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渋谷栄一翻字(C)

  

空 蝉

【概要】

・大島本「空蝉」は、引き歌を付箋貼付し、多穴綴じ・宮河印のある巻である。

・朱筆で引き歌を注記した付箋が2枚貼付されている。

・和歌の書写様式は、地の文から改行して和歌の冒頭を2字下げて書き出し、上句と下句との間で改行して下句は地の文の高さから書き、和歌の末尾に地の文を直接続けて書く(Ⅰ型A類①)と、下句は上句の高さに揃えて書く(Ⅱ型②)という形式の2通りである。

・「空蝉」では、行頭に同字が並んだ場合に、同じ字母・字形が書かれているのは、6オ7・8「佐」、7ウ8・9「う」、9オ9・10「お」の3例である(表示)。
 異なる字母・字形で書かれているのは、1ウ4「て」・5「亭」、5オ1「徒」・2「つ」、11オ4「ハ」・5「者」、11ウ4「き」・5「き」、12オ2「个」・3「気」、13ウ1「の」・2「能」の6例である(表示)。
 「空蝉」の書写者は親本における行頭字母の書き分けを理解して書写していると考えられる。

・以上から、大島本「空蝉」は青表紙原本を直接書写した可能性が高い巻であると考えられる。


凡例

1.『大島本 源氏物語』(角川書店 平成8年5月)及び『大島本源氏物語DVD-ROM版』(角川学芸出版 2007年11月)に拠って漢字仮名字母翻字した。

2.漢字は漢字のまま翻字し、他の変体仮名字母と区別するために太字で表示した。

3.通行の平仮名の字母はそのまま平仮名で翻字した。

4.変体仮名はその字母で翻字した。

5.片仮名はそのまま片仮名で翻字した。

6.仮名や字母の崩し方が複数ある文字については、一般的な字形を基準にして、それより元の漢字に近い字形には「と付記し、また一般的な字形とも異なった別の崩し字形には「と付記した。

7.本行本文は10.5ポイントで表示し、書入注記や付箋等は9ポイントで表示した。

8.行頭に同字が並ぶ場合に、異なる字母は赤色、同じ字母は緑色で表示した。


「うつ見」(題箋)

  のならひとあれと者ゝゝの徒き
  なりな
らひといふへくもえ春
  一説尓ハ
  巻第二 かゝやく

      このまきもとよりな
  ならひの 者ゝゝ<うつ
見ハ/このまき尓こもる>
       ゆふ可本」(前遊紙2ウ)

  ね連た万ハぬまゝ尓ハ閑く尓尓く万
0001【ねられたまハぬまゝにハ」】-源氏ノ心中也 帚木ノ巻ノ終ヨリツヽケテ見ルヘシ
0002
【我ハかく】-源ノ小君ニ対シテノ詞也
  連てもなら者ぬをこよひなむ者しめてうし
  とよ越おもひ志りぬ連者はつ可しくて
可ら
0003【なからふましうこそ】-小君ニ迷惑サセントテ源ノ御詞也
  婦ましうこもひなりぬ連なとのたまへ者
  な
み多を佐へこ本してふし多りいとらう多しと
0004【ふしたり】-小君
0005
【いとらうたし】-源ノ御心
  おほ春てさくり能ほそくちいさ起ほと可見能
  いとな可ゝ羅さりし気ハひの
佐万かよひ多るも
0006【さまかよひたる】-空ニ小君似タル也
  おもひなし尓や阿者れなりあな可ちにかゝ徒ら
  たとりよらむも
王ろ可るへく満めや可尓めさ
  ましとおほしあ可し徒ゝ連いの
やう尓の多」(1オ・85⑥)

  まひまつ者佐春ふ可ういてたまへ者このこハ
0007【いてたまへは】-中河ノ紀伊守宿所ヨリ也
0008
【こハ】-小キミ
  いといとをしく佐う/\し登ミ/\
0009【女も】-空ノ心
  ならか多ハらい多しと婦尓うそこ(+も)多
  
おほしこり尓个ると尓もや可てつれな
  やミ
まし可者う可羅まし志井ていと
  をしきふるまひの
堂えさらむもう多てある
  遍しよ起ほと尓
かくてとちめてんとおもふも
0010【とちめてん】-ツレナクテ過ント也
  可らゝなら可め可ちなりき見ハ徒き那
0011【心つきなし】-無心付
  しとおほしな可らかくてハやむましうこゝ
0012
【御こゝろ】-源ノ

  ろ尓かゝり王ろくお
も本し王ひてこきみ尓」(1ウ・85⑫)

  いと徒らうもうれ多うもおほゆる尓志井て
0013【うれたうも】-慨哉 慷哉 以上日本記
  おもひ可へせしも志多可ハ春くるしき
  をさ里ぬへき
おりミてた(+い)めむ春へくた者可れ
0014【たはかれ】-将計或ハ方便トカケリ
  との多まひ王多れ者王徒らハし个れと可ゝ流
0015【わつらハしけれと】-小君カ心
  か多尓てもの多まひまつ者春ハうれしう
  おほえ
个りおさ那き心地い可なんおりとまち
  わ多る尓きの
可見く尓く多りなとして
  とちとや可那るゆふ屋ミのみちたと/\し
0016【女とち】-トチハ共ニナリ
0017
【ゆふやミのみち】-<朱合点> やミハ多と/\し月待可へれ王可せこそのま尓
もみん<>(付箋01
  気なるま起連尓王可くる満尓てゐて堂て
0018【わかくるま】-小君カ車ニ源ヲ
  まつるこの古もさ那き越い可なむとおほせ」(2オ・86④)
0019【こも】-子也
0020
【いかならむ】-源ノ御心

  とさのミもおほしのとむまし个れ者さり気
  な
す可多尓てかとなと佐ゝぬさ起尓といそき
  おハ春みぬ可多よりひきいれて
ろし多て
0021【おハす】-空ノ所也
  まつ王らハなとのゐとも古と尓
  い連徒いせ
うせや春し日む可しの徒万
0022【ついせう】-追従トカケリ アヤシミハヽカラヌ心也
  と尓て多てまつりて王れハみなミの春見
0023【たてたてまつりて】-源
0024
【われハ】-小君
  の万よりかうし多ゝきゝし里ていりぬ
  堂ちあら者なりといふなり
そかうあつき尓
  こ能可うしハおろされ多るととへ者ひるより尓

  の可多のわ多らこう多せたまふとい婦」(2ウ・86⑩)
0025【御かた】-ヲ 軒端ノ荻 伊与ノ守カムスメ

  佐てむ可ひゐ多らむをみハやとおもひてやをら
  あゆミいてゝ春多れ
の者さ満尓いりこの
  いり徒るかうしハまたさゝねひ万みゆるにより
  て
しさ満尓と越しへ者このきハ尓多て
  多
るひやう者しのか多をしたゝまれ多る尓
  きるへき几帳
ともあつ个連者尓やうち可
  気て
2いとよくみい連らち可ふともし多り
  も
やの可者しらにハめ流王可可くる
0026【もや】-母屋
  とまつめとゝめたまへ者こき1あやのひとへ
0027【こきあや】-紅ノ色ノコキ也
  可さねめりな尓ゝ可あらう遍尓きて閑し」(3オ・87①)
0028【なにゝか】-遠キ心也

  羅徒きほそや可尓ちいさ起もの気那き
  春可多そし堂る可本な
とハ佐しむ可ひ多
  
と尓王さ登みゆましうもてなし多り
  て徒きやせ
/\尓い多うひき可くしためり
  い万ひとりハひむ可しむき尓
こる
0029【いまひとり】-軒端ノ荻
  くみゆしろきう春ひとへ可さねあひ
  の
こうちき多い可しろ尓きな
  てくれな
井の古しひきゆへるきハまてむ年
0030【こし】-袴腰也
  あらハ尓はうそくなるもてなしなりいと志
0031【はうそく】-傍側トカケリアラワナル心也 ハウラツナル心也 引ツクロハヌサマ也
  ろうお可しけ尓徒ふ/\と古ゑてそゝろ可な」(3ウ・87⑦)
0032【そゝろかなる】-尖トカケリ

  徒きひ多い徒きものあさや可尓ま見
  くちつきいとあひきやう徒き
者なや可なる可
  多ちなり可見ハいとふさや可尓
可くハあらね
  さ可り者可たの
ほときよけ尓春へ亭いとね
0033【さかりは】-下場
  気多るくお可し気那るとみえ多りむへ
0034【むへ】-宜
  こそおやのよ尓くハめと可しく
  ちそな越しつ可な
遣をそ遍者や登
  ふとみゆる可とな
き尓あるましこうち者
  てゝ気ち佐春わ多り古ゝろとけ尓
みえ
0035【けち】-結又闕
0036
【こゝろとけ】-心疾也 心ハヤキ也
  ハ/\とさうとけ者おくのいとし徒可耳」(4オ・87⑬)
0037【さうとけ】-早速也 物サハカシキ体也

  のとめてまちへやこハ耳こそあら
  こ能王多りのこうをこそ
とい遍といてこ能多ひ
0038【こう】-劫
  ハまけ耳気り春み農いて/\とおよひを
  かゝめてと越者多ち(ち
<>みそよそなかさふる佐万
0039【とをはたみそよそ】-十 廿 三十 四十
  いよのゆけ多もたと/\し可流ましうみゆ
  こし志な
をくれ多りたとしへなゝちおほひて
  さや可尓みせ年とめをしつけたま遍連者
  をのつ可らそ者めも(も=
にイ<>)みゆ免春こしは連多る
0040【めすこし】-目ノ上腫タル様也 一説晴タル也 ヒタイノ高キ心地 如何
  ちしてはななともあさや可なるところな
  ね
ひ連て尓本ハしきところもみえいひ多」(4ウ・88④)

  連者王ろき尓よ連るか多ちをいとい多うもて
  気て
このまされるよりハあらむとめとゝ
0041【人】-ノキハノ荻
  めつ遍き佐万志多りき王ゝしうあひき
  やう徒きお可し遣なるを
よ/\ほこり可尓
  うちとけてわらひなそ本る連者尓本ひお
0042【そほるれ】-タワフルヽ也
  ほくみえ佐る可た尓いとお可しきさ満な
  あ者徒気し登ハおほしな
可ら満めな古ゝ
0043【まめ】-実也
  ろハこれお本しはなまし可里个り
  み多まふ可起りの
うちと気多る
0044【みたまふかきりの人】-源ノ世上ノ人ノ事
  き徒くろひそ者め多るうハへをのミこそ」(5オ・88⑩)

  可くうちとけ多るあり佐万可いま
0045【かいま見】-<万葉>垣間見 [+]<伊勢物語真名ノ本>
  なとハま多しハさ里徒ることな連はな尓
  もなさや可なるハいとおしな可らひ佐しう
  み多まふ(ふ$
、+ハ)万ほしきにこきみいてく流ち春
0046【まほしき】-源ノ御心中
  連者やをらいて王多とのゝとくち尓
  よりゐ多まへりいとか多し気那しとおもひて
0047【いとかたしけなし】-小君カ心中
  連いな人侍ち可ふもより
0048【れいならぬ】-小君カ詞
0049
【人】-軒端ノ荻
0050
【さてこよひもや】-源ノ御詞
  てこよひもや可遍してんと春流いとあさまし
  う可羅うこそあへ个連との
多まへ者とて
0051【あへけれ】-アルヘケレ也
0052
【なとてか】-小君カ詞
  可あな多尓可へりりなた者可りんとき」(5ウ・89②)

  こ遊さもなひ可しつ遍き気しき尓こそ
0053【さも】-源ノ御心中
  あらわら者なゝ古ゝろ者への个し
  きみ徒遍くしつまれるを登おほ春なり
0054【をと】-ヲ文字ヤスメ字也
  个りうち者て徒る尓やあらむうちそよめく
  ちしてひと/\あ可るゝ気ハひな
と春王可
0055【あかるゝ】-別ル也
0056
【わか】-若也
  い徒く尓おハしま春なこのみ可うしハ
  してんとて
春な志つまりぬないりて
0057【いりて】-源ノ御詞
  た者可れとのこの古もいもうと能
0058【こも】-子也
0059
【いもうと】-空ノ事也 小君心中
  こゝろハたハ無ところなく満め多ちた連者
  いひあハせ
無可多なくてすくなゝらんおり尓」(6オ・89⑦)

  い連多てまつらんとなり个りきの可ミのいもう
0060【きのかミの】-源ノ御詞
0061
【いもうと】-軒ハノ荻
  ともこな多尓ある可尓可いまみせさせよ登
  の多まへとい可て可さハかうしに盤几帳
0062【いかてか】-小君カ詞
  そへてときこゆ佐可しされともお可しく
0063【さかし】-サアル也
  おほせみつとハ志らせいとおしとほして
0064【しらせし】-小君ニ
  ふくる古とのもと那さをのこ多ミハつ万
0065【こたみ】-今度也
  と越多ゝきているみな/\志つま里ね尓个り
0066【いる】-小君
  こ能佐うしくち尓まろハね多ら可せふ起と
0067【かせふきとをせ】-<朱合点> 風吹と人ニハいひて戸ハさゝしあけんと君にいひてし物を
  をせとてたゝ見ひろ気てふ春こ多ち日む可し
0068【ひろけて】-屏風也
0069
【こたち】-後達
  のひさし尓いとあま多ね多る遍しと者なち徒る」(6ウ・89⑬)

  ハら(+ハ)遍もそな多尓ふしぬ連者とハ可りそ
0070【そらねして】-小君
  ねしてあ可起可多尓日やうをひろ気て
  か気ほの可なる尓やをら多てまつるい可耳
0071【入たてまつる】-源ヲ
  そおこ可満しきそとおほ春尓いと
  徒ゝまし个れとみちひくまゝにもやの
木丁
  の可多ひらひきあけていとやをらいりとすれ
  とみな
しつまれ累よ能その気者ひやハら
  なるしも
いと志累可り个り者さこそわ春
  れ
うれしき尓おもひなせとあやしくゆ免(免)
  のやうな
る古と越古ゝろ尓者那るゝおりなきころ」(7オ・90⑤)

  尓と気多るい多尓連春なむひ累ハな
0072【ひるはなかめ】-<朱合点> 女ノ哥也 ヨルハサメヒルハナカメニクラサレテ春ハコノ目ソイトナカリケル
  可め盤ねさめ可ちなれ者このめも
0073【いとなく】-無暇也
  とななけ可しき尓うち徒るこよひ盤
0074【君】-軒ハノヲキ
  こな多尓とい満め可しくち可多羅ひて
0075【こなたに】-空ノ方
  ね尓个り王可起盤な尓こゝろないとよう
0076【わかき人】-ノキハノヲキ
  まとろ見多る遍しかゝる気ハひのいとかう者
  しくうち尓本ふ尓可本をも多け多る尓ひとへ
0077【かほ】-空ノ
  ち可気多る几帳春起ま尓くら个連と
  地見しろきよる気者ひ
と志るしあさ
0078【あさましく】-空ノ心中
  ましくおほえとも閑くもわ可連春や」(7ウ・90⑩)

  をらおきてゝ春ゝしなるひとへを日とつ
  きて春へりいて尓个りハい
ゝひとり
0079【君】-源
0080
【たゝひとり】-ノキハノヲキヲ空トヲホス
  婦し多る越古ゝろやすくおほ春ゆ可能志も尓
  二人ハ可りそ婦し多るきぬをゝしや里て

  よりへる尓あ里し気ハひよりハの/\し
  くお本ゆ連とおも本しうも
よら春かしいき
0081【いきたなき】-ヨクネルヲ云
  多那き佐万なとそあや志く可者りてやう/\
  みあらハし阿さましくこゝろやまし个れ
0082【みあらハし給て】-軒ハノヲキト知
  とた可へとたとりてみえんもおこ可満し具
0083【人たかへと】-源ノ心中
  あやしとおもふ遍しいのを多つ年よらむ」(8オ・91②)
0084【本いの人】-空ノ事

  も可者可り能可るゝこゝろあめ連者可ひなふ
  おこ尓
そおもハめとおほ春可のお可し可り
  徒る本可けならい可ゝハせ
む尓おほしなるも
  王ろきこゝろあさゝ那めり可しやう/\めさ
0085【わろき御こゝろあさゝなめりかし】-草子地
0086
【やう/\めさめて】-軒ハノヲキヲトロク也 心中
  めていとおほえあさましきあきれ多る
  个しき尓て
こゝろふ可くいとおしき
  よう井も
世中をま多おもひ志らぬ本
  とよりハされ者ミ多るか多尓
あえ可尓もおも
  ひまとハ春わ連とも
志らし登おほせ
0087【おほせと】-源ノ
  可尓してかゝることそのち尓めくらさ無もわ可」(8ウ・91⑧)

  多め尓と尓もあらね阿の徒ら
0088【人】-空
  あな可ち尓な越徒ゝむも佐春可尓とをし
  个連者
ひ/\のか多ゝ可へ尓とつけ
  さ満をいと可ういひな
たとら
  え
徒へ个れとま多いと王可き心地さこ
0089【さしすきたる】-碁ウツ時ノ事
  し春起多るやうなれとえしも王可春
  くしとハな気れ御心とまるへきゆへも

  ちしてな越可のうれ多きをいみしく
  ほ春いつ
く尓者いまきれてか多くなしと
  もひゐ多ら閑く志うね
あり可多」(9オ・91⑬)

  きもの越とおほ春しもあや尓く尓まきれ可多
  婦おもひいてられこ能な万
わ可
0090【この人】-ノキハノヲキ
  や可なる気者ひもあ者れな佐春可耳
  な
さけ/\しくち起りを可せ志り堂る
  ことよ里も
可やうなるハあハ連もそふ
  なむ昔人もい
ひ个るあひおもひたまへよ
  徒ゝ無こと那き尓しも
阿らみな可ら
0091【みなから】-身也
  盈ま可すましくなんあり気るまたさる
  遍き/\も
ゆるされしかしと可年てむね
  い多くなんまちたま遍よな越/\し」(9ウ・92⑤)

  くか多ら思侍んこと能者つ可しき尓
0092【人の思侍らん】-ノキハノ荻カ詞
  なん盈きこえ佐春ましきとう羅もな
  いふ
遍て尓志らせ者こそあらこ能ちい
0093【なへて】-源ノ御詞
0094
【ちいさきうへ人】-小君カ事
  さ起う遍尓徒多へてきこえ个しきな
  も
てなへなといひを起てかのぬき春へし
  多
るとみゆるう春をとりて
  ち可ふふし多
るをおこしへ者うしろ免多う
  おもひ徒ゝね
个れ者ふとおとろきぬと越やをら
  をしあくる尓
おい多るこ多ちのこゑ尓
  連は
そとおとろ/\志くとふ王つらハしく」(10オ・92⑩)

  てまろそ夜中こハそ登あり
0095【まろそ】-小君カ詞
0096
【夜中】-コタチノ詞
  可せ佐可し可りてと佐万へくと尓くゝて
0097【さかしかりて】-イサメタル也
0098
【とさま】-外也
0099
【いとにくゝて】-小君カ心中
  あら春こゝもとへい徒るそとてををしいて
  多
てまつる尓あ可徒きち可起く万なく
  佐しいてゝふとの可気みえ个連はま多お

  春るハ多
とゝ婦民部のおもとなめり个しう
0100【おもと】-侍者<オモト> 白氏文集 御許<ヲモト>トモ 空ノツカイ人也
  盤あらもとの多け多ち可那といふ堂気
  た可き徒ね
尓わらハるゝをい个りおい
  こ連越つら
ありきけるとおもひて
0101【つらねて】-行列也
  多堂ちな日な無といふ/\王れ」(10ウ・93②)
0102【たちならひ】-ヲモトノタケニ小君ノナラント也

  もこのとよりいてゝ具わひし个連者盈は多
  をし可遍さて王多と能ゝくち尓可ひそひて可く
0103【かくれたち給へれは】-源ノ
  連多へ連はこのもと佐しよ里ておもと
  こよひハう遍尓やさふら徒るおとゝひより
  をやみて
いと王りな気れハしも尓つる
  をすく那な
りとてめし志可者よ遍まうの本り
  し可とな越え(+
多)ふましくなむとう連ふ
0104【たふましく】-コラヘましき也
  へもき可てあなはら/\万きこえんとて春起
0105【はら】-腹
  ぬる尓からふしていたまふな越かゝるありきハ
  可ろ/\しくあやし可り个りと
よ/\おほし」(11オ・93⑧)

  古りぬ遍し君御くる満の志り尓て二条院
  尓おハしましぬありさ満のひておさ那可り
  个りとあハめ可の
能こゝろを徒万者し
0106【あはめ】-アワ/\シクニクム心也
0107
【かの人】-空ノ
  をし徒ゝうらいとをしうてのも
0108【うらみ】-源ノ
0109
【いとをしうて】-小君カ心
  こえいとふかう尓くみへ可めれ者
  うくおもひ者てぬなと可よそ尓つ可しき
0110【なとか】-源ノ御詞
  いへ者可りハましき伊与とり个る
  みこそな徒き那しとおもひての多まふあり
  徒るこうちき越佐春可尓その志多尓ひきい
  連ておほとのこもれりおま遍尓ふせ」(11ウ・93⑭)

  よろつ尓うら可つハか多らあこハらう多
0111【あこは】-ナンヂ也
  連と徒らきゆ可り尓盈おもひ者つまし
  満めや可尓の多まふをと王ひしと
  多り志はしうちや春みへとハ春
  春ゝ里そきめして佐し者へ多るふミ耳ハ
  あらてゝう可見尓てなひのやう尓可き春
  さひたまふ
    うつ見のみ越可へて个る能もと尓
  な越可らのな徒可しき
可なと可起たまへるを
  ふところ尓ひき多り可能もい可尓」(12オ・94⑤)
0112【もたり】-持也
0113
【かの人】-軒ハノヲキ

  もふらんととをし个連とか多/\おも本し可へ
  してとつ希も可のう春こうち
  きのいとなつ可しき可尓志める越みち可く
0114【みちかく】-源ノ御身
  なしてみゐ多まへり可しこ尓き多れ
0115【かしこに】-空ノ方
  者あねき見まちつけていみしくのあさ
  まし可りしにと可うま起らハしてものおもひ
0116【とかう】-空ノ詞
  个無こさりな起尓いとなむ王りな
  可うおさ那きを可つハい可尓おも本春らんとて
0117【おもほす】-源ノ御心ヲ空ノ小君ニ云キカスル也
  者つ可し免ひ多里みき尓くるしうへと
0118【ひたりみきに】-小君カ心源ト空トヲ左右ト云
  かのてなひとりいて多り佐春可尓とりてみ」(12ウ・94⑪)
0119【み給】-空ノ

  か能もぬ気越い可尓伊勢
0120【伊勢をのあまの】-<朱合点>すゝ可いせをのあ万のすて志本なれ多りとやみるらん<>(付箋02
  なれてやな堂ゝならいとよろつ
0121【思も】-空ノ心中
  み多れてしの者つ可しきちして
0122【にしの君】-ノキハノヲキ
  多り尓个りま多志るきことな
  志れ春うちな可めてゐ多りこきみのわ多りありく
  尓徒気てもむねのミふ多可れとうそこも
  なあさましとひうるか多もなくてされ多る
  も(
も)のあ者れなるへしつれなさこ
0123【つれなき人】-空ノ事也 心中也
  しつむ連いと阿さ者可尓もあら个しき
  をありしならの王可ら者ととり春も」(13オ・95③)
0124【ありしなからの】-<朱合点>
0125
【わか身ならは】-男ナキ時ナラハノ心

  志のひ可多気れ者このたゝう可見
  可多つか多尓
    うつ見の者尓をくかくれて
    志のひ/\尓ぬるゝそ可那」(13ウ・95

  追注加之
  な可ゝみ 何神字 長歟中歟
  問安家答云な可ゝみ天一神也
  世俗所称事旧事(
事)可為中字歟
  金樻経云天一立中央為十二将定吉凶
  断事者也如此文者中字無不審歟
  凡天一神巡方八方猶天子巡狩方
  岳云々毎其方名号注異未有中
  有中(有中
<>)神之号只和語凡俗之詞所
  伝承也件方忌事古今所違来也
(「帚木」注 竄入)」(14オ)

【奥入01】春ゝ可いせをのあ万のぬ連
    志本なれ多りとるら
【奥入02】とり可へ春も可那や世中
    ありしな可ら能王可とおも者ん(「帚木」巻から転載)