First updated 06/21/2001
Last updated 09/01/2026
渋谷栄一翻字(C)

  

澪 標

凡例
1.『大島本 源氏物語』(1996年5月 角川書店)及び『大島本源氏物語DVD-ROM版』(角川学芸出版 2007年11月)に拠って漢字仮名字母翻字した。
2.漢字は漢字のまま翻字し、他の変体仮名と区別するため太字で表示した。
3.平仮名はそのまま平仮名」で表示した。
4.変体仮名は字母で表示した。
5.片仮名はそのまま片仮名で表示した。
6.仮名や字母の崩し方が複数ある文字については、一般的な字形を基準にして、より元の字母の漢字に近い字形には「1」と付記し、また一般的な字形とも異なった別の崩し方には「2」と表示した。
7.本行本文は普通字体で表示し、書入注記は小字体で表示した。
8.本文中の朱点及び朱書きは朱色で表示した。
9.行頭に同字が並ぶ場合、異なる字母字形は茶色、同じ字母字形は緑色で表示した。

「みを津くし」(題箋)

  さや可尓み盈み可と
  の御事を古ゝろ尓可氣起こえ日て
  可て可能志つミたまえむ徒み春くひ
  類をせむとおほしなけき个るを
  かく可遍りたまひてハそいそ起し
  神無月御八講〔朱〕)なひ
  徒可うまつることむ可しのやうなおほ
  佐きやみをもくおハしま春うち
0001【おハしますうちにも】−病中心中
  尓徒ゐ尓この盈け多春なりな
0002【この人】−源
  やみおほし个連と見可とハの」(1オ・483@)
0003【みかと】−朱
0004【院】−桐

  ゆいこんをおもひきこえ能ゝむく
  ひありぬへくおほし个るをな越し多て
  御心ち春ゝしくなむおほし氣る
  ときおこりなやませめもさハ
  やきぬ連とおほ可多尓えな可くあ
  類ましう古ゝろほそきとのミひ
  佐しからをおほしつゝ徒ね尓めし
  ありてけんし能ハまいり世中
  ことなともへ多てなくのハせ徒ゝ本い
  のやうなれ者可多のもあいなく」(1ウ・483D)

  うれしきこと尓よろこひきこ盈氣る
  おりゐなむ能こゝろ徒可ひち可くな
0005【おりゐなむの御こゝろつかひ】−朱
  ぬる尓内侍の可見本そけ尓よ越お
0006【内侍のかみ】−おほろ
  ひなけきつるいとあハれ尓おほされ氣
  里おとゝうせ大宮もたのもしけな
0007【おとゝうせ給】−二条 明石巻
  くのミあつ日へる尓王可世残春く那
0008【あつひ給へる】−病
0009【わか世】−朱ノ心
  きち春る尓なむいといとおしう
0010【いといとおしう】−朧
  里なき佐ま尓てまりハ舞と春ら
  む無可しより尓ハおもひおとしへ連
0011【人には】−源ニハ
  とみつ可ら古ゝろさしのきなひ」(2オ・483I)
0012【みつからの】−朱

  尓御事のミなむあハれ尓おほ盈
  个流多ち満さる人又御本いありてみ多
0013【人】−源
  まふともをろ可ならぬ佐しはしも
  春らハ佐らむとおもふさ遍こくるし
  个れとてうちな女君可本ハいと
0014【うちなき給ふ】−朱
0015【女君】−朧
  あ可く尓本ひてこほる者可り能あい
  尓てもこほ連ぬるをよろつ
  徒ミわ春れてあハ連尓らう多しと御覧
  せと可みこ(+を)多たま遍るまし
  きくちおしうもある可なち起り布可き」(2ウ・484@)

  能ため尓盤い万いててむとお
0016【人】−源
  婦もくちをしや可きりあ連はたゝ
  尓てそみ多万ハむ可しな春ゑの
  こと越さへの多まハ春類尓いと者つ可し
0017【いとはつかしうも】−朧心
  うも可なしうもおほえ可多ちな
  な満め可しうきよら尓て可きりな
  御心さし能と尓そふやう尓てな
  させふ尓めて多起れと佐しも
0018【さしも】−朧ノ朱ヲ
  おも(+ひ)(#へ)らさりし氣しき者遍な
  ものおもひ志ら連たまふまゝにとて」(3オ・484E)
0019【なとて】−朱雀院ノ我心のをさなかましくてよろつを太后にまかせ給へるゆへに光君をも須磨へうつし給へしことを悔給ふ也

  王可のわ可くい者けな起尓ま可せてさる
  さ王きを佐へひきいてゝ王可
  者佐ら尓もいハ春ためさへなとお
0020【人】−源
  ほしい津る尓いとうき御身あくる
  としのき佐らき尓春宮御元服
0021【春宮】−冷泉院ノ御事也
  のあり十一尓なへとほとより
  おほき尓おとなしうきよらたゝ
  氣むしの大納言可本を布多つ尓
  うつし多むやう尓みえいと満者
  ゆきまてひ可りあひへるを世人めて」(3ウ・484J)

  多きも尓きこゆ連とはゝいみ
0022【はゝ宮】−藤つほ
  志うかたハらい多起古と尓あひな
  古ゝろを徒くしうち尓もめて多し
0023【うちにも】−朱
  とみ多てまつり世中ゆつりきこ
  盈へきなと可しうきこえ
  志らお那し廿く尓遊つ
0024【御くにゆつり】−譲国
  里のと尓ハ可那連者おほき佐き
  おほしあ者て多り可いなきさ満な可ら
  も古ゝろのと可尓らんせらるへき
  をおもふなりとそきこえくさめ」(4オ・485@)

  氣流者う尓はそ行殿能みこゐ日ぬ
0025【はうには】−東
0026【そ行殿】−鬚黒兄弟
0027【みこ】−朱雀院御子にてまします二歳
  世中あらたまりてひき可遍め可
  志きともお可り源氏大納言内大
0028【源氏大納言】−ノ
  尓なり日ぬ可春佐多まりてくつ
0029【かすさたまりて】−左右大臣外内大臣
  ろくもな可り个連者くハゝり給也个り
  や可て能まつりこと越志多+ま〔朱〕)ふ遍きな
  とさやう(+の)こと(+志けきそ(=〔墨〕)尓ハ〔朱〕)〔朱〕)多春なむとてち志の
  おとゝ(=摂政〔朱〕)したまふ遍きよしゆつり
  きこえやまひ尓よりてくらゐを可
  遍し多てまつりてしをいよ/\能」(4ウ・485E)

  徒もりそひて佐可しき事侍らしと
  氣ひき申給者春のく尓ゝもとう
  徒り世中佐多まらぬおりハ布可起
  あとを多え多る多尓もさま連流
  尓者しろ可見もはち春いて徒可遍
0030【しろかみも】−〔朱〕 商山の四皓のこと
  氣るをこ満ことのひし里尓志可れ
  やまひ尓志つみて可遍し申給个るくら
  ゐを世中かハりてま多あらためハむ
  尓佐ら尓と可あるましうおほや氣わ多く
  志さ多めら類さるためしもあり个れ者」(5オ・485J)

  春まひ者てハて大政大臣尓な
  しも六十三尓そな世中すさ
0031【六十三】−清和天皇参議後忠仁公摂政貞観八六十三
  ましき尓より可つハこもりゐ日しを
  とり可遍し者なやきへ者御子とも
  志つむやう尓も能しへるをみなう可ひ
  とり王きて宰相中将権中納言
0032【宰相中将】−摂政一男
  なり可能者ら能ひめ君十
0033【ひめ君】−コキ殿柏妹
  尓なふをうち尓満いらせむとかし
  徒き可能多可さこう多ひしもかう
0034【たかさこうたひし君】−榊ノ巻にあり紅梅の右大臣のこと也
  ふりせさせていとおもふさ満なりはら/\尓」(5ウ・486A)

  こともいとあま多徒支/\尓おひいて
  津ゝき王ゝし遣那るを源氏能おとゝ
  盤うらやみ大殿者ら能わ可きみ
0035【わかきみ】−夕霧事
  里こと尓う徒くしうて内春宮殿上
0036【殿上】−童殿上
  志多まふこひめうせ尓しなけき
0037【こひめ君】−葵上事
  をとゝさら尓阿らためてほし
0038【宮】−葵上母宮
0039【おとゝ】−同父おとゝ也
  なけくされとおハせぬなこりもゝこ能
  おとゝ能ひ可り尓よろつ($)もてなされ〔朱〕)
0040【おとゝ】−源氏
  しころお本し志つミ津るなこりな
  きまてさ可遍な越む可しに御心」(6オ・486F)

  者へ可ハら布しこと尓王多り
  志徒ゝ王可めのと堂ち佐らぬ人
  ろ能ほとまかてちらさり个る
  ハみなさるへきこと尓布連徒ゝよす可徒
  个むこと越お本しをき徒る尓さい者ひ
  おほくなりぬ遍し二条院尓もおな
0041【二条院】−紫上
  #こ〔朱〕)まちきこえ个るをあハれなる
  も能尓おほしてしころのむねあく者
  可りとおほせ中将可徒可さやう農
0042【中将なかつかさ】−女房達
  /\尓ハほと/\につけつゝさけをみえ」(6ウ・486K)

  いと満なくて本可ありきも志多満者
  春二条院日む可しなる(=古イ〔朱〕)せう
0043【ひむかしなる宮】−東院
  むなりしをくあらため徒くら
  ちるさとなとやう能くるしき/\
  春満せ舞なとおほし阿てゝ徒くろハせ
  まことや閑能あ可しにくるし氣な
  しい可尓とおほしわ春るゝ个れハ
  おほや氣わ多くしいそ可しきま起連尓
  盈おほ春まゝにもとふらひたまハさり
  氣るを三月徒い多ちの本とこのろや」(7オ・487B)
0044【三月ついたちのほと】−明石ノ上こそノ六月より懐妊也ことしの三月ハ十ケ月にあたる也

  とおほし屋類尓志連春あハれ尓
  徒可ひあり个りく可遍りまいりて十六日
  尓なむ尓てたいら可尓も能しふと
0045【女にて】−明石中宮此也
  氣きこゆめつらしきさ遍あ那
  類をおほ春尓をろ可ななとて
  む可遍て閑ゝ類ことをもせさ勢さり个む
  とくちおしうおほさる春くえう尓御子三
0046【御子三人】−冷泉院 明石中宮 夕霧左大臣
  み可ときさ起可な春なひて
  ま連たま(+ふ〔朱〕)遍し可能おとりハ大政大臣
  尓てくらゐをきハむ遍しとかむ可へ」(7ウ・487G)

  多りし佐して可なふなめりおほ可多加
  見なきくら井戸尓の本りよ越まつり古ち
  ふ遍きさ者可り閑しこ可りし
  ま多のさふ(=〔朱〕)とも能きこえあつめ多るを
  としころハ王つらハしさ尓みな本し
  氣ち徒るをたう多いの可くかな
0047【たうたい】−冷
  ぬることをことうれしとおほ春
  みつ可らもてはなへる春ちハ尓ある
  ましきとおほ春あま多のみこ多ち
  の春くれてらうたきも能尓おほし」(8オ・487L)

  多りしかと尓おほしを起て个る
  御心春くせと越可り个りうち能可く
  ておハしま春をあらハ尓の志る
  らねさう尓むのとむなしから春と
  古ゝろのうち尓おほし个りゆく春ゑ
  能あらまし古とをおほ春尓住吉
  志るへまこと尓可能尓な遍て
0048【かの人】−明石上
  すくせひ可/\しきおやもおよひな
  き越徒可ふ尓やあり氣むさる尓てハかし
  こき春ち尓なるへき能あやしき」(8ウ・488C)

  せ可い尓てむまれ多らむハいとをしうか多し
  氣なくもあるへき可那このほと春くし
  てむ可へてんとおほして日む可しの
  そき徒くら春遍支よしもよをしお
  ほせさ流は可/\しき志も
  あり可多可らむをおほして尓さ婦ら
  ひしむしのむ春め宮内卿宰相
0049【せむしのむすめ】−少将君こと
  尓てなくなり尓りしを者ゝ
  なともうせてか春可なる尓遍ける可
  可なさ満尓てこうみ多りときこしめし」(9オ・488H)

  つけ多る越志るたよりありて古との徒いて
  尓ま年ひきこえ个るめして佐るへきさ
  満尓の多まひち起るま多王可くな尓
  もな尓てあけ暮人志連ぬあ者
  ら可むるほそさなれ者ふ可うも
  おもひたとらこのあ多り能ことをひと
  遍尓めてたうおもひきこえまいるへき
  よしさせ多いとあハれ尓可つハお本し
  てい多し多のゝ徒いて尓いみし
0050【ものゝついてに】−源氏の君ノ少将の君のあハら屋に忍て出給へる也
  う志のひまきれておハしまひ多りさ者」(9ウ・488M)

  きこえ可らい可尓満しとおもひみ多れ
  个るをいと可多し氣な起尓よろつもひ
  なくさめてゝの多まハせ舞満ゝ尓
  きこ遊よろしきひなり个れ者いそ可し
  たて日てあや志うおもひやりなきやう
  なれとふさ満ことなる
  徒可らおほえぬ春まひ尓む春本ゝ連
  多りしためしをおもひよそへて志者し
  むしへなとのありやうくハしう
  多らう遍能徒可へ/\せし可者」(10オ・489D)

  みたまふおりもあ里しをい多うおとろへ
  尓个りい遍能さ満もいひしら春あ連
  まとひてさ春可尓おほきなる能こ
  多ちなうとまし氣尓い可て春くし
  徒らむとみゆ能さ満王可や可尓お可し
  个れ者御覧し者那多連春可くたハ
  ふ連日てとり可遍し徒遍きちこ
  春れい可尓とのふ尓徒氣ても氣尓
  おなしうハみち可ふも徒可うまつりな
  者うきみもくさ見なましとみ多て」(10ウ・489I)

  まつ
    か年てより遍多てぬとなハね
0051【かねてより】−源氏
  王可連盤おしき(#そ阿)り氣る志多ひや
  志なましとの多まへ者うちハらひて
0052【うちはらひて】−女房
    う地つけのわ可連をおしむかこと尓
0053【うちつけの】−明石上のめのと返し
  おもハむ可多尓志多ひやハせぬなれてき
0054【おもはむかた】−あかしのうへの事をいへり
  こゆ類をい多しとおほ春く流ま尓
0055【いたし】−痛
0056【くるまにてそ】−少将君
  その本とハゆき者なれ个るいと志多し
  きさしそ(#)もら春まし
  く可多め徒可ハ春者可し佐るへき」(11オ・490@)
0057【御はかし】−三条院皇女陽明門院御誕生ニ奉御太刀

  も能な起まてお本しやらぬく満
  なめ能ともあり可多うこまや可なる
  い多ハりのほとあさ可ら入道のお
  もひ可し徒きおもふらさ満おもひ
  やるも本ゝゑまれたまふことおほ$く〔朱〕)
  ハれ尓くるしうもゝこの御心
  可ゝるもあさ可らぬ尓こ(+尓もをろ可
  もてなふましと可へ春/\いましめ
  たまへり
    い徒し可もうち可氣むおとめこ(#可)」(11ウ・490E)
0058【いつしかも】−源し

  を遍てなつるいハ能おひさ起徒のく尓
  まて尓てれよりあな多ハむま尓
  いそきいき徒きぬ入道まちとりよろ
  こひかしこまりきこゆること可起り那し
  そ多尓むきてお可見きこえあり可多
  き御心者へをおもふ尓いよ/\い多ハしう
  おそろしきまてちこのいとゆゝし
0059【ちこ】−明石中宮
  きまてうつくしうおハ春ること多
  ひな氣尓可しこき御心尓閑し徒き(#き
0060【御心に】−少将の君の心に思へる事也
  こえむとおほし多るハむ遍なり个りとみ多」(12オ・490K)

  まつる尓あやしきみち尓いて堂ち
  ちし徒るなけきもさめ尓个り
  いとう徒くしうらふ多うおほえあつ可ひ
  きこゆこもち能をのミ
0061【こもちの君】−明石上
  日し徒みていとゝよ者れ類ち尓
  いき多らむともおほえさり徒るを
  のを起ての春こしものおもひなく
  さめらるゝにそかしらた氣て
  可ひ尓も尓な起さ満のさしを徒く春
  まいりなむといそきくるしか連者お」(12ウ・491B)

  もとも春こしきこえ徒ゝ氣て
    ひと里してるハ能ほとな起尓
0062【ひとりして】−明石上返し
  おほふ者可りの可氣をしそまつとき
  盈堂りあやしきまて御心尓かゝりゆ可し
0063【あやしきまて】−源し
  うおほさる女君尓ハこと尓あらハして
0064【女君】−紫の上
  さおさきこえハぬをきゝあハせ
  こともとおほしてさこあな
  あやしうねち氣多る王さな(#)や(+さ)も
0065【ねちけたる】−おもふやうにもなき心と聞たり
  ハせなむとふあ多り尓ハもとなくて
  もひの本可尓くちおしくな尓て」(13オ・491G)

  あな連者いとこ能し个れ多つ年志ら
  もありぬへきれとさハ盈おもひ春
  徒ましきわさなり个りよひ尓やりて
  せ多てまつら尓くミふなよとき古え
  たまへ者おもてうちあ可みてあやしう
0066【あやしう】−紫上御詞
  徒ね尓可やうなる春ち多まひ徒くる
  のほとこ王れな可らうとまし个れ
  尓くミハいつらふへき尓かとゑしたまへ者
  いとよくうちゑみてそよた可なハし尓可
0067【いとよく】−源
  あらおもハ春尓そみえふやより」(13ウ・491L)
0068【おもはすにそ】−人のおもハぬこと越おもはせて物なんしなとかけるをいふ

  本架なる日や里ことしてのゑしな
  志多まふよおもへ者かなしとて者て/\盤
  なみ多くミしころあ可春こひしと
  きこえ御心のうちともおり/\の
  ふミのかよひなお本しいつる尓ハよろ
  徒のこと春さひ尓こそあ連と日氣多れ
  このをかうまておもひやりとゝふ婦
0069【この人】−明
  ハ猶思ふやうのま多起尓き古え
  ひ可たまふへ个れ者との多まひ佐し
  て可ら能お可し可りしも可ら尓やめつ」(14オ・492C)

  らしうおほえき可しな可多りきこえ
  あハれなりしゆふへ能个ふりいひしことな
0070【ゆふへのけふり】−明石巻にての源氏の哥事也
  ま本なよ能可多ち本のみし
  ことのねなまめき多りしもすへて
  御心とま連るさ満尓の多まひい徒る尓も
0071【我ハ又なくこそ】−紫の上の心ニ思給へる事也
  ハくこそ可なしとひなけきしか
  さひ尓てもを王け个むよとたゝな
  ひ徒ゝ氣ハ王れとうちそむき
  な可めてあ者れなりしよ能さ満な
0072【あはれなりしよの】−過ニしかたのことを思いたしての給へる詞ナリ
  とり古とのやう尓うちなけきて」(14ウ・492H)

    おもふとちなひくか多尓ハあら春とも
0073【おもふとち】−紫上
  わ連そ个ふり尓さ起多ちなましなと可
0074【なにとか心うや】−源詞
  うや
    た連尓より越う見めくり
0075【たれにより】−源氏
  多ぬなみ多尓う起し徒むみそいてや
  い可て可みえ多てまつらいのちこそ可な
  可多可へいものなめれ者可な尓て
  尓を可れしとおもふもゝひとつゆへそや
0076【ひとつゆへ】−紫
  とて佐う能古とひきよせて可きあハせ
  春さひそゝの可しきこえたまへとかの」(15オ・493@)

  春くれ多り个むも多き尓やても布連
0077【すくれたりけむも】−明石上ノ箏をの給ふ心也
  ハ春いとおほと可にうつくしうたをやき
  たまへるもの可らさ春可尓志ふ年き徒き
  てのゑし志多まへる可/\あひ
  きて者ら多ちなお可しう見所
  里とおほ春五月五日尓そい可尓ハあ多るら
0078【五月五日にそ】−明石の姫君三月十六日誕生五月五日ハ五十ニあたるへし
  むとし志連須可春へゆ可しうあ者れ尓
  おほしやるな尓い可尓可ひあるさ満
  尓もてなうれし可ら満しくちをし能
  王さや佐るしもくるしきさ満尓」(15ウ・493E)

  ていてき多るよとおほ春おとこなら
  まし可者かうしも御心尓可けましきを
  か多し氣なういとをしう王可春くせ
  この御事尓つけて可多本なり个りと
0079【かたほなりけり】−おさなき時をいへり
  ほさるゝ徒可ひい多し多て可な春そ
  のひ多可へ春まかりつけとの多まへ者五日+尓イ〔朱〕、丹〔墨〕)
  いき徒きぬおほしやるありか多う
  めて多きさ満尓て満め/\しきとふら
  もあり
    う見やと起そともな可け尓ゐて」(16オ・493J)
0080【うみ松や】−源し 後浦松体
0081【かけにゐて】−入道

  な尓あやめもい可尓王くらのあく可
0082【あやめも】−五月五日なれハ
0083【いかに】−五十
0084【心の】−源文詞
  類ゝまてなむ可くてハ盈春くすましき
  をおもひ多ち日ねさりともうしろめ多き
  ハよもと可いへり入道連いのよろこひ
  な起してゐ多りかゝるおりハい氣る可ひも
0085【かひもつくり】−かひつくるハなくをいふよろこひなき也
  徒くりいて多ることハりなりとみゆこゝ尓
  もよろつろせ起まておもひまうけ多り
  个れとこのつ可ひなくハやミ能尓てこ
0086【やみの夜にてこそくれぬへかりけれ】−闇夜錦
  くれぬへ可り个れめのともこの女君のあハれ
0087【めのと】−小侍従
0088【女君】−明
  尓やうなるをか多ら尓てのなく」(16ウ・494B)

  さめ尓志氣りさ/\おとら類ひ尓
  ふ連てむ可へとりてあら春れとこよな
  おとろへ多るみや徒可遍とのい者本能
  堂つぬる可おち登満連るなとこ
  連これ盤こよなうこめきあ可連りきゝ
0089【これは】−小侍従
  ある可多りなとしてとゝの
  能御有さ満耳閑し徒可連へるお本
  えのほとも女心ち尓満可せ可起りな
  可多り徒くせ者($氣)尓可くおほしい徒者可りの
  なこりとゝめ多るみもいとた氣く屋う/\」(17オ・494G)

  おもひなり个りふミももろとも尓みて
  うち尓あハれ可うこおもひの
  めて多起春くせ者あり个れう起もの者王
  可みこあり个連とおもひ徒ゝ氣ら流連
  と・め能とのこと者い可尓なとこ満可尓とふら
0090【めのとのことはいかに】−源文詞
  ハせへるもか多しけなな尓もなくさめ
  个り御返尓盤
    可春なぬ見しま可くれ尓なく多つ
0091【かすならぬ】−明石上返し
  氣ふもい可尓とときよろつ
  へむ春ほゝ類ゝさ満を可く#たまさ〔朱〕)可能」(17ウ・494M)

  くさめ尓可けいのちのほともは可な
  なむ氣尓うしろや春くおもふへを
  王さも可なとまめや可尓きこえ多り
  うち可し見給徒ゝあハれとな可や可尓
0092【うちかへし】−源ノ
0093【なかやか】−長
  ひとりこち女君志りめ尓みをこ勢
0094【女君】−紫
  てうらよりをち尓こく農と志のひや
0095【うらよりをちに】−〔朱合点〕 御くまのゝ浦よりをちにこく舟の我をハよそにへたてつるかな(新古今1048・古今六帖1888・伊勢集380、源氏釈・奥入・異本紫明抄・紫明抄・河海抄)
  可尓ひとりこちな可めふを満ことハ閑く
  まてとり那しふよこハ多ゝ可ハ可りのあ者
  連そやころ能さ満なうち日やる時/\
  きし可多能王春れ可多起ひとりことを」(18オ・495D)

  ようこそきゝす(#く)い者年なとうら見き
  こえうハ徒ゝみ者可りを多てまつ
0096【うハつゝみ】−文ノ
  らせ(#て)なとのいとゆへ徒きてやむこ
  くるし氣なるをかゝ連はなめり
  おほ春かくこ能御心とりふほと尓
  ち流+な〔朱〕)を(#〔朱〕)連はてひぬるこい登
  をし个れおほや氣ことも志けく
  み尓おほし者ゝかる尓そ遍てもめ徒ら
0097【御み】−源
  くめおとろく古とのなきほとひし
0098【思ひしつめ】−源
  徒めめりさみ多れつ連/\なるこお」(18ウ・495I)

  ほや希わ多くしし徒可なる尓お本しおこ
  志て王多りへりよそな可らもあけ
  徒氣てよろつ尓お本しやりふらひきこ
  盈をたのミ尓て春くい給所れハいま
  め可しう尓く起さ満尓そ者ミうらみ
  ふへきなら心中や春けなり年比
  いよ/\あれまさり春こけ尓ておハ春
0099【女御の君】−麗景ー姉
  御物可多りきこえ西能徒
  まとふ可してよりへりお本ろ
  尓佐しいとゝえむなるふるまひ」(19オ・496A)

  きもせすみえいとゝ徒ゝまし个れと
  者しち可ふうちな可め氣る佐まな可ら
  のとや可尓のしふ氣ハひいとめや
  春しくひないとち可ふなき多る越
    くひな多尓おとろ可さ春ハい可尓して
0100【くひなたに】−花ちる
  あれ多るやと尓をいれましといとなつ
  しういひ氣ちへるそとり/\尓春て
  多起よ可なかゝるこ/\見もくるし
  个れとおほ春
    をしな遍て多ゝ具くひな尓おとろ可者」(19ウ・496F)
0101【をしなへて】−源し返し

  者のなるい連うしろめた
0102【うしろめたう】−源詞
  と者な越こと尓きこえへとあ多/\
0103【あた/\しき】−花ー
  志き春ちなう多可ハしき古ゝろ者へ
  尓ハあらまちすくしきこえ
  類も佐ら尓をろ可尓ハおほされさり氣り
  な可めそたのめきこえひし
0104【たのめきこえ給ひし】−源行めくりつゐニすむへき月影ノ
  おりのの多まひいてゝとて堂
  くひあらしとい見しうもの越し徒
  み个無う起み可らハおなしなけ可しさ
0105【うきみからは】−花ー
  尓こそとの多まへるもおいら可尓らう多け」(20オ・496L)

  なり連い農い徒このとの者尓可阿ら
0106【御ことのは】−源
  徒きせすそか多らひなくさめきこ盈
  可やうの徒いて尓も可能ちをお本し
0107【かの五せち】−大宰大弐娘
  王春れ春又見てし可な尓可け
  連といとか多起尓て盈ま起連ハ春
  ものおもひ多ぬをおやハ尓おも
  いふあ連とよ尓へんこと越日た$盈〔朱〕)
  多りや春きと能徒くりしてハ可やう能
  徒とへてもおもふさ満尓閑し徒きふ遍き
  いてものしハゝ佐る能うしろミ尓」(20ウ・497C)

  もとおほ春かの徒くりさ満/\
0108【かの院のつくりさま】−二条院ノ東院ノ造作の事也
  みところおほくいま〔朱〕)い満めひ多りよしある
  春らうなと越えりてあて/\尓もよをし
0109【えりて】−国守等ニ命テ造作
  いしの可むの越えおもひ者
0110【ないしのかむの君】−朧
  なちきこえハ春古り春満尓多ち可へ
  里御心者遍もあ連とハう起尓こり
  てむ可しのやう尓もあひしらへきこえ
  ハ春/\ところせ佐う/\志う世中
  本さ流ハのとや可尓お本しなりて/\(+尓)
0111【院】−朱
  つけてお可しきあそひなこ能まし氣」(21オ・497H)

  尓おハしま春女御可ういみな連いの
0112【こと】−如
  さふらへと春宮者ゝ女御のミそ
0113【女御】−承香殿
  とり多てゝめき可む
  のおほえをし氣多れ多満遍
  里しを閑くひき可遍めて多起さい者
  ひ尓て者那連いてゝ尓そひ多てまつり
0114【宮】−東宮
  へるこ能おとゝのとの井とろハむ可し
0115【このおとゝ】−源
  のし氣いさななしつ本尓春宮ハおハし
0116【しけいさ】−淑景舎
0117【なしつほ】−昭陽舎
0118【春宮】−承香殿
  ませ者ち可とりの御心よせ尓な尓
  きこえかよひてをもうしろミ堂て」(21ウ・497M)

  まつり尓う#にう〔朱〕)多う宮御くら井をまた
  あらためへきな太上天皇にな
  らへて見ふまハら院司ともりて
0119【院司とも】−判官代 △典代
  さ満こと尓い徒くしをこなくとく
  能徒ねいとなみ尓ておハしま春
  としこ尓者ゝ可りていていりもか多く
  み多てまつり者ぬなけきをいふせく
  お本し氣る尓おほ春さ満尓てまいりま可
  ていとめてた个れハおほきさ起盤・
  うきものハよなり个りとお本しなけく」(22オ・498D)

  おとゝハこと尓ふ連ていと者徒可し氣耳
0120【おとゝ】−源
  徒可まつりよせきこえ/\いとをし
  希なるをもや春可らすきこえ氣り
  兵部卿のみこしころの古ゝろ者への
0121【兵部卿のみこ】−須磨留守不問
  らくおも者春尓能きこえをのミ
  お本し者ゝ可りたまひしおとゝハ
  きもの尓お本しを起てむ可しのやう尓
  むつひきこえ者春な遍ての尓ハあ
  まねめて多起御心れとこのあ多り
0122【この御あたり】−兵
  ハ/\なさけな布しもうちませ」(22ウ・498I)

  を入道いとをしう本いな起ことに尓
  み多てまつりへり世中ゝな
  可者越王けておほきおとゝこのとゝ能
0123【おほきおとゝ】−摂政
0124【このおとゝ】−源
  まゝなり権中納言む春め
0125【御むすめ】−弘徽殿女御絵合セシ人
  の八月満いらおほち殿井多ちて
0126【殿】−ヲトゝ
  きしきないとあらま本し兵部卿宮
  能な可能さやう尓佐してかしつ
0127【なかの君】−冷ー女御紫姉也女ゑ合ニ入内
  き多可起をおとゝハより満さり
  へとしもおほさ春なむあり个るい可ゝ
  志ハ無と春ら春みよしに」(23オ・499@)

  まうてともは多しへ个連ハい可めしき
0128【まうて給】−源
  ありき尓世中ゆ春りて可む多ち免
  殿上人も/\と徒可ふまつりりしも
  かのあ可しのし古との連いのこと尓て
  う徒るをこそ古としハさはるあり
0129【さはる事】−懐妊
  て・をこ多り个るかしこまり里かさ年て
  おもひ多ち氣り尓てまうて多りきし
  に佐し徒くる本とみ連者のゝ志りてまう
  て(+の)氣ハひなき佐尓みちてい徒く
  (#)しき可む多可らをもて徒ゝ氣多りかく」(23ウ・499E)

  とを徒(#〔墨〕〔朱〕)な佐うそくをとゝのへ可多ちを
0130【とをつら】−十列ナリ
0131【さうそく】−東遊求子舞乗馬神社行幸ニ詣召具出社頭けい馬
  えらひ多りた可まうてへるそととふめれ
0132【たかまうて】−明石人
  者内大臣殿御願者多しにまうて
  を志らぬあり个りとて者可な
  の氣須・心ちよけ尓うちハら婦け尓
0133【けにあさましう】−明石心
  あさましう月日もこそあ連/\こ能
  御有さ満をはる可尓みるもほと具
  ちをしうおほゆさ春可尓可け者那連た
  てまつらぬすくせ可らかくくちおしき
  き王能多尓なけ尓て徒可う満」(24オ・499J)

  徒るをいろふし尓日多るにな尓の徒ミ布
  可き尓可けておほつ可なうおもひ
  きこえ徒ゝかゝり氣るひゝきをも志ら
  てちいて徒ら無なとおもひ徒ゝくる
  尓いと可なしうて志連須志本多れ个り
  者ら能布可みとりなる尓もみちを
  きちらし多るとみゆるう遍能きぬの
  こきう春起可春志ら六位尓も
0134【こきうすき】−紫赤依位有浅深
  ハあをいろしるくみえかの可も農
0135【あを】−麹塵
  みつ可きうら見し右近の能せうもゆけゐ」(24ウ・500A)
0136【右近のせう】−引つれてあふひかさしゝそのかミを思へハつらしかものミツカキ須磨巻

  尓なりて古と/\し氣なる春いしんくし
0137【すいしん】−小随身カチニコウ矣判官等同
  多る蔵人よしきよもお那し春け尓
0138【よしきよ】−源少納言といひし人也
0139【おなしすけ】−近尉佐
  よりこと尓もの日なき个しき尓て
  とろおとろしきあ可きぬ春可多いときよ
  氣な春へて/\ひき可へ者なや可
  尓な尓おもふらむとみえうちちり
0140【うちちりたるに】−アツマル心歟
  多る尓王可や可なる可む多ちめ殿上人
  のも/\〔朱〕)とおもひいと見むまくらな
  とまて可さりをとゝの遍み可きへるハ
  みしきも能尓ゐな可もおもへり御車」(25オ・500G)

  をはる可尓みや連者可/\やましくて
  しき可けをもえみ多てまつら
0141【かはらのおとゝの御れい】−證歟関白例アリ
  ハら能おとゝの連いをま年ひてわらハ春
0142【わらハすかた】−装束の色同所見なしと
  いしんをハり氣るいとを可しけ尓さう
  そきみつらゆひてむらさ起春そこの
  もとゆひまめ可しうた氣す可多登ゝ
0143【とゝのひ】−長徳二年八月九日御堂殿于時左大臣辞左大将同日以童六人為随身三年十月九日勅賜左右近衛府生各一人 近衛各三人為随身但停童子云々
  のひうつくしけ尓て十人さ満こと尓いま
  め可しうみゆおほとのハら能王可可きり
0144【おほとのはらのわか君】−夕霧事 殿上わらハにて供奉せられたる也
  なくかし徒き堂てゝむまそハらハの
  ほとみな徒くりあ者せてやう可へて佐う」(25ウ・500L)

  そき王け多り雲井はる可尓めて多
0145【はるかに】−人ノ行末を云
  みゆる尓つけて王可可春なぬさ満尓
0146【わか君】−明石姫君事
  てものしい見しといよ/\みやし
  ろ(+の)可多をお可見きこ遊く尓の可見まい
  里てまうけ連いの大臣とのまいり
  よりハと尓よ尓なく徒可うま徒り个む
  可しいとはしたな个連は多ちまし里可す
  ない佐ゝ可能舞に
0147【神もみいれかすまへ】−引 タムケニハツヽリノ袖モキルヘキニモミチニアケル神ヤカヘサン(古今421・素性集48、弄花抄・一葉抄・細流抄・休聞抄・紹巴抄・孟津抄・岷江入楚)
  みい連可春まへふへき尓もあら可へら
  む尓もらな氣ふハな尓者尓さ」(26オ・501C)

  志とめて者らへを多尓むとてこきわ多
  里ぬハゆめ尓も志りハすひと
0148【君】−源
  よ/\能こと越せさせまこと尓
  のよろこひへきを志つくして
  志か多の御願尓もうちそありか多起まて
  あそひのゝ志り阿可しこ連みつやう能
  のうち尓とくをあハ連耳
  めて多しとおもふあ可らさ満尓多ちい
  へる尓さふらひてきこえいて多り
    春みよし能まつこそも能ハ可那し个連」(26ウ・501H)
0149【すみよしの】−惟光

  神世のこと越可けてもへ者氣尓とおほし
  いてゝ
    あらかりしなみのまよひ尓よしの
0150【あらかりし】−けんし
  を者可氣て王春れやハ春る志るしあり
  なとの多まふもいとめて多しかのあ可しの
  こ能ひゝき尓をされて春起ぬる
  きこゆ連は志らさり个るよと阿ハ連尓
  おほ春志るへをお本しいつるもをろ
  可ならい佐ゝ可なるせうそこを多尓
  してくさめ者や/\尓おもふらむ」(27オ・501M)

  可しとおほ春みやしろ多ちたまて/\
  尓うえうを徒くし者能御者ら
0151【なにはの御はらへ】−御代始八十島祭アリ難波にて祓行
  へなゝ勢尓・よそをしう徒可まつる本りえ
0152【ほりえ】−塹(ホリエ) 仁徳天皇の御時堀れたる河也  堀江ニハ玉しかましを大君の御舟こかんとかねてしりせハ 井手左大臣(万葉4080、河海抄・休聞抄・孟津抄・岷江入楚)
  の王多りをらむしていまは多お那し
0153【いまはたおなし】−〔朱合点〕
  な尓ハなると古ゝろ尓もあらうちすし
  へるを御車のもとち可起こ連みつうけ
  ハりや志つらむさ流めしもやと連い尓
  ならひてふところ尓まう氣多る徒可みし
0154【つか】−柄
  可きふて御車ゝむる尓てたて
  まつ連りお可しとお本してゝう可見尓」(27ウ・502E)

    み越徒くしこふ類志るしに古ゝまても
0155【み越つくし】−源氏
  めくりあひ氣流盈尓ハ布可し那とて
  連者かしこの古ゝろ志連る志もして
  やり个りこまなめてうち春起ふ尓も
0156【こまなめて】−明ー心
  のミう古く尓者可りなれと(+いと)あ者れ尓可多
  志けなくおほえうちなきぬ
    か春なてな尓ハのことも可ひな起尓
0157【かすならて】−明石上返し
  なとみを徒くしおもひそめ个む堂ミ
  ゝ志ま尓みそ起徒可うまつる者らへのも
  尓つ氣ててまつる日暮か多尓なり」(28オ・502K)

  ゆふし本みち(#)きてえ能多つ
0158【入えのたつ】−〔朱合点〕 なにハかたしほみちくらし海人衣たみのゝ嶋にたつ鳴わたる(古今913・古今六帖1909、異本紫明抄・紫明抄・河海抄)
  こゑおしまぬ本とのあハれなるおり可ら
  者尓やめも徒ゝま春あひみま本しく
  さへおほさる
    氣さのむ可し尓に多る多ひころも
0159【露けさの】−けんし
  たみのゝし満農な尓ハ可くれ春みち能まゝ
0160【たみのゝしま】−古今 雨により田蓑の嶋を今日ゆけハ名にハかくれぬ物にそ有ける(古今918・拾遺集343・古今六帖465・1917・貫之集831、異本紫明抄・紫明抄・河海抄)
  尓可ひあるせうえうあそひのゝ志りへと
  御心尓ハなをかゝりておほしやるあそ
0161【あそひとも】−遊女
  とものつとひまい連る可む多ちめと
  こゆ連と王可や可尓とこのまし氣なるハ」(28ウ・503C)

  みなめとゝめへ可めりされといてやお可しき
  ことものあハれも可らこあへ个れ
  めなること越多春こしあ王きか多尓
0162【あわきかたに】−遊女を賞する事をいふナリ 浅心
  里ぬるハとゝむるたよりもなきも
  をとおほ春尓をの可越やりてよしめき
  あへるもうと満しうお本し个り閑の
0163【かの人】−明ー
  春くしきこえよろし可り个れ
  者くら多てま徒る本と尓徒氣多
0164【御てくら】−幣
  もなと可つ/\は多しける又中/\
  おもひそハりてあけくちおしきを」(29オ・503H)

  もひなけくいまや尓おハし徒くらむと
  もふ可春もへ春徒可ひありこのろの
  本と尓む可へむこと越その多まへるいとたのも
  け尓可春まへの多まふめれといさやま多
  まこき者なな可ほそ起ことや
0165【しまこきはなれ】−〔朱合点〕 今ハとて嶋こきはなれ行舟もひれふる袖をみるそかなしき うつほ(落窪物語72、河海抄・花鳥余情・弄花抄・休聞抄・花屋抄・孟津抄・岷江入楚)
  あらむとおもひ王つら婦入道佐て
  多しはな($ハ)いとうしろめ多う佐り
  とてかくうつれ春くさむをおもハむも
  /\きしか多のろよりも徒くし
  なりよろつ尓徒ゝましうおもひ多ちか多き」(29ウ・503M)

  越きこ遊満ことやか能さいかハり
0166【さい宮も】−冷泉院御位ニつき給ひて又斎宮かはり給へハ六条
  し可はみや春むの本りのち
0167【みやすむ所】−斎宮ハ御息所とゝもにのほり給ふ也
  ハらぬさ満耳な尓ふらひきこ盈
  給事ハありか多起まてさけを徒くし給
  へとむ可した尓つ連那可里し御心者への/\
0168【むかしたに】−御息
  なら名残しとおもひ者なへ連
0169【おもひはなち】−御息
  ハ王多りと春流ことハこと尓なしあな
  ち尓うこ可しきこ盈ても王可可ら
  志り可多く可くかゝ徒らハむありきな
  もおほしなり尓多れ者志井多流」(30オ・504D)

  さ満尓もおハせさいをそい可尓日な
0170【さい宮をそ】−源詞
  ぬらむとゆ可しうおもひきこえな越か
  の六条能ふるいとよく春里し徒く
0171【六条のふる宮】−京極御息所
  ろひ多り个連者みやひ可尓春見个り
0172【みやひかに】−△△(#昔)こそ△△(#難波)ゐ中といわれけ($め)今ハ宮美(ヒ)堵(ト)そな(+ハ)りにけり(万葉315、異本紫明抄・紫明抄・河海抄)
  志徒きへることふりか多くてよき女房
  とおほく春い多るのつとひところ尓てもの
  さひしきやうなれとや連るさ満尓て遍
  たまふ本と尓にハ可尓をもく王徒ら
0173【わつらひ給ひ】−御息所
  てのゝいと本そくおほされ个連者津見
  布可きとろほとり尓しへ徒るもいみし」(30ウ・504I)
0174【ところ】−〔朱合点〕「花鳥ニハつみふかきほとりと/ハカリアリ以他本可/見合し」(付箋01)

  うおほしてあま尓なり日ぬおとゝきゝ
0175【あまになり給ひぬ】−御息所
0176【おとゝきゝ給て】−源氏
  て可希/\しき春ち尓ハあらな越さる
0177【かけ/\しきすち】−心盛
  か多のも能をもきこえあハせ尓おもひ
  きこえ徒るを閑くお本しなり尓个る可く
  ちをしうおほえへ者おとろきな可らわ多
0178【わたり給へり】−源
  里へりあ可春阿ハ連なる婦らひきこ
  盈ち可きまくらかミ尓おましよそ
  ひて氣うそく尓をしかゝりて御返とき
  こえふもい多うよハりへる氣者ひ
  なれ者ぬ古ゝろさし能本とハ」(31オ・505A)

  多てまつらてやとくちおしうてい見しう
0179【いみしう】−源
  ない閑くまてもお本しとゝめ多り个るを
  もよろつ尓あハれ尓おほして斎宮
0180【斎宮】−秋
  をそきこえほそくてまり
0181【心ほそく】−御息所御詞
  むを可な春こと尓ふ連て可春まへきこ
  えみゆ徒るもなくたくひな
0182【みゆつる人もなく】−無親
  ありさ満尓なむ可ひな起みな可らいまし
  ハし世中をおもひのとむるほと盤さ満
  可うさ満尓の越おほし志るまて多て
  まつらむとこ多まへつれとてもき盈」(31ウ・505F)

  い里徒ゝな可ゝる御事くてた尓おもひ
0183【かゝる御事】−けんし御詞
  者なちきこえさ春へき尓もあらぬをまし
  てのをよ者む尓志多可ひて
  もうしろミきこえむとなんおもふふる
  佐ら尓うしろめ多くなおもひきこえ
  なときこ盈たまへ者いとか多起
0184【いとかたき事】−御息詞 難有
  こと尓うちたのむへきおやなと尓てみゆ
  徒るおや尓者な連ぬるハいとあ
  ハ連なること尓こめれましておも本し
  め可さむ丹徒氣てもあち起なきか多」(32オ・505K)

  やうちまし里を可連者む
  う多てあるおもひやりれと可氣て
  さやうのよ徒い多る春ち尓お本しよる那
  う起身を徒ミハおもひの尓て
  ものをそふるもの尓なむ个れハい可
  てさ流可多越もて者な連てみ多てまつら
  むとおもふふ類なときこえへ者あひ
0185【あひなく】−けん詞
  なくもの給可なとおほせしころ尓よろ
  つおもふし里尓るものをむ可し
  の春起名残あり可本尓のひな春も」(32ウ・506B)

  本いなくなむよしをの徒可らとハくら
0186【とは】−外
  うなりうちハおほとのあふらのほの可耳
  ものよりと本りてみゆるをしもや登
  おほしてやをらみきの本ころひよ
  里多まへ者もとなほとの本可け
  尓くしいとお可しけ尓者なや可尓そ
0187【御くし】−御息所
  てよりゐたま遍るゑ尓可起多らむさ満して
  い見しうあハれなり能日む可しおもて
  尓そひ布しへるそみやなむ可しみき
0188【みや】−秋
  能志とけなくひきやら連多るより」(33オ・506G)

  めとゝめてみとをしへ連は徒ら徒え
  徒きていともの可なしとおほい多るさ満な
  里者つ可な連といとうつくし氣なむと
  みゆくし能可ゝり多る本と閑しら徒き
  氣者ひあて尓氣多可起もの可らひちゝ可
  尓あひつきへる氣ハひ志るくみえ
  へ者もとなくゆ可しき尓さ者可り
  たまふものをとおほし可へ春いとくるしさ
  まさり可多し氣なきを者や王多ら
  とて尓かきふせち可くま」(33ウ・506M)
0189【ちかく】−源詞

  いりき多る志るし尓よろしうおほされ者
  うれしかるへきをく類しき王さ可な
  い可尓ほ佐るゝそとてのそふ个し
  きれ者いとをそ路し氣尓み多り
0190【いとをそろしけに】−御息
0191【みたり心ち】−御息詞
  ち能いと可く可起りなるおりしも王多ら
  せへるハ満こと尓あさ可ら春なむおもひ
  と越春こしもきこえさせ徒連者
  りともとたのもしくなむときこえ
  可ゝるゆいこむの津ら尓おほし
0192【かゝる御ゆいこむの】−源詞
  遣るもいとゝあ者れ尓なむのみこ多」(34オ・507D)
0193【こ院】−桐

  ちあま多ものしへと志多しくむつひ・
  おもほ春もさ/\な起をう遍のおな
  みこ多ちのうち尓可春まへきこえ(+)し可者
  さこハたのミきこえらめ春こしおと
  なしきほと尓なりぬるよ者ひな可らあつ
  可ふもな个連はさう/\しきをな登
  きこえて可へりとふらひいま春こし
0194【かへり給ぬ】−源
  多ちまさりて志者/\きこえ七八日
  ありてう勢尓个りあ盈なうおほさるゝ尓
0195【うせ給にけり】−御息所
  よもいとは可なくてもの本そくおほされて」(34ウ・507I)

  うちへもまいり者春可く能御事な登
0196【うちへも】−源
  をきてさせたのもしきこと
  尓おハせさり氣り#累〔朱〕)き斎宮徒可
  さなと徒可うまつりなれ多るそ王つ可尓
  とも佐多め氣るみつ可らも王多り
0197【御みつからも】−源
  里うそこきこえ
0198【宮に】−斎宮
  おほえてなむと女別當してきこえ
  へりきこえさせの(+〔朱〕)をきしも者
0199【きこえさせ】−源詞
  へしをいまハへたてなきさ満尓おほされ者
  うれしくなむとき古え/\めし」(35オ・508@)

  いてゝあるへきともおほせいとたの
  もし氣尓しころ能御心者遍とり可遍し
0200【御心はへ】−源
  徒へうみゆいとい可めしうのゝ/\か春も
  なう徒可うまつらせへりあ者れ尓うちな
  め津ゝさうし尓み春おろしこめてをこ
0201【御さうしにて】−源
  なハせ尓ハ徒ね尓とふらひきこえ
0202【宮には】−秋
  やう/\御心し徒まりてハみつ可ら可へ
  里なときこえ徒ゝましうおほし多れ
  とめ能となとか多し氣なしとそゝの可し
  きこゆるなり个りみそ連可起み多れあるゝ」(35ウ・508E)

  い可尓能ありさ満か春可尓な可めふら
  むとおもひやりきこえ津可ひ多て
  まつ連へり多ゝいまのい可尓御覧
  ら無
    布りみ多れひま那き尓な起
0203【ふりみたれ】−けんし
  あま可遣るらむやとそ可なしきいろ農
0204【あまかける】−天翔
0205【空いろのかみ】−薄花田
  可ミのくもらハしき尓可いへり王可き
  め尓ゝまるは可りとして徒くろひ
  へるいとめもあやな者いときこえくゝ
  志多まへとこれ可連徒て尓いとひむな」(36オ・508J)

  きとゝせめきこゆ連者にひいろの可見
0206【にひいろのかみ】−浅黄墨
  のいとかうはしうえむなる尓春見徒き
  なとま起らハして
    きえ可て尓布るそ可なしき可起くら
0207【きえかてに】−斎宮返し みそれをかくしてよめり
  王可それともおも本えぬよ尓徒ゝましけ
  なる可きさ満いとおほと可尓て春くれて
  ハあらねらうた氣尓あては可なる春ち
  尓みゆく多りしほとよりあらお本し
0208【猶あらす】−源心 有マシ
  多りしをいまハ尓可けてともかくもきこえ
  よりぬへきそ可しとおほ春尓ハ連いのひ」(36ウ・509B)

  き可遍しいとをしくこ春むと
  ろのいとうしろめ多け尓を起しをこと
0209【心をき給しを】−源
  ハりなれと世中もさやう尓おもひより
  ぬへきことなるをひき多可へ古ゝろきよく
0210【こゝろきよく】−源ノ
  てあつ可ひきこえうへのい万春こしも
0211【うへの】−冷
  のおほし志るよハひ尓な
0212【内すみ】−秋
  見せさせ多てまつりてさう/\しき尓かし
  徒きくさにこそとお本しなるいと満めや
  可尓んころ尓きこえさるへきおり/\
  ハ王多りなとしか多しけなくともむ可し」(37オ・509G)
0213【わたりなと】−源六条

  能御名残尓お本しな春らへて氣と越可ら
0214【御名残】−御息
  春もてなさせ者ゝなむ本いなるち春
  へきなときこえまへと王りなくも
0215【ものはちをしたまふ】−秋
  者ちを志多まふおくまり多さ満尓
0216【おくまりたる】−奥
  てほの可尓ゑなとき可せ多てまつら
  ハいと(+よ)尓なくめつら可なるとおほした
  連者/\もきこえ王つらひて可ゝる
  さ満(+を)うれへきこえあへりへ多う内侍
  いふ/\あるハ者な連多てまつら王可む
0217【わかむとをり】−王氏の女をいふ
  とをりなと尓て者せある/\おほ可る」(37ウ・509M)

  遍しこの志連春おもふ可多能ましらひ
  をさせ多てまつらむ尓耳おとりた
  まふまし可めりい可てさや可尓可多ちを
  てし可なとおほ春もうちとくへきおや
  尓ハあら春やあり个む王可御心も佐多め可
  た个連者可くおもふといふ尓も
  らしハ春王さなとの御事をもとり
0218【御わさ】−御息
  王きてせさせたまへ者ありか多起御心
  宮人もよろこひあへりは可なく春く類
  月日へていとゝさひしくほそき」(38オ・510D)

  のミ満さる尓佐ふら/\もやう/\
  あ(+可)連ゆきなとして志もつ可多の京極わ多
  里なれハ遣と越くてらのあひ農
  こゑ/\尓そへてもき可ち尓てそすく
  しおなしきおやときこえしな
  尓か多まもち者なれ多てまつり
  ハてならハし多てまつりひて斎宮
  尓もおやそひてく多り給事連いな起こ
0219【おやそひてくたり給事】−村上御女規子ー斎宮下時御母徽子女王下自延喜已後ナレハ無例事也
  なる越あな可ち尓いさなひきこえ
  尓可起りあるみち尓てハ多くひきこえ」(38ウ・510I)
0220【たくひきこえ給はす】−王死道ニハ秋ー

  ハすなり尓しをひるよなうお本しなけき
  多さふら婦/\た可きもいやしきも
  あま多ありされとおとゝのめ能と多ち
0221【おとゝ】−源
0222【御めのと】−秋ー
  多古ゝろ尓満可せ多るひきい多し徒(+可う)
  まつるなゝとおや可り申給へハいと者つ可し
0223【いとはつかしき】−乳母
  きありさ満尓ひんなきこしめ
0224【ひんなき】−便
  志つけられしといひおもひ津ゝ者可な
  のなさけも尓徒くら尓もかの
0225【院】−朱
  く多り大極殿い徒可しかりしき
  志起尓ゆゝしきまてみ盈可多ち」(39オ・511@)

  を王春れ可多うおほしを起个連はまいり
0226【まいり給て】−朱詞
  斎院者らからの/\ハし
0227【斎院】−女三
0228【御はらからの】−朱
  ま春多くひ尓てさふらへとみや春
0229【みやす所】−六条
  尓もきこえ佐連とやむことな
0230【されと】−故御息所詞
  /\さふらふ尓可春/\なるうしろ
  ミもなくてやとお本しつゝ見う遍ハいと
0231【うへハ】−朱
  あつしうおハしま春もおそろしう
  のおもひやくハへハんと者ゝ可り春くし
  しをいまハまして多れ可者徒可うまつら
  むと/\おもひ多るをむころ尓」(39ウ・511E)
0232【院】−朱

  尓ハおほしの多まハせ氣りおとゝきゝ
0233【おとゝ】−源
  てより个しきあらむをひきた可へ
0234【院】−朱
  よことりハむをか多し氣な
  おほ春尓ありさ満能いとらう多け
0235【人の】−秋ー
  尓者な多むハくちをしうて入道
0236【入道の宮】−藤つほ
  尓そきこ盈たまひ个る可う/\のこ
0237【かう/\のこと】−源詞
  をなむおもふへ王つら婦尓者ゝみや春む
  いとおも/\しく布可きさ満尓
  のししをあち起なき春起尓満可せ
  て佐るましきな越もな可しうきも能」(40オ・511K)

  尓おもひを可れしをなよ尓いとお
  くおもひたまふるこののうら
  能と氣春春起しをいまハとな
0238【いまハとなりて】−御息所
  ての起者尓こ能斎宮御事をなむ
0239【この斎宮】−秋ー
  のせ連し可はさもきゝをき
  のこ春ましうこそハ佐春か尓みを
  き遣めとおもひふる尓志のひか多
  うほ可多能よ尓徒氣て多くるし
  ききゝ春くされぬ王さ尓
  をい可てなき可け尓てもかのうら見王春」(40ウ・512B)

  類ハ可里とおもひふるをうち尓も佐
  こおとなひさ勢へといときな
  よハひ尓おハしま須春こし
  志るさふらハ連てよくやとおもひ
  ふるを(+さ)多め尓なときこえたまへ者い
0240【いとよう】−藤つほ御詞
  とようおほしより个流を尓もおほ
  さむ氣尓か多し氣なういとをし
  かるへ个れと閑のゆひこむをかこちて
  志ら春可本尓まいらせ多てまつりたまへ
  可しいま者多さやうの王さともお本」(41オ・512F)

  志とゝめ春をこなひ可ち尓なり
  かうきこえふ可う志もおほしと可め
  志とおもひたまふる$ら〔朱〕)者氣しき
0241【さらは】−源詞
  ありてか春まへさせハゝもよをし者
  りのことをそふる尓なしとさ満
  うさ満尓おもひたま遍のこ春
  き尓かくまてさ者可りの可まへも
  ねる尓やい可尓とこ者ゝ可り
  連なときこえたまてのち尓氣尓
  志らぬやう尓て古ゝ尓わ多し多てまつりて」(41ウ・512K)

  むとおほ春女君尓も志可な日か多
0242【女君】−紫上ニかたり給事也
  らひきこえ春くひハむ尓いとよ起
  本となるあハひならむときこ盈志ら
  たま遍者う連しきこと尓おほして
  (#)王多り能こと越いそ入道
  兵部卿姫君をい徒し可とかし
0243【姫君】−王女御紫姉
  徒きさハきふめるをおとゝのひまあ
0244【おとゝのひま】−けん与仲悪
  類い可ゝもてなしたまハむと
  くるしくおほ春権中納言む春め
0245【権中納言】−後致仕
  ハこき殿女御ときこおほとのゝこ(42オ・513B)
0246【こき殿】−テン

  尓ていとよそほしうもて閑し徒きたま
  婦う遍もよ起あそひ可多起尓おほい多り
  もおなし本と尓おハ春れは
0247【中の君】−王女御
  多てひ井なあそひのち春へきをとな
  志きうしろいとうれし可〔朱〕)へいことゝお
  本しのさる氣しききこえ徒ゝ
  おとゝのよろつ尓おほしい多らぬことな
0248【おとゝ】−源
0249【おほやけかたの】−冷
  ほや氣可多のうしろさらもい者春
  あ氣尓つけてこ満可なる御心者遍農
  いとあハれ尓みえふを多のもしきもの尓」(42ウ・513G)

  おもひきこえいとあつし具のミお者
0250【いとあつしく】−入道宮
  志ませハまいりなとしてもや春くさふ
  らひたまふこともか多きを春こしおとな
0251【おとなひ】−御門ハ十一歳秋好中宮ハ廿ニなり給ふ也
  てそひさふらハむうしろミハ閑なすある
  へき古となり个り

  イ本
  以歌為巻名源氏廿七歳ノ十月ヨリ廿八歳ノ八月マテノ
  事アリ廿七歳ハ明石ノ巻ノ末同年也」(43オ・513L)

  一校畢〔朱〕(後見返し)
  二校了〔朱〕(前遊紙1オ)