自筆本奥入First updated 2/1/2003(ver.1-1)
Last updated 10/14/2006(ver.2-1)
渋谷栄一翻字(C)

  

帚 木

《翻刻資料》
凡例
1 底本には、大橋寛治氏蔵本『源氏物語 奥入』(複刻日本古典文学館 昭和46年10月)を使用し、自筆本の欠脱は、高野本(日本古典文学影印叢刊19)により、また判読不明箇所等は、池田亀鑑『源氏物語大成』巻七「研究資料篇」所収の「奥入(第二次)定家自筆本」を参照した。ただし、巻尾本文は省略した。
2 頁数は、池田亀鑑『源氏物語大成』巻七「研究資料篇」に従って、復元した「自筆本奥入」の頁数となっている。
3 青表紙本「源氏物語」の「奥入・付箋」に見られる注記には、その注記番号を付けた。
4 行間書き入れ及び割注等は< >で記した。改行は/で記した。朱書は、その語句の冒頭に<朱>と記した。
5 墨筆による末尾本文の削除符号や朱筆による掛点符号は、それぞれ<墨>\、<朱>\と記した。
6 私による注記や定家自筆本、明融臨模本、大島本等において、奥入また付箋に引用されている注釈は( )で記した。
7 本文の校訂記号は次の通りである。
 $(ミセケチ)・#(抹消)・+(補入)・&(ナゾリ)・=(併記)・△(不明文字)
( )の前の文字と( )内の記号の前の文字は訂正前の本文を表し、記号の後の文字はその訂正後の本文を表す。
8 訓点や送り仮名は< >で記した。但し、返り点、朱点は省略した。
9 作字した文字は[ ]で記した。
10 各丁の終わりには」の印と丁数とその表(オ)裏(ウ)を記した。

箒木(切断後の書加)」5オ

 伊行朝臣
01 かすかのゝわかむらさきのすり衣
  しのふのみたれかきりしられす(明融本奥入02・大島本奥入02)
02 しかりとてとすれはかゝりかくすれは
  あないひしらすあふさきるさに(明融本奥入03・大島本奥入03)
03 はちす葉のにこりにしまぬ心もて
  なにかはつゆを玉とあさむく(明融本奥入04・大島本奥入04)
04 観身岸額離根草論命江頭不繋舟(明融本奥入05・大島本奥入05)
05 ひきよせはたゝにはよらてはるこまの
  つなひきするそなはたつときく(この行一部、継紙上の後補筆 明融本奥入06・大島本奥入06)」5ウ
06 あすか井にやとりはすへし影もよし(この行右半分、本紙と継紙上になぞりと補筆)
  みもひもさむしみまくさもよし(明融本奥入07・大島本奥入07)
07 いつらにかやとりとるらむあさひこの
  さすやをかへのたまさゝのうへ(明融本奥入08・大島本奥入08)
08 塵をたにすへしとそ思さきしより
  いもとわかぬるとこなつの花(明融本付箋01・奥入09・大島本奥入09)
09 それをたに思事とてわかやとを
  見きとなかけそ人のきかくに(明融本奥入10・大島本奥入10)
10 相坂の名をはたのみてこしかとも
  へたつるせきのつらくもあるかな(明融本奥入11・大島本奥入11)」6オ
11 こひしきをなにゝつけてかなくさめむ
  夢たに見えすぬる夜なけれは(明融本付箋02・奥入12・大島本奥入12)
12 風俗(明融本奥入13・大島本奥入13)
(約5行分の空白、未勘)
13 催馬楽 呂(明融本奥入14・大島本奥入14)
  和加伊戸波 止波利帳(帳+於)毛 多礼
  留乎於々保支美支万世江々々无己尓(无己尓$)(この行、継紙上の後補筆、重複に気付き削除跡有り)」6ウ
  せ无美以左可奈尓奈与介无(せ无美以左可奈尓奈与介无$)(この行、継紙上の後補筆、重複に気付き削除跡有り)
  无己尓せ无美い左可奈尓奈与
  介无安波<安々>比左多乎加 可世<与>
  介无安々波<安々>比左太乎可
  加世与介无
14 二道(明融本奥入15・大島本奥入15)
  <朱>\父家ニ居住せハ孝心可有 男家に
  居住せハ嫂仕ヲせよといふ事也
  <是ハ/非本文>(頭注)
15 三史 史記 漢書<シヨ> 後漢書(明融本奥入16・大島本奥入16)」7オ
  五経 毛詩<モウシ> 礼記<ライキ> 左伝<テム> 周易<シユヤク> 尚書<上シヨ>
  三道 紀伝<テム> 明<ミヤウ>経 明法

 注加<シルシクハフ>
16まとのうちなるほとは(明融本奥入01・大島本奥入01)
  長恨哥
  楊家有女初長成 養在深窓人未識
17ふたつのみちうたふをきけ(明融本奥入17・大島本奥入17)
  文集 秦<シム>中吟<キム>
  天下無正声<セイセイ> 悦<ヨロコハシムルヲ>耳即為娯<タノシヒト>」7ウ
  人間<ニ>無正色<セイソク> 悦目<ヲ>即為妹<カホヨシト>(この行、継紙上の後補筆)
  顔<カム>色非相遠<サカレルニ> 貧富<ヒンフ>則有殊<コトナルコト>
  貧時<ノ>為所<ラレ>弃<ステ> 富為時所<ラル>趁<ワシ>
  紅楼富家<カ>女 金縷<ル>繍羅<シウラ>襦<キモノ>
  見<テ>人不斂<オサメ>手 矯<ヲコリ>癡<ヲロカナル>二<シ>八初<メ>
  母兄<ケイ>未<サルニ>開<ヒラカ>口 已嫁<トツク>不須臾<シハラクタモアラ>
  緑窓<ロクサウノ>貧家<ヒンカ>女 寂寞二十余」8オ
  荊釼<ヲトロカムサシ>不直<アタヒセ>銭 衣上<ニ>無真珠
  幾廻<イクタヒカ>人欲<スル>娉<ヨハヽムト> 臨<ノソムテ>日又踟躊<チチウスル>
  主<シユ>人会<クワイス>良媒<ハイ> 置<ヲイテ>酒<ヲ>満<リ>玉壺<キヨコニ>
  四座且<シハラク>勿<ナカレ>飲<ノムコト> 聴<キケ>我歌<ウタフ>両途<フタツノミチ>
  富家女易<ヤスシ>嫁 嫁<コト>早<ハヤケレハ>軽<アナツル>其<ノ>夫<オフトヲ>
  貧家<ヒカ>女難<シ>嫁 嫁晩<ヲソケレハ>孝<カウアリ>於姑<シウトメ>」8ウ
  聞<キケ>若<モシ>欲<スルモノナラハ>娶婦<メヲトラムト> 娶婦<コト>意如何(この行、継紙上の後補筆)
(約8行分の空白)」9オ
18なかゝみ(大島本奥入18)
  <安家説>
  天一神也 世俗所称<スル>奈加神 中神歟
  金<コム>[木+貴]<シ>経<ニ>云 天一立<ツ>中央<ヰヤウニ>為<リ>十二将定<メ>
  吉凶<キツキヤウヲ>断<タムスル>事<ヲ>者也 如<ハ>此文<ノ>者中<ノ>字無
  不審歟 件<クタムノ>方忌<ミノ>事古今所違<タカヘ>来也(大島本奥入「空蝉」に竄入)
19なか河
  見<エタリ>李部<リホウ>王<ノ>記<ニ>
  今<ノ>京極河也古<シヘノ>人称<ス>中河<ト>
  法成寺の始ハ人中河の御堂と云
  又在行成卿記(この行、継紙上の後補筆)」9ウ