自筆本奥入First updated 7/10/2002(ver.1-1)
Last updated 11/18/2006(ver.2-1)
渋谷栄一翻字(C)

  

《翻刻資料》
凡例
1 底本には、大橋寛治氏蔵本『源氏物語 奥入』(複刻日本古典文学館 昭和46年10月)を使用し、自筆本の欠脱は、高野本(日本古典文学影印叢刊19)により、また判読不明箇所等は、池田亀鑑『源氏物語大成』巻七「研究資料篇」所収の「奥入(第二次)定家自筆本」を参照した。ただし、巻尾本文は省略した。
2 頁数は、池田亀鑑『源氏物語大成』巻七「研究資料篇」に従って、復元した「自筆本奥入」の頁数となっている。
3 青表紙本「源氏物語」の「奥入・付箋」に見られる注記には、その注記番号を付けた。
4 行間書き入れ及び割注等は< >で記した。改行は/で記した。朱書は、その語句の冒頭に<朱>と記した。
5 墨筆による末尾本文の削除符号や朱筆による掛点符号は、それぞれ<墨>\、<朱>\と記した。
6 私による注記や定家自筆本、明融臨模本、大島本等において、奥入また付箋に引用されている注釈は( )で記した。
7 本文の校訂記号は次の通りである。
 $(ミセケチ)・#(抹消)・+(補入)・&(ナゾリ)・=(併記)・△(不明文字)
( )の前の文字と( )内の記号の前の文字は訂正前の本文を表し、記号の後の文字はその訂正後の本文を表す。
8 訓点や送り仮名は< >で記した。但し、返り点、朱点は省略した。
9 作字した文字は[ ]で記した。
10 各丁の終わりには」の印と丁数とその表(オ)裏(ウ)を記した。


01ひとたまひ 人給 今出車名也
   権記多有此名(以上、巻名からこの行まで後書き加え)」24ウ
02 我をおもふ人をおもはぬむくひにや(この行、継紙上の後補筆)
  わかおもふ人のわれを思はぬ(この行以下、「はるやきぬるとうくひすのなく」まで別筆)
03 さゝのくまひのくまかはにこまとめて
  しはし水かへかけをたにみむ
04 伊勢のうみにつりするあまのうけな/れや
  心ひとつをさためかねつる
05 くやしくそくみそめてけるあさけれは
  そてのみぬるゝ山の井の水
06 身をすてゝいにやしにけむ思ふより
  ほかなるものは心なりけり
07 おもはしとおもふもゝのを思なり」25オ
  おもはしとたに思はしやなそ
08 むすひをきしかたみのこたになかりせは
  なにゝしのふのくさをつまゝし
09 時しもあれ秋やはひとのわかるへき
  さるは夜さむになれるころしも
10 神な月いつもしくれはふりしかと
  かくそてひつるおりはなかりき
11 しらくものこゝのへにたつみねなれは
  おほうちやまとむへもいひけり
12 いろならはうつるはかりもそめてまし
  おもふ心をしる人のなさ
13 みなれきのみなれそ(て&そ)し(し$)なれてはなれなは(この行、継紙上の後補筆)」25ウ
  こひしからんやこひしからしや(この行、継紙上の後補筆)
14 すゑのつゆもとのしつくやよの中の
15 わかくさのにゐたまくらをまきそめて
  よをやへたてむにくからなくに
16 みかりするかりはのをのゝならしはの
  なれはまさらてこひそまされる
17 あたらしくあくることしをもゝとせの
  はるやきぬるとうくひすのなく
18 長恨哥
  鴛鴦瓦冷<ヒヤカニシテ>霜華重旧枕故衾
  誰与共(大島本奥入03)」26オ
19 有所嗟<ナケク>二首 夢<ホウ>得
  [广+臾]<イウ>令<レイ>楼<ノ>中<ニ>初<ハシメテ>見<ミシ>時 武昌<フシヤウノ>春<ノ>柳<ハ>似<ニタリ>腰支<コシハセニ>
  相<アヒ>逢<アフシモ>相<アヒ>失<ウシナフシモ>両<フタツナカラ>如<コトシ>夢<ユメノ> 為<ナリ>雨<アメト>為<ナリニケム>雲<クモトヤ>今<イマハ>不<ス>知<シラ>
20 鄂<カク>渚濛<モウ>々<トシテ>烟雨<エンウ>微<ヒナリ> 女郎魂<タマシヒ>逐<ヲフテ>暮雲帰<カヘル>
  只<タゝ>応<ヘシ>長<ナカク>在<アル>漢陽<ノ>渡<ワタリニ> 化<クワシテ>作<ナリ>鴛鴦<ト>一隻<セキニ>飛<トハム>
  夢得は白楽天同時之人也
  おもふ人にをくれてつくれる詩也(大島本奥入02)」26ウ