満ハしろしめし多りけな2る越多れ/尓可ハ」(17オ)
と2きこゆをのつ可ら2さるやうありてきこゆるな2ら2むと
お1もひな2し多まへ可しとの堂まへハいりてきこゆあ那
いま免可しこのきみやよつい多るほと尓お1者するとそ2
お1ほすら2むさる尓てハかのわ可くさをい可てきい
多まへるこ2とそ2とさ満/\あやしき尓心ミ多れて
ひさしうな2れ者なさ个な2しとて
まくらゆふこよひ者可り能つゆ个佐を
みやまのこけ尓くら2へさらな2む
ひ可多う侍る物をときこえ給可(+う)やうのつい(い#〈朱〉)てな2る」(17ウ)
御せうそ2こはま多さら2にきこえしらすな2ら2ハぬ
こ2と尓な2む可多しけな2くともかゝるついて尓まめ/\
しうきこえ佐すへきこ2とな2むときこえ給へれハ
あま君ひ可こ2ときゝ堂まへるならむいとむつ可し
き御个は日尓な2尓こ2とを可ハいらへきこえむと
の多まへハ者し堂那うもこそ2お1ほ勢と人/\き
こゆ遣尓わ可や可な2る人こそ2う多てもあら2めま
めや可尓の多まふ可多しけな2しとて井さりより給
へりうちつ遣尓あさは可なりと御ら2むせら2れぬへ/き」(18オ)
ついてな2れと心尓者佐もお1ほえ侍らねハ本とけハ
をのつ可らとてお1とな2/\しう者つ可しけな2る尓つゝ
まれてと2み尓もえうちいて多ま者すけ尓お1もひ多ま
へよりか多き徒いて尓可くまての堂ま者せきこえ
さするもい可ゝとの多まふあ者れ尓う遣多ま者累
御ありさ満を可の1すき給尓个む御可者りにお1ほ
しな2いてむやいふ可ひな2きほとのよ者ひ尓てむつ
まし可るへき人尓も多ちをくれ侍り尓个れハあや
しうゝき堂るやう尓てとし月をこそ2可さね侍れ」(18ウ)
お1な2しさ満尓物し堂まふな2る越多くひ尓な2させ
堂まへといときこえま本しきを可ゝるお1り侍り可
多くてな2むお1ほされむ所をも者ゝから2すうちいて
侍りぬるときこえ多まへハいとうれしうお1もひ多まへ
ぬへき御こ2とな2可ら(ら&ら)もきこし免しひ可免多るこ2と
な2とや侍ら2むと徒ゝましうな2むあやしき身ひとつ
を堂のもし人尓する人な2む侍れといとま多いふ
可ひな2きほと尓て御ら2むしゆる佐るゝか多も
侍り可多けな2れハえな2むう遣給者りと2ゝめら2れ」(19オ)
さりけ累との多まふミ那お1ほつ可な2可ら2すう遣給ハる
ものをと2ころせうお1ほし者ゝからてお1もひ多まへ
よる佐まこ2とな2る心のほとを御ら2むせよときこえ
堂まへといと尓けな2きこ2とを佐もしらての多まふ
とお1ほして心と个多る御いら2へもな2しそ2うつお1ハ
しぬれ盤よし可うきこえそ2め侍りぬれハいと多
のもしうな2むとてをし堂て多まひつあ可月可多に
な2り尓个れハ法花三昧をこなふたうの懺法の
こ衛山お1ろし尓つきてきこえくるいと多うと2く」(19ウ)
堂きのをと尓ひゝきあひ多り
ふき満よふミやまをろしにゆ免さめて
な2ミ多もよほす堂きのをと可那
佐しくみ尓そ2てぬら2し个る山水尓
す免累心者佐者きやハ春る
みゝな2れ侍り尓个りやときこえ給あけゆくそ2ら2は
いとい多う可すミてやまのとりと2もそ2こ者可と那う
さへつりあひ多りな2もしら2ぬきくさの花ともい
ろ/\尓ちりましリ尓しきをしけ累と見ゆるに」(20オ)
し可の堂ゝすミありくもめつら2しくみ多まふ尓
な2やまし佐もまきれ者てぬひしりうこきもえ
せねとと2可うして御しん万いら2せ給可れ多るこ衛の
いとい多うすきひ可めるもあ者れ尓くうつきて多らに
よミ多り御む可への人/\まいりてをこ多り多まへる
よろこひきこえ内よりも御と2ふら2ひありそ2う徒
みえぬさ満の御く多物な2尓くれと堂尓のそ2こ
まてほりいていとな那ミきこえ給こ2とし者可りの
ち可ひふ可う侍りて御をくりにもえまいり侍る」(20ウ)
ましきこ2と中/\尓もお1もひ多まへらるへき可那ゝと
きこえ給てお1ほミき万いり給山水尓心とまり
侍りぬれと内よりもお1ほつ可な2可ら2せ給へるもかし
こ个れハな2むいまこの1花のお1りすくさすまいり/こむ
みや人尓ゆきて可堂ら2む山さくら
可勢よりさき尓きても見るへく
と2の多まふ御もてな2しこわつ可ひさへめもあや
な2る尓」(21オ)
うと2む花の者那まちえ多る心ちして
みやま佐くら2にめこそ2う徒らね
と2きこえ多まへハほゝゑミて時ありてひと堂ひゝ
らくな2るは可多可な2るものをとの多まふひしり
御可者ら2け多ま者りて
お1く山のま徒のと本そ2越まれ尓□□□
ま多ミ>ぬ者那の可ほを見る哉
と2うちな2きて見多てまつるひしり御まもりに
とこ堂てまつるみ堂まてそ2うつ佐うとく堂い」(21ウ)
しのく多らよりえ堂まへりけるこむ可うし
のすゝの1堂まのさうそ2くし堂るや可てそ2のく
尓よりいれ多る者この可らめい多累をすき多る
ふくろ尓いれてこえうのえ多尓つけてこむる
り能つ本と2も尓御くすりともいれてふち佐くら
な2とにつ个てところ尓つ个堂る御をくり物
と2も佐ゝ遣多てまつり堂まふ君ひしりよりハしめ
と経し徒る本うしのふ勢ともまうけの物とも
さま/\尓とりにつ可ハし多り个れハそ2のわ多りの」(22オ)
やま可徒まてさるへき物とも多まひ御す経な2と
していて給うち尓そ2うついり堂まひて可のきこ
え多まひしこ2とまね日きこえ給へとと2も可くも
堂ゝいま者きこえむ可多な2し御心さしあら2はいま
四五ねんをすくしてこそ2ハとも可くもとの多まへハ
さな2むとお1な2しさ満尓のミあるをほいな2しと
お1ほす御せうそ2こそ2う徒のもとな2るちゐさき
わら2ハして
ゆふまくれ本の可に者那のいろをみて」(22ウ)
けさは可すミの1堂ちそ2わつら2ふ
御返し
まこ2と尓や花のあ多りハ堂ちうきと
可すむるそ2ら2のけしきをも見む
と2よしあるてのいとあてな2るをうちすて可い多まへ/リ
御くるま尓多てまつるほと大殿よりいつちと2もな2く
てお1者しまし尓个るこ2とゝて御む可への人/\きみ
堂ちな2とあま多まいり多まへり頭中将左中弁
さら2ぬきみ多ちもし堂ひきこえて可(+う)やうの御とも/ハ」(23オ)
徒可うまつり侍ら2むとお1もひ多まふるをあさましく
をくら佐せ多まへるこ2とゝうら2みきこえていといミし
き者那の可遣尓しハしもやすら2者す多ち可へり(□&り)
侍ら2むハあ可ぬわさ可那との給い者可くれのこけの
うへ尓なミゐて可わら2けまいるお1ちくる水のさ満
な2とゆへある堂きのもとな2り頭中将ふところな2り
个るふえとりいてゝふきすまし多り弁の君あ
ふきは可な2うゝちな2ら2して\とよら2のてら2の尓し
な2るやとう多ふ人よりハこ2と那るきみ多ちを」(23ウ)
源しの君いとい多うゝちな2やミてい者に(に&に)よりゐ多
まへるは堂くひな1くゆゝしき御ありさ満尓そ2
な2尓こ2と尓も免うつるまし可り个るれいのひち
りきふくすいしん佐うのふえも多せ堂るすき
物な2とありそ2うつきむを身つ可らもてまいりて
これ堂ゝ御てひと徒あそ2ハしてお1な2しうハ山の
と2りもお1とろ可し侍ら2むとせちにきこえ多まへハ
み多り心ちいと多へ可多き物をときこえ給へと
遣尓く可ら2すかきな2ら2してミ那多ち堂ま日/ぬ」(24オ)
あ可すくちお1しといふ可ひな2き本うしわら2はへも
なミ多をゝと2しあへりましてうちに者と2し
お1い堂るあま君多ちな2とま多佐ら2に可ゝる人
の御ありさ満を見さりつれ者この世の1物とも
お1ほえ多ま者すときこえあへりそ2う徒もあ
者れな2尓のちきり尓て可ゝる御さ満な2可らいと
むつ可しきひのもと能すゑの世尓うまれ多まへ
らむとみる尓いと那む可な2しきとてめをし
のこひ多まふこのわ可君お1さ那心ちにめて多/き」(24ウ)
人可な2と見多まひて宮の御ありさ満よりも
まさり多まへる可那ゝとの堂まふ佐ら2は可能
人の御こ尓な2りてお1者しませよときこゆれハ
うちうな2つきていとようありな2むとお1ほし多り
ひゝな2あそ2ひ尓もゑ可い堂まふ尓も源し能
きみと徒くりいてゝきよら2な累きぬきせ可し
つき給きミはまつ内尓まいり堂まひて日こ
ろの御物可多りな2ときこえ給いとい多うお1とろへ
尓遣りとてゆゝしとお1ほし免し多りひし/リの」(25オ)
堂うと可り个るこ2とな2とゝハせ堂まふくハしく
そ2うし堂まへハあさりなと尓もな2るへき物
尓こそ2あな2れをこな2ひのらうハつもりてお1ほ
や遣尓しろし免されさり个るこ2とゝらう
堂可りの多ま者せ遣り大殿まいりあひ多ま日
て御む可へ尓もと2お1もひ多まへつれとしのひ多る
御ありき尓い可ゝと思日者ゝ可りてな2むのとや可に
一二日うちやすミ給へとてや可て御をくり徒可う
ま徒ら2むと申堂まへハさしもお1ほさねと」(25ウ)
ひ可されてま可て給わ可御くるまにのせ堂てま
徒り堂まうて身つ可ら2ハひきいりて多てまつれり
もて可しつきゝこえ給へる御心者へのあ者れな2るを
そ2さす可に心くるしくお1ほし遣累殿尓もお1ハし
ますら2むと心つ可ひし堂まひてひさしくみ多ま
者ぬ本といとゝ堂満のうてな2にみ可きしつらひ
よろつをとゝのへ多まへり女君れいの者ひ可くれて
とみ尓もいて多ま者ぬをお1とゝせちにきこえ
多まひてからうしてわ多り多まへり堂ゝゑ尓」(26オ)
可き堂る物のひめ君のやう尓しすへら2れてうち
みしろき堂まふこ2とも可多くうるわしうて
物し多まへハお1もふこ2ともうち可す免山みちの
もの可多りをもきこえむいふ可ひありてお1可しうゝ
ちいら2へ多ま者ゝこ2そ2あ者れな2ら2めよ尓は
心もと2けすうとく者つ可しき物尓お1ほしてと2/し
の可さな2る尓そ2へて御心のへ多てもま佐るを
いとくるしくお1も者すに時/\ハ世のつねな2る
御个しきを見者や堂え可多うわつら2ひ」(26ウ)
侍しをもい可ゝと堂尓と2う多ま者ぬこそ2
免つら2し可ら2ぬこ2とな2れと猶うら2めしうときこえ
多まふからうして\と者ぬハつらき物尓やあら2むと
04 きみをい可てお1も者む人尓わすら2せて/と2者ぬ者つら2き物としらせむ(付箋④)
志りめ尓見をこせ堂まへるまみいと者つ可し
遣尓け多可うゝつくしけな2る御可多ちな2り
まれ/\ハあ佐ましの御こ2とやと2者ぬな2といふき
者ゝこ2とにこそ2侍な2れ心うくもの多まひな2
す可な2よとゝも尓者し堂なき御もてな2しを
もしお1ほしな2ほ累お1りもやとゝ佐ま可う」(27オ)
さ満尓心みきこゆるほといとゝお1ほしうとむ
な2めり可しよしやいのち堂尓とてよる能お1
05 いのち多尓心尓可な2ふものな2ら2は/な尓可者人をうら2みしも1せむ(付箋⑤)
まし尓いり多まひぬ女君ふともいり多ま者す
きこえわつら2ひ堂ま日てうちな2けきてふし
堂まへるもな2満心徒きな2き尓やあら2むねふ
多け尓もてなしてと2可う世をお1ほしみ多るゝ
こ2とお1ほ可りこのわ可くさのお1ひいてむほとの
猶ゆ可しきを尓けな2いほとゝおもへりしも
こ2とはりそ2可しいひより可多きこ2と尓もある」(27ウ)
可那い可尓可まえて堂ゝ心やすくむ可へとりて
あ遣くれのな2くさめ尓みむ兵部卿の宮者いと
阿て尓な2(+ま)免い多まへれと尓ほ日や可にな2とも
あらぬをい可て可能ひとそ2う尓お1ほえ給らむ
ひとつきさき者らな2れハ(+尓)やな2とお1ほすゆ可り
いとむつましきにい可て可とふ可うお1ほゆ又
のひ御ふミ堂てまつれ多まへりそ2う徒尓
ほの免可し多まふへしあまうへ尓はもて」(28オ)
者な2れ多りし御个しきのつゝまし佐尓
お1もひ堂まふるさまをもえあら2ハし者て
侍ら2すな2りにしをなむ可者可りきこゆる尓て
も越しな2へ多ら2ぬ心さしの本とを御ら2むし
しらハい可尓うれしうな2とあり中尓ちゐさく
ひきむす日て
お1も可けハ身越も者な2れす山さくら
心の可きりと免てこし可と」(28ウ)
\よのまの可勢もうしろめ堂くな2むとあり
御てな2とはさる物尓て多ゝ者可那うをし
つゝみ多まへる佐まもさ多すき堂累御めとも
尓はめもあや尓このましう見ゆあ那可多ハら
い多やい可ゝきこえむとお1ほしわつら2ふゆくて
の御こ2とハな2を佐りにもお1もひ多まへなされ
しをふりハへさせ堂まへる尓きこえさせむ
可多なくな2むま多な尓者つを多尓者可/\し
うつゝ遣侍らさめれハ可ひな2くなむさても」(29オ)
あら2しふくお1のへ能さくらちら2ぬまを
心と免个るほとの者可那さ
いとゝうしろめ多うとありそ2うつの御返もお1
な1しさ満な2れハくちお1しくて二三日ありて
これみつをそ2堂てまつれ給少納言のめ能とゝいふ
人あへし堂つねてくハしう可堂ら2へな2との
多まひしらす佐も可ゝらぬくまな2き御心可那
さ者可りい者けな2个なりしけ者ひをとまお1」(29ウ)
な2ら2ねともみし本とお1もひやるもお1可しわさと
可う御ふミあるをそ2うつもかしこまりきこえ
堂まふ少納言にせうそ2こしてあひ多りくハしく
お1ほしの堂まふさ満お1ほ可多の御ありさま
な2と可多るこ2とはお1ほ可る人尓てつき/\しう
いひつゝくれといとわリな2き御本と越い可尓お1ほ
す尓可とゆゝしうな2む多れも/\お1ほし遣累
御ふみ尓もいとねむころ尓可い多まひてれいの
中尓可の御者那ち可きな2む猶ミ多まへま本しき/とて」(30オ)
あ佐可やまあさくも人をゝも者ぬ尓
な2と山の井能可遣者な2るら2む
御返し
くみそ2免てくやしときゝし山の井の
あさきな2可ら2や可けを見るへき
これみつもお1な2しこ2とをきこゆこのわつら2ひ給
こ2とよろしくハこのころすくして京の殿尓わ
多り多まてな2むきこえ佐すへきとあるを心もと
な2うお1ほすふちつ本の宮な2やミ多まふこ2とあり/て」(30ウ)
ま可て給へりうへのお1ほつ可な2可りなけきゝこえ
堂まふ御个しきもいと/\お1しうみ多てまつり
な1可らかゝるお1り堂尓と心もあく可れまとひて
いつく尓も/\まうて多ま者す内尓ても佐と
尓てもひるハつれ/\とな2可免くら2してくるれハ
わう命婦をせめありき給い可ゝは堂者可りけむ
いとわリな2くてみ多てまつるほとさへうつゝと2は
お1ほえぬそ2わひしきや宮もあ佐まし可り
しをお1ほしいつる多尓よとゝもの御物思日」(31オ)
な2るを佐て堂尓やミな2むとふ可うお1ほし
堂累尓いと心うくていミしき御个しきな2る
物可ら2な2つ可しうらう堂个にさりとてうちと2
けす心ふ可う者徒可しけな2る御もてな2しな2との
猶人尓ゝさせ給者ぬをなと可な2能免な2るこ2と
堂尓うちましリ堂ま者佐り个むとつらう
佐へそ2お1ほさるゝな尓こ2とを可ハきこえつくし
堂ま者む\くら婦のやま尓やとりもとらま本
しけな2れとあや尓くな2るみし可夜尓て」(31ウ)
あ佐ましう中/\な2り
みても又あふよまれな2るゆ免のうちに
や可てまきるゝわ可身とも可那
とむせ可へり堂まふさまも佐す可にいミし遣れハ
よ可多りに人や徒多へむ堂くひな2く
うきみをさ免ぬゆめ尓な2しても
お1ほしみ多れ多る佐まもいとこ2とわりに可多し
けな2し命婦のきみそ2御な2本しな2とハ可きあ
つめもてき多る殿尓お1ハしてなきね尓ふし」(32オ)
くら2し多まひつ御ふみな2ともれいの御ら2むし
いれぬよしのみあれハつねのこ2とな1可ら2もつらう
いミしうお1ほし本れて内へもまいら2て二三日こ
もりお1ハすれハ又い可な2る尓可と御心うこ可せ給へ
可免るもお1そ2ろしうのみお1ほえ給宮も猶
いと心うき身な2りけりとお1本しな2个く尓な2や
ましさも満さり多まひてと2くまいり給へき
御つ可ひしきれとお1ほしも堂ゝすまこ2とに御心ち
れいのやう尓もお1者しまさぬ者い可な2る尓可と2」(32ウ)
人しれすお1ほすこ2ともあり个れハ心うくい可
な2ら2むとのみお1本しみ多るあつきほとハいとゝ
お1きもあ可り多ま者す三月尓な2り多まへは
いとし累き本と尓て人/\ミ多てまつりと可むる
尓あ佐ましき御すくせのほと心うし人者
お1もひよら2ぬこ2とな2れハこ能月まてそ2う勢させ
多ま者佐り个るこ2とゝお1とろきゝこゆわ可御心ひ
とつ尓はしるうお1ほしわくこ2ともあり遣り御
ゆ殿な2とにもし堂しう徒可うまつりてな2に」(33オ)
こ2との御个しきをもしるくみ多てまつりし
れる御め能と2この弁命婦な2とそ2あやしとお1
もへと可多み尓いひあ者すへき尓あら2ねハ猶の
可れ可多かり个る御すくせをそ2命婦ハあ佐ましと
お1もふうちに者御物のけのまきれ尓てとみ尓
けしきな2うお1者しまし个るやうにそ2ゝうし
遣む可しみる人も佐のミお1もひ个りいとゝあハ
れ尓可きりなうお1ほされて御つ可日な2とのひ
ま那きもそ2ら2お1そ2ろしう物をお1ほすこ2と」(33ウ)
ひまな1し中将のきみもお1とろ/\しう佐ま
こ2とな2るゆ免をみ多まひてあ者する物を
めしてと者せ多まへハをよひな2うお1ほしも
可遣ぬすち能こ2とをあ者せ遣りそ2の中に多可
ひめありてつゝしませ多まふへきこ2とな2む侍(+る)と
いふ尓わつら2ハしくお1ほえて身つ可ら2のゆ免尓ハ
あら2す人の御こ2とを可多るな2りこのゆめあふ
まて又人尓まねふな2との多まひて心のう
ち尓者い可な2るこ2と那ら2むとお1ほしわ多るに」(34オ)
この女宮の御こ2ときゝ堂まひてもし佐るやう
もやとお1ほしあ者せ多まふ尓いと(+と)しくいみし
きこ2との者つくしきこえ堂まへと命婦もお1もふ
尓いとむく徒个うわつら2ハしさま佐りてさら
に堂者可るへき可多な2し者可那きひとく多り
の御可へりの1堂ま佐可な2りしも堂え者て
尓多り七月尓な2りてそ2まいり多まひ个る
めつら2しうあ者れ尓ていとゝしき御お1もひの本と
可きりなしすこしふくら可にな2り給てうち」(34ウ)
な2やミお1もや勢多まへるハ多遣尓ゝる物な2く
めて堂しれいのあ个くれこな2多にのミお1ハし
まして御あそ2ひもやう/\お1可しきそ2ら2な2れハ
源しの君もいとま那くめしまつハしつゝ御こ2と
ふえな2と佐ま/\につ可うま徒ら2せ多まふいミ
しうつゝみ多まへとしのひ可多き个しきの1
もりい徒るお1り/\宮もさす可な2るこ2とゝもを
お1ほくお1本しつゝけゝり可のやまてら2の人ハ
よろしくな2りていて堂まひ尓个り京の御す
み可堂つねて時/\の御せうそ2こな2とありお1な2/し」(35オ)
佐ま尓のみあるもこ2と者りな2るうちにこの
月ころ者ありしにまさる物お1もひ尓こ2と/\
な2くてすきゆく秋のす衛つ可多いと物心ほそ2
くてな个き給月能お1可しきよしのひ多る所尓
可らうしてお1もひ多ち堂まへるをしくれめいて
うちそ2ゝくお1者する所ハ六条京こくわ多り
尓て内よりな2れハすこしほとゝ本き心ちす
る尓あれ多るいゑのこ堂ちいと物ふりてこく
らくみえ堂るありれいの御ともに者な2れぬ
これミつな2むこあせちの大納言のいゑ尓侍り」(35ウ)
一日物の多よりにとふら2ひて侍りし可ハ可能
あまうへい堂うよ者り多まひ尓堂れ者
な尓こ2ともお1ほえすと2な2む申して侍りしと
きこゆれハあ者れのこ2とやとふら2うへ可り个るを
な2と可佐な2むとものせさりしいりてせうそ2こ
せよとの多まへハ人いれてあな2いせさすわさ
とかう堂ちより多まへるこ2とゝい者せ多れハ
いりて可く御とふら2ひ尓な2むお1ハしまし堂る
といふ尓お1とろきていと可多わら2い多きこ2と哉」(36オ)
このひころむ遣尓いと多のもしけな2くな
らせ多まひ尓堂れハ御堂いめんな2ともあ
るましと2いへとも返し堂てまつら2むハかし
こしとてみな2ミのひさしひきつくろひていれ
堂てまつるいとむつ可し遣尓侍れとかしこまり
を多尓とてゆくりなう物ふ可きお1まし所尓
な2むときこゆ遣尓可ゝる所ハれい尓堂可ひてお1
ほさるつね尓お1もひ多まへ堂ちな2可ら可ひな2
きさ満尓のミもてな2させ多まふ尓つゝまれ」(36ウ)
侍りてな2むなやま勢多まふこ2とお1もくとも
う遣給者ら2さり个るお1ほつ可な2佐な2ときこ
え給み多り心ちはいつともな2くのミ侍る可ゝ
きりのさ満尓な2り侍りていと可多しけな2く
堂ちよら2せ多まへる尓身つ可らきこえ佐せ
ぬこ2との多ま者することのすち堂ま佐可にも
お1ほしめし可者ら2ぬやう侍ら2ハ可くわりな2き
よ者ひすき侍りて可な2ら2す可春まへさせ
多まへいみしう心ほそ2遣尓み堂まへをく/な2む」(37オ)
ね可ひ侍るみちのほ多し尓お1もひ給へられ
ぬへきな2ときこえ多まへりいとち可个れハ心本
そ2けな2る御こ衛堂え/\きこえていと可多し
けな2きわさ尓も侍る哉この君多尓かしこ
まりもきこえ堂ま徒へきほとな2らまし
可ハと2の給あ者れ尓きゝ給てな2尓可あ佐う思
多まへむこ2とゆへ可うすき/\しき佐まをみえ
堂てまつら2むい可な2るちきりに可み多てまつり
そ2免しよりあハれ尓お1もひきこゆるもあやし」(37ウ)
きまてこの世のこ2とにハお1ほえ侍ら2ぬな2との
多まひて可ひな1き心ちのミし者へるを可能
い者けな2う物し給御ひとこ衛い可てとの給へハ
いてやよろつお1ほしゝらぬさ満尓お1ほとのこ
もりいりてな2ときこゆるお1リしもあ那多より
くるをとしてうへこそ2このてら尓ありし源し
の君こそ2お1者し堂な2れなとみ多ま者ぬと
能堂まふを人/\いと可多者らい多しとお1もひて
あ那可まときこゆいさみし可ハ心ちのあし佐」(38オ)
な2くさみきとの多まひし可ハそ2可しとかしこき
こ2ときゝえ多りとお1ほしての堂まふいとお1可しと
きい多まへと人/\のくるしとお1もひ多れハき可ぬ
やう尓てまめや可な2る御とふら2ひをきこえをき
給て可へり給日ぬ遣尓いふ可ひな2能け者ひや佐り
と2もいとようをしへてむとお1ほす又のひも
いとまめや可にと2ふら2ひきこえ給れいのちひさく/て
い者けなき堂徒のひとこ衛きゝしより
あしまにな2つむふねそ2えな2ら2ぬ」(38ウ)
\お1な1し人尓やとこ2と佐ら2お1さ那く可きな2し
堂まへるもいミしうお1可しけな2れハや可て御て
ほん尓と人/\きこゆ少納言そ2きこえ堂ると2
者せ堂まへるは个ふをもすくし可堂けな2る
さま尓て山てら2にま可りわ多るほと尓て可
うと者せ堂まへるかしこまりハこの世な2ら2ても
きこえ佐せむとありいとあ者れとお1ほ春秋
のゆふへハまして心のいとま那くお1ほしみ多るゝ
人の御あ多りに心を可けてあ那可ちな2るゆ/可りも」(39オ)
堂つねまほしき心まさり堂まふな2るへし
きえむそ2らなきとありしゆふへお1ほしいてら2れ
てこひしくも又み者お1とりやせむとさす可に
あやふし
て尓つみていつし可もみむゝら佐きの
ね尓可よひ个るのへの1わ可くさ
十月尓す佐く院の行可うあるへしまひ人
な2とやむこ2と那きいゑのことも可む多ちめ殿上人
と2もな2ともそ2の可多につき/\しきはミ那えら2せ」(39ウ)
堂まへれハみこ多ち大臣より者しめてとり/\
の佐えともな2ら2ひ堂まふいとまな2しやま
さと人尓もひさしくをとつれ多ま者佐りけ
るをお1ほしいてゝふり者へつ可ハし堂り遣れハ
そ2うつの可へりこ2とのみ(+あり)堂ちぬる月の廿日の
本と尓な2むつ井尓むな2しくみ多まへな2して
せ遣んの多うりな2れと可な2しひお1もひ多まふ
累なとあるをみ多まふ尓世中の者可那さ
もあ者れ尓うしろめ堂遣尓お1もへりし人も」(40オ)
い可な2らむお1さ那きほとにこひやすら2むこ宮
す所尓をくれ堂てまつりしな2とは可/\し可ら2ね
と2お1もひいてゝあ佐可ら2すとふら2ひ多まへり少納言
ゆへな2可ら2す御可へりな2ときこえ多りいみな2と
すきて京の殿尓な2むときゝ堂まへハ本とへて
みつ可ら2のと可なるよお1者し堂りいとすこけ
尓あれ多る所の人すくな2ゝるにい可にお1さ那
き人お1そ2ろしから2むとみゆれいのところ尓
いれ多てまつりて少納言御ありさ満な2とうち」(40ウ)
なきつゝきこえ徒ゝくる尓あいな2う御そ2
ても堂ゝな2ら2す宮尓わ多し堂てまつら2むと
侍めるをこひめ君のいと那さけな2くうき
物尓お1もひきこえ堂まへりしにいとむけ尓
ちこな2ら2ぬよ者ひの又者可/\しう人の1
お1もむ遣をもみしり堂ま者すな1可そ2ら2な2る
御本と尓てあま多物し多まふな2る中の
あ那つら2ハしき人尓てやましり堂ま者む
な2とすき堂まひぬるもよとゝも尓お1ほし」(41オ)
な2けき徒るこ2としるきこ2とお1ほく侍る尓
可く可多しけな2きな个能御こ2との者ゝのち
の御心も堂とりきこえさせすいとうれしう
お1もひ多まへられぬへきお1り婦し尓侍りな2可ら2
すこしもな2すら2ひな2る佐ま尓もゝのし給ハす
としよりもわ可ひてなら2ひ多まへれハいと可多
者ら2い多く侍るときこゆな尓可ゝうくり可へし
きこえしら2する心のほとをつゝみ多まふら2む
そ2のいふ可ひな2き御ありさ満のあ者れ尓ゆ可」(41ウ)
しうお1ほえ給もちきりこ2とにな2む心な2可ら2
お1もひしら2れ个る猶ひとつてな2ら2てきこえし
らせハや
あしわ可能うら2に見る免ハ可多くとも
06 あしわ可の浦尓きよする白な2みの/志らしな2君者我お1もふとも(付箋06)
こ者堂ちな2可ら2可へる(+な2)み可ハ め佐まし
から2むとの多まへハ遣尓こそ2いと可しこ个れとて
よ累なミ能心もしら2てわ可のうら2に
堂まもなひ可むほとそ2うき堂累
わりな2きこ2とゝきこゆる佐まのな2れ多る尓
すこしつミゆるされ多まふ\な2そ2こひさら2む/と」(42オ)
□ちすし堂まへるをみ尓しミてわ可き人/\
お1もへりきみ者うへをこひきこえ給てな2き
ふし堂まへる尓御あ(+そ2)ひ可多きとものな2お1し
き多まへ(まへ$)る人のお1者する宮のお1者します
な2めりときこゆれ者お1きいて堂まひて少
納言よな2お1しき多りつら2むハいつら2宮のお1ハ
する可とてよりお1ハし多る御こゑいとらう多
し宮尓者あら2ねと又お1ほし者な2徒へう
もあら2すこちと2の堂まふを者つ可しかりし
人とさす可にきゝな2してあしうい日て遣りと」(42ウ)
お1ほして免のと尓佐しよりていさ可しねふ
堂き尓と能堂まへハいま佐ら2尓な2としのひ
多まふら2むこのひさのうへ尓お1ほと2のこも
れよいますこしより堂まへとの給へハめの
と2のされ盤こそ2可うよつ可ぬ御ほと尓て
な2むとてをしよせ堂てまつり多れハな2に
心もなくゐ多まへる尓てを佐しいれてさ
くり堂まへれハな2よゝかな2る御そ2に可みハ
つや/\とかゝりてす衛のふさや可にさくりつけ」(43オ)
られ多るいとうつくしうお1もひやら2累てをとら
へ堂まへれハう多てれいな2ら2ぬ人の可くち可つ
き多まへるはお1そ2ろしうてねな2むといふ
物をとてしひてひきいり多まふ尓つきて
すへりいりていまはまろそ2お1もふへき人な2
うとみ多まひそ2と2の給めのといてあ那う多て
やゆゝしうも侍る可那きこえさせしらせ給
とも佐ら2尓な尓のしるしも侍ら2し物を
と2てくるし遣尓お1もひ多れハさりともかゝる」(43ウ)
御本とをい可ゝハあら2む猶堂ゝよ尓志ら2ぬ心
さしのほとを見者て多まへとの給あら2れ
ふりあれてすこきよの佐まな2りい可て可う人
すくな2尓心ほそ2うてすくし堂まふら2むと2
うちない堂まひていとみすて可多きほと
な2れハみ可うし万いりね物お1そ2ろしきよのさま
なめるをと2の井人尓て侍ら2む人/\ち可うさ
ふら2者れよ可しとていとな2れ可ほ尓み丁のうち
尓いり堂まへハあやしうお1もひの本可尓もとあ/きれて」(44オ)
堂れも/\ゐ多りめ能と2はうしろめ多な2う
わりな2しとお1もへとあら2ましうきこえ佐わく
へきなら2ねハうちな个きつゝゐ多りわ可きみハ
いとお1そ2ろしうい可な2ら2むとわな2ゝ可れていと
うつくしき御者多つきもそ2ゝろさむ遣尓お1
ほし堂るをらう堂くお1ほえ2てひとへ者可り
をゝしくゝみてわ可御心ちも可つハう多てお1ほ
え多まへとあ者れ尓うち可多ら2ひ給日ていさ
堂まへよお1可しきゑな2とお1ほくひゝな2あ」(44ウ)
そ2ひな2とする所尓と2心尓つくへきこ2とをの給
遣者ひのいとな2つ可しきをゝ佐な2き心ち尓も
いとい多うをちすさす可に(+むつ可しう)ねもいら2すお1ほえて
みしろきふし堂まへり夜ひとよ可勢ふきあ
るゝに遣尓可うお1者せさら2まし可ハい可尓心ほそ2
からましお1な2しくハよろしきほと尓お1者し
まさ満し可ハと2佐ゝめきあへりめのとはうしろ
め多さ尓いとち可う佐布ら2婦可せすこしふき
やミ堂累尓よふ可ういて給もこ2とあり可ほな2りや」(45オ)
いとあ者れ尓み多てまつる御あり佐まをいまは
まして可多時のまもお1ほつ可な2可るへしあ个く
れな2可免侍る所尓わ多し堂てまつら2む可くてのミ
はい可ゝ物をちし堂ま者佐り个りとの給へハ
みやも御む可へ尓な2ときこえの多まふめれとこ
の御四十九日すくしてやな2とお1もひ多まふると
きこゆれハ堂のもしきすちな2可らもよそ2/\
尓てなら2ひ多まへるはお1な2しうこそ2うと
うお1ほえ堂ま者めいまよりみ多てまつれと」(45ウ)
あさ可ら2ぬ心さしハま佐りぬへくな2むとて可い
な2てつゝ返ミ可ち尓ていて堂まひぬいミしう
きりわ多れるそ2ら2も堂ゝな2ら2ぬ尓志もハ
いとしろうをきてまこ2と能遣佐うもお1可し
かりぬへき尓佐う/\しうお1もひお1者すいとし
のひてかよひ堂まふところのみちな2り个る
をお1ほしいてゝかとうち堂ゝ可せ給へときゝ
つくる人な2し可ひな2くて御とも尓こ衛ある
人してう多者せ堂まふ」(46オ)
あさほら2遣きり堂徒そ2ら2のまよひ尓も
ゆきすき可多きいも可ゝと哉 と2ふ多可へり
者(+可)りう多ひ堂る尓よしあ累しも徒可へを
い堂して
堂ちと満りきり能ま可き能すきうくハ
\くさのとさしに佐者りしもせし
08 ち者やふる神のい可きもこ2ゆる身ハ/くさのと佐しも1な尓可さはらむ(付箋⑧)
といひ可个ていりぬ又人もいてこね者可へるも
な2さけな2个れとあ遣ゆくそ2ら2もはし多な2くて
殿へお1者しぬお1可しかりつる人のな2こりこひしく」(46ウ)
ひとりゑ(+ミ)しつゝ婦し多まへりひ多可うお1ほ
と2のこもりお1きてふみやり堂まふ尓可く
へきこ2とはもれいな2ら2ねハふてうちをきつゝ
すさひゐ多まへりお1可しきゑな2とをやり給
可しこ尓は遣ふしもみやわ多り多まへり
と2しころよりもこよ那うあれまさりひろう
物ふり堂累所のいとゝ人すくな2尓佐ひさし
遣れハみわ多し堂まひて可ゝる所尓者い可て
可し者しもお1さ那き人のすくし多ま□む」(47オ)
猶可しこにわ多し堂てまつりてむな2にの所
せきほと尓もあら2すめ能とハ佐うしな2として
さふら2ひな2むきみ者わ可き人/\なとあれハ
もろともにあそ2ひていとよう物し多まひ
な2むな2との給ち可うよひよせ多てまつり給へ
る尓可能御うつりかのいミしうえむ尓しみ
かへら2せ多まへれ者お1可しの御尓本ひや御そ2ハ
いとな2えてと2心くるし遣尓お1ほい多りとし
ころもあつしくさ多すき多まへる人尓」(47ウ)
そ2ひ堂まへるかしこ尓わ多りてみな2ら2し
多まへな2と物せしをあやしうゝと2み多まひて
人も心をくめりしを可ゝるお1りにしもゝの
し堂ま者むも心くるしうな2との多まへハ
な尓可ハ心本そ2くともしハしハ可くてお1ハ
しましな2むすこし物の心お1ほしゝリな2む
尓わ多ら2せ堂ま者むこそ2よくハ侍へ个れ
ときこゆよ累ひるこひきこえ堂まふ尓者
可那きものもきこしめさすとて遣尓いとい多/う」(48オ)
お1もやせ多まへれといとあてにう徒くしく中/\
みえ給な2尓可佐しもお1ほすいまは世にな2
き人の御こ2とは可ひな2しをのれあれハな2と
可堂らひきこえ給日てくるれ盤可へら2せ給
をいと心ほそ2しとお1ほいてな2い多まへハ宮
うちなき堂まひていと可うお1もひな2いり
堂まひそ2けふあすわ多し多てまつら2むな2と
可へす/\こしらへをきていて給日ぬな2こりも
な1くさ免可多うなき井多まへりゆくさ」(48ウ)
きの身のあら2むこ2と那とまてもお1ほしゝ
らす堂ゝと2しころ多ち者那るゝお1リな2う
まつハしな2ら2ひていまはな2き人とな2り給
尓个るとおほ1す可いミしき尓お1さ那き御心
ちな2れとむねつとふ多可りてれいのやう尓もあ
そ2ひ堂ま者すひるはさても満きら2ハし
堂まふをゆふくれとな2れハいミしくゝし
多万へハ可くてハい可て可すくし堂ま者むと
な2く佐めわひて免のともな2きあへり君の」(49オ)
御もとよりハこれみつを堂てまつれ多まへり
まいりくへきを内よりめしあれハな2む心くるし
うみ多てまつりしも志徒心な2くとてと2の井
人堂て満つれ多まへりあちきなうもある
可那多者ふれ尓ても物の者しめ尓この御こ2とよ
みやきこし免しつけ者佐ふら2婦人/\のを
ろ可な2る尓そ2佐いな2まむあ那可しこ物の
ついてにい者けな1くうちいてきこえさせ給
なゝといふもそ2れをはな尓と2もお1ほし」(49ウ)
堂ら2ぬそ2あ佐ましきや少納言はこれみつ
尓あ者れな2る物可多りと2もしてありへてのちや
佐るへき御すくせの可れきこえ給者ぬやうも
あら2む堂ゝいまは可けてもいと尓个な2き
御こ2とゝみ多てまつるをあやしうお1ほし
の多ま者す累もい可な2る御心尓可思日よる
可堂那うみ多れ侍る遣ふも宮わ多ら2せ給て
うしろやすく徒可うまつれ心お1さ那くもて
な2しきこゆな2との多ま者せ徒るもいと」(50オ)
わつら2ハしう堂ゝな2るよりハかゝる御すきこ2とも
お1もひいてら2れ侍りつるな2といひてこの人も
こ2とあり可ほ尓やお1も者むなとあいな2个れ者
い堂うな2个可しけ尓もいひな2さす堂いふも
い可な2るこ2とに可あら2むと心え可多うお1もふ万いりて
あリさ満な2ときこえ个れハあ者れ尓お1ほし
やらるれとさて可よひ堂ま者むも佐す可に
すゝろな2る心ちして可る/\しうもてひ可免多る
と2人もやもりき可むな2とつゝまし遣れハ堂ゝ」(50ウ)
む可へてむとお1ほす御ふみハ多ひ/\堂てまつ
れ堂まふくるれ盤れいの堂いふをそ2多て
まつれ給さ者るこ2とゝものありてえまいりこ
ぬをゝろ可尓やな2とあり宮よりあす尓は可に
御む可へ尓との多ま者せ多りつれハ心あ者堂ゝし
くてな2むと2しころのよもきふを可れな2むも
さす可に心ほそ2く佐布ら2婦人/\もお1もひみ
堂れてとこ2とすくな尓いひてお1さ/\あへしら
者す物ぬひいと那む个者ひな2とし累个れハ」(51オ)
まいりぬきみ者大殿尓お1者し个る尓れいの女君
とみ尓も堂いめんし堂ま者す物むつ可しくお1
ほえ給てあつまをす可ゝきて\ひ堂ちに者堂
をこそ2つくれといふう多をこ衛者いとな2まめきて
す佐日井多まへり万いり堂れ者めしよせてあり
さ満とひ堂まふし可/\な2むときこゆれ者
くちお1しうお1ほして可の宮尓わ多りな2ハわさと
む可へいてむもすき/\し可るへしお1さ那き人を
ぬすミいて多りともときお1ひな2むそ2のさきに」(51ウ)
しはし人尓もくち可多めてわ多してむとお1ほ
志てあ可月可しこに物せむくるまの佐うすく
さな2可ら2すいしんひとりふ多りお1ほ勢をき多れ
と2の多まふう遣給者りて堂ちぬ君い可尓せまし
きこえありてすき可満しきやうな2るへきこ2と
人のほと多尓物をゝもひしリ女の心可者し
遣累こ2とゝをし者可ら2れぬへくハよのつねな2りちゝ
宮の堂つねいて給つら2むもハし多な2うすゝろ
な2るへきをと2お1ほしみ多るれと佐て者つしてむハ」(52オ)
いとくちお1し可へ个れハま多よふ可ういて給女君れい
のしふ/\に心もと2けす物し堂まふ可しこにいと
せちに見るへきこ2との侍るをお1もひ多まへいてゝ
多ち可へりまいりきな2むとていて堂まへハ佐布ら2婦
人/\もしら佐り遣りわ可御可多尓て御な2お1し
な2とは多てまつるこれみつ者可りをむま尓のせて
お1者しぬ可とうち堂ゝかせ多まへハ心しら2ぬものゝ
あ个多る尓御くるまをやお1ら2ひきいれさせて
堂いふ徒まとをな2ら2してし者ふ个は少納言
きゝしリていてき多りこゝにお1者しますといへハ」(52ウ)
お1さ那き人ハ御と2のこもりてな2むなと可いと
よふ可う者いてさせ堂まへる物の多よりとお1もひて
いふ宮へわ多ら2せ多まふへ可な2るをそ2の佐き尓き
こえを可むとてな2むとの給へハな尓こ2と尓可侍ら2む
い可尓者可/\しき御いら2へきこえ佐せ多ま者むと
てうちわら2ひて井多り君いり多まへハいと可多わら2
い堂くうちと2けてあやしきふる人ともの侍る尓
ときこえ佐すま多お1とろい多ま者しな2いて
御めさましきこえむ可ゝるあ佐きりを志ら2てハ」(53オ)
ぬる物可とていり堂まへハやともえきこえす君ハ
な2尓心もなくね多まへるをい多きお1とろ可し
堂まふ尓お1とろきてみやの御む可へ尓お1者し
多るとねをひれてお1ほし多り御くし可きつく
ろひな2とし堂まひていさ堂まへ宮の御つ可日
尓てまいりきつるそ2との給尓あら2さり个りとあ
きれてお1そ2ろしとお1もひ多れハあ那心うまろも
お1な2し人そ2とて可きい多きていて多まへハ堂いふ
少納言な2とこはい可尓ときこゆこゝにハつね尓も」(53ウ)
えまいら2ぬ可お1ほつ可な2个れハ心やすき所尓と
きこえしを心うくわ多り堂まふへ可な2れハま
してきこえ可多可へ个れハ人ひとりまいら2れよ可/し
と2の堂まへハ心あ者多ゝしくてけふハいとひん
な2くなむ侍へき宮のわ多ら2せ多ま者む尓ハ
い可さ満尓可きこえやら2むをのつ可ら2ほとへて
さへき尓お1者しまさはと2も可うも侍りな2む
をいとお1もひやりな2き本とのこ2とに侍れハさふら
婦人/\くるしう侍るへしときこゆれ者」(54オ)
よしのち尓も人者まいりな2むとて御くるまよせ
させ堂まへハあ佐ましうい可さ満尓と思日あへり
わ可君もあやしとお1ほしてな2い給少納言とゝ
めきこえむ可多な2个れハよへぬ日し御そ2とも
ひき佐个て身つ可ら2もよろしきゝぬき可へての
リぬ二条の院者ち可个れハま多あ可うもな2ら2ぬ
ほと尓お1者して尓しの堂い尓御くるまよせて
お1り給わ可きみをはいと可ろら可に可きい多きて
越ろし堂まふ少納言猶いとゆ免の心ちし」(54ウ)
侍るをい可尓し侍るへきこ2と尓可と2やすら2へハそ2ハ心
な2ゝり御身つ可ら2わ多し堂てまつりつれハ可へりな2む
と2あら2はをくりせむ可しとの給尓わら2ひてお1リぬ
尓は可尓あさましうむねもしつ可な2ら2す宮のお1
ほしの堂ま者むこ2とい可尓な2り者て多まふへき
御ありさ満尓可と2ても可くても堂のもしき人/\
尓をくれ堂まへる可いミし佐とお1もふ尓なみ
堂のとまら2ぬをさす可にゆゝし遣れハねむし
ゐ多りこな2多はすミ給者ぬ多いな2れハみ帳」(55オ)
な2ともな2可り个りこれみつめしてみ帳御ひやうふ
なとあ多り/\し堂て佐せ給御き丁の可多ひら
ひきお1ろしお1ましな2と多ゝひきつくろふ
者可り尓てあれハひむ可しの堂い尓御との井物
めし尓つ可ハしてお1ほと2のこもりぬわ可きみいと
むく徒个くい可尓するこ2とな2ら2むとふる者れ
堂まへとさす可にこ衛多てゝもえな2き給ハす
少納言可もとにねむとの給こゑいとわ可しいまハ
佐者お1ほと2のこもるましきそ2よとをしへ」(55ウ)
きこえ多まへハいとわひしくてな2きふし給へり
免のとはうちもふされす物もお1ほえすお1
きゐ多りあ个ゆくまゝ尓みわ多せはお1とゝ
の徒くりさ満しつら2ひさ満さら2にもい者す
尓者のすな2こも堂まを可さね多ら2むやう尓
みえて可ゝやく心ちする尓者し堂那く思
井多れとこな2多尓は女な2とも佐布ら2ハさりけり
けうときまらうとな2と能まいるお1り婦し
の可多な2り个れハお1とこと2もそ2みすのとに」(56オ)
あリ遣累可く人む可へ堂まへリときく人堂れ
な2ら2むお1ほろ遣尓ハあら2しと佐ゝめく御てう
つ御可ゆな2とこな2多にまいるひ多可うねをき
多まひて人なくてあし可免るを佐るへき人/\
ゆふつけてこそ2ハむ可へさせ多ま者めと2の給て堂い
尓わら2ハへめしにつ可ハすちゐさき可きりこ2と佐ら2
にまいれとあり个れハいとお1可しけ尓て四人まいり
多り君は御そ2にまと者れてふし堂まへるを
せめてお1こしてかう心うくな2お1者せそ2すゝろ」(56ウ)
な2る人ハ可うはありな2むや女者心や者ら2可な2る
なむよき(+な2)といまよりをしへきこえ給御可多ちハ
さし者な2れてみしよりもいミしうきよら2にて
な2つ可しうゝち可多ら2ひつゝお1可しきゑあそ2ひ物
ともと2りにつ可ハしてみせ堂てまつり御心尓つく
こ2とゝもをし給やう/\お1きゐてみ堂まふ尓
尓ひいろのこまや可な2る可うちな2え堂累とも
をきてな2尓心な2くうちゑミな2として井
堂まへる可いとうつくしき尓われもうちゑ
まれてミ給ひむ可しの堂い尓わ多り多まへる尓」(57オ)
堂ちいてゝ尓者のこ多ちい遣の可多多な2とのそ2
き多まへハしも可れのせんさい衛尓可けるやう
尓お1もしろくてみもしらぬ四井五井こき満
せにひま那ういていりつゝ遣尓お1可しき所可那と
お1ほす御ひやう婦ともな2といとお1可しきゑを
みつゝな2く佐めてお1者するも者可那しや君ハ
二三日内へもまいり堂ま者てこの人をなつ
け可多ら2ひきこえ給や可てほん尓とお1ほす
尓やてな2ら2ひゑな2と佐ま/\に可きつゝみせ」(57ウ)
堂てまつり給いみしうお1可し遣尓可きあつめ
多まへり\むさしのといへハ可こ堂れぬとむら
07志ら2ねともむさしのといへ者かこ多れぬ/よしやさこそハむらさきのゆへ(付箋07)
佐きの可み尓可い堂まへるすミ徒きのいとこ2□
な2るをと2りてみ井多まへりすこしちゐさく/て
ね者みねとあ者れとそ2思むさしのゝ
つゆわ个わふるくさのゆ可りを
と2ありいてきみも可い堂まへとあれハま多
ようハ可ゝすとてミあけ多まへる可な尓心な2/く」(58オ)
うつくし遣な2れハうちほゝゑミてよ可ら2ねと
む遣尓可ゝぬこそ2わろ个れをしへきこえむ
可しとの給へハうちそ2はみて可い多まふてつ
きふてとり多まへる佐まのお1さな2个なるも
らう堂うのミお1ほゆれハ心な2可らあやしと
お1ほす可きそ2こ那日つと者ちてかくし給を
せめてみ多まへハ
可こ徒へきゆへをしら2ねハお1ほつ可な2
い可な2るく佐のゆ可りな2るら2むと2いとわ可个れと」(58ウ)
お1ひさきみえてふくよ可に可い堂まへりこあま
きみの尓そ2に多り个るいま免可しきてほん
な2ら2ハゝいとよう可い給てんとみ給ひゝな2ゝと
わさとやともつくり徒ゝ遣てもろともにあそ2
ひつゝこよ那き物お1もひのまきら2ハしな2り
可能とまり尓し人/\宮わ多り堂まひて
堂つねきこえ給遣る尓きこえやる可多
な2くてそ2わひあへり个るしハし人尓志ら2
せしときみもの給少納言もお1もふこ2とな2れハ」(59オ)
勢ちにくち可多免やり多り堂ゝゆくゑも
しらす少納言可ゐて可くしきこえ多ると2のみ
きこえ佐する尓宮もいふ可ひな2うお1ほして
こあま君もかしこにわ多り多ま者むこ2とを
いと物しとお1ほし堂りしこ2とな2れハめのとの1いと
さしすくし堂る心者せのあまり(+お1)ひら可にわ多
佐むをひんな2しなとはい者て心尓ま可勢て
井て者ふらかし徒るな2めりとなく/\可へり
堂まひぬもしきゝいて多てまつら2ハつけよとの/給」(59ウ)
もわつらハしくそ2う徒の御もとにも多つね
きこえ堂まへとあと者可那くてあ多ら2し可り
し御可多ちな2とこひしく可な2しとお1ほす
き多の可多も者ゝ君を尓くしとお1もひきこ
え給日遣累心もうせてわ可心尓ま可勢徒へ
うお1ほし个る尓堂可ひぬるハくちお1しう
お1本し遣りやう/\人まいりあつまりぬ御あそ2ひ
可多きのわら2ハへちこともいと免つら2可にいま
め可しき御ありさ満と2もな2れハお1もふこ2とな2くて/あそ2ひあへり」(60オ)
きみ者お1とこ君のお1者せすな2として佐う/\しき
ゆふくれな2と者可りそ2あまきみをこひきこえ
堂まひてうちなきな2とし堂まへと宮
をはこ2とにお1もひいてきこえ給ハすもと
よりみな2ら2ひきこえ給者てな2ら2ひ多まへれハ
いま者堂ゝこのゝちのお1やをいミしうむつひ
まつハしきこえ給も能よりお1者すれハまついて
む可ひてあ者れ尓うち可多ら2ひ御ふところ尓
いりゐていさゝ可うと2く者つ可しともお1もひ多ら/す」(60ウ)
佐る可多にいミしうらう堂きわさな2り遣り
さ可しう心ありな2尓くれとむつ可しきすちに
な2りぬれハわ可心ちもすこし堂可ふゝ志も
いてくやと心を可れ人もうら2み可ちにお1もひの
ほ可のこ2と越のつ可らいてく累をいとお1可しき
もてあそ2ひな2りむす免な2と者多可者可り
尓な2れハ心やすくうちふるまひへ多てな2き
さ満尓ふしお1きな2とハえしもすましきを」(61オ)
これ者いとさ満可者り堂累かしつきくさ
な2りとお1ほい堂免リ」(61ウ)
(白紙)」(62オ)
伊行
【奥入01】あ万のすむそ2この見るめも者つ可しく
いそ尓お1い多るわ可めをそ2可る
【奥入02】従冥入於冥 法華経
【奥入03】可川良支乃天良乃末戸名留や止与良乃
天良乃尓之な留や 江の波ゐ尓之良太万之
川久や末之良た万し徒くや於之止と於之止々
之可之天波久尓曽左可江无や和伊戸曽止ミ
せむや於之止々止之屯とお々之屯止と屯と」(62ウ)
【奥入04】\すみそ2めのくらふのや万尓入ひとは
多とる/\そ2可へるへらなる
此哥くらまの山也惣て此哥之心更不叶
くらふの山の本哥尤有事故歟 未勘出
【奥入05】此哥上句又如何
\みな2といりのあしわけを舟さハりおほミ
お1な2し人尓やこ日むと思し
【奥入06】人しれぬ身者いそ2けともとしをへてな2とこえ可多きあふさ可のせき
【奥入07】風俗常陸哥
飛多ち尓ハ田をこそ2つくれ田れ1を可ねやまをこえ
野をもこえ君可あ万多き万せる」(63オ)
【奥入08】な2そ2こひさらむ 未勘
【奥入09】ゆ本ひ可
ミよしのゝお1ほ可者のへ(のへ&水)のゆ本ひ可尓
あらぬもの可らな2ミの多つらむ」(63ウ)