自筆本奥入First updated 7/10/2002(ver.1-1)
Last updated 12/24/2006(ver.2-1)
渋谷栄一翻字(C)

  

薄 雲

《翻刻資料》
凡例
1 底本には、大橋寛治氏蔵本『源氏物語 奥入』(複刻日本古典文学館 昭和46年10月)を使用し、自筆本の欠脱は、高野本(日本古典文学影印叢刊19)により、また判読不明箇所等は、池田亀鑑『源氏物語大成』巻七「研究資料篇」所収の「奥入(第二次)定家自筆本」を参照した。ただし、巻尾本文は省略した。
2 頁数は、池田亀鑑『源氏物語大成』巻七「研究資料篇」に従って、復元した「自筆本奥入」の頁数となっている。
3 青表紙本「源氏物語」の「奥入・付箋」に見られる注記には、その注記番号を付けた。
4 行間書き入れ及び割注等は< >で記した。改行は/で記した。朱書は、その語句の冒頭に<朱>と記した。
5 墨筆による末尾本文の削除符号や朱筆による掛点符号は、それぞれ<墨>\、<朱>\と記した。
6 私による注記や定家自筆本、明融臨模本、大島本等において、奥入また付箋に引用されている注釈は( )で記した。
7 本文の校訂記号は次の通りである。
 $(ミセケチ)・#(抹消)・+(補入)・&(ナゾリ)・=(併記)・△(不明文字)
( )の前の文字と( )内の記号の前の文字は訂正前の本文を表し、記号の後の文字はその訂正後の本文を表す。
8 訓点や送り仮名は< >で記した。但し、返り点、朱点は省略した。
9 作字した文字は[ ]で記した。
10 各丁の終わりには」の印と丁数とその表(オ)裏(ウ)を記した。

薄雲(後書加)」47オ

01 やとかへて松にも見えすなりぬれは
  つらき所のおほくもあるかな
02 怨てのゝちさへ人のつらからは
  いかにいひてかねをもなくへき
03 つらからむ物とはかねて思ひにき
  心のうらそまさしかりける
04 桜人<呂>(大島本奥入01)
  左久良比止 曽乃不祢知々女之川末(川末$末川)多
  乎 止万知川久礼留 見天可安(安#)戸利(この行、切断により左端一部着れた文字有り)」47ウ
  己牟也 曽与也 安春可戸利己牟(この行、継紙上の後補筆)
  曽於与於己止お己曽 安春止毛以
  波女 乎千可太に 川万左留世那
  波 安春毛左祢己之也 曽於(於#)与左(左#)
  (+左)安春毛左祢己之也 曽也
05 世中はゆめのわたりのうきはしか
  うちわたりつゝものをこそおもへ
06 深草のゝへのさくらし心あらは
  ことし許はすみそめにさけ」48オ
07 いにしへのむかしの事をいとゝしく
  かくれはそてそつゆけかりける(大島本付箋01)
08 むすほゝれもえし煙もいかゝせむ
  きみたにこめよなかきちきりを(大島本付箋02)
09 晋<シンノ>石季倫<セキキリム>居<オリ>金谷<ニ>春花満<チテ>林<ニ>
  作<ル>五十里<ノ>錦障<ヲ>(大島本奥入02)
10 文集草堂<此事不叶可勘>(頭注)
  春有錦繍谷<キムシウコクノ>花 夏有石門澗雲
  秋有虎溪<コケイ>月 冬有鑪峯雪(大島本奥入03)」48ウ
(約5行分空白)
11 梅かゝをさくらの花にゝほはせて
  柳か枝にさかせてし哉(大島本付箋03)
12 打返しおもへはかなし世中を
  たれうき物としらせそめけむ」49オ