First updated 07/13/2022
Last updated 04/26/2024
渋谷栄一翻字
初音
凡例
1.大橋寛治氏蔵『源氏物語 奥入』(復刻日本古典文学館 昭和46年10月)所載の巻尾本文を漢字仮名字母翻字法によって翻字した(翻刻資料の凡例を参照)。
2.判読不明文字は△で記した。
3.大島本との本文の異同は朱色、仮名遣い等の異同は茶色、漢字仮名の表記の異同は緑色で表示した。
「自筆本奥入」(52オ)「初音」(巻尾5行)
堂(+万)ひて御こ2とゝも1の1うるわしきふくろ とも1(ん&も1)してひ免越可せ給へるミ那ひき いて2ゝをしのこひて(て$)ゆるへ(へ&へ)とゝのへ(へ&へ) 佐せ2給・なとす御方/\心つ可ひい多くしつゝ 心(+1けさう)をつ1くし給ら2む(ん&む)可し |
【本文の訂正跡】
@「万」は「堂」と「ひ」の中間右傍らに補入、補入符号ナシ
A「も1」は「ん」の」上に直接重ね書き訂正
B「て」の上にやや大き目の二点ミセケチ符号をうち、削除
C「へ」の上に「へ」と重ね書き修正、「へ」「つ」の違いを明瞭化したか
D「へ」の上に「へ」と重ね書き修正、「へ」「つ」の違いを明瞭化したか
E「けさう」は「心」と「を」の中間に補入符号丸印を入れて、「けさう」と補入、書写者の所為か定家の所為かは未詳
F「む」は「ん」の上に直接「む」を重ね書きした訂正、古くは「ん」字を「も」音に使用していたが、あえて訂正したか
【本文の異同】
@「をしのこひて(て$)」―「をしのこひ」(大島本)
A「心(+けさう)」―「心けさう」(大島本)
【仮名遣い等の異同】
@「うるわしき」―「うるハしき」(大島本)
A「給・」―「給ひ」(大島本)
【漢字仮名表記の異同】
@「堂(+万)ひて」―「給て」(大島本)